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東日本大震災記録コミュの679、被災地銀行、悩む預金急増 保険金滞留、貸し出し・運用もできず

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 東日本大震災以降、東北地方の地域金融機関で預金残高の急激な増加が続いている。被災した岩手、宮城、福島3県の地方銀行、第二地方銀行の預金残高(譲渡性預金は含まない)は8月末時点の合計で、3月末比約11%増の14兆7000億円超に膨れあがっている。被災者に支払われた多額の保険金が金融機関の預金口座に振り込まれたものの、引き出されないままになっているからだ。復興計画が遅れ、保険金を活用できない状態が続いており、地元地銀の重荷にもなりつつある。

 ◆「過去最高の残高」

 「県内に新しい中堅地銀ができたようなものだ」

 宮城県の金融機関関係者からはこんな声が漏れる。

 宮城県の地銀、七十七銀行は震災後、預金残高が8000億円超も増加した。増加分は県内の第二地銀、仙台銀行の預金残高に匹敵する。

 その仙台銀行も8月末残高は、3月末比で約14%増加。津波で甚大な被害を受けた石巻市の石巻信用金庫では「増加幅は40%以上で、過去最高の残高」だという。

 震災で被災者に支払われた生命保険の死亡保険金は10月6日現在で1361億円、地震保険は9月28日現在で1兆1531億円。地震保険の約7割は被災者の口座に振り込まれたとみられている。振り込まれた保険金は、本来、家屋や店舗の再建などに使われるはずだが、復興計画が遅れ、資金を活用できず、銀行内に滞留しているのだ。

 津波被害で浸水した地域では、建物の建築が大幅に制限されている。集落の高台移転の計画も持ち上がっているが、いつから実施されるのかみえていない。地元企業についても「高齢化や後継者不足といったもともとの課題もあり、地域の事業者の再建意欲は低下してきている」(商工組合関係者)。

 一方、銀行にとっても積み上がった預金が重荷になりつつある。

 「集まった預金を地域の再生資金として貸し出ししたいのは山々だが…」。宮城県の金融機関幹部はため息を漏らす。

 ◆資金需要は限定的

 資金需要の掘り起こしに懸命な金融機関もある。仙台銀行では、約60人の行員で「地元企業応援部」を設置。信用保証協会の保証制度を利用した融資の案内や運転資金の需要動向などを調査しているが、「前向きな反応はまだ限定的」(同行)だ。

 貸し出しに回さない預金は、債券や株式などで市場運用することも可能だが、いつ復興需要が高まるか分からないため、地銀などでは日銀の当座預金などに預け、いつでも引き出しに応じられるよう待機している状態だ。

 だが、万一の破綻(はたん)に備え、金融機関は預金残高に応じて一定の保険料を預金保険機構に支払わなければならず、預金が増えると保険料が上がり、思わぬ重荷になっている。

 預金保険料率は、普通預金で0.082%。8月以降、各行は預金の増加分についても短期債券で資金運用しはじめているが、1カ月から6カ月程度の短期債券での運用になり、金利は0.1%程度。金融機関からは「預金者への利息や経費を考えると、逆ざやになりかねない。とても運用益は望めない」との声も聞かれた。

 通常は、一定額を超える預金者には、普通預金よりも利息の高い定期預金への切り替えを推奨し、その分、銀行側は長期運用を増やすこともできる。しかし「生命保険や損害保険の保険金である以上、預金者の心情を考慮すると、そうした案内はできない」(地銀)。

 ◆引当金積む必要も

 復興の資金需要が出てくるのは「早くても12月以降」(関係者)とみられている。貸し出しが増加したとしても、今度は焦げ付きに備えて、多額の貸し倒れ引当金を積む必要が出てくる。経営基盤が脆弱(ぜいじやく)な地域金融機関は自己資本の増強も不可避だ。

 仙台銀行と筑波銀行は公的資金の注入を申請、七十七銀行も申請の検討に入った。

 被災県における預金残高の増加スピードは、10月に入りやや緩んできたようだが、福島県の東邦銀行では「原発関連の補償金などで、今後さらに増加する可能性が高い」と話すように、地域によってもばらつきがある。積み上がる預金の出口戦略を早期に策定しないと、復興の核となるべき地域金融機関が疲弊するばかりだ。

フジサンケイ ビジネスアイ 10月10日(月)8時15分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111009-00000002-fsi-bus_all

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