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東日本大震災記録コミュの598、塗って作れる太陽電池 印刷のように大量生産、カーテンや衣服でも発電へ

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 2011年4月、三菱化学は、「次世代太陽電池」として実用化が待たれている「有機薄膜太陽電池」において、世界最高値となる9.2%のエネルギー変換効率を達成したと発表した。

 同社の有機薄膜太陽電池の特徴は、印刷技術を利用して効率の高い生産ができること。これにより、近い将来、部屋の壁紙やカーテン、自動車のボディ、衣服などで太陽光発電ができるようになるかもしれない。

 「近い将来、屋根だけでなく、家の壁面や部屋の壁紙、カーテン、自動車のボディ、衣服など様々なもので太陽光発電ができるようになるだろう」

 こう語るのは、三菱化学の執行役員で、OPV(有機薄膜太陽電池)事業推進室長の星島時太郎氏だ。

エネルギー変換効率は9.2%

 福島第一原発事故を機に、自然エネルギー、とりわけ太陽光発電への期待が高まっている。このような中、2011年4月に、三菱化学は、「次世代太陽電池」として実用化が待たれている「有機薄膜太陽電池」において、世界最高値となる9.2%のエネルギー変換効率を達成したと発表した。

 「このニュースは米国の『サイエンス』誌でも紹介された。これまでの最高値だった8%台を一気に1%も向上させることができたことに、海外の研究者たちも驚きを持って受け止めてくれたようだ」。星島氏はこう語る。

 現在、家の屋根などに設置されている太陽光パネルの多くは、無機系の「結晶シリコン太陽電池」だ。高価格であるため、なかなか普及に弾みがついていない。その最大の要因は、原料に高純度シリコンを使っていることにある。しかも、日本の場合、その調達を中国からの輸入に全面的に頼っており、資源外交リスクという課題も抱えている。

 そのため、低価格で、資源外交リスクが低い原料を使う次世代太陽電池の開発が求められている。その本命として、国内外を問わず、現在、研究開発が急ピッチで進められているのが、有機系太陽電池だ。

薄くて、軽く、曲げられる

 有機系太陽電池とは、その名の通り、炭素などの有機物を材料とした太陽電池のこと。現在、「色素増感太陽電池」と「有機薄膜太陽電池」の2種類に大別できる。 三菱化学が研究開発を進めているのは、後者だ。特に、有機薄膜太陽電池は、入手しやすい原料を使っており、従来の結晶シリコン太陽電池に比べて、生産コストが低く抑えられる。その上、薄くて、軽く、曲げられるといった特徴を持つため、応用範囲が広く、様々なデザインに加工できる。

 有機系太陽電池の場合、主な原料である有機物が性能向上の鍵を握る。そのため、ここ数年、長年培ってきた素材に関する自社の知識や技術を太陽電池に応用すべく、住友化学や三井化学、東レ、東洋紡といった素材メーカーが相次いで市場に参入してきている。三菱化学もその中の1社というわけだ。

 これまで、エネルギー変換効率が5%程度と低く、製品寿命が短いのが課題だった。そこで、エネルギー変換効率と製品寿命のさらなる向上を目指し、多くの企業や研究機関がしのぎを削っているのである。このような中、三菱化学が発表したのが、「エネルギー変換効率9.2%」を達成した試作品であった。

2011年6月20日(月)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110614/220775/?rt=nocnt


 星島氏はこう語る。「エネルギー変換効率を10%にできれば、実用化に踏み切れると考えている。今回の成功により、2012年には実用化できる見通しが立った」。

 さらに、星島氏はこう加えた。「しかし、弊社の有機薄膜太陽電池の真骨頂は、エネルギー変換効率の高さではない。印刷技術が利用可能な製造方法にある」。

フィルム基板などに印刷して製造できる

 これまで、有機薄膜太陽電池の製造方法としては、「真空蒸着法」が常識とされていた。真空蒸着法の場合、大掛かりな製造装置が必要なため、生産コストがかさむ上、大面積化が難しいという欠点がある。

 それに対し、三菱化学が開発した製品の場合、フィルム基板などに印刷して簡単に製造できる。そのため、製造装置も比較的小さなもので済み、大量生産が可能になる。大面積化も容易だという。

 その結果、「部屋の壁紙やカーテンで発電する」といったことまでが、現実味を帯びてくるのだ。

 印刷技術を使った製造方法を可能にしたのが、同社が開発した有機半導体材料だ。

 有機薄膜太陽電池には、2種類の有機半導体材料が必要だ。1つは、光が当たると電子を放出する「p型有機半導体」。もう1つは、電子を受け取り、電極に伝える「n型有機半導体」だ。

 三菱化学が開発した有機薄膜太陽電池では、p型有機半導体に、「テトラベンゾポルフィリン」と呼ばれる有機物を、n型有機半導体に、「フラーレン誘導体」を用いている。フラーレン誘導体とは、炭素原子60個からなるサッカーボール状の分子であるフラーレンに、有機分子を取り付けた化合物のことだ。

「有機EL」と反対の物理現象を利用

 テトラベンゾポルフィリンは、実は、2006年に、当時、三菱ケミカルホールディングスだった三菱化学と愛媛大学理学部の小野昇名誉教授が、有機ELや電子ペーパーの駆動用薄膜トランジスタの材料として開発したものだ。半導体特性がたまたま有機薄膜太陽電池の条件に合致していたため、太陽電池への応用を開始したのだ。ちなみに、有機薄膜太陽電池は、電気を流すと光を放つ素材「有機EL」と反対の物理現象を利用している。

 その中で、三菱化学は、テトラベンゾポリフィリンが持つ2つの特性に注目した。1つが、有機溶媒には溶けないものの、その前段階の物質である「前駆体」は有機溶媒に溶けること。もう1つが、前駆体を加熱すると約180度で結晶化し、それを経てできるテトラベンゾポリフィリンの薄膜が良好な半導体特性を持ち、平面性にも優れることである。

 テトラベンゾポリフィリンの前駆体を有機溶媒に溶かしてインク化し、それをフィルム基板に塗布して加熱すれば、有機薄膜太陽電池が簡単に作れるのではないか――。

 そう考えた三菱化学の開発陣は、東京大学大学院理学系研究科の中村栄一教授らと共同で、有機薄膜太陽電池の研究開発を本格的に開始した。

 この共同研究の中で、東京大学は、テトラベンゾポルフィリンが放出する電子を効率良く受け取れるように、新たにフラーレン誘導体を開発した。

 かくして、2007年、三菱化学は東京大学と共同で、フィルム基板に、テトラベンゾポルフィリンという低分子の有機半導体材料を塗布して加熱する方法で、有機薄膜太陽電池を製造することに、世界で初めて成功した。

 この成功を受け、三菱化学は、2008年4月、有機薄膜太陽電池を同社の「7大育成事業」の1つとして位置づけた。そして、有機薄膜太陽電池の実用化に本格的に取り組むこととなった。

 2009年4月からは、東京大学大学院理学系研究科の協力の下、3カ年計画で、社会連携講座「光電変換化学講座」を開設。有機半導体材料の改良や光学設計を見直すことで、着実にエネルギー変換効率を向上させていった。そして、2011年4月、9.2%のエネルギー変換効率を達成した。

 「弊社は、有機薄膜太陽電池の高性能化へのマイルストーンとして、エネルギー変換効率を、2010年に10%、2015年に15%、2020年に20%以上にする目標を掲げてきた。ほぼ計画通り進んでいる」と、星島氏は自信を見せる。

2012年の実用化を目指す

 今後、テトラベンゾポルフィリンの製造技術をさらに向上させることで、より幅広い波長領域からの光吸収を可能にし、エネルギー変換効率を高めていく計画だ。加えて、フラーレン誘導体の改良やデバイス技術の開発、フィルム基板に有機半導体材料を塗布して加熱する「連続塗布(ロール・トゥ・ロール)製膜プロセス」による製造方法の確立、製造工場の整備などを進め、2012年の実用化を目指す。製品寿命も現時点で10年以上はあり、十分実用化に耐えると見ている。

 「また、他社に先駆けて、次世代太陽電池の市場をいち早く開拓していくことも、弊社の大きな課題だ。そのため、現在、我々はアモルファスシリコン太陽電池の製品開発にも注力している」と星島氏は語る。

 アモルファスシリコン太陽電池は、有機薄膜太陽電池と同じ薄膜型の太陽電池だ。製造ラインの一部を共用できる上、市場も共通している。そのため、三菱化学は、現在、注力しているアモルファスシリコン太陽電池の市場を、有機薄膜太陽電池の市場開拓の足がかりにしていこうと考えている。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110614/220775/?P=3

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