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東日本大震災記録コミュの600、原発がいらない「20の理由」(その3) - 鈴木耕

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原発は鎮まらない。

 それを横目に、いったいなんなのだ、この政治のありようは。

 被災者や原発そっちのけで、不信任だ否決だ、辞めろ辞めない、いつ辞めるのだ、大連立だ部分連合だ、ああだこうだ、なんじゃらかんじゃら…。権力亡者たちのバカ騒ぎ。

 あほらしやの鐘が鳴るわ。恥というものを知らないのか。

 今週も、原発、書かなければならないことは、たくさんある。政治家たちが何もしてくれないうちに、どんどん事態は進んでいく。バカ騒ぎにつき合ってはいられない。

 だから「20の理由」の(11)〜(15)。

(11)原発が「多重防護」で守られているという妄信

 福島第一原発で事故が起きたとき、国民のすべてが驚いたのは「これが"世界に冠たる"先進技術の日本原発か!?」ということだったろう。

 かつて旧ソ連のチェルノブイリ原発(現在のウクライナ共和国、チェルノブイリとはウクライナ語で植物のニガヨモギのことだという)で巨大事故が起きたとき、日本の"原発学者"や"文化人"の多くは次のように述べて、日本での原発事故の可能性を否定した。

 「あれはソ連だから起きたこと。日本の技術ではあんなことは絶対に起きない」

 「チェルノブイリ型は黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉(通称・黒鉛炉)と呼ばれるもので、原子炉の圧力容器がない。したがって事故が起きたときには原子炉破壊の可能性が高いが、日本の場合、圧力容器とその外側の格納容器が分厚い鋼鉄製であり、原子炉破壊には至らない」

 それらを含めて、原発学者や電力会社は「多重防護」とか「5重の壁」ということを盛んに宣伝してきた。では、「5重の壁」とは何か。東京電力ホームページの「電気・電力辞典」には、以下のように書かれていた。少々長いが引用する。
 原子力発電所から放射性物質を逃がさないようにいろいろな対策があります。有名なのが原子炉をすっぽりつつんだ五重の壁です。

 第1の壁はペレット。第2はペレットを密封した燃料棒(被覆管)。第3は原子炉圧力容器。第4は原子炉格納容器。第5が一番外側の建物の壁。この五つを「五重の壁」といいます。

 第1の壁のペレットは、ウラン燃料を陶磁器のように固くやきかためたもので、大部分の放射性物質はこの中に閉じ込められています。

 第2の燃料棒は、ジルコニウムという特殊な合金製の管で、ペレットの外へもれた気体の放射性物質を外へ出さないようにしています。

 第3は厚さ16センチメートルある低合金製の圧力容器です。燃料棒からのほんのわずかな放射性物質も、もらさないようになっています。

 第4の格納容器は厚さ38ミリの鋼鉄製の巨大な容器で、おもな原子炉の機器を包みこんでいます。

 最後の壁が原子炉の建物です。建物全体が厚さ1メートル以上のがんじょうなコンクリートの壁でできています。
 以上が「5重の壁」であり、日本の原発はこれらの「先進技術の塊」によって多重防護されているから絶対安全だとされてきた。電力会社や原発学者たちがよく言う「多重防護の思想」である。

 しかし、我々が事故直後に見せつけられ事態はどうだったか。「5重の壁」のあっけないほどの脆さ、手の施しようのない爆発。吹っ飛んだ「1メートル以上のがんじょうなコンクリートの壁」や、飴のようにひしゃげた無惨な鉄骨。そして、ばら撒かれる放射性物質のあまりの多さに呆然とする東電や政府関係者の狼狽ぶりだった。

 その後に、東電が見せた"対策・処置"こそが、実は原発が「先進技術の塊」などではないことの証しだった。

 ヘリコプターでの闇雲な散水、消防車や警視庁の放水車での的さえ定かではない放水、あげくの果ての土嚢積み、コンクリート流し込み、おが屑や新聞紙の投入、浴用剤使用…。

 僕は目を疑った。これらのどこが「最先進技術」なのか? ほとんど江戸時代の洪水対策ではないか。実は、日本の原発にはきちんとした事故対応マニュアルも整備されてもいなければ、事故対応技術も確立されていなかったのだ。

 これだけでも、原発を造ってはならない大きな理由になるだろう。

2011年06月15日18時21分
http://news.livedoor.com/article/detail/5636683/


(12)放射性物質放出の恐怖

 福島原発から、どれほどの放射性物質が漏れ出したのか、いまでもまったく分かっていない。というより、東京電力が出す情報が正しいかどうかに疑問符が付くからだ。

 当初、大気中へ放出された放射性物質は37万レラベクレル(テラは1兆倍)だと、原子力安全・保安院は発表していた。ところが6月6日になって、これが実は77万テラベクレルだったという解析結果をまとめたという。(注・これは朝日新聞による。しかしなぜか毎日新聞は85万テラベクレルと書いている。僕にはどちらが正しいかわからない)。

 ともあれ、膨大巨大な量が洩れたことだけは確実だ。チェルノブイリ事故をすでに超えているとの説もある。情報に信用性がないだけに、そういう説が出てくるのも頷ける。


 ただチェルノブイリと違うのは、いまなお福島原発事故は進行中だということだ。チェルノブイリ事故で放出された放射性物質は、広島の原爆の約400倍だと、IAEA(国際原子力機関)が発表している。そのチェルノブイリを超えるかもしれないのが、今回の福島原発から放出され続ける放射性物質の量なのだ。事態の深刻さが分かる。

 「チェルノブイリ事故でも、大した数の死者は出なかった」と主張する学者(?)たちもいる(これについては第46回のこのコラム参照)。評論家の勝間和代氏のように「福島の原発事故では誰も死んではいません」と、凄まじい発言をした人もいた。
 確かに、旧ソ連政府の発表では直接の事故での死者数は33人ということになっている。しかし、事故処理にあたった軍人や消防士、労働者たちに多数の死者が出たことは確認されている。だが、事故後しばらく経ってから発症したガンや白血病と被曝との因果関係を証明する手立てはなく、その数を確定することはいまだにできていない。ただ、4千人以上もの小児甲状腺ガンが急増したことは間違いない。ことに、これが子ども特有の発症だっただけに、その悲惨さには言葉を失う。

 国際ガン研究機関(IARC)は、ヨーロッパだけでも最低1万6千人のガン死者が出たと推定している。しかし、これはかなり低い推定で、ソ連の事故処理責任者ヴァシリー・レガソフは「4万人がガンで死亡する」という報告を出しているし、2004年のウクライナ保健省の発表では被曝者数は300万人超、05年にはロシア保健・社会発展相が、被曝被害者数をロシア国内で145万人と発表しているのだ。

 これらの被曝者の中から、どれだけのガンや白血病患者が出たか。さらに、他の病気との関連も確定できてはいない。そして、もっと恐ろしいのは、チェルノブイリ事故から35年経ったいまでも、ガン患者が増え続けているという事実だ。

 それは、広島長崎の原爆投下から66年経ったいまでも「放射能障害」に苦しむ人たちがいる、という現実を見れば分かるはずだ。

 繰り返すが、ガン発症者が放射線被曝によるものかどうかを、科学的に証明することは現代の医学ではまだできない。だが、放射線量の高い地域で、ガンや白血病が急増したとすれば、それを被曝との因果関係で考えるのは、当然のことではないか。

 ひとつの事故が、こんな恐ろしい災厄をもたらす。これひとつだけでも十分な「原発を造ってはならない理由」になる。

(13)「内部被曝」こそ危険

 福島県の児童たちに対する被曝放射線量の目安として、文部科学省が提示したのは「毎時3.8マイクロシーベルト以下、年間で20ミリシーベルト以下を許容限度とする」というものだった。

 文科省は4月20日付で「放射能を正しく理解するために 教育現場の皆様へ」と題する資料を教職員らに配布した。この中で、以下のような但し書きをつけて、20ミリシーベルト以下を正当化した。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に『今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1〜20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能』とする声明を出しています
 よく読んでほしい。「今回の非常事態が収束した後の一般公衆の参考レベル」と書いているではないか。いま、非常事態は収束しているか? さらに、一般公衆とは子どもたちのことか?

 大人にさえ「非常事態収束後の参考レベル」とされているものを、「非常事態継続中の子どもたち」に当てはめようとする。ほとんど犯罪的と言っていいだろう。

 当然ながら、これはお母さんたちからの猛反発を受けた。その結果、文科省は「年間1ミリシーベルトを目標とする」と、事実上の撤回に追い込まれた。だが、子どもたちはそのままだ。事態はなんら改善されたわけではない。なぜ「原発疎開」をさせないのか。

 しかも、問題点はまだある。このICRP基準自体が怪しげなのだ。

 矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授が、「朝日ジャーナル(週刊朝日緊急増刊)」の中の論文「内部被曝隠しと安全神話 原爆被害の住民切捨てを再現させてはならない」で、次のように書いている。
(略)主権在民の世の中での放射線防護は「人間の健康第一」の考え方をきちんと反映すべきです。欧州放射線リスク委員会(ECRR)の考え方は、人間の健康を基準に置いた防護であり、ドイツ等のヨーロッパで採用されています。他方、日本の採用している制度は「功利主義」であり、人間の健康第一ではありません。功利主義は発電等の利益を社会が享受するためには幾分かの犠牲はやむをえないと考えます。(略)限度値が設定されていますが、限度以下で犠牲者が出ても個人責任で我慢しなさい、と「受容を強制」するものです。

 この考えの違いは「内部被曝」の無視と直結しています。ECRRは戦後、放射線で命を落とした人の数を6500万人と推定しています。ところが、ICRP基準をもとに推定すると、117万人です。この違いは内部被曝を認めるという「現実を直視する」か、あるいは「現実を無視」して内部被曝を否定するかの違いです。

 X線検診などは検査される一人ひとりが、被爆の危険を承知して受けるものですが、原子力発電は全く違います。この受忍は一人ひとりの承諾を得ることのない「強制」です。個の尊厳を建前とする民主主義に反します。

 なお、今回の福島原発からの放射線被曝をX線検診の被曝量としばしば比較しますが、医療的利益を得ることが明白で、個々の承諾が確認できる被曝と、個々が承諾することのない、迷惑でしかない被曝を比較すること自体が不謹慎です。まやかしの「安全」を主張するのは「統治」の考え方に深く根ざしていて、現実の住民の命を最大限に防護し、犠牲を最小限にする民主主義の立場ではありません。(略)
 つまり、いまの日本でまかり通っている「基準」は、ヨーロッパでの「基準」と比較して、ほとんど60倍近い値の違いを生んでいるのだ。20ミリシーベルトという基準がどれほど非人間的なものか、よく分かるだろう。子どもたちにマスク着用での野外運動を強制するような教育行政が、正しいはずがない。

 矢ケ崎教授の論文を読めば、いかに日本の放射線防護に関する立場がおかしいか、すんなりと理解できる。ぜひ、全文を読んでほしい。

http://news.livedoor.com/article/detail/5636683/?p=2

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