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東日本大震災記録コミュの521.復興資金を手当てするため「復興連動債」を提案する 被災地も個人投資家も金融機関も政府も得をする一挙4得の案を考えた

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 消費税増税は、震災復興の財源として不適切である。もし増税するなら、税率を一気に10%引き上げるべきだ。小幅の引き上げでは、増税分を価格に転嫁することができず、つらい思いをする中小・零細企業、商店が続出する。一方、消費税率を一気に10%引き上げたら、消費不況はますます深刻化するだろう。復興は遠のく。

 従って、復興のための財源は、どうしても国債発行に頼らざるをえない。しかし、ただでさえ国債の発行規模が大きい日本で、さらに発行する国債がきちんと消化されるだろうか? 強い不安を抱く人たちが出てくる。直接、日本銀行に引き受けさせるべきだ。いや、日本銀行に直接引き受けさせてはならない。そんな論争も起きている。

 工夫がなさ過ぎる。政府お抱えの経済学者か誰かが、何か良い工夫を思いつくだろうと信じて黙っていたが、どうも想像力が足りないようだ。そこで、私も無い知恵を絞ってみた(知恵がないことを自覚し、それでも、絞り出す努力が大切だ)。例えば、次のような国債の発行はどうか。名づけて「復興連動債」である。

復興連動債は、個人向け国債の特別版

(1)10年物の個人向け国債の改良型をベースに考える。だから、発行日や利払日などは、個人向け国債に準ずる。震災復興のための、特別版の個人向け国債だと思ってもらっていい。一気に発行するのではなく、復興資金が必要な間、断続的に発行する。

(2)発行前に、震災がどの程度復興しているかを客観的に計る指標を選ぶ。それほど厳密なものでなくていい。ただし、正式に発表できる、信頼度が高い指標であることが大切だ。例えば、被災地域の人口でもいい。それが、被災地に人が戻り始め、ある人数に達したら、復興が一段落したとみなす。それまでは復興期間と見る。

 一つの指標で復興の程度を評価するのはおかしいことだ。だが、これはカネ集めのための方便だ。お許しいただきたい。……もちろん、指標の選び方も含めて、この辺りには工夫の余地がある。

(3)新規発行時には、原則として、個人だけが購入できるものとする。だから、個人向け国債の特別版なのだ。

 金利は変動金利とする。その水準は長期国債の金利(つまり長期金利)をベースに決める。ただし、個人向け国債のように長期金利から一定幅を引くのではなく、逆に、長期金利に常に一定の上乗せをする。上乗せは少しでいい。後に述べるように、中途換金が不利にならない工夫をすれば、それでも効果は十分にある。

 投資家には、すごく有利な金融商品になる。今の10年物個人向け国債は、不人気ではあるが、実はかなり有利な商品だ。金利が変動するため、インフレに強く、中途換金時にも元本が確保される。他方、一般的な長期国債は、中途換金時に元本割れが生じるリスクがある。それ以上に有利な復興連動債が、魅力的な投資商品になるのは当然だ。その上、後で述べるように、発行時に買った個人投資家が中途換金をする時には、最初に投資した元本金額より高く売れる工夫も用意した。

(4)復興連動債の償還期限は、上記(2)で定めた復興期間に連動させる。まず、満期は10年とする。これを30年でもいい。ただし、その満期に合わせて、金利を決定するための基準を選ぶ。満期10年の復興連動債なら、10年物の長期国債の金利を基準にする。

 そして、便宜的に定めた復興期間が終了したら、自動的に復興連動債を早期(繰上、期限前)償還することにしておく。復興活動に一定の成果が見られたところで、この資金を返すのだ。例えば被災地の人口がX万人に達したら、その直後に当たる復興連動債の利払日に、2つの方法で早期償還する。

2011年5月10日(火)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110506/219804/

 個人がこの復興連動債を保有している場合には、次の償還方法のいずれかで選べるようにする。満期償還する場合も同様だ。
(1)元本100%を現金で償還。
(2)復興連動債の償還日に新規発行する通常の個人向け国債――元本は同額――に換えて償還。

金融機関は元本よりも高く買う

(5)復興連動債に投資した後、それを中途換金したい人もいるだろう。個人の資産運用においては、流動性が大切だ。そこで、一度個人が買った復興連動債は、金融機関に転売してもいいことにする。その際、きちんと流通市場を作って、市場価格(中途売却の際にいくらで売れるか)を公表できるようにしておく。

 この辺りも工夫の余地がある。証券取引所できちんと取り引きできるようにすることも考えられる。その場合は、投機的な売買が心配になるが、復興連動債が暴落する心配はない。一般的な長期国債より常に有利になるように設計しているからだ。逆に、高騰する心配はある。しかし、もし高騰しそうになったら、政府がもっと発行し、もっと復興資金を集めればいい。

 新規発行の復興連動債を買い、どこかのタイミングで売り払うのであれば、個人投資家は儲かることはあっても、損はしないはずである。

 なぜか?

 金融機関などが中途売却される復興連動債を、喜んで、元本金額より高く買うからである。

 この「元本より高く買う」メカニズムを、2段階で解説する。まず、債券は、固定金利であれば市場価格が変動する。他方で、市場価格でも元本金額を維持したいなら、金利を変動させればいい。復興連動債は金利を変動させることで、市場価格が元本割れにならないように工夫してある。

 そのうえで、金利を上乗せして、発行時には個人しか買えないようにしてある。金融機関にとっては、各時点で新規に発行される一般の国債よりも、いつも有利なものとなるのだ。しかし、個人が売らないと、金融機関が復興連動債に投資することができない。だから、個人が売ろうとする復興連動債は、金融機関にとって一種のプレミアム商品であり、元本以上で買いたいものとなる。

 復興連動債は、満期を迎えるまで、長期国債より必ず有利な運用となる。金利が少し上乗せされるからだ(変動金利型だから、中途換金時に元本割れの心配がないことを考えれば、実質的にはかなりの上乗せとなる)。運用難に直面する日本の金融機関は、今でも大量に長期国債を買っている。だから、それより有利な国債となれば、元本より高い金額で買おうとする。流通市場が確立し、市場価格が公表されていれば、どの金融機関もきちんと元本金額より高く買うだろう。

(6)復興連動債の償還時期が来るまでに、政府は、税制の抜本改革や行政のスリム化をきちんとやる。そうして、復興連動債の償還に備えるべきだ。実は、現金による大量償還を避ける抜け道も考えているのだが、それは書かないことにする。

海外投資家が復興を心配するほど資金が日本に流入する

 以上が、本稿で提案する「復興連動債」の骨子である。鋭い読者なら、このやり方の長所のいくつかに気づくだろう。以下に、重要な点だけを簡単に紹介する。

 例えば、海外の金融機関が、日本の復興が長引くと予想したら、流通市場を通じてこの復興連動債を大量に買えばいい。復興連動債は、復興期間が長びくほど投資家にとって有利になる。有利な金利をもらえる期間が長くなるからだ。そして、復興期間がどの程度になりそうかの予想に応じて、復興連動債の流通価格が決まる。

 最初のうちは、日本の金融機関が予想する復興期間の長さに応じて、流通価格が決まるだろう。やがて、海外の金融機関も市場に参加する。海外の金融機関が「もっと復興期間は長くなる」と予想すれば、復興連動債の流通価格は安いことになるから、復興連動債を買い漁るだろう。彼らの予想が正しければ、やがて復興期間がもっと長くなることが分かるにつれて、復興連動債は値上がりする。海外の金融機関はこのギャンブルに勝ち、儲けを手にする。これは、海外の金融機関が日本の復興を心配するほど、海外から資金が日本に流入する仕組みだ。

 もちろん、復興連動債を購入する金融機関の予想よりも早く被災地が復興すれば、損をする金融機関も出てくる。彼らは同国債の元本より高い金額で購入しているからだ。ただし彼らは、なかなか復興しない方に賭けた金融機関だから、我々の心は痛まない。

 ……これは冗談だ。実は、復興連動債のこの性格を、金融機関はリスクヘッジに利用できる。本業における利益と復興連動債の投資成果は、基本的に逆方向に動くからだ。復興が進まなければ、金融機関は本業で利益を減らす。しかし、同国債によって利益を上げられる。早期復興となれば、同国債では損をするが、本業において予想より多くの利益を稼ぎやすい。

 そして、金融機関にとって、復興連動債を大量に販売することは、その後の買い取りも含めて、新たなビジネスチャンスになる。乗り遅れないためにも、また、復興に協力しているイメージを与えながら、新規顧客を獲得するためにも、まずは自社の窓口で復興連動債を売る努力をするだろう。後で自社に復興連動債を転売してもらうためだ。従来の個人向け国債と異なり、このように金融機関に販売意欲がわく点も、復興連動債の長所である。

個人投資家もリスクヘッジに利用できる

 投資をする個人も、リスクヘッジに利用できる。

 日本の高齢者の中には、多額の金融資産を持っている人たちがいる。彼らは有利な資産運用先を求めている。だから、「震災復興の資金を提供する」という大義名分があり、しかも資産を有利に運用できる復興連動債は、かなり魅力的な投資先となるはずだ。急に資金が必要になった時にも、原則として、元本より高く売れる。だから、高齢者が安心して投資できる。

 元本より高く売ることを狙って、高齢者がどんどん買って、どんどん売ればいい。金融機関が喜んで買うことで、民間のおカネがどんどん復興財源に回る。

 一方、個人投資家が復興連動債を保有し続ければ、復興活動が予想より長引き、不安が高まるほど、高金利の運用が続くのだから、やはりリスクヘッジになっている。

財務省は、復興期間を短くしたくなる

 政府にとってはどうか?

 財務省は、復興期間の間、高い金利を払う必要がある。だが、その一方で、一般的な長期国債の値下がり(それは同時に、長期金利の上昇でもある)を防げる。長期国債の価格と金利は、発行総額よりも追加的な発行額に影響されやすい。追加分が売れ残りそうなら、値下げするしかないが、国債でそれをやると、追加分だけでなく、すべて値下げすることになる。そう考えると、追加の発行額を異なる国債で集め、しかも、発行時の販売対象を個人に絞る効果は大きい。だから、財務省は何種類もの個人向け国債を出しているのだ。

 この効果は大きいはずだ。一般的な長期国債の金利は、民間企業がおカネを借りるときの金利にも、住宅ローン金利にも影響する。国債を増発しながらも、その金利上昇を抑制できれば、民間企業も助かる。被災者がおカネを借りるときの金利負担を軽減する効果もある。被災者の金利負担に対して政府が出す補助金も節約できるから、その分を別の補助などに回せる。

 しかも、財務省には、復興期間を短くしようとするインセンティブ(誘因)が働く。高い金利を支払い続けたくないからだ。だから、復興支援に、よりいっそう真剣に取り組むはずだ。

 また、財政改革を先送りさせない、という効果も強く働く。復興連動債の大量償還までに、税制改革などを断行しておく必要があるからだ。国民や政治家に税制改革を迫ることができるのだから、この提案を、財務省も喜んでくれそうな気がする。

 復興連動国債がベストの案かどうかは自信がない。……ウソだ。本当は、けっこう自信があるが、もっと改善できるとも思う。

 やや粗い案のまま発表した。消費税増税や国債発行についての議論が本格化したのを見て、急に頭をひねり、数時間で書き上げたものだからだ。しかし、こういった案を出し合うことが大切だと思う。他の経済学者を刺激する意味でも、この段階で発表したいと考えた。この案に触発されて、金融の専門家からいろいろなアイデアが出てくることを願う。こういう時のための、金融の専門知識ではないか。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110506/219804/?P=3

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