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東日本大震災記録コミュの96.世界は東日本大震災からの復興計画を注視、過剰な自粛ムードによる経済縮小を回避せよ《田村耕太郎のマルチ・アングル・ビジョン》

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 史上最悪の巨大地震から数日が過ぎ、世界の日本を見る目が変わってきた。日本でも報道されている通り、日本人ひとりひとりの協調性やがまん強さは相当高く評価されている。今でもアジアいや先進国含めて他地域で同程度の地震が起こっていたら死者は数十万いや数百万人にはなったともいわれている。

 しかし、世界は日本に対して厳しい視線を投げかけ始めた。それは「リーダー」に対してである。確かに国民の優秀さはあらためて高く評価され続けている。しかし、これから世界が注目するのはリーダーシップの力量である。

 リーダーの力量が試されるのは、「復興策」である。この未曽有の危機に今後国家としてどのようなプランを打ち出せるかである。
 
 阪神淡路大震災のときも復興に10年かかると言われた。しかし、神戸地区の生産活動は15カ月でほぼ震災前の水準に回復。18カ月で神戸地域のデパートすべてが再開業。地区の高速道路は21カ月で復活。港湾施設は26カ月で再開した。確かに復興はインフラだけ済めばいいわけではもちろんないが、神戸をモデルケースにして、今回の東日本大震災からも日本は素早く立ち直るだろうとの見方もある。

 ただ、取り巻く環境がまったく違うという見方もある。15年前とは日本の財政状況も日本の経済活力も国際競争力も様変わりだ。

 米国のメディアでも「神戸と違い、地震・津波・原発問題が同時に起こり、事後処理はケタ違いに困難になる。さらに日本の財政は15年前よりかなり余力をなくしている。また日本がモタモタしていたら、日本の生産力を奪うような競争相手が世界中で増えていく」と指摘するのだ。

 今回の天災を、被災地はもちろんのこと日本全体の再生振興につなげられるか、ここはまさに国が打ち出す復興計画にかかっている。
 
 「日本には地震に対するプランがあった。しかし、これだけの地震から立ち直るプランがあるかどうか」
 
 ここに世界の注目は集まりつつある。

http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/37273343d02ff0ee490375545ef8b308/

資金調達を左右する計画

 復興に必要な資金の調達も、復興計画の中身に大いに左右されるだろう。今回は膨大な金額が必要となるだろう。東日本ではいくつかの街が消滅するような被災も出ている。これを機に原子力による電力供給は細り、社会・経済生産インフラとしての電力供給体制をどうするが課題となるだろう。よって、金額が大きくなるだけでなく、計画自体が相当長期間になる可能性になる。

 この多額で長期に必要な資金は、増税・国債発行・予備費取り崩しのミックスで対応しなければならなくなるだろう。国民は復興のための負担を分かち合うだろう。しかし、今後の経済情勢により、被災者以外の国民生活も厳しくなるかもしれない。継続的に負担をお願いするなら、相当信頼され理解される復興計画が不可欠だ。

 すでにGDPの2倍以上の公的債務を抱える日本の国債市場での資金調達についても、復興計画が現実的で建設的でなければ、調達に苦しむことになろう。

 最大の問題は経済だ。すでに自粛ムードから、一部の買い占めにあっている消費財を除く消費財や飲食等のサービス産業にダメージが出始めているようだ。供給が課題の電力については省電力に貢献すべきだ。しかし、それ以外での自粛は経済を縮小させる。
 
 「景気」は「気」であり、気分が下がるようなショッキングな映像ばかりメディアで流され、経済の基盤は弱くなっていると思う。

 加えて各種学校の卒業式や入学式、スポーツイベント等も中止が相次ぎ、国民の気が盛り上がらない。今後、電力需要が増す夏場にかけて、各種のお祭りやスポーツも中止となれば、さらに気が下がる。それにつれて、自粛ムード継続・強化されるようだといよいよ経済は危なくなる。

国民にも企業にも希望を!

 経済の問題はほとんどが電力供給量の問題だ。1000万キロワット規模の電力供給力がすでに失われているが、これが早急に代替される見込みもない。逆に原発への不安や反感が高まり、操業中の原発による電力供給量に支障が出れば、さらなる混乱に拍車がかかる。

http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/37273343d02ff0ee490375545ef8b308/page/2/

 夏場の高需要期に向けて計画停電の規模は拡大されるかもしれず、これでは国民に相当なストレスがたまる。また、被災者のストレスはそれ以上だ。衣食足りても、未来が見えなければ、精神的苦痛は計り知れない。

 足りない電力を調整するために電気代が上昇する可能性も高い。そうなると企業の生産コストも上がる。長期的には、省エネや代替エネルギーの技術が進歩しそれらの課題を解決しながら新しい産業を作っていくだろう。しかし、短期では産業の空洞化を促進しかねない。電気代に加えて、消費までが縮小してしまえば、企業にとって、日本にとどまる動機はいよいよなくなる。

 大企業が、電気代高騰によるコスト増や自粛ムードによる経済縮小を嫌い、海外展開のスピードを高めるだけでなく、日本でさらなるリストラを断行するだろう。結果として、春先に内定取り消しや生産拠点の統廃合があるかもしれない。これはさらなる雇用問題に進展する。

 このような経済縮小を食い止めるためにも、一にも二にも、復興計画である。まずは、被災地の方々が希望を持てるようなものであるべきだ。地域がより豊かでより安全でより活力にあふれるものとなるように。
 
 次に日本全体の成長機会が上がるようなものであるべきだ。被災地はもとより、この震災を契機に、都市インフラ再整備から首都機能分散まで視野の広い長期のビジョンを提示し実施すべきだ。
 
 そして、復興計画は世界からの投資を引き付けるようなものにすべきだ。エネルギービジョンや税や各種規制や社会参画の機会も含めて、あらゆる制度を既成概念を取り払って、時代を先取りするものに変えていくのだ。政治や政府だけでなく、民間企業や国民の叡智を広く結集したものにすべきだ。日本人全体の力が問われている。

 世界は相変わらず、日本人個々人を評価し続けている。今度は、この世界を復興計画で驚かせようではないか。「日本人は復興のプランも持っているのだ」と。「世界が、この国の未来に賭けることは十分意義があるのだ」と。

たむら・こうたろう
米イェール大学マクミラン国際関係研究センターシニアフェロー。前参議院議員(民主党)

http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/37273343d02ff0ee490375545ef8b308/page/3/

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