陰陽師‐平安妖絵巻＠式神大図鑑コミュの【ｲﾍﾞﾝﾄ】朱刻む鬼草子～中編～：エンディング

　
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酒呑童子
「ここが新しい集落になるのか
前の集落より快適になりそうだな」

茨木童子
「そうだな
これで皆も安心して体を休められる」

金熊童子
「前鬼達が集落づくりを手伝ってくれたおかげだ」

酒呑童子
「おう、前鬼恩に着るぜ」

前鬼
「争いごとには加担できないが集落づくりなら喜んで手を貸そう」
「それに、この鬼達の争いを乗り切るには身を潜めて黙しているだけではいけないこともよく分かった」

酒呑童子
「そうか、だったら…」

前鬼
「だが、お前達と協力するかどうかは後鬼と話し合ってから決めたい
俺の一存では決められないからな」

酒呑童子
「わかった、それまで俺達も他の鬼の一族がお前の集落を襲ったりしないように見張るぜ」

前鬼
「そうしてくれるとありがたい」
「何だ、酒呑童子
お前は案外穏便に事を進められる奴だったんだな」

酒呑童子
「一言余計だっ」

茨木童子「後鬼は先日の鬼達の争いで深手を負ったと聞いたのだが…」

前鬼
「命に別条はないさ
復帰にもそう時間はかからないだろう」

前鬼達のところも大変なのに酒呑童子の集落づくりを手伝ってくれたなんて、
鬼達には人情深い面もあるようだ
彼らを知るにつれて、鬼達のことを守りたいと思うようになった
しかし…
このまま鬼達と行動を共にして良いのだろうか？

集落を少し離れたところで山の様子を調べていると…

？？？「まったく、何をしているのですか」

この声は…！

明
「大江山の鬼達の調査命令を受けたはずの貴方が鬼と仲良くしてどうするのです」
「鬼に肩入れしているところを朝廷や他の陰陽師に見られたらどうなることか…」

明！何故ここに！？

明
「貴方だけでは心配だからということで陰陽寮…」
「というよりも晴明に頼まれて様子を見に来ました」
「案の定、面倒なことに巻き込まれてますし」

これには理由があって…
鬼達の争いには『黒い勾玉』による鬼の凶暴化が関係している
勾玉の正体はまだ掴めていないが、とある子鬼にその勾玉が入り込んで暴走した時…
時満…いや、道摩法師と同じ、瘴気を感じた

明
「時満と同じ…ですか！？
そんなまさか…」

あの子鬼、カイナは助かったが、今後も同じことが鬼達に起きないとは限らない
時満のような人を増やしたくない
それに、鬼達を守りたい
鬼達は確かに気性も荒いが、非情な鬼ばかりではないし、義理や人情を持っている

明
「…貴方は変わらないですね
そういうところが人もあやかしも惹きつけるのでしょう」
「わかりました
私の方でも黒い勾玉について調べてみましょう」
「後日、またここで落ち合いましょう
それと…」
「鬼達には会ったことは言わない方がいいでしょう
混乱は避けたほうが良いです」

…？
わかった
明が言うならそうしよう

朱刻む鬼草子～中編～　完

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