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アランタ/中央オーストラリアコミュの「アボリ人」参上

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 先日、ゼミ発表の準備で細部のチェックを行っていたところ、『大和民族を中核とする世界政策の検討』に、「アボリ人」という句があって、絶句しました。

 『大和民族を中核とする世界政策の検討』は、その存在自体に驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、研究者界隈では有名な資料で、1943年に厚生大臣の命令で3000ページを超える本資料が100部だけ流通したという当時の秘密文書です。

 6巻本を見てまず凄かったのが、それが手書きで、複数の書体からなるということで、おそらく複数の人物に書き写させたのでしょうね。そこに登場するのが我等が「アボリ人」でした。

「濠洲の土着する純血統の濠洲原住民族(アボリ人)」[厚生省研究人口民族部1943:1223]

 ジャジャーン!という感じです。今ではもう笑うしかありません(転写させたせいか、この種の誤植というか誤解はこの文書には多く見られ、他にも「エリザベす時代」[同上:1528]なんて表記もありました。「○○だべす」と訛っているようで笑えました)。

 当時、いかに帝国首脳陣が本気で世界を植民地化しようとしたのかがよっく分かる資料でした。

 ちなみに私が側聞した話では、さる高名な先住民研究者がある場所に講演に出かけたところ、大段幕で、講演題目に「アボリ人」が参上しており、それが一つの切っ掛けで、日本ではオーストラリア先住民を「アボリジニ」と表記するようにフォーマットを定めた、とのことです。

コメント(1)

 いやぁ、研究を続けていると、奇妙な民族が続々と出てきます。

 「アポリジニー」[宇田1980:224]

 など。まぁ、元々、「アボリジニー」自体は英語で、オーストラリア先住民の個々の民族が最初からそんな共通意識をもっていたはずもなく、その表記も「濠洲土人」「土民」「黒人」「原住民」「アボリ人」「アボリジニー」「アボリジン」「アボリジナル」と、現在まで様々な表記があった訳ですが、「ア<ポ>リジニー」は初見でした。ジャイアント馬場さんを想起させます。

 「アルタン族」[水津1968(1964):6、9]

 これもオーストラリア先住民の言語には、破裂音に有声音(d,b,gなど)と無声音(t,p,kなど)の区別はないことから、「アランタ」「アランダ」「アルンタ」「アレンテ」など、現在まで幾つかの表記があったのですが、「アル<タン>」族までいたとはなぁ・・・。何か焼肉屋でも経営していそうな民族名です。

 いや、無味乾燥な研究に笑いを誘っていただき、誠心誠意、これらの誤植に感謝しています。

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