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ヘルベルト・ケーゲルコミュのカラヤンがクラシックを殺した

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宮下誠著 光文社新書
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%92%E6%AE%BA%E3%81%97%E3%81%9F-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%AE%AE%E4%B8%8B%E8%AA%A0/dp/4334034837

カラヤンはどうでも良いのですが、本を手に取ると
ケーゲルの事が書いてあるので買ってきました。

Legende ohen Tabu はドイツでも買えなかったし
ケーゲルについて書かれている貴重な本です。

そして、どうも頭が悪くてボキャ貧な私などには
「何となく感じていたけど、はっきりまとめられなくて言えなかった」
カラヤンの、というより資本主義と言う全体主義が
能率的に機能するために行われて来た愚民政策について
一刀両断快刀乱麻、よくぞまとめてくれました、
よくぞ言ってくれましたと言う感があります。

曰く、

「音楽的聴衆の価値観や、ものの考え方、或は、音楽を聴く余裕のある人たち
(その割合は、私たちが思っているより遥かに少ない)の、資本主義、拝金主義
現状肯定主義、クラシックを高等とする、あまりに単純で軽薄な価値観の創造に
進んで加担し、音楽の聴き手の痴呆化を後戻りのできないところまで推し進めた
カラヤンの負の遺産は未だに消えていない。
カラヤンが彼以降の人心に刻み込んだ歪んだ価値観の一元化は根の深い物だ。
 そのような物の考え方、世界の捉え方は、社会的、政治的勝者・強者と共同し、
純正な文化環境を破壊し、誠実な知性を圧殺しようとする」。


「更に別言すれば、些か極端に聞こえるかもしれないが、
カラヤンの生み出す音楽は、戦後の所謂『文明国家』の主導権を共有するか
或はその後塵を拝しながら、虎視眈々とその地位をわがものにしようと
ひたすら上を目指して勤勉に努力するか、或はまたその更に下位にあって
『小さな幸せ』に満足しなくてはならないことに不満を持ち、羨望に塗れた
視線を上に向ける人々によって形成される『集合的中産階級意識』と、
絶妙なタイミング、或は空間的位相に置いて、いわば社会構造的に出会い、
たちまちのうちに同化し、支配的な発言力を掌握することになったのだ」。

もちろん、著者はカラヤンをその様な状況の代表者と考えているのであって
「カラヤンの単独犯」とは言っていません。

しかし、Amazonのレビューにこう書いている人がいましたが

>しかし、私が読んでて思ったのは、カラヤンが聴衆を作ったんじゃなくて、聴衆がカラヤンを求めていたんじゃないかなってことです。暗い、苦しい世界に社会を背景にした救いようのない音楽と、表面的にだけでも美しくて心があらわれるような音楽があったら聴衆は後者を求めると思うからです。

カラヤンをヒットラー、聴衆を大衆、音楽を政治と置き換えると
その共通点が明らかになってくると思います。

私としては資本主義、拝金主義が政治的、経済的に行き詰まった
今日の様な状況にあってこそ、ケーゲルが再び、いや、初めて
評価されるのではないか、と期待するものであります。

コメント(4)

はじめまして。僕はこの本を読んで,はじめてケーゲルさんのことを知りました。これから,音楽を聞いてみたいと思っています。失礼しました。

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