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文化心理学コミュの単純接触効果

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今回のJapanese Psychological Researchには、Keiko Ishii (2005) Does mere exposure enhance positive evaluation, independent studies of stimulus recognition? A replication of a study in Japan and the USA.

内容は、日本人もアメリカ人も、それまでに聞いたこともないタガログ語(フィリピンの言語)を聞かされれば、聞かされるほどその言葉が好きになる。また、好きになる度合いは理解・認識と関係なくより低レベルの問題で、「単純接触」(Zajonc)の結果でありますので、文化には影響されないという結論。

面白いのは
1)文化心理学がここまで認められてきたことの証拠です。これは、はもしかしたら文化差がないということを報告して雑誌に載せられたものではないかと思う。最近までは心理学が普遍的だと思われたので、「日米の差がない」というのが当たり前で報告されることもなかった。今回、差がないことがはじめてニュースになったことは、特にリチャード・ニスベット(実はニズベット)の『木を見る西洋人 森を見る東洋人』が文化心理学を普及させたことを物語っていると思われる。
2)これまでに日本人における自己高揚が現れる数少ない現象の一つであるName Letter Effect(Uchida & Kitayama, 2002)
http://mail.hi.h.kyoto-u.ac.jp/users/cpl/uchida/
は実はただ単純接触効果かもしれないことを示唆するであろう。
3)私にとってもっとも面白いところは、アメリカ人はなぜか日本人よりもタガログ語の音声を好きになった。著者はそれがタガログ語にはスペイン語の影響があり、米人はスペイン語になれているから間接的にすでにタガログ語に接触しているという解釈をしている。
しかし、石井が使った言葉(列1と2)を見て、スペイン語に翻訳すると、(1)スペイン語がタガログ語に似ていないこと(2)スペイン語が英語に似ている場合が多いこと(3)子音母音が多いタガログ語は逆に日本人により親しみやすいことから、逆に日本人がタガログ語に対して好感を持つはずだと思われる。
Amoy Smell Olor      Nioi
Bago New Nuevo Atarashii
Hangarin Purpose Propósito Mokuteki
Inaantok Sleepy Soñoliento Nemui
Kasinungalingan Lie Mentira Uso
Kislap Sparkle Chispa Kagayaku
Lagnat Fever Fiebre Netsu
Lugar Location Localización Ichi
Maingay Noisy Ruidoso Sawagashii
Makapal Injury Lesión Kega
Mayabang Vain Inútil Unuboreteiru
Nakatakot Scary Asustadizo Kowai
Pagitan Midway Situado a mitad del camino Tochuu
Pakakataon Chance Ocasión Un

Pagsisikap Effort Esfuerzo Doryoku
一方では、日本人はアメリカ人よりも名前の文字に好感をもっている。
そこで武本流仮説:日本人は視覚的な記号に、欧米人は音声的な記号に親しみを覚えやすい。

コメント(4)

 私はこの論文をまだ読んでおりませんので、具体的なコメントを述べることができませんが、「日米差がない」ことを報告する文化心理学的研究が掲載されたということそのものが文化心理学的な視座の普及を示しているというご指摘には同感です。

 文化心理学研究が「とにかく差がある。こんなに差がある」とデモンストレーション的に研究発表を行うステージを脱し、ここから上には差があるが、ここから下にはない、と文化的影響の違い、文化の違いの及ぶ範囲を明確化・特定化するステージに入ったのかなと思います。

 文化的影響の及ぶ領域と及ばない領域を特定することは、文化が心理傾向にどのような道筋を経て影響を与えるのかについての理論としていずれ結実するのではないかと思います。今後の研究がますます楽しみです。

 ちなみに、私は著者によるタガログ音声刺激を用いた実験のプレテストを一度だけ受けたことがありますが、最も記憶に残っている単語は、KasinungalinganとPagitanです。何と言うか日本語でもありそうな語呂のものです。カシヌガリーガンだと「アヒルの父さん」とか、パギータンだと「パリ異端」とか・・・。
コタさん、レスありがとうございました。

今振り替えてみれば、この研究の頭に残るところは、「この層までは文化の影響があり、この層なら文化の影響はもうない」という、文化影響範囲論かな。

特に
「2)これまでに日本人における自己高揚が現れる数少ない現象の一つであるName Letter Effect(Uchida & Kitayama, 2002) 」
などあるいはIAT(潜在的態度テスト)の研究は普遍的な結果を得ていますが、それは
A)文化には共通性があるから
B)これらの実験は文化影響範囲外の現象をテストしているから。

ちなみに、(プレテストに参加されたら被験者の感想は)「日本語でもありそうな語呂のものです」というご印象を引用させていただきますか?論文を書いたりすることはもうないみたいですが、授業でも。
 「(数年前に受けたプレテストでタガログ語音声刺激を聞き)今でも記憶に残っている単語は『日本語でもありそうな語呂のもの』」というのは、私の個人的・主観的・素朴な感想にすぎませんが、それでもよろしいでしょうか。

 プレテストを受けたとき(大学の心理学実験準備室のような部屋で10分程度)生まれて初めてタガログ語の単語を聞きましたが(もちろん意味は全くわからなかった)、何度か繰り返し聞いているうちに、明らかに単純接触効果が生じていることが自覚できびっくりしました。

 プレテスト中に生じた単純接触効果とは別に、単語によって(つまり、それぞれの単語の主効果として)、心地よく感じる単語とそうではない単語がありました。心地よく感じた単語の代表がKasinungalinganとPagitanです。そのような単語は、音の並びやリズムが(他の単語に比べて)日本語に似ているように感じました。何故日本語に似ていると感じた単語を心地よく感じたのか考えてみると、私の最も接触している言語は日本語であり、日本語そのものに(生まれてから今日までずっと)単純接触効果が起き続けているせいなのかもしれません。

 「カシヌガリーーガン」に関しては、リズムやアクセント、イントネーションを含めて何となくユーモラスな印象を受け、すぐに気に入ってしまったような気がします。

 別の例を1つ。昔、英和辞書を見ていて「Akimbo」という単語を見かけました。私は「赤ん坊」「飽きん坊(すぐ飽きる人?)」という日本語を連想し、またその音声のユーモラスさに惹かれ、すぐにこの単語を気に入ってしまいました。
>それでもよろしいでしょうか。
いいですよ。

>地よく感じる単語とそうではない単語がありました。
あ。たぶん、英語に似ている単語もあるが、各言語に似ている単語が違うかな。。。

スクラブル
http://us.rd.yahoo.com/games/games1_5/list/lt/*http://games.yahoo.com/lt
(クロスワードパズル遊び)に使いたくなりそうなタガログとその(うそ)の定義:

Hangarin: The Hungarian alphabet, no no longer used.
Maingay: A type of bird seen in Europe in Spring.
Bago: A wharf for sloops, often in the tropics.

頑張れば全ての単語についての「うその定義」をたてることができるが、私からみればせいぜい2・3語が英語に聞こえます。これらも英語のように聞こえるというより、英語に入っている外来語に少し聞こえるもので、慣れているような音声とは思いがたいです。

そこで、アメリカ人の方が単純接触効果を示したということはまだ説明されていないような気がします。(別の説明があります)。

同じ単語を音声と字と、両方として提供して比較したいです。例えばタイ語
http://www.salika.co.jp/thai/th_word.html


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