今日、オランダのテレビで8時のニュースを見ているとまた新しくレンブラントの油絵が本物だと判定されたと言っていた。 イギリスのどこかの城の壁に長く架かっていたけれどそれが専門家の眼によって本物と判定されたということだ。 その後、テレビのトークショーでこれを真と判定したレンブラント委員会の委員 Ernst van de Wetering 氏がその詳しいことを話しているのを聴いて面白いと思ったことがあるのでここに記す。
真贋は専門家が判定するのであるけれど特に60年代に何人かの専門家でレンブラント委員会が発足し世界中の候補作品を渉猟して次々にその真贋を判定して来たけれど当時の知識、判定技術にしても今とは隔世の感があるようで、専門家たちは自分達のそれまでの知識、経験で判断することから自然と今までの作に照らし合わせ完全に本物と思われるものだけにお墨付きをつけてきた訳で、そこにはレンブラント自身だけで制作したもの、弟子と共同して製作したもの、弟子に制作させてそこにサインだけしたものもあるようで、だから世界に散らばるレンブラントのものと言われている絵画でもはっきりしていない、疑わしいものは認定していなかったそうだ。 当時のレンブラント委員会の委員が物故していく中で Ernst van de Wetering 氏は発足当時アシスタントとして初めからそれぞれの判定認定プロセスなどにも参加し、今ではその第一人者であり、このところかなりのものが本物と判定されているように、発足当時疑わしいと思われていたものの鑑定に力を注いでいる結果だそうだ。 これにしても始めて見てから8年の月日を要した調査結果が今日のニュースだということだ。