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オペラ!コミュのコストパフォーマンス最高!【藤原『リゴレット』】

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(↓以下のレビューには文中ミーハーな部分が含まれますのでご注意ください)

本日東京文化会館で観て参りました。
5000円にしてはとても良い席で、舞台に近く感じました。
東京文化会館では、どんな席でも声の聴こえ方に不満を持ったことはないのですが、やはり舞台がよく見えるのは良いものです。

この公演は神奈川県民ホールそのほかとの共同制作、ということはつまり舞台装置・演出などの共有によりコストを押さえているのでしょうから、それで、この内容でこれだけの良心的な価格が実現したのでしょう。
(舞台芸術共同制作公演の第一回パイロット事業とのこと)

藤原歌劇団による東京都芸術祭参加作品も助成が入るのでお得な公演となっていますが、さらにまた一つ、低価格で高品質のオペラが楽しめる機会が増えたことになり、イタリア・オペラファンとしてはうれしいかぎりです。
関係各位の努力にエールを贈りたいもの。

オペラ自体も十分に楽しめました。もともと聴き所が多い作品であるところに持ってきて、イタリアから来た指揮者がよかったです。リッカルド・フリッツァ、イタリア各地で実績を積み、実力を認められてメトロポリタンでも振った人とのことですが、期待どおり、ゴージャスなヴェルディを聴かせてくれました。

やっぱりベルカントから中期のヴェルディまではイタリア人じゃないとねー、あのリズムが血となり肉となっている人じゃないと……と聴いているだけで身体が弾んできそうなオケのノリの良さを、最初から最後まで楽しむことが出来ました。

といいつつオケのことはあまりわかっていないのですが、特に弦はよかったかなあ。
オーケストラをお弁当にたとえるなら金管がカラアゲ、木管が煮物、御飯が弦、と思っていますが、今日の東フィルの弦は、たとえて言えば南魚沼産コシヒカリでした。

タイトルロールのアルベルト・ガザーレ。美声で声量も十分。どちらかというと高音寄りのバリトンのようなので、陰影を表現しなければならないところは少しむずかしいのですが、(たとえばカイ・ディ・ヌオーヴォ・ディ・ブッフォン?だったでしょうか、廷臣の言葉をそのままオウム返しにするところなど、もっといやらしい声で歌うのが普通なのに、と思いました)、反面、カンタービレのところ(ピアンジ・ファンチューラ・ピアンジ)ではさすがにその美声が威力を発揮して、非常に美しく、感動しました。

二幕の終わり、アップテンポで歌うヴェンデッタ!(復讐を)のところはもっとドラマティックにやってほしかったですが、まああれだけ高音部が美しければ、低音が少々弱くても仕方がないのでしょうか。

美しい声で、しかも正しい発声で、さらに劇場全体に響き渡るような声量で歌うという、その条件を満たすだけでも大変なのに、おまけに劇的な陰影や表現まで要求されるなんて、リゴレットってほんとうに難しい役なんだと改めて思わされました。
それでも最終幕、死んでしまったジルダを抱えて嘆くところでは思わず客席でもらい泣き。

ジルダ役の高橋薫子(のぶこ)さん、去年の『ランスの旅』で女詩人コリンナを歌った方で、ハープの伴奏で詩を朗唱するところが(声も姿も)とても綺麗だったので、こんな素敵なレッジェーロの人がジルダを歌うのなら『リゴレット』もぜひ、と思ってチケットを買いました。
期待どおり、とても良かったです。

一幕の終わり「慕わしい人の名は」は、私のイメージするベルカント、銀の細い糸のような声とは少し違いましたが、美しい高音がストレスなく響き渡っていたし、なによりも可憐で清楚でした。ガザーレとのアンサンブルも最高です。
(特に一幕の二重唱がよかった)

そしてマントヴァ公爵のエマヌエーレ・ダグアンノ。
声量とインパクトにはやや欠ける声ですが、ものすごいイケメンなので許します(って私は何様?) 
遠目では谷原章介に似てました。

この役のイメージが私的にはマルセロ・アルバレスとパヴァロッティなので、どうしても頭一つぬきんでた声量を期待してしまいますが、それはなかったかわりに、非常に音程が正確で、イタリアンな発声であったことは好感が持てます。

三幕の四重唱、ジルダの声だけが目立ってしまっていたけれど、テノールにもう少しボリュームがあれば面白かったのに、とも思いますが、考えてみればこの役は(ソプラノで言えば)トスカやルルと同じで、容姿に説得力があることも重要なのですね。

パヴァロッティがいきなりどアップになるDVDで、マントヴァ公爵が「アポロかアドニスのような美青年」だという字幕が出た時はほんとうに苦しかったけれど、今日のマントヴァ公爵なら素直にうなずけると思ったのでした。

以上、ミーハーな感想でまことに恐縮なのですが、いろいろな意味で総合的にとても楽しめた公演でしたので、トピックを立てさせていただきました。

なお本日のキャストであと一回、6/3(日)神奈川県民ホールでの公演があるとのことです。

コメント(3)

藤原『リゴレット』↓こちらのコミュでもツリーが伸びています。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=18766751&comment_count=10&comm_id=9240
たしかに、ガザーレのリゴレット、せむs……もとい「フィジカルに挑戦された」人(政治的に正しい表現)には見えませんでした。

(この公演の場合、異形性はメイクで表現していたのかもしれません)

「マクベス」初演の時、主演のソプラノは美しい声だが、この役は美しい声で歌われるべきではない、というようなことをヴェルディは言ったと聞いてますが、なんとまあ無理ばかり言う作曲家なのだろうかと(笑)
でも、それがヴェルディの魅力でもあるのですよね。

録画でチューリヒ歌劇場の『マクベス』を観た時、マクベス夫妻がほかのキャストとは歌い方自体を変えることにより、「悪」が表現されていたのを聴いて驚いたことがあります。ああ、これがヴェルディの望んだことなのだなと。

ライブではまだ、ヴェルディがイメージしたであろうリゴレットを観る機会には恵まれませんが、いつかきっと「声」と「表現」が揃ったこの役を観る日が来るだろうと思えばまた一つ、生きていく楽しみが増えたというものです。

(ライブでオペラを観るようになったのは最近のことですので……ヌッチのリゴレットを御覧になったとはうらやましいかぎりです)

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