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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレアリ】『月光ノ仮面』[2012年1月14日公開]

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●Introduction
 バラエティ番組の人気タレントとしてお茶の間の人気者であるとともに、俳優として、さらに映画監督としても『板尾創路の脱獄王』でデビューを果たすなど、多才さを発揮する板尾創路が監督、脚本、主演を務めたこの長編映画第2作は、古典落語“粗忽長屋”がモチーフ。「戦死したと伝えられていた男の正体は元人気落語家だった」という設定で、戦争によって傷つき記憶まで失くした男と、その恋人、かつての戦友が織りなす一風変わった物語だ。特殊メイクを施し、顔面を包帯で巻いたホラー映画のキャラクターのような主人公の奇抜な容貌など、随所に板尾ワールドちりばめられている。そんな他人の追随を許さない独特の世界観に浸りたい一作だ。

 「板尾創路の脱獄王」で監督デビューを果たした板尾創路が監督・脚本・主演を務める第2弾。古典落語“粗忽長屋”をモチーフに、記憶を失くした落語家とその恋人の運命を描く。共演は「ステキな金縛り」の浅野忠信、「漫才ギャング」の石原さとみ、「さらば愛しの大統領」の前田吟、「さや侍」の國村隼、「十三人の刺客」の六角精児。

 敗戦の痛手から日本が立ち直り始めた昭和22年の満月の夜。とある活気ある町並みに、ボロボロの軍服に身を包み、顔中に包帯を巻いた男(板尾創路)がやって来る。男は客の笑い声に導かれるように寄席小屋へと足を踏み入れ、何とそのまま高座に上がってしまう。どうやら男の正体は、落語家・森乃家うさぎらしい。真打ち目前まで行き、将来を嘱望された人気若手落語家だったが、戦争に召集され戦死したと思われていた。彼の突然の帰還を歓喜して受け入れる森乃家一門・天楽師匠(前田吟)の娘、弥生(石原さとみ)。将来有望なうさぎと結婚の契りを交わしたかつての恋人である。ところが男はすべての記憶を失くしていた。かつてうさぎが使っていた部屋に住み森乃家一門としての生活を始めたものの、男の口からは何も語られない。だが、自分が書き残したという帳面を受け取った時、不意に十八番だった古典落語“粗忽長屋”を呪文のようにつぶやき始める。まもなく、男は森乃家小鮭という新たな芸名で高座に復帰。客も拍手もまばらだったが、やがてその個性的な芸風が人気を集めていった。そんな折、もう一人の男・岡本太郎(浅野忠信)が戦場から帰ってくる。その姿を見て、激しく動揺する弥生。戦地から舞い戻ったふたりの男。ひとりの女。闇夜に輝く月。彼らの数奇な運命のゆくえはいかに……。
[2012年1月14日公開]

コメント(1)

 板尾監督の作品の特徴は、主人公の得体のなさ。予測不可能な奇行をケレン味たっぷりに描きます。前作は、それなりに面白かったものの、本作はやり過ぎというかラストはハチャメチャで、完全に破綻していました。
 自分の作風に拘るあまり、既成概念をぶちこわそうと毎回チャレンジしているのはいいのですが、ストーリーそのものまでぶっこわして、訳のわからなさを演出しようしするのは観客無視もいいところです。すべて監督の思い付きと自己満足の世界に尽きます。

 物語は、古典落語『粗忽長屋』にヒントを得て、勘違いが織りなすコミカルな展開を狙ったものでした。原典では、ハチという粗忽者がしっかり描かれるから、行き倒れが自分であるという八の真剣な説明を聞いているうち、やがて自分が死亡していたのだと考えるに至るという熊公のボケぶりに真実味が出ます。

 けれども本作の主人公となる森乃家うさぎにすり替わった男の場合、勘違いの度合いが過ぎていると思います。きっかけは高座に上がろうとした男の持っていたお守りを見て婚約者の弥生が勝手にうさぎが帰ってきたと喜々として叫んだので一門の全員が勘違いしてしまうのですね。確かに戦争によって傷つき記憶まで失くしたことと、顔面を包帯で巻いたことで、男の正体が本人も分からないというカモフラージュが為されては居ます。けれども、傷が癒えて包帯がとれても男は、うさぎになりすましたままで誰も疑おうとしません。一番ヘンなのが弥生が男に抱かれても、違和感を感じないことです、イチモツの大きさまで同じだったのでしょうか(^^ゞ
 この勘違い、戦地から本物のうざぎが帰還しても続くのです。いくら記憶と声をなくしているからといっても、一門の人間や婚約者なら分かるものでしょう。

 落語の一門が舞台となるだけに、落語映画の一面も持ってはいる作品ですが、何しろ男が素人だけに、 高座に上がっても“粗忽長屋”を呪文のようにつぶやくだけで、全然盛り上がりません。古典落語をまくらに使っているのなら、もっと原典に敬意と愛着を込めて板尾監督は接するべきでした。

 こんな展開だから、ラストは終わり方に困って、高座から一門や観客を突然機関銃で殺してしまうという訳の分からない終わり方。もっと粋な終わり方を考えて欲しかったです。

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