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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『BRAVE HEARTS 海猿』 [2012年7月13日公開]

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●Introduction
 伊藤英明(「アンダルシア 女神の報復」)主演で海上保安庁の潜水士たちの活躍を描いた大ヒット海洋アクション劇場版第4弾。特殊救難隊に配属された仙崎たちが、火災事故によって東京湾沖に着水した旅客機の救助に挑む。共演はNHK大河ドラマ『平清盛』の加藤あい、「天地明察」の佐藤隆太。監督は「ワイルド7」の羽住英一郎。

 世界最大級の天然ガスプラント“レガリア”爆発事故から2年。仙崎大輔(伊藤英明)は自ら志願し、海難救助のエキスパートであり最も危険な事案に従事する“特殊救難隊”で、後輩の吉岡(佐藤隆太)と共に海難救助の最前線にいた。嶋副隊長(伊原剛志)の指導の下、日々苛烈な任務をこなしながらも、充実した日々が過ぎてゆく。大輔の妻・環菜(加藤あい)は2人目の子どもを身籠り、吉岡にはキャビンアテンダントの美香(仲里依紗)という恋人が出来ていた。そんなある日、羽田空港に向けて飛行中のジャンボ旅客機のエンジンが炎上する事故が発生。飛行困難な状況に陥った旅客機の救助方法が検討される中で、総合対策室の下川救難課長(時任三郎)は、夕闇が迫り視界が悪くなる状況にもかかわらず、前代未聞の東京湾への着水を提案する。しかし、海上着水に成功したとしてもジャンボが浮いていられる時間はわずか20分。機体が沈む前に乗客乗員346名全員を助け出す事が出来るのか!?さらに、その飛行機には美香も乗務していた。特救隊や現場に駆け付けた第5管区の服部(三浦翔平)、警察、消防、現場周辺の関係機関を巻き込んだ空前の大救出計画。日本中が固唾を飲んでその行方を見守る中、旅客機の村松機長(平山浩行)は東京湾着水に向けて降下を開始する……。その先には、予想もしない事態が仙崎たちを待ち受けていた……。
[2012年7月13日公開]

コメント(2)

 海上保安庁の主要艦船が勢揃いし、実写とCGを巧みに織り交ぜた圧倒的なパニック描写に前作を上回るスケール感を感じました。平行して語られるヒューマンドラマと共にシリーズではベストではないかと思います。

 とはいえ、40歳を迎えた仙崎の設定に、現役のままでシリーズを引っ張っていく限界が近づきつつあります。主演の伊藤英明も前作で本当にファイナルのつもりでいたのです。 決して前田有一氏が「終わる終わる詐欺」とこき下ろすようなあざとさから復活したのでなく、熱心なファンからの嘆願が実って、リスクを覚悟の上で本作に望んだものだと思います。
 リスクは、現役引退年齢に達した仙崎の設定ばかりではありません。ファイナルを超えてプラス一作を敢えて製作するからには、前作を超えるスケールの事故を想定しなければいけないという宿命も背負っていたのでした。
 さらに毎回仙崎が閉じ込めらたまま沈んでしまうというクライシスの描き方も、何度も同じパターンを使うと、またか同じかと飽きられてしまうことも本作にはつきまとったはずです。いかにクライマックスの救出シーンに変化をつけるのか。この辺の新機軸もファイナルを超えにのしかかる大きな課題だったと考えられます。

 それらの全てのリスクを全てクリアできたとまでは評価できませんが、マンネリになりがちなシリーズものに、果敢に変化を撮り込んだ点は多いに評価したいと思います。

 現役を続行するのにあたり、本作のトップを飾ったのは、仙崎の年齢を感じさせない腹筋を鍛えるシーンから。仙崎とともに年齢を重ねた伊藤英明の本作にかける凄みが伝わってくる映像です。これがあるからこそ、仙崎が東北管区の隊長職という名誉をなげうって、海上保安庁の最精鋭であり一番ハードな任務を担う特殊救難隊に合格したという設定も頷けます。そこには仙崎のバディである吉岡も同時に合格して、特殊救難隊の同僚となっていたのでした。
 疑問なのは、ずっとバディだった二人がじゃれ合いすぎること。特殊救難隊の副隊長の嶋は、不謹慎だと二人を戒めます。今までの救助活動とは、危険度が比べものにならないくらい高い特殊救難隊の隊員となったからには、いくらバディだといっても隊員としての自覚が軽すぎるという点で、嶋の指摘が当たっていると思いました。
 加えて仙崎の救助に対する熱意は当然かもしれませんが、無謀な救助活動のために、いつも仙崎自身が要救助者となってしまい、仲間を危険にさらしたことも嶋は責めるのです。実際の救助活動では殆どが遺体捜索になってしまうのが現実なんだそうです。そういう点でも、仙崎の自己満足的な救助劇が、嶋が言うように「海猿」シリーズのリアルティを損ねていたと言えなくもありません。
 それでも仙崎は、仙崎らしく行動して、嶋に身を以て自分の信念の間違っていなかったことを立証してみせるのです。すなわち本作を連作していくからには、あまた多くのワンパターンという批判を、仙崎イズムの力業で突破していく覚悟が、羽住監督や製作スタッフたちにみなぎっていたということ。

 今回精鋭が集まる特殊救難隊のメンバーになった仙崎が直面するのは飛行機事故。操縦困難になったジャンボ機が羽田沖への着水を試みるシーンの予告編段階では、CG臭く、まるでおもちゃの国の出来事に感じられるほどでした。ところが本編では、完璧に実写とシームレスにつなぎこみ、CGで作られた映像部分を意識させない迫力満天な映像に仕上がっていました。日本映画としては、ハイレベルと言っていい仕上がりなのです。こういう映像を見せられると、仙崎らしいワンパターンな救出バカぶりも気にならなくなります。ましてや、機体が沈むまでの僅か20分間で、346人の乗員乗客を助けなければならないというミッションは、今までになかった空前絶後の救出劇です。そして仙崎ならずとも、海上保安庁の隊員である限り、全員の救出が使命であることに変わりはありません。
 その困難な条件に諦めず信念を貫こうとする変わらない仙崎の姿が、やはり本シリーズを貫く魅力だと思います。だから最後には絶対助かる話になっていると予想しつつも、自分と同じように子供が生まれる機長の救出に、危険を顧みず機内に浸水する水と格闘する仙崎の姿には、やはり感動させられてしまいます。
 そして今回の隠し玉はクライマックスの救出劇が、仙崎から吉岡にバトンタッチされたことです。吉岡が恋人のキャビンアテンダントにプロポーズするものの断られるという伏線を前半用意して、よもや安っぽい恋愛ドラマに発展するのかと危惧しました。
 ところが、恋人が事故機の乗務員として搭乗して、遭難。圧倒的なパニック描写のなかで交わされるお互いの本当の気持ち。そして恋人がなぜ結婚を拒否したのかというトラウマの存在が劇的に明かされて、見応え充分でした。
 そして今回決定的なピンチを迎えたのは、恋人の生還と引き替えに体を張った吉岡だったのです。酸素ボンベも持たずに沈む尾翼部とともに運命を共にしてしまう吉岡。今度ばかりは覚悟を決めて、吉岡の遺体引き取りのため深海へ向かう仙崎たち隊員。
 果たしてあり得ないはずの吉岡に奇蹟は起こし得るのかどうかということころが、何ともワイルドだぜぇ?と言いたくなる結末でした。

 エンドロールには、メイキング映像がたっぷり。伊藤と佐藤の関係は、劇中の仙崎と吉岡同様に本当に仲がよくて微笑ましいんですね。他の出演者とも和気藹々。こんな暖かくて結束したチームワークに浸ってしまうと、伊藤も体力の続く限り仙崎を演じ続けたいという次作への意欲が湧いてくるのだろうと思えました。
 まぁ、次作があるとしたら、設定はもっと厳しくなるでしょうね。

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