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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『クーリエ 過去を運ぶ男』[2012年7月7日公開]

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●Introduction
居場所すらわからない謎の受け取り人への荷物を託された運び屋が次々と事件に巻き込まれるサスペンス・アクション。行く先々で人が死ぬ場面に遭遇する運び屋の、その先に待ち受ける衝撃の真相を描く。『パラダイス・ナウ』でパレスチナ映画初のアカデミー賞外国語映画賞ノミネートを果たしたハニ・アブ・アサドがメガホンを取り、『ウォッチメン』でコメディアンを演じたジェフリー・ディーン・モーガンと『レスラー』のミッキー・ロークが出演。観客を引き込むサスペンス要素と、巧妙に伏線が張り巡らされたストーリー展開に夢中になる。

どんな荷物であろうと必ず指定場所へ時間通りに届けるすご腕の運び屋クーリエ(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、鍵のかかったかばんを行方不明のイーヴル・シヴルという男に60時間以内に届けるよう依頼される。クーリエはイーヴルの居所のヒントを求めて人を訪ね歩くが、会う相手が次々と死亡。警察に勾留されたクーリエだったが、何者かがクーリエを釈放させ……。
[2012年7月7日公開]

コメント(1)

 「クーリエ」とは「運び人」という意味。主人公のクーリエと名乗る男は、配達するカバンについて何も聞かず届けるという凄腕の運び人でした。
 運び人というとすぐ思い立つのは、小地蔵も好きな『トランスポーター』シリーズを連想することでしょう。しかし、アサド監督からみたらステイサムが演じる主人公はとにかく完璧で強すぎるのだそうです。確かにいわれてみれば、ごもっともなお話で、どんなピンチにも安心してみていられるところは確かにあったと感じました。
 その点本作のクーリエは、華麗なカーアクションをするのでもなく、格闘や銃撃もそこそこで、いつも差し向けられた殺し屋に間一髪の差で辛勝している程度なんですね。ステイサムが見せる圧倒的なアクションは、大変魅力的なんですが、このクーリエもそれを控えめに抑えることで、等身大のヒーローとしてリアルティを感じさせてくれました。そのぶんサスペンスとしての緊迫感は高まっていたと思います。

 本作のもう一つの魅力は、全編を包む謎です。何と言っても配達先が正体不明のイーグル・シビルに、妙に高圧的な男からクーリエはカバンを届けることを強要されます。イーグル・シビルは、生死すら定かでなく、誰も顔すら知らない人物。ただ人々は、イーグルの関わった人物は、全て殺されたと口々に恐怖を語るレジェンドと化した人物だったのです。
 僅かな手がかりを頼りに、イーグルのことを知っているマックスウェルという人物に接近しようとするクーリエでしたが、行く先々で手がかりのとなるキイマンが殺されてしまいます。それでも徐々に真相に近づいていくクーリエ。彼にとってイーグルを探す旅は、記憶を失った自らの過去を探す旅だったのです。
 単なる謎解きでなく、あっと驚く結末に結びつく主人公の秘密を明かにしていく展開。きっと見終わったとき、余りの意外さに唖然となることでしょう。

 さらに本作には主人公の行動に限られた時間でのタイムリミットが強いられる設定が加味されます。居所も不確かなイーグルを60時間以内見つけないと、クーリエの友人の一家を皆殺しにすると脅迫され、仕方なく仕事を引き受けるというものです。そんなタイムリミットが、スピーディな展開と絶妙なタイミングでインサートされる主人公の過去へのフラッシュバックと相まって、スリル感を煽り立てるのです。そのためラストシーンまで画面に釘付けとなりました。ただ筋を読めきれなかった腹いせに★一つ落としてあります(^^ゞ
 まぁ、本格派のサスペンスとしてアサド監督の才気迸るところは強く感じましたね。

 面白いのはイーグル・シビルという名前。これってスペルを逆に読むと、エルビス・プレスリーなんです。手がかりとなるマックスウェルを追って、ラスベガスへとんだクーリエが偶然鏡に写ったイーグルの文字をみて、ハッとなるのです。そしてそぐそばではエルビスのそっくりさんがショーをやっていました。このそっくりさん、やはり訳ありの人物だったのです。でもそっくりさんがイーグルだなんて、そんな安直な伏線ではありませんでした。
 ひと言いえるのは、このそっくりさんを演じているのが何とミッキー・ロークだったのです。全然気がつかないほどの濃いメーク。この役柄は、かつて70年代にロークが出演していたアクション・スリラーへのリスペクトなのでしょうか。当時を知るファンならきっと受ける乗りでしょう。カメオ出演ながら、圧倒的存在感でした。そんなわけで、このそっくりさん、やっぱり訳ありだったんです。

 本作のルックを決定づけたのは、クーリエを演じたジェフリー・ディーン・モーガンの男臭い魅力に尽きます。その個性は、ハビエル・バルデムより渋め。その寡黙な演技は、イーストウッドやマックイーンを彷彿されるものを感じました。
 モーガンの渋い演技は、もっとメジャーな企画でも通用しそうです。サスペンスやハードボイルドで、もっと活躍を見てみたいと贔屓したくなりました。
 けれどもモーガンだけでは渋すぎて、重くなりすぎます。そんな寡黙な主人公をサポートし、こころに負った傷を癒すのがアナの存在。
 アナ役のジョン・ホーは中国系のアメリカ人で、東洋系のコケテッシュな顔つきが魅力的。アナの活躍でストーリーに現実味が出たほか、クーリエとの一夜の関係は、重くなりがちな展開に華をもたらしました。

 とにかく、予想もできない最後の驚愕の展開。ええっ〜(@_@)それはないだろうと憤慨し、★一つ減点してしまった大人げない小地蔵の気持ちを分かってやってくださ〜い!

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