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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『幕末太陽傳 デジタル修復版』 [ 2011年12月23日公開 ]

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●Introduction
川島雄三監督の代表作としてのみならず、映画史上に燦然と輝く傑作。古典落語の「居残り佐平次」に材を取り、幕末の騒乱の中を軽快に泳ぐ佐平次というお調子者で狡猾なひとりの男を描いたコメディが、日活100周年としてデジタル修復を施されリバイバル公開される。川島監督の真骨頂であるリズミカルでスピーディな展開、そして観る者を一瞬たりとも飽きさせないメリハリの利いた演出をぜひ堪能してほしい。石原裕次郎、南田洋子、左幸子、芦川いずみら、日本映画黄金期の日活オールスター・キャストの中にあって、主人公・佐平次を軽快に演じたフランキー堺の演技も素晴らしく、その流れるような無駄のない動きは芸術的だ。

明治維新間近の幕末の品川を舞台に、無一文ながら大尽遊びを繰り広げて居座る男を描いた川島雄三監督の代表作。日活創立100周年を記念してのデジタル修復版。脚本は田中啓一、今村昌平、川島監督。撮影は高村倉太郎。出演はフランキー堺、南田洋子、石原裕次郎ほか。2011年10月にニューヨーク映画祭でワールドプレミア上映された。

頃は幕末−−ここ品川宿の遊女屋相模屋に登楼したのは佐平次の一行。さんざ遊んだ挙句に懐は無一文。怒った楼主伝兵衛は佐平次を行燈部屋に追払った。ところがこの男黙って居残りをする代物ではない。いつの間にやら玄関へ飛び出して番頭みたいな仕事を始めたが、その要領のよいこと。売れっ妓こはるの部屋に入浸って勘定がたまる一方の攘夷の志士高杉晋作たちから、そのカタをとって来たり、親子して同じこはるに通い続けたのがばれての親子喧嘩もうまく納めるといった具合。しかもその度に御祝儀を頂戴して懐を温める抜け目のない佐平次であった。この図々しい居残りが数日続くうちに、仕立物まで上手にする彼の器用さは、女郎こはるとおそめをいかれさせてしまった。かくて佐平次は二人の女からロ説かれる仕儀となった。ところが佐平次はこんな二人に目もくれずに大奮闘。女中おひさにほれた相模屋の太陽息子徳三郎は、おひさとの仲の橋渡しを佐平次に頼んだ。佐平次はこれを手数料十両で引受けた。あくまでちゃっかりしている佐平次は、こはるの部屋の高杉らに着目。彼らが御殿山英国公使館の焼打ちを謀っていることを知ると、御殿山工事場に出入りしている大工に異人館の地図を作らせ、これを高杉らに渡してまたまた儲けた。その上焼打ちの舟に、徳三郎とおひさを便乗させることも忘れなかった。その夜、御殿山に火が上った。この事件のすきに、ここらが引上げ時としこたま儲けた佐平次は旅支度。そこへこはるの客杢兵衛大尽が、こはるがいないと大騒ぎ。佐平次は、こはるは急死したと誤魔化してその場を繕い、翌朝早く旅支度して表に出ると、こはいかに杢兵衛が待ち構えていてこはるの墓に案内しろという。これも居残り稼業最後の稼ぎと、彼は杢兵衛から祝儀をもらうと、近くの墓地でいいかげんの石塔をこはるの墓と教えた。杢兵衛一心に拝んでいたが、ふと顔をあげるとこれが子供の戒名。欺されたと真赤になって怒る大尽を尻目に、佐平次は振分けかついで東海道の松並木を韋駄天走りに駈け去って行った。
[ 2011年12月23日公開 ]

コメント(2)

 タイトルからすると幕末の維新ものと早合点するひとも多いと思います。確かに高杉晋作ら攘夷派の志士たちは登場するもの、あくまで脇役。主人公は無一文ながら大尽遊びを繰り広げて居座る、幇間みたいな男なんです。その男がお代の代わりに居残り奉公に努める顛末を描いたのが本作。あらすじにあるとおり、遊女屋に居残った佐平次の巧みな交渉術で、あれよあれよと客も、店の番頭たちや遊女を丸め込んでしまうところが圧巻です。 その立て板に水を流したようにまくし立てる江戸弁が、粋なんですねぇ。
 元々は古典落語の名作から採った話なんですが、大看板の師匠にも負けない流暢さで丸め込んでしまう佐平次を、軽快に演じたフランキー堺の演技が何と言っても素晴らしかったです。
 現代の作品と比べて、大掛かりなアクションなど皆無ですが、遊郭を丸ごと作り込んだセットはなかなか規模がでかく、佐平次の動きを生き生きと捉えていました。そしてリズミカルでスピーディな展開は決して現代作品に引けを取っていないと思います。
 それと石原裕次郎、南田洋子、左幸子、芦川いずみら、日本映画黄金期の日活オールスター・キャストがずらりと出演していると、邦画全盛期のもつ独特のパワー感も見せつけられました。それぞれのキャストの存在感がとにかく凄いのです。台詞がないシーンでも。

 小地蔵がストーリーで注目したのは、佐平次の心意気。恐らく結核と診断されて、老い先短い命と診断された佐平次は、それを悲観しないばかりか、どうせなら短くぱぁ〜と散らしてやるかと、遊郭でお大尽になってしまうなんて、なんてポジティブな発想なんでしょう。
 死ぬと分かっているから、佐平次にとって恐いものなしだったのです。その割り切り方が、腹の据わった交渉術を生み出したようです。

 最後に軽快にトンズラする佐平次の姿を見ていると、なんだか細かいことで人生を悩むなんて、馬鹿馬鹿しく思えてきました。ほんと、ケセラセラですよ(^。^)

 デジタル復刻版では、プリントと音声は、まるでニュープリントのように美しく復刻されていました。映像技術の進歩を感じさせる復刻版です。
観ました。カチンコ
今は亡き出演者の若き日々の映像もすばらしかった。
映画の醍醐味を味わいました。

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