ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『完全なる報復』[ 2011年1月22日公開 ]

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
●Introduction
 かつて独立宣言が採択され、合衆国誕生の地と呼ばれる北米の都市フィラデルフィア。幸せな毎日を過ごしていたクライド(ジェラルド・バトラー)の眼前で妻子が無残な手口で殺された。犯人は逮捕されるが、上昇志向が強く、有罪率のアップを狙う担当検事ニック(ジェイミー・フォックス)の独断によって司法取引が行われ、犯人は極刑を免れる。 10年後。本来の罪から逃れ、短い刑期を終えていた犯人が惨殺される。クライドは自分が殺したことを認め、家族を貶めた司法制度の不備と整備を訴える。そしてそれが出来なければ、裁判に関わった全ての人間の命はないと殺害を予告するのだった。クライドは収監されるが、妻子を殺した犯人の弁護士、裁判を担当した判事が次々に暗殺。ニックは、死にゆく仲間のためにも懸命に食い止めようとするが、共謀者の有無、独房からの凶行の謎さえ解けないでいた。その間にもクライドの正義の名の下に行われる復讐は続き、フィラデルフィア全体を恐怖へと陥れていく……。

 かつて独立宣言が採択され、合衆国誕生の地と呼ばれる都市フィラデルフィアを舞台に、復讐のために法を破る男と検事として法を守る男、この互いが持つ“正義”のぶつかり合いを先の読めないストーリー展開と圧倒的な緊迫感で描く。監督は『交渉人』のF・ゲイリー・グレイ。脚本は『ソルト』を手掛けたカート・ウィマー。司法にも裏切られて復讐に燃える男・クライドを、『オペラ座の怪人』『300<スリーハンドレッド>』のジェラルド・バトラーが演じる。また『Ray/レイ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスが、上昇志向の強い検事・ニックを演じる。(作品資料より)
[ 2011年1月22日公開 ]

コメント(1)

 最近見た作品では、一番の傑作でした。
 まずは、バトラーとフォックスのお互いの「正義」が相克する、火花を散らすかのようなシリアスな演技に魅入られました。特にバトラーの妻子を殺されたばかりか、ジョークとしか思え得ない司法取引で主犯を減刑してしまう主人公のクラウドの怒りの演技たるや、凄まじいのひと言。単なる怒りだけでなく、いろんな感情が入り交じったクラウドの思いを見事に表現していて、その演じ方に感動しました。最近のバトラーは、色男やアクションスターに思われがちですが、まだイギリスローカルで活躍していた頃の作品『Dr.フランク』を見たときの演技に感心したものです。性格俳優としても第一級のものを持っている俳優だと贔屓にしております。
 あの演技があるからこそ、クラウドが直接の犯人への報復だけでなく、裁判に関わったもの全員を次々処刑していく、『完全なる報復』へ突き進んでいったことへの説得力が生まれたといって、過言ではありません。

 次に、先の見えない報復方法が、これまた前代未聞、予測不可能な展開です。例えば「プリズンブレイク」のマイケルだって、クラウド同様に自ら刑務所に飛び込むわけですが、それは死刑囚となった兄を救出するためであって、誰かに報復するためにわざわざ自由が奪われる刑務所に収監されるようなことは、しないでしょう。
 ところがクラウドは独房に監禁されながらも、次々家族を殺した犯人を減刑してしまった裁判当時に関わった弁護士や裁判官を殺していくのです。
 担当検事ニックは、共犯者が外部にいるものと確信して、割り出しに躍起になりますが、一向に共犯者の線が上がってきません。
 僅かな手かがりから、復讐のからくりがネタバレされたとき、ニックだけでなく、見ている小地蔵もドキモを抜かれました。ここまでやるかぁ〜という驚愕の仕掛けだったのです。
 一つヒントをいうと、クラウドは遠隔殺人のスペシャリストだったのです。顧客は諜報機関。一流のスパイが暗殺を諦めた事例でも、穴蔵に籠もった相手を仕留めるのに、様々な仕掛けを遠隔操作して、確実に仕留めるスペシャリストでした。本作でも、その一端が紹介されます。

 そして、さりげなくアメリカの司法制度の問題点を告発する作品でした。それは、検事が有罪率を上げるために、安易な司法取引に応じてしまっていること。ニックに至っては96%という異常な高率でした。ニックは本件でも確実有罪を勝ち取るために、独断で実際にクラウドの妻子に手をかけたダービーに司法取引を持ちかけて、共犯者のエイムスに不利な証言をさせて、死刑に追い込みます。
 証言の見返りとして、ダービーはなんと僅か3年で刑期を終えてしまうのです。実際にダービーが妻子を殺すところを見ていたクラウドは納得できません。そりゃあそうでしょう。
 クラウドが食い下がっても、物的証拠がないとニックに突き放されて、裁判はダービーの狙い通りの判決で終わってしまいます。
 まるっきり反省のないダービーが、居並ぶマスコミの前で、ニックに握手を求めたとき苦虫を噛み潰したような表情をニックが浮かべるのが印象的でした。
 10年後、クラウドの復讐が始まったとき、次々に物的証拠のない犯行を繰り返し、自白をニックは求めます。それに対してクラウドは、独房でのふかふかのベッドや豪華なディナーなど、刑務所ではあり得ないような特別待遇を求めるのです。
 それは10年前にニックが行った安易な司法取引を深く考え直させるクラウドの「復讐」だったのです。
 『24』シリーズでお馴染みの司法取引ですが、本作を見終わって、検察の成績アップに安直に使われてしまうのは、問題があるなと思いました。

 ところで基本は報復劇だけに、結構スプラッターな血しぶきがまうシーンがあるので、弱い方は気をつけられたほうがいいです。
 クラウドがダービーを拉致して、五体を切り刻むところでは、『ソウ』シリーズみたいにそのものズバリはなかったものの、その一歩手前のところまでは、凄惨なシーンが続きます。画像表現は、残酷シーンが押さえられていますが、台詞はかなり過激でした。

 ニックvsクラウドの戦いは、最後のニックの機転が見物です。最後の最後まで目が離せません。ドラマの結末は是非劇場で目撃して下さい。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

映画レビューアーフォーラム 更新情報

映画レビューアーフォーラムのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。