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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『クレイジーズ』 [ 2010年11月13日公開 ]

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●Introduction
 細菌兵器を乗せた軍用機が、ある小さな町の川に墜落した。漏れ出したウィルスにより水を飲んだ人々は次々と凶暴化、平和な町はパニックに陥る。軍は事件を秘密裏に処理するため、住民を隔離し始める。保安官デヴィッドの妻も感染者とみなされ隔離されてしまった。彼は妻を助け出し、同僚のラッセルと共に町を離れようと決意する。潜伏期間は48時間。元は友人なのに凶暴化して襲いかかってくる感染者、大量の武器で町全体の焼却を迫る軍隊。果たして彼らは、この “狙われた町”から脱出できるのか…?

 『ゾンビ』の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた『ザ・クレイジーズ』を基に製作されたパニック・ホラー。細菌兵器の影響で凶暴化した住民が互いを襲い始めた町を舞台に、感染者の恐怖と、感染封じ込めのため町ごと焼却しようとする軍隊の狂気を描く。『ダイ・ハード4.0』のティモシー・オリファント、『サロゲート』のラダ・ミッチェルらが出演。監督を『サハラ死の砂漠を脱出せよ』のブレック・アイズナーが務め、オリジナル版監督のロメロも製作総指揮に名を連ねている。
[ 2010年11月13日公開 ]

コメント(1)

 73年に公開されたオリジナルが、『バイオハザード』などの感染パニック作品の原点であり、今なお高く評価されている作品です。オリジナルに最新のCG技術を投入して、さらにスケールアップを図ったのが本作です。
 定点に閉じ込められることが多いスリラーものに比べて、本作は感染領域に指定された街からの脱出というロードムービーになっていて、彼らを追いたてる存在は、感染者だけでなく、本来登場人物を救うべき米軍までもというところが特色となっています。
 実は軍の目的は、感染症の対応ではなかったのです。軍の機密として密かに開発された細菌兵器であり、搭載した飛行機の墜落によって、感染症が広がったため、証拠隠滅のため感染症の広がった街ぐるみを焦土とする作戦を実行していたのでした。
 米軍の情け容赦のなさは残酷無比でして、感染指定地域の住民を見つけると、感染の有無もなく、銃撃や爆破攻撃を加えて、遺体を火炎放射器で焼き尽くすのです。
 軍隊が街全体を包囲するという壮大なスケールの設定で、迫力充分でした。それにしても原爆まで落としてしまうとは、そこまでやるのかと思いました。

 感染源の元々は飲み水からでした。しかし、細菌時代の感染経路は空気感染のようなのです。そのため、普通のゾンビ映画のように噛みつかれることで感染するのに比べて、いつ誰が感染するのか解らないという恐怖が全編を包みます。感染すると、なぜか殺人鬼に性格が変異してしまい、そばにいる人間を襲うように凶暴化するのが、この感染症の特徴です。そのため汚染された街からの脱出を目指す主人公の保安官デヴィッドたちは、およそ3分に1度は、感染者に襲われるという恐怖を味わっていたのです。演出で優れているのは、襲っている感染者はいつも少数なのです。数は少ないけれど、無言で忍び寄ってくる様には、ぞぞぉ〜とさせられます。神出鬼没で執拗な攻撃に否が応でもアドレナリンがドピュドピュと刺激されました。
 こうしてみると、『バイオハザード』のように、ゾンビがうじゃうじゃ襲ってくるのはそんなに怖さを感じさせないものだなと思いました。だって、姿が丸見えなんですもん。本作のように、何もなかったはずのところに、ふと振り返るとヌメぇ〜と感染者が、夜陰に紛れて独り立ち尽くしているところの方が余程怖いものです。本作を見ると『バイオハザード』のネタが尽きてしまっていることを実感されることでしょう。

 演出面でも、大胆にスピーディーな展開がよかったと思います。最初に2名程度感染者を登場させて、一気に軍隊が街を囲ってしまうシーンを前半早めに置いているのです。よくあるゾンビや怪物がいるのかいないのか、チマチマと登場人物たちが議論するシーンをかっ飛ばし、脱出シーンに絞り込んだため、テーマが明確になったと感じられました。
 それと、逃亡する主人公たちを襲う、様々なダメージや絶望的な設定は徹底しています。車で逃亡しても、軍事衛星で発見されて、即ミサイルを打ち込まれてしまうのです。こんな危機的状況をどうかいくぐったのかが、気になるでしょ(^。^)細菌兵器に詳しい研究者を主人公たちが捕まえて、解毒方法を聞き出そうとしても、あっさり衝動的に殺してしまうのですから、ホント救いようのないお話しでした。

 保安官デヴィッド夫妻は、無事逃げおおせるのか。でもね、ラストで何気なく、デヴィッドの奥さんは医師のくせに、感染した可能性のあるペットボトルの水を飲んでいるのです。その先は描かれなかったのですが、きっとこの奥さんがきっかけで、まだまだ先のパニックが起こりえるようですね。

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