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千載和歌集コミュの修理太夫顕季の歌  その2

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修理太夫顕季の歌  その2



   五月やみ狭山が峯にともす火は
     雲の絶え間の星かとぞ見る  (夏歌 195 修理太夫顕季)

「五月闇の暗い夜、狭山の峰でともされる火串の火は、雲の絶え間の星なのかとみえる」(イベリコ)
 

「五月闇」:梅雨のころ、雨が降り続いて夜の暗いこと。あるいは昼の暗いのもいう。
「狭山が峯」:武蔵国の歌枕
「ともし」: 照射、 夏山の夜の鹿狩りで、松明をともして鹿を寄せて射ること。また、そのあかり。 山中の鹿の通り道に火串(ほぐし)と呼ぶ篝火をともし、その明かりで鹿の目が光る。そこを射るやりかたが古代おこなわれていた。


 千載和歌集の夏歌の部には「ともし」の歌が七首続く。この歌はその二番目の歌である。


 この歌は顕季が猟師の立場で詠んだものであれば、想像のものである。狭山が峯を選択した理由は明らかに、言葉の調子を整えることにあったのだろう。 「satukiyami」と「sayamagamine」は心地よく響きあう。猟師であれば、火串の火が星にみえるようには思えない。また、鹿と猟師の生死をかけた戦いに夏の星空を想像するのは随分とのんびりした調子である。


「六条修理大夫集」には、この歌の後に次の歌が続く。
   久方の天(あま)も見えぬ五月雨に
     水隈(みくま)が菅(すげ)を刈り干しかねつ

 「水隈が菅」とは技巧に過ぎるといえるのではないか。 五月闇の歌に同様の臭いを感じる。

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