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千載和歌集コミュの公人の歌 その2

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公人の歌にはその2


有国大弐になりて下りける時、よみ侍りける

別れよりまさりてをしき命かな
君にふたたび逢はむと思へば (離別歌 477 前大納言公人)

「君との惜別のつらさはもちろんだが、それよりもまさって惜しく思われる我が命であるよ。君に再び生きて逢おうと思うから」(松野・片野)

有国大弐とは藤原有国(943-1101)のことで、長徳元年(995)十月十八日太宰大弐(太宰府次官)に任じられた。そして翌年八月七日に道長邸で送別の宴があって、その時の詠ではないかと松野らは推測している。実際そうであったのだろう。

これを公人が詠んだ時は有国が52歳、公人が30歳の時である。この年齢からすると、30歳の歌としてはどうかと思うのだが、座興的に即興で詠んだのだろう。勿論、こういう詠み方で有国の長寿をも願ったのだろう。

またこの歌を公人が詠んだ時、座の人は皆次の古今和歌集の歌を思ったのだろう。

命だに心にかかる物ならば
なにか別れのかなしからまし (離別歌 387 しろめ)

「せめて命だけでも思うようになるものであるならば、どうして別れが悲しいのであろうか」(久曽神昇)

しろめという人物は江口の遊女ではないかとされる。源実が筑紫へ湯浴しようとしたとき、山崎で別れを惜しんだときの歌である。

この二首とも同じ趣旨のことである。旅立つ君に再び逢いたいので、しろめは命だけでもどうにかならないかと嘆息し、公人は命を惜しみ長生きしたいという。

座の人は遊女しろめのような歌を詠む公人に爆笑したのだと思う。

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