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千載和歌集コミュの源定信の歌  真木の板屋

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源定信の歌  真木の板屋


法性寺入道前太政大臣、内大臣に侍りける時、家の歌合に、時雨をよめる
   音にさへたもとをぬらすしぐれかな
     真木の板屋の夜はの寝覚めに  (冬歌 403 源定信)

「夜、真木の板屋に時雨の音がして、夜に目が覚め、袂を濡らすことであるよ」(イベリコ)

 真木は檜の異名である。檜で葺いた屋根であるから、立派な家であることを暗示する。ここではそうした立派な家を誇示して、「真木の板屋」と表現したわけではないだろう。貴族の多くはこうした家に住んでいたのではないか。杉の板屋という表現も勿論存在する。

   賎のをの杉の板屋も残りなく
     夜の嵐にきゆるなるかな  (前斎院家歌合)

   漏る程のやすらひもなく杉板もて
     葺ける板屋の初時雨かな  (春夢草)

 真木は貴の表現であり、杉は賎の表現である。そうした貴族にも時雨の音に涙する。冬は唯でさえ、寂しいものであるが、時雨の音は余計にその寂しさを感じ、涙するのである。

 「真木の板屋」の表現を利用した歌は既に、「俊頼の歌  その42  真木の戸 」と「俊成の歌  その10  真木の板屋」で取り上げた。

1)田上(たなかみ)の山里に住みける頃、風激しかりける夜
   真木の戸をみ山おろしに叩かれて
     とふにつけても濡るゝ袖かな  (1090 源俊頼朝臣)

「檜戸を叩いて深山颪が音なうにつけ、寂しくなって袖が涙に濡れる」(久保田淳)

2)崇徳院に百首歌たてまつりける時、落葉の歌とてよめる
   まばらなる真木の板屋に音はして
     もらぬしぐれや木の葉なるらん  (冬歌 404 皇太后宮大夫俊成)

「まばらである真木(檜)の板屋に音がして、時雨なのに、雨がもってこないのは木の葉だからなのだろう」(イベリコ)

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