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サウンドロゴに著作権はないかコミュの朝日新聞で不採用になった原稿。

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 住友生命保険相互会社との和解を受けて、朝日新聞の「私の視点」に原稿を送ったのですが「テーマが個別具体的過ぎて普遍性がない」との理由で不採用になってしまいました。音楽やそれに関するものを特別視するこの国の社会の傾向が顕れていると思います。
 編集者の許可を貰いましたので、ここにその没原稿を全文掲載致します。

■守られるべき著作権とは

 以前テレビCMで流れていた、「すみともせいめい」のメロディーを覚えておいでだろうか。この音楽の権利の所在などを巡って作者である私は住友生命保険と交渉を続けてきたが、このほど東京地裁で和解が成立した。
 短く親しみやすい旋律で企業や商品名などを宣伝する音楽を「サウンドロゴ」という。「住友生命」のサウンドロゴは2秒半と短いが、記憶に残っておられる方も多いと思う。私は同社がCMで長年使ってきたことなどに対する正当な対価を求めていたが、今回同社が作者の立場に敬意を払って円満解決に同意してくれたことには心から感謝したい。というのは、これまで広告業界では音楽家の存在が、あまりにもないがしろにされ続けてきたからだ。
 サウンドロゴの制作が容易ではないこと、短い中にどれだけの創意工夫がこめられているかを裁判官に理解してもらうために「住友生命」の社名を、自作である「三井のリハウス」のメロディーで歌って、短い旋律がどれだけ重要かを訴えたり、音符一つ変えて歌って、どれだけ印象が変わるかを実感して貰うなど、色々と作戦を考えねばならなかった。
 一般社会でも、サウンドロゴが音楽作品である、との理解が行き届いているとは残念ながら言い難い。世の中には同じような問題で泣き寝入りせざるを得ない、またはそれを強いられているクリエーター(特に若い人)が、山のように存在している。中小のCM音楽制作会社などで、きちんと契約を交わさないまま作品を作らせては、期限も定めずに使い続けている例は枚挙に暇がない。最近話をした沖縄の制作会社の関係者は「無法地帯」という言葉さえ使っていた。
 相対的に立場の弱いクリエーターが「干されるリスク」を恐れて泣き寝入りをするのは、何も音楽業界に限った話ではない。これは日本の社会構造に強く根ざしているものだと思う。権利を侵害されるのは常に個人や小さな会社だが、大手企業は自分たちの権利を守ることには実に熱心だ。その最たるものの一つが、昨今話題の著作権保護期間の延長問題である。
 日本文芸家協会などの著作権管理団体は、保護期間を現行の著作者の死後50 年から70年に延長することを主張する。だが、この法案によって守られるのは誰の権利だろうか。たとえば出版物の場合、著作権料の大部分はその出版元へ行くのだ。音楽や映画などにしても、より多くの金が落ちるのは流通・配給などの段階で、作者へのわずかな還元は後回しにされる。
 私はもとから国に頼って音楽を作ろうなどとは考えていない。個人的には、死んだ後には自作を誰でも演奏できるようパブリックドメイン(社会の共有財産)にしてほしいと思う。だがこの国が今後知財立国を目指し、国民の中から優秀なクリエーターが輩出することに期待するのであれば、何より先に保護されるべきは、既に評価の定まった一部の作品でなく、今まさに新たな創作に挑んでいる若い才能であろう。そして若い世代が先行する作品から存分に学んで応用できるよう、創作への柔軟な利用を認める知財政策を取ってほしいと願ってやまない。

生方則孝:作曲家、シンセサイザー&テルミン奏者。
blog URL:http://ubulog.sblo.jp/

コメント(2)

私も著作権のあり方に疑問を感じることが多々あります。
私は合唱をやっているのですが、その中でもモーツァルトを演奏したとき、著作権の確認をしました。
いまだに著作権の存在するものがあるんです。250年も前に無くなっている彼の著作権がどこに存在するのか、疑問を感じました。調べてみると、編曲でした。
具体的にはレクイエム。この曲は確かに彼自身完成させていないので、後に弟子たちが完成させ、モーツァルトの作品として現在に残っています。おそらくほとんどの聞き手にとって同じに聞こえるこの曲にもいくつかの版があります。

別の曲ですがこんな模式が浮かび上がってきました。
オペラの中に多く見受けられたような気がしますが、要するに編曲です、これが曲者で、何らかの理由である版の著作権を手に入れた出版社があったとすると、その曲を編曲し、(人格権はどこに行ってしまったのか、原作者はすでになくなっているし、やりたい放題って感じですが、)著作権を主張する。>>著作権が切れそうになると、新たに編曲し著作権を発生させる>>旧版は絶版にする。
こんな流れが幾多の作品で垣間見られます。
JASRACのデータベースを見ているとクラシックの曲でさえ多くの利害関係、それもクリエーターのものは全く無く、
後世、それらを食い物にしているとしか言いようの無い存在の影が見え隠れしていると感じているのは気のせいでしょうか。
演奏会を開き、お客様に聞いていただく。作曲者に上演権の代価としての著作権料を支払う。これは当たり前のこと。
クラシックの先達の名曲を演奏して発生する著作権料はどこに行っててしまうのか?。
音楽は誰の財産なのか?
釈然としないことが多いです。

すみませんえらそうなこと書きました。
ubuさんの後輩でした。

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