ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

高橋新吉コミュの女釣り 雑考

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 高橋新吉の作品の中に、「女釣り」という作品がある。私は結構この作品が好きで、時々読む。
 強盗亀(池田亀五郎)という女にもてる人殺しの話である。私は女にもてないし人殺しもしないが、何とも魅力がある。
 そういえば、福田和子受刑者が獄中で死んだと聞いて、私は何ともいえない印象を得た。女釣りをよんだ時、その印象とすこし似ている。
 犯罪者というものが哀れであり滑稽である。しかし、その生きてる姿のイカサマ具合、亀の場合は最後に罪をざんげするに至るようである。
 男と女というものは、何ともいえない。体を絡め、心を絡め、助け合う。またその反対もある。男と女はスリルある状況において興奮するのかもしれない。その快感のために、罪を犯したりしてしまう人間の姿は、愚かだと言ってしまえばそれまでだが、それ以上に何かしらの感動がある。
  
 新吉のなるべく事実だけを記載し、そこに感想を載せていくそんな書き方に、そして、犯罪者をただ犯罪者と見ない視点が、この作品の好きなところである。

 「(亀五郎を)宗教家としても、或面から判断すれば、柴の瑞林寺の和尚さんよりは、傑れていたと、いえるのではなかろうか。ー中略ー亀五郎の宗教観、或は人生観が、深く、正しいものであったからして、女たちも、生命を張って、亀五郎に、ついていったのではあるまいか。」

 罪を犯すものを、ただただ愛の視点なく非難し、自分を非犯罪者であると思い安心するよりは、新吉のそんな視点に親近感が沸く。
 ただ、最近の犯罪には私はあまり感動を覚えない。愚かな悲哀を強く感じる。犯罪から、愛の欠片を感じれないのである。生き者の匂いを感じないのである。ただ、愛の欠如が起しているような気がして、つらい思いを感じる。
 変な話だが、女釣りを読み返すと、犯罪と言う道ではあるが懸命に生き抜けた人間を見る。その姿は、何となく「今、おまえは、懸命に生きているのか?」と言う問いかけとなり、私はふんどしを締めなおすのである。
 

 もし、女釣りをお読みになった方がおられたら、あなたの女釣りの感想を一筆書いていただきたい。

 

コメント(1)

人を殺したらいけないのか?という問いかけに、ノーというのはたやすい。イエスというのも奇を狙う意味でたやすい。しかし、何故?ときかれた際の返答は難しいものがある。
 
 女釣りのことを思い出すがゆえに、理由に困るのだ。新吉の亀五郎への視点への共感が、その質問を超えたところに連れて行く。「答えのない質問」という曲がある。アイブスという作曲家の音楽である。それは、まさにその問のような気がする。もし宗教的に殺人はノーならば、新吉の宗教的な視点はどうなるのか。私は新吉の宗教的視点に共感する。
 上記と同じことを繰り返している内容であるが、不意にそのことを考える機会がありここに記した。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

高橋新吉 更新情報

高橋新吉のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング