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Tanz bitte,Hermann!*コミュのi ki wo korosita

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それはまだ私がABCもろくに習っていなかった頃の話で、今の自分がまだいたいけもなく、幼かったときのことです。


そのころから欠陥して学校にも不真面目に足を運ばなかった私はJさんと出会いました。きっとひょんなことがきっかけです。もう、憶えてもいませんが。
Jさんはそのとき、大学か院生だったと思います。腑抜けた学生の典型的なそのもので、ふらっと出かけていても、それが学校だったかは今でもわからないままです。私はそんな彼のアパートで、気難しい字面のニーチェやら教育心理なんかをてろてろ気侭に読んでいることで留守番を買って出たりしていました。
彼もどうしようもない人間の部類に収まっていたのは承知していました。赤いランドセルを背負った私なんかと情事するくらいの男でしたから。でも、彼はひょろっこくて、でもカッチリしていた外見だったので、もてる種族ではあったと思います。


彼は、生意気に、学ぶことには長けていたと思います。
しかし、見切りをつけるのも早かったと思います。


彼は、趣味のカメラを友人に手放したと、帰ってきて早々に言い出したことがあります。アナログの、少しばかりいいやつを。
彼は聴講した写真学での、カメラの構造で全てを悟ったのでした。

切り抜く平面。ああ、ばからしい。

そう言ってごろりと6畳に寝転び、背中に乱雑に当たる経済理論の著書たちを隅に追いやり、欠伸を噛み殺していました。
小学生の少女に弄ばれ、しかし主には読まれぬその分厚い布を纏う古書たちは、午後4時の日光に逃げ場もなく刺されていました。



それを思い出したのは、ちょうど、井の頭線の人身事故で雨に濡れたからです。
そこに、カメラを持つ笑った君が、ふいに思い出されたからです。



にせんなんちゃらねん、ろくがつ、ついたちのことです。

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