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Tanz bitte,Hermann!*コミュのデカルトさまのおことば

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「最近さぁ、店主がシフト出すの遅くって。」
そう言うわたしは寧々の頬を撫でる。ゴロゴロと寧々は咽を鳴らして、いる。

寧々の虹彩は茶色い。
目に枯れたガーベラが、咲いて、いる。


寧々の柔らかい毛はこの世で世界一暖かくて、
華奢な脚がただ地面とわたしとを踏んで、いる。

「痣、おんなじところに、ある、ね」

寧々はいつからヒトになっちゃったんだろう。
わたしは寧々の囁く聲と、一昨日お兄様に絞められて出来た痣を躊躇なく触る指とに敏感で、どうやらわたしは本日付で寧々と立場を換えたみたい。

寧々は愛仕方を知らないうちにわたしをいっつも庇ってくれて、いる。

「わたしね、次こそ辞めちゃうのよ、辞めちゃうんだ。」

ばかね、って。寧々の口はそんなモールス信号。

「そしたら、遠く離れたとこで、星、見るから。」
寧々といっしょに行くから。ゴロゴロ。


寧々は確かに此処に、いた、の。
寧々はさっきまで夢(ここ)に、いたの。

ねえ、どうしてみんなの時計はおんなじ針じゃないの。


寧々は木登りなんてしない。
寧々は木から落ちないの。
寧々は枝に首輪を引っ掛けない。
寧々はあんな高いところで干からびない。



寧々は段ボールの中の4匹の中の寧々なの。
寧々だけ茶色い斑だったから、寧々だけ、寧々の毛皮がただ綺麗で拐ったの。
蓋の閉じられた段ボールは赤トンボのメロディに食べられたの。

それがわたしの幼稚園の記憶なの。

干物の寧々は私が期末試験の帰りに見付けたの。


ねえそれって一昨日と昨日のお話だよね?

お兄様は相変わらず予備校に行くまえにわたしにひどいことするけど、

わたしは、まだ、寧々を撫でているのね?

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