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OBK大阪のおばちゃんの会コミュのOBK 事前勉強会 1-10 「負荷」とは何か?

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OBK事前勉強会課題 1-10 「負荷」とは何か?それは外国語習得にとって、どう有効なのか。

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参考資料

兵庫教育文化研究所 発行
子どもと教育 No.134
「外国語活動からことば活動へ」大津由起雄先生 より引用
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 そこでわたくしは積極的にコミュニケーションを図ろうとするのに、どうして外国語でするのかと思うのです。母語である日本語でやるのが本筋で、以前、「なぜ外国語でやるのですか、ましてどうして英語でやるのでしょうか」と聞いたら、直山木綿子さんからは、「負荷」とかけるためですという返事が返ってきました。日本語は母語だから子どもたちに対して十分な負荷がかからないという考え方なのです。それ以降の文科省はこの路線に乗って、「コミュニケーション能力の素地」の育成ということを強調し始めました。スキル育成ではなくて積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するというのです。

 この「負荷」をかけるということについて、わたくしなりに説明するとつぎのようになります。母語というのは無意識的に身につくので、自分がどういう母語というのは無意識的に身につくので、自分がどういう母語の知識を待っているのか、そしてその知識を使ってどういうことができるのかーーつまり、母語の仕組み・母語の働きについては無頓着です。そして、母語を使ってコミュニケーションする時にも、母語は自由に使えますから、その意味で「負荷」がかからないというのです。それに対して、外国語である英語を使うと、子どもたちに不自由を強制することになって「負荷」がかかる。そこで、不自由さの中で何かしなければならない状況に子どもたちを導き、さまざまな工夫をさせようというのです。

 わたくしはこの考えがあまりよく理解できないので、「負荷をかける」ということの具体的例を出してほしいとある会合で質問したら、そこにいらっしゃった京都市の指導主事(直山さんではありません)がこんな話をしてくれました。教室で担任が配り物をする。一番前の席の子どもに紙を渡して、後ろに配るように言うと、もらった子どもは後ろを向かないで、(ぽいっと)こうやってやる。それではだめでちゃんと後ろを向いて「はい」と言って渡すようにしないといけないと指導するのだけれど、いくら言っても直らなかったといういうのです。ところがM「その学校で英語活動をやっていて、英語で物をあげるときには、相手の目を見てHere you are. と言って Thank you. と言うようになったのですと非常に誇らしげにお話になりました。

 それは決して「コミュニケーション能力の素地」だなんていうものだとは思いません。端的に言ってしまえば、猿回しで芸を教えるようなこのです。教えられたことをただまねてやっただけです。そうではなくて、「コミュニケーション能力の素地」というものは創造的でらうべきものなのです。新しいこと、新しいもの、新しい行動を創り出すのです。簡単に言えば、応用が利かないとだめなのですよ。ある特定の場面・状況でその場面だけしか使えないものをどれだけ記憶したって、その場面だけでおしまいなのです。大切なことは、ひとつ習ったらそこから先はいくらでも応用が利く、その意味で創造的なものでなくてはいけないのです。

 けれども残念なことに、この「負荷をかける」という言い方は聞こえがいいっていうのか、いまだに多くの人たちが信じています。わたくしは仮に「負荷」というものが必要であるなら、母語でもかけられると提案しています。ひとつは方言ですね。地域方言。地域方言は場合によっては理解がすごく難しいのですが、日本語という同じ基盤の中でのばらつきですから、学校担任が十分にフィードバックを与えられるのです。それから、古文・漢文といういわゆる古典です。これも最近はないがしろにされがちですが、子どもたちにとっては現代語ではないから「負荷」がかかります。とくに。

 古文は日本語という同じ体系の中での話ですから、担任の先生によって適切なフィードバックができるのです。他には行く、短歌も形式上の制約がありますから、それによって「負荷」がかかります。こんな次第で、母語でも十分に負荷がかけられるのです。何も外国語を持ってこなくてもいいのです。日本語の表現では仮に理屈や理由が分からなくても直感が利きます。子どもたちも先生にも直感が生まれるのです。外国語の場合にはどんなにがんばっても間に膜のようなものがあってもどかしい思いがするのです。このことがすごく重要です。

 さらに考えなければならないことは、外国語といったときに英語を選択しているということなのです。英語優越主義とか英語帝国主義とか、名前は工夫したほうがよいと思いますが、英語が何か特別なことばであるという思い、感情を子どもたちに植え付つけてしまう心配があります。

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