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小泉清亮の描く絵が好きだ!コミュの小泉清亮はこんな男だ!

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小泉 清亮 KIYOAKI KOIZUMI

1964年 静岡県島田市に生まれる
1986年 THE 6 PASSION ART (銀座 川上画廊)
1987年 THE 6 PASSION ART?(銀座 川上画廊)
1989年 愛知県立芸術大学美術学部美術科絵画専攻油画卒業
1989年 個展(藤枝 SQUARE 111)
1990年 渡欧
2010年 個展(藤枝 アートカゲヤマ画廊)


キャンバスに向かうと、絵が「次はこうしなさい」と言ってくる。
だからと言ってすぐに答えは出ない。
何度も色置きの問答が繰り返される。
もちろん白いままでは何も始まらないし何も言わない。
手を抜けば「何をしているのだ」という叫びが聞こえてくる。
真剣に向き合わなければ曖昧なものになる。
心を込めて妥協せず向き合えば、素晴らしい作品へと進んで行く。
であるから、いつでも真剣勝負である。
そして私自身も学び、成長させてもらえる。


ちょうど21年前の今頃、私はポルトガルにいた。

日本には帰らぬつもりで、オープン1年の往復切符より1万円高い片道航空券を購入し、小さなナップサックに墨と筆、それまでに描いた作品の写真と二日分の下着を詰め、あてもない旅に出た。
ポルトガルに入ったのも大した目的があったわけではなく、スペインで知り合った夫婦の小旅行に便乗して訪れた地である。ロマンティック言うならば、西の果てを見たい、スペインで見そびれた一面のひまわり畑を見たいという目的で、現実的に言えば、ビザなしでスペインに入国した私は、3カ月ごとに他国にいったん出国する必要があった為、ポルトガルを目指した。

 ポルトガルで、絵を描くことに終止符を打った。

 ポルトガルの南、スペインとの国境の町VILA REAL DE SANTO ANTONIOで下宿していた。
 そこから海岸を目指し数キロ歩いていくと、壊れかけた古い城壁のようなものが点在していた。砲弾によるものなのか、大きな穴が開いた砂壁に、真っ赤な車のボンネットが内部から据え付けられていた。
 気が付くとその壁を必死にスケッチしていた。
壁のようなもの … 風雪に耐え、人の生が沁み込んだもの … をテーマにそれまで描いていた。その壁は私の求めていた美であった。そして、その壁の裏側がどうしても見たくなり、足を運んだ。するとそこには、さらに美しい風景が広がっていた。真っ白に塗られた不揃いの板がランダムに打ち付けられていた。旅の前まで描いていた作品と全く同じような光景であった。次の瞬間愕然とした。そこはスラム街であり、彼らの家であったのだ。太陽や風雨から身を守るため、城壁を利用し、白く塗った板きれや鮮烈な赤のボンネットを使い、家を造ったのだ。
なんということだろう、彼らは生きるためにその造形物をつくりだしたのだ。私は、芸術が云々とわかったような事を言いながら創りだす。そして私には赤いパスポートがあり、いくらかのお金とクレジットカードさえある。いつでも守られ、逃げられる日本人である。
それまでの自分が全て否定された。否定したのはもちろん自分だ。
それ以来20年間作品に向かえなく、向かわなくなった。
そして、あてのない旅の目的が鮮明になった。

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