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メソアメリカって何?コミュの古代より人々を魅了する「太陽の石」(後編)

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 前回の「太陽の石」に続き、今回は「太陽の石」が何故「太陽」と呼ばれるのかについて書きます。この図像解釈では、現在なお議論、研究の余地を多く残しています。言い換えれば、一番面白い分野のひとつであるともいえます。

 今回は、「太陽の石」に描かれているモティーフ(神、動物、文字)ついて迫って見たいと思いますので、皆さんも添付写真と照らし合わせながら見てください。

?描かれているモティーフ
  ●真ん中の「顔」って誰ですか?(写真左)

 「太陽の石」の中心に描かれている「顔」について、発見されて以来、多くの議論がされています。意見として大きく二つのグループに分かれています。一つの目のグループでは、五番目の太陽「トナティウ(Tonatiuh)」、または、世界の中心の神「シウテクトリ(Xiuhtecuhtli)」、「ウィチロポチトリ(Huitzilopochtli)」等のアステカ神話における主要な神様として解釈されています。「太陽」「世界の中心」など「陽」の部分として解釈していると感じられます。

 二つ目のグループでは、太陽の石の中心に描かれている「顔」は、大地の特徴を持つ神「トラルテクトリ」との大きな類似性が認められると主張し、「異世界」、「大地」、「夜の太陽」というキーワードで解釈されています。「地下」「夜」など「陰」を想像するイメージで解釈が行われていると感じます。また、他の意見では「夜の太陽」ではなく「正午の太陽」であり、花の王子「ソチピリ」という解釈もあります。
 さらに、最近発見された他の同類の石板に描かれたモティーフと比較をすると、いろいろな部分で世界の中心の神「シウテクトリ」との関連が見られ、このイメージは「大地」「異世界」のが混成した図像であると考えられています。
 といったように、多様な解釈の飛びかっており未だ決着を見ていません。

 皆さんは写真を見てどう考えますか?
 
 では、他の部分の図像を簡単に説明していきます。中心の「顔」の周りに四角く囲まれた4つの図像が描かれています。(写真左参照)これらは、右上から反時計回りに、初代の太陽「オセロトル:4・ジャガー」、二番目の太陽「エエカトル:4・風」、三番目の太陽「キアーウィトル:4・(炎の)雨」、四番目の太陽「アトル:4・水」と考えられています。このように見ると中心の「顔」は五番目の太陽「トナティウ:4・運動」の方が自然であるように感じられます。

 続いて、4つの顔のすぐ外側に輪状に描かれている図像(写真中央)は、メシーカ族(アステカ帝国の支配民族)の暦において使われる1日を表す20個(アステカ時代の1ヶ月は20日間)のシンボルです(「蛇」、「ジャガー」などの動物や「家」「水」「ナイフ」など生活に関連するものモティーフの中心です。)。

 そして、「太陽の石」の最も外側に描かれている円状の図像(写真右)は、2匹の炎の蛇「シウコアトル(Xiuhcóatl)」が、石板の下の部分で顔が向かい合うの状態が描かれています。顔は、鋭い犬歯を持ち、口を大きく開け、その口から5番目の太陽「トナティウ」(向かって右)と「シウテクトリ」(向かって左)が出現している様子が描かれています。尻尾は石板上部に描かれ、胴体部分は、炎のゆらぎをイメージした「蝶」が連続する形で描かれています。

 また、石板最上部、とがった尻尾で挟まれる形で描かれている四角い図像(写真?コメント欄)は、アステカ暦の日付の文字「13・葦」を表し、この日は五番目の太陽「トナティウ」が生まれた日であると考えられています。ここからも、真ん中の「顔」が五番目の太陽「トナティウ」であるほうが、自然に感じる事が出来ます。しかしながら、蛇の口から現れている二人の人物のうち右側が「トナティウ」であれば、同じ神を2度も書かないであろう。という疑問が浮かぶのは当然だと感じられます。

 最後に、「太陽の石」に描かれている図像は、基本的にアステカの伝説における「太陽」に関連するモティーフであり、その太陽が示す「時間の流れ」そして「暦」が大きなテーマになっている事がわかります。これらが、この「太陽の石」が「アステカ・カレンダー」と呼ばれるゆえんです。

このように、「太陽の石」の解釈はまだまだ論争中です。皆さんもこれらの図像が何を表しているのか考えて見ませんか?


写真説明
写真左・・・「太陽の石」の中心部分。前編の彩色復元と別のパターンの彩色。
写真中央・・・アステカ時代1日。反時計回りに見て行きます。
写真右・・・2匹の炎の蛇「シウコアトル(Xiuhcóatl)」
写真?(コメントの欄に添付)・・・日付の文字

参考文献
CONACULTA - INAH
2000 Arqueología Mexicana: calendarios prehispánicos, Vol. VII, Núm.41

Nicholson, H. B.
1993 “The problem of the Identification of the Central  Image of the ‘Aztec Calendar Stone’, en Current topics in Aztec studies. Essay in Honor of Dr. H. B. Nicholson, California, San Diego Museum Papers, 30.

Solís Felipe
1992 “El Temalácatl-Cuauhxicalli de Moctezuma Ilhuicamina”, en Azteca-Mexica. Las culturas del México antiguo, Lunwerg Ediciones, Madrid, pp. 225-232

コメント(3)

まっきんさん、素人にもとても分かりやすくて面白かったです。普通に当時の一般家庭にあるような(?)「カレンダー」だと思ってました。また同じ太陽でも色々な太陽があるということも興味深かったです。当時の人にとって太陽がどれだけ大切だったかが分かります。神話について知ればもっと楽しいのでしょうね。
まるさん。コメント有難うございます。
そうですね。当時の人々は、現在の私達が感じてるよりも現実的に感じ、大切にし、敬っていたんだと思います。
極端ですが、やはり電気と言うものを手に入れて、夜中でも明るく暮らせる事が出来る私達よりも、明日太陽が昇らないと明るい世界で生きていけない彼らとでは太陽の有難みは違うと思います。

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