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明治大学法学部1年17組コミュの林民法試験対策(解答例及び2009年度過去問)

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こんばんは。17組試験対策委員の小岩井です。
皆さん、憲法の試験はお疲れさまでした。いかがでしたでしょうか?
それから日韓戦!実に感動しました。いい試合でした。おかげで民法の勉強が一切できませんでした。
憲法に手ごたえのあった人もなかった人も、気分を入れ替えて、次の民法にむけて頑張りましょー。

またも輸入品ですが…とりあえず、民法の解答例です。
ご本人からは自己責任で使えってことなんで、よろしくお願いします。
内容について正しいという保障はありません。一部で授業内容と違うところがあります。


[事例22]錯誤無効と「善意の第三者」(=第三者保護と損害賠償責任)

 Xは自己の土地αと土地βを混同し、土地αを5,000万円でAに売却し、移転登記もしてしまった(内心、Xは土地βを売却するつもりであり、土地αを売るつもりはなかった)。
 その後、即座に、Aはこの土地αをXA間の事情を知らない第三者Yへ5,500万円で売却し、移転登記も行ってしまった。

Q.?このとき、Xは自分の要素の錯誤を理由に無効を第三者Yへ主張できるか??.また、Xの錯誤の原因が詐欺の場合はどうであるか?について論ぜよ。

【解答例】―558字
?.Xは自らの要素の錯誤を理由に契約の無効をYへ主張できるか。
 この点、民法第95条において、?法律行為の「要素に錯誤」があること?表意者に重大な過失がないことを要件として無効の主張が認められている。
 本件において、Xが土地αと土地βを混同して自分の土地を簡単に間違えてしまうような精神状態ならば、普通人がなすべき注意を怠ったとしてXに重過失があると言える。
 よって、YがXの重過失を立証した場合、XはYへ契約の無効を主張することはできないと思われる。

?Xの錯誤の原因がAの詐欺である場合。
 この点、民法第96条において、?欺罔行為があること?錯誤による意思表示があること?欺罔行為が錯誤による意思表示をもたらしたという因果関係があること?欺罔する故意とそれによって意思表示させる故意があることを要件として詐欺による意思表示を無効とすることが認められている。
 本件において、Aが土地βの取引に見せかけて土地αを目的物として契約させているとすれば96条の要件を満たす。
 しかし、96条3項に詐欺による意思表示の取り消しは善意の第三者に対抗することができないとある。
 本件において、第三者はYであり、XA間の事情を知らない点で、善意と言える。
 よって、Xの錯誤の原因がAの詐欺である場合でも、XはYへの契約の無効を主張することはできないと思われる。

以上。
 
[事例35]公序良俗違反?前借金付きの芸娼妓契約、自由・人権を侵害する行為

昭和初期に飢饉その他の理由で生活に貧窮した農民Yが、Xより40,000円を借金し、そのかわりに、16歳にも満たないYの子供(女性)Aを、Xに身柄を受け渡し、Xが営業する料理屋に住み込ませて酌婦稼業をさせ、いわゆる芸娼妓として働かせること約束し、その子供Aの報酬金の半額を農民Yの借金の弁済する旨を契約した。
 しかし、子供Aは半年間働いたが、Xのもとを去ってしまったので、Xが農民Yに対して貸している貸金返還請求した。

Q.Xは農民Yに対して貸金返還請求できるのか?

【解答例】―329字

 まず、Xと農民Y間の?芸娼妓としての稼働契約?金銭消費貸借契約が有効であるか。
 この点、民法第90条において公序良俗に反する法律行為は無効とされている。
本件において、16歳にも満たない農民Yの娘Aを芸娼妓として働かせるという契約は自由・人権を害する行為として公序良俗に反すると言える。
 よって、稼働契約が無効であるので、それを条件として結ばれた近世消費貸借契約も無効であると思われる。
 そして、民法第708条において、不法な原因のために給付をした者は、返還請求をすることができないとされている。
 本件において、Xと農民Y間の契約は公序良俗に反する不法なものであり、Xはそれを原因として農民Yに40,000円を貸したと言える。
よって、Xは農民Yに返還請求をすることができないと思われる。

以上。
 
[事例38]代理権の濫用

 Y(本人)は、土地αの売却についての代理権をAに与え、その際、土地αを3,000万円以上の値で売却するよう指示した。AはY(本人)を代理して、X(第三者/相手方
)へ3,500万円で売却し、Y(本人)からX(第三者/相手方)への所有権移転登記も済ませた。ところが、Aは売却代金を着服してしまった。X(第三者/相手方)はY(本人)に対して土地αの引渡を求めている。

Q.このとき、第三者Xは、Y(本人)に対して土地αの引渡を求めているが、Yは応じなければならないか??.第三者Xが代理人Aの背信的意図を知っていた場合(=Xが悪意の場合)。?.第三者Xが代理人Aの背信的意図を知らなかった場合(=Xが善意の場合)について、それぞれ論ぜよ。

【解答例】―879字

?.第三者Xが代理人Aの背信的意図を知っていたとき。
 まず、第三者Xと代理人Aの間の契約は有効かが問題となる。
 この点、代理人Aは民法第99条に基づき、本人Yの代理人として第三者Xとの間に有効な法律行為をしている。第三者Xも代理人Aに土地αの代金3,500万円を支払っている。
 よって、第三者Xと代理人A間の契約は有効であり、代理人Aの、代金を着服するという代理権乱用行為も通説をとれば有権代理で、原則として本人Yへの効果帰属は肯定されると思われる。
 しかし、本件において、第三者Xは代理人Aの背信的意図を知っていたとしてもすべて有効とするのは酷である。そこで本人Yの保護について考える。
 この点、相手方が代理人の背信的意図を知っていた場合、民法第93条但書の類推適用することができるとする判例(最判昭和42年4月20日)がある。本人のためにする旨の表示と自己または第三者のためにするという真意との不一致があり、心裡留保と類似の関係にあることが必要である。
 本件において、代理人Aの、本人Yのために代理行為を行うという表示と自らのために着服をするという真意とに不一致が見られる。
よって、民法第93条但書の類推適用によって本人Yは保護され、第三者Xの土地αの引渡請求に応じる必要はないと思われる。

*参考法令
民法93条
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

民法99条
1.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は本人に対して直接にその効力を生ずる。
2.前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。



?.第三者Xが代理人Aの背信的意図を知らなかった場合。
 この点、民法第109条に「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。」、民法第110条に「前条本文の規定は代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由がある時について準用する。」とある。
 本件において、代理人Aは着服という権限外の行為をしており、第三者Xは、本人Yが代理人Xに登記移転をしていることからAを代理人と信ずべき正当な理由があるとみなせる。
 よって、本人Yは代理人Aと第三者X間の契約に対して責任を負わなければならず、第三者Xの土地αの引渡請求に応じなければならないと思われる。

以上。

[事例47]無権代理人・本人双方死亡+それ以外の者による相続(共同相続)

 父A(無権代理人)・母Y・子B(本人)という家族がある。子B(本人)所有の土地αを代理権なしに父AがX(第三者/相手方)に売却した。その後、?父A(無権代理人)が死亡し、?ついで子B(本人)が死亡した。
 結局、父Aの死亡により父Aの立場(=無権代理人の地位)を子B(本人)と母Yが相続し、次に子B(本人)の死亡により、子B立場(本人の地位)を母Yが相続した。

Q.このとき、X(第三者//相手方)は母Yに対して、土地αの引き渡し及び所有権移転登記手続を請求できるか。

【解答例】―644字。
 本件において、第三者Xと父A間の契約は無権代理行為の下での契約であり、民法第113条に基づき代理権を持たない父Aが子Bの代理人としてした契約は、子Bがその追認をしなければBに対してその効力を生じず、追認またはその拒絶は第三者Xに対してしなければその相手方に対抗することができない。
 また、父A、子Bが死亡し、母Yが無権代理人と本人の双方を相続した場合はどうなるか。
 この点、判例(最判昭和63年3月1日)に「相続人は無権代理人の地位を包括的に承継していることに変わりはないから、本人の資格で無権代理の追認を拒絶する余地はない」とある。
 本件において、母Yは父Aを相続すれば無権代理人の地位を取得し、その場合本人Bの地位を相続すれば母Yは無権代理行為の欠落していた権限が相続によって当然に補完され、追認拒絶はできなくなる。つまり、「相続により当然に有効」ということになる。
 しかし、判例の見解の理由は無権代理人(=父A)が本人Bを相続したことを良いことに追認拒絶権を行使することを阻止することにあって、本件では母Yがこのような無権代理行為をしたわけではない。本人Bと無権代理人Aの地位は併存し、本人Bの地位で追認を拒絶することは信義則に反するものではなく、母Yに追認拒絶権があると考えるべきである。
 よって、母Yが追認拒絶をした場合、第三者Xは母Yに対して土地αの引き渡し及び所有権移転登記手続を請求できないが、民法第117条による無権代理人としての地位に基づく履行、あるいは損害賠償請求が可能であると思われる。

以上。 

○過去問(2009年度)○

1.[事例22]
 Xは自己の土地αと土地βを混同し、土地αを5000万円でAに売却し、移転登記もしてしまった(内心、Xは土地βを売却するつもりである、土地αを売るつもりはなかった)。
 その後、即座に、Aはこの土地αをXA間の事情を知らないYへ5500万円で売却し、移転登記も行ってしまっている。

Q1:XはYに対し、土地αの返還請求を主張できるか?

Q2:YはXに対し、被った損害の賠償請求を主張できるか?


2.[事例47]より
 父A(無権代理人)・母Y・子B(本人)という家族がある。
 子B(本人)所有の土地αを代理権なしに父AがX(第三者/相手方)に売却した。
 その後、?父A(無権代理人)が志望し、?ついで子B(本人)が死亡した。
 結局、父Aの死亡により父Aの立場(無権代理人の地位)を子B(本人)と母Yが相続し、次に子B(本人)の死亡により、子Bの立場(本人の地位)を母Yが相続したことになる。
 つまり、母Yは無権代理人の地位も本人の地位も両方ともに相続したことになる。

Q1:X(第三者/相手方)は、母Yに対して土地αの引き渡し及び所有権移転登記手続を請求できるか?

Q2:もし仮に、??の事実が時間的に逆転した場合、つまり子B(本人)が先に死亡して、父Aが後で死亡した場合、X(第三者/相手方)は、母Yに対して土地αの引渡及び所有権移転登記手続を請求し得るか?

以上。
それでは、頑張っていきましょう。

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