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哲学としての攻殻機動隊コミュの皇帝の新しい心

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ロジャー・ペンローズ著『皇帝の新しい心』

ようよう読了ですヾ(@^(∞)^@)ノ


意識ある心と科学との関連について、500ページ以上にわたりびっしりと書かれたこの本を

あるときは1ページ読むのに30分ぐらいかかったりしてかなり長い道のりでしたが

何とも感動的な内容でした!


本編をペンローズ氏は以下のような言葉で締めくくっています。


 私自身の議論では、もっぱら計算だけという描像は確かに本質的なものを見逃している、というこの見方を支持しようと努めてきた。だが私はそれと同時に、心の理解の面での大きな前進は、科学と数学を通じて実現されるとという希望も抱いている。ここには一見ジレンマが存在しているが、そこから抜け出すまともな道があることを示そうと、私は試みた。計算可能性は数学的に精密でることとは全然異なる。精密なプラトンの数学的世界には、人が望む以上に多くの不思議と美があり、この不思議の多くは、アルゴリズムと計算が宿っている、比較的限定された部分の外部にある概念とともに存在している。
 意識はあまりにも重要な現象であるので、それが複雑な計算によって「偶然」でっち上げられたものであるとは、私には思えない。意識はそれによって宇宙の存在そのものが知られるようになる現象である。意識の存在を許さない法則に支配された宇宙は、全然、宇宙ではない、と論じることもできる。これまでに得られた、宇宙の数学的記述はすべて、この基準を満たしていない、とさえ私は言いたい。推定上の「理論的」宇宙から現実の宇宙を呼び出すことができるのは、意識という現象だけである。



人間の意識の所在をアルゴリズムであるとし、

「現在のコンピューターが意識を持たないように見えるのは

それを動かすアルゴリズムがまだまだ単純すぎるためであり

人間の思考と同等に複雑かしたときにアルゴリズムは意識を持つ」

とする「強いAI論」という立場を、氏は全編にわたって激しく非難いています。



僕は決定論という考え方に気付いてから

かなりの期間この「強いAI論」という考え方をしていたと思います。


僕が好きな「攻殻機動隊」という漫画は、

この辺のところにも示唆しているように思われます。

根底ではサイボーグ(人間)とアンドロイド(ロボット)の間に明確な一線を引きつつも

劇中では、サイボーグ技術とAI技術の発達による両者のせめぎ合いが興味深い。


ペンローズ氏も「かつては自分も強いAI論の立場だった」ということを白しています。

いまではそれに断固反対の立場ですが

コンピューターに意識を持たせることについては

完全には否定していないように思います。


氏が人間の意識がアルゴリズムではないというとき

それは「チューリング機械」で再現出来ないということを意味しており

コンピューターが現在のようなチューリング機械の延長を続けているうちは

意識が宿ることはない、と言っているように思うのです。


この世の物理現象は厳密にある法則に則って起こっているとしたとき

人間の意識はその中に内包されるものなのか

あるいは物理現象は意識自体が生み出しているのか、と考えたとき

前者であれば、人間の意識も物理現象であると言えると思います。


上に掲載した「皇帝の新しい心」の締めくくりの中で

ペンローズ氏は「心の理解の面での大きな前進は、科学と数学を通じて実現されるとという希望も抱いている。」と述べています。

これは人間の意識が物理現象であるよう立場を取りたいという

彼の表明であるように思います。


攻殻機動隊のテレビ放映版には、AIを搭載して単独行動が可能な

「タチコマ」という戦車が出てきます。

他のAIとはことなって、タチコマには人間の意識のようなものが宿りますが

そのために兵器としての信頼性を疑った組織から、解体処分にされてしまいます。


最終回ではタチコマのゴースト(作品世界のなかに登場する「魂」とか「アイデンティティ」とかに似た概念)の所在を主人公が彼らを改装する中で「好奇心」という言葉で表しています。


以上読了後の思いをつれつれと書き綴ってみましたが

ペンローズさんの言っていることのどれだけを理解できたかはかなり疑わしいです。

でも、ただ「ふーん」て感じに受動的に受け止めるのではなく

部分部分で積極的に議論に参加できたことは、とても幸せな体験でした。

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