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妄想小説を読む館コミュの特捜戦隊デカレンジャー妄想編〜ニュージェネレーションズ〜

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あらすじ。

二十数年後の未来から、ホージー、センちゃん、ジャスミン、ウメコ、テツ達デカレンジャーを救う為、彼等の子供達、ニューデカレンジャーが現れた!

果たして、ニューデカレンジャー達は父や母を守り、未来を守れるのか!?

コメント(61)


デカルームには男性陣とスワンが残っていた。

ホージー「しかし、まさか未来からアブレラが復讐に来るなんてな。アンビリーバボーな展開だな」

テツ「それより、未来のデカレンジャーが現れて、彼等がホージーさん達の子供達という方がナンセンスな展開ですよ!ボクなんかわからないんですし!」

ソウ「テツさんも結婚されてお子さんもいらっしゃいますから。大丈夫ですよ」

テツ「本当かねぇ…」

ダン「ただ、テツさんから話さないように言われてきましたから。言えないだけです」

テツ「何なんだ!」

セージ「しかし、僕等の時代、皆さんは、規範模範にするべきデカレンジャーとして、教本にも載るくらいの活躍をします」

ソウ「地球署は勿論ですが、ファイヤースクワッドのバン司令、特凶のテツ司令は宇宙警察の双璧として、アリエナイザーから恐れられる存在です」

ホージー「しかし、何故アブレラはこの時代に来た?もっと前の時代ならさらに簡単に復讐できるだろう」

セージ「過去へのタイムワープはかなり制限されるんです。まず、自分が存在している時代には行けない…」

テツ「!?」

ソウ「つまり、自分が存在していない過去にしかワープはできないんです」

セージ「アブレラは死んだあと復活していますからね。通常来れない、この時代にワープできます…多分、クローンとして蘇る保険をかけていたんでしょうね」

ソウ「最終決戦でダメージを受けている今ならチャンスと感じたのでしょう」

セン「なるほどねぇ…アブレラらしく狡猾だね…」

ダン「歴史はそう簡単に変わりません…ですが、今回のような時空間移動犯罪が増えてくると、世界が崩壊する危険があります」

セージ「もし、父さん達が未来のアブレラ達に殺されてしまうと、今からの歴史がなくなり、宇宙警察は機能しなくなる…歴史も変わってしまい、未来もどうなるかわからない…」

ホージー「やらせるものか…」

ドギー「だが状況は最悪だな。俺達は宇宙警察だ。アリエナイザーが現れて無視はできない」

スワン「アブレラはどの程度の戦力をこの時代に投入したのかわかるかしら?」

ダン「ネオメカ人間は正直、それほど連れて来ていないでしょう。むしろ、この時代のメカ人間を改造して強化したり、アリエナイザーと手を結んでくると思います。怪重機もこの時代のものを改造してくるでしょう」

セージ「超重機はまだ未完成のはずです。起動をなんとしても阻止しないと」

〜ジャスミンの部屋〜

ジャスミン「さ、座って」

アリサは頷いてソファーに腰をおろした。

ジャスミンがコーヒーを煎れる。

ジャスミン「はい、どうぞ」

アリサ「ありがとう…」

ジャスミン「あなたが未来の私の娘だなんて、信じられないわ。娘っていうより、妹みたい」

アリサ「映像で観る若いお母さんより綺麗で驚きです」

ジャスミン「あら。おだてても何もでないわよ?」

アリサ「でも、変わりません…今も未来も…」

ジャスミン「で?話しって…あなたの父親の事?」

アリサ「はい…」

ジャスミン「話さないように言われたんじゃないの?未来の私に」

アリサ「はい。ただそれは皆の前で話さないで欲しいと言われただけで…」


未来…

ジャスミン「アリサ!」

アリサ「はい」

ジャスミン「過去の皆にはあなたの父親の事は話さないで欲しいの」

アリサ「わかってるわ、母さん」

ジャスミンは頷いた。

ジャスミン「もし過去の私が父親の事を聞いたら、話してあげて…でも…」

アリサ「ん?」

ジャスミン「過去の私はあなたをみれば、誰との子供か気づくはずだけどね」


過去…

ジャスミン「さすが未来の私!よくわかってるじゃない」

アリサ「じゃあ…父親のことは」

ジャスミン「ええ。あなたを一目見たときにわかったわよ」

アリサ「はぁ…さすがです…お母さん…」

ジャスミン「ま、あなたが私の姓を名乗っているって事は、夫婦別姓がシングルマザーか…でしょう?」

アリサ「……」

ジャスミン「ま、夫婦別姓はまずないから…シングルマザーかな…イケナイ恋でもしたのかしらねぇ」

アリサ「クスクス」

アリサはジャスミンの言い方におかしくなって笑ってしまう。

アリサ「シングルマザーですけど…イケナイ恋ではないよ…お母さん」

ジャスミン「そ!ならよかった。さすがに、イケナイ恋の娘だと罰が悪いし」

アリサ「私…母を尊敬してます…地球署の皆に助けられたとは言っても、女手一つで私を育ててくれましたから…」

ジャスミン「そう。いい母親になってるみたいで安心した」

アリサ「何かビミョーですね、クスクス」

ジャスミン「今の自分が未来の自分を褒めてれば世話ないわね、フフ」

アリサ「ねぇ…お母さん…」

ジャスミン「ビミョー。違和感ありまくりね…ジャスミンでいいから。呼び方」

アリサ「それは…私が違和感あるんですけど…見た目、母親なので…」

ジャスミン「ま、好きに呼びたまえ、娘さん」

アリサ「好きに呼びます、ジャスミン母さん」

二人は笑う。

アリサ「母さん…私や母さんはアブレラの目の敵にされていますから…」

ジャスミン「ここで大人しくしてなさい?てか?」

アリサ「ま、まあ…」

ジャスミン「未来の私に言われた?」

アリサ「いえ。言っても無駄だろうって」

ジャスミン「なら、無理ね。確かに、私達が死んでしまえば、あなたたちも消えて、歴史が変わってしまうかもしれないけれど、だからってここでじっとしてるなんて、できない相談よ?もし、デカベースごとやられたらおんなじこと。そうさせない為に、あなたたちが未来から来た…これも運命よ。どーんと行くしかない!」

アリサは満足そうに頷いた。

アリサ「やっぱり、母さんは母さんだね」

翌日早く。

ファイヤースクワッドの指名手配を受けているアリエナイザーが怪重機に乗って現れたとの知らせを受けたデカレンジャー達。

ホージー「デカマシンででるぞ!みんな!」

「ロジャー!!」

セージ「俺達も行こう!」

ホージー「何?相手は今の時代の敵だぞ、セージ!」

セージ「このタイミングでファイヤースクワッドに指名手配を受けているアリエナイザーが地球に逃げてくるなんて、アンビリーバボーです!父さん!」

ソウ「アブレラが呼び寄せたに違いありませんよ!」

ダン「クルーガー署長!パト借ります!いこうぜ!アリサ」

アリサ「ロジャー!!ダン」

ソウ「よし!サクラ!」

サクラ「ロジャー!兄さん」

セージ「マシンハスキー使わせてもらいます!父さん!」

ジャスミン「張り切ってるのう…子供達よ」

テツ「何呑気な事を!ジャスミンさん」

セン「デカレンジャーロボで行こう」

署員「怪重機!デカベースに向かってきます!」

ウメコ「ああーん!やっぱりサクラちゃん達の言う通りだぁ」

ドギー「今デカベースを攻撃されたら今までの復旧作業が無駄になる!なんとしても阻止するんだ!」

ダンとアリサがマシンドーベルマン、ソウちゃんとサクラがマシンブル、セージがマシンハスキーに乗り、出動する。

彼等にはかなり旧式のマシンではあるが、教習で乗っていたマシンの為、問題はない。

ソウ「よく整備されてる…」

サクラ「お母さんの香りがする…」

ダン「…ジャスミンさんには父親の事話したか?アリサ」

アリサ「いいえ。話さなくても、私の父親は誰かわかっていたわ」

ダン「そうか…未来のジャスミンさんの言った通りか…」

アリサ「ただ、私がイケナイ恋の子供かもしれないって気にしてた」

ダン「イケナイ恋?何だそれ」

アリサ「不倫ってこと」

ダン「フリン?何だそれ」
サクラは呆れたようにため息をつく。

アリサ「妻子ある人の子供じゃないかってこと!」

ダン「いや、それは違うだろ」

アリサ「だから!それが説明できないんじゃない!私とダンは腹違いの兄妹だって!」

ダン「特に…この時代の父さんには言えない…よな」

アリサ「母さんはとりあえず、不倫の子供じゃないって信じてくれたと思うけど…お父さんには絶対言えない。お父さんにもきつく頼まれたし」

ダン「俺も頼まれた…」
未来…。

ダンのSPライセンスに、父バンから通信が入る。

バン「頑張っているみたいだな、ダン」

ダン「父さん」

バン「アブレラを追って過去へ行くそうだな?」

ダン「ああ。父さん達がアブレラをデリートした一ヶ月後くらいの時代に」

バン「そうか…ダン…アリサの父親の…俺の事はみんなには話すな。特に過去の俺には…な…」

ダン「ああ。わかってる…父さんに話したら、歴史が変わっちまうかもしれない」

バン「ジャスミンにも…出来れば話すな…まあ多分彼女ならアリサをみたら父親が俺だってわかっちまうだろうがな」

ダン「ああ…わかったよ、父さん」

バン「うむ」

ダン「ジャスミンさんとは一緒にならないのか?父さん」

バン「ふっ…今更だろう…彼女も望んでいない…今のままがいいんじゃないか?」

ダン「…必ず…過去の父さんやジャスミンさんは守るよ」

バン「当たり前だ!」

ダン「…母さんにも会いたいな…」

バン「まず不可能だな…レスリー星からマリーが地球に来ていれば会えるだろうが…」

ダン「じゃ、行ってくる!」

バン「頼んだぞ!ダン!」

過去…

アリサ「ダンが母さんの子供じゃないって知った時は、正直驚いたし…お父さんを軽蔑した…」

ダン「俺もさ…母だと思っていたジャスミンさんが本当の母親じゃなかったって知った時はショックだったよ」

アリサ「でも…事情を聞いたら…」

ダン「ああ…凄い人だよ、ジャスミンさんは…いや…母さんは…マリーも母だけど…ジャスミンさんも俺の母さ」

アリサ「うん…」

ダン「父さんも俺もジャスミンさんには感謝してるんだ…血の繋がらない俺を、アリサと同じように分け隔てなく接して育ててくれた…」

アリサ「それは当たり前よ…父の…バンの子供なんだもの…」

ダン「そうかもしれないけど、江成教官やスワンさんはなかなかできることじゃないって言っていた」

アリサ「母は強し!だよ、ダン兄」

ダンはふっと笑う。

ダン「(父さんは話してくれた…)」
未来…

ダンが父バンと母ジャスミンの背中を見て育ち、スペシャルポリスになると決めた日…父バンから衝撃の告白を受けた。

ダン「何だい?父さん…話しって。スペシャルポリスになるのは反対だなんて言わないでくれよ」

バン「ふっ…それは反対したって聞かないだろ、お前は」

ダン「母さんは賛成してくれたからね…」

バン「その母さんの事だがな…ジャスミンは…お前の本当の母親じゃないんだ」

ダン「…何言ってるんだ?父さん…冗談きついぜ?」

バン「冗談でこんな事が言えるか…ジャスミンは…アリサの母親だがお前とは血の繋がりはないんだ」

ダン「……」

バン「お前の母親は、レスリー星人のマリー=ゴールド…この女性だ」

とバンは優しく微笑むマリー=ゴールドの写真を見せた。

バン「マリーは、お前を産んですぐ、ウィルス性の心臓病で亡くなった…」

ダン「この人が本当の母さん…」

バン「マリーと結婚してすぐ、妊娠がわかってな…嬉しかったよ…二人で跳び上がるくらい喜んだ」

ダン「……」

バン「だが、同時に既にマリーは心臓病に犯されていたんだ…今は特効薬がある助かる病気だが、当時は不治の病…ファイヤースクワッドでレスリー星にほとんどいられなかった俺は病気を知らなかったし、マリーも話さなかった」

ダンはじっとマリーの写真を見つめ、バンの話しを聞いている。

バン「赴任先の星でお前の誕生とマリーの死を同時に知らされてな…そばに居てやれなかった自分を呪ったよ…」

ダン「父さん…」

バン「ダン…父さんはな…あの時、お前が産まれた喜びより、マリーを…母さんを失った喪失感の方が大きかった…マリーは病気の事が俺にわかれば、子供は諦めて自分に治療させるってわかっていたから黙っていたんだ…」

と、バンはダンに手紙を渡した。

バン「母さんからの手紙だ…」

ダン「読んでいいのか?父さん…」

バン「ああ…お前にも語りかけてくれているよ」

マリーからバンとダンへの手紙。

〜バンと産まれてくる坊やへ〜

ごめんなさい、バン。

さぞ怒っているでしょうね…

でも許して下さい…

私にはこの選択しかありませんでした…貴方に坊やを残してあげることしか…

病気の事を知ったら、貴方は坊やを諦めて私に治療をさせたでしょうし、ファイヤースクワッドの仕事も手につかなくなるでしょう?

もし、私が坊やを諦めて治療をしたとしても、いずれ私はあなたの前から消えてしまう…思い出以外残してあげられないの…そんなの悲しいでしょう?

だからバン…いつまでも悲しまないで…坊やを貴方以上に立派な男子に育てて欲しい。熱く…真っ直ぐに正義を愛するあなたのような男子に。


ダンは母マリーの手紙に涙を流した。

ダン「なんで…黙っていればわからなかっただろ」

バン「ジャスミンに言われたのさ…いずれわかる日がくる。その時に気分を悪くしないように、分別のつく歳になったら話そうてな…ジャスミンはそういう女性なんだよ」

ダン「…マリー=ゴールド…」

バン「なあダン…俺はそれでもマリーを失った喪失感はなくならなかった…」

ダン「父さん…」

バン「俺は宇宙警察に辞表を出して、地球署に向かった…最後にみんなに挨拶だけしたくてな…」

ダン「!?」

バン「俺はお前とレスリー星で死ぬつもりでいたんだ」

ダン「えっ!?」

バン「結果的に地球署に寄ったことで、俺もお前も今ここにいる…」

ダン「母さんの…ジャスミンさんのおかげ…か?」

バン「ああ。地球署にはギョクさんから俺が辞表を出したと報告が行ったんだろう…慰留はされたが、レスリー星でダンと暮らすと言った俺を快く送り出してくれた…みんな順番に赤子のダンを抱いてくれてな」

ダン「そうか…その時ジャスミン母さんが」

バンは頷く。

バン「デカベースを出て行こうとする俺に立ち塞がったんだ…」


バン「どいてくれないか?ジャスミン」

ジャスミン「いやよ!どかない!バン!あなたレスリー星でその子と死ぬつもりなんでしょ!」

バン「どけよ!ジャスミンには関係ないだろっ!!」
パンッ!

ジャスミンがバンの頬を叩いた。

ジャスミン「間違ってる!」

バン「ジャスミンに俺の気持ちがわかるか!どけよ!」

ジャスミン「わからないわよっ!!」

バン「!?」

ジャスミン「私は愛する人を失った事がないから、バンの気持ちはわからない!だけど!だからって、子供と一緒に死ぬだなんて、間違ってるわ!」

バン「見えたのか…」

ジャスミン「ええ。その子を抱いた時にね…あなたの痛いくらいの悲しい気持ちが伝わってきた…」

バン「だったら、ほっといてくれよ!マリーのいない人生なんて、生きていくのが辛いだけだ」

ジャスミン「あなたの気持ちと一緒に!マリーさんの想いも伝わってきたわ!」

バン「!?」

ジャスミンが涙を流す。

ジャスミン「マリーさんの無念さ…バンにわかる?」

バン「…」

ジャスミン「ごめんなさい…バン…あなたや…坊やと一緒の人生を歩けない…思い出だけじゃ辛いから…坊やを…私とバンの坊やを遺していきます…ごめんなさい…バンなら乗り越えられるから…」

バンはダンを抱き抱えながら、涙を流し、崩れ落ちる。

バン「マリー…マリー…」

ジャスミン「死にたくないよ…死にたくない…ごめんなさい…バン…坊や…」

バン「うおおおーーーマリーーーー!!」

ジャスミン「マリーさんの想い…無駄にしないで…バン…辛いけど…頑張って…私が坊やのお母さんになるから!」

バン「え!?ジャスミン…」

ジャスミンは泣きながら笑う。

ジャスミン「勘違いしないで?坊やのお母さんにはなるけど、バンの奥さんになるわけじゃないから!」

バン「…当たり前だろ…んなこと」

ジャスミン「坊やは地球署皆で面倒みるから!ね?」

バン「…ジャスミン…ゴメン…よろしくな」

ジャスミン「よし!」

バン「その後、俺は辞表を撤回して、特別に許可を得て、ファイヤースクワッドとして地球署へ一年間異動してお前を育てる事になったんだ」

ダン「そうだったのか…」
バン「地球署みんなでお前を面倒みてくれてな…特にジャスミンは…本当の母親みたいだったよ…」

ダン「父さん…ジャスミンさんは俺の母さんだよ…血は繋がっていなくても…」

バン「そうだな」


ダンが宇宙警察養成学校へ向かう日…

ジャスミン「準備はOKね…いってらっしゃい、ダン」

ダン「母さん…」

ジャスミン「ん?」

ダン「僕は幸せ者だよ」

ジャスミン「どうしたの?急に」

ダン「僕には産んでくれたお母さんと育ててくれたお母さん、二人のお母さんがいるんだ…贅沢だよ」

瞬間、ジャスミンの目から涙がこぼれ、後ろを向いた。

ダン「泣いてるのか?母さん」

ジャスミン「泣いてないわよ!目にゴミが入っただけ!」
ダン「ありがとう…ジャスミン母さん…スペシャルポリスになって、地球署に戻ってくるよ」

ジャスミン「ん…待ってるぞ、ダン」


2005年

マシンドーベルマンでアブレラの下へ向かう、ダンとアリサ。

ダン「超重機はこの時代で…ポイント209地点だ」

ソウ「父さん達は大丈夫だろうか?」

ダン「この時代の怪重機相手なら大丈夫だろ…何しろ宇宙警察最高のチームだからな」

サクラ「それに、怪重機を追っかけて、ダンとアリサの若いお父さん…ファイヤーボールバンも来るから大丈夫でしょ」

セージ「ダンとおんなじで、無茶苦茶するみたいだな、この時代の赤の司令官は」

ダン「うるせーぞ、相棒」

セージ「相棒って言うな!」

アリサ「その掛け合い、よく飽きないね、ダン兄」

ダン「掛け合いじゃねーよ、アリサ!」

アリサ「でも、お父さんとお母さんが惹かれ合ったのがなんとなくわかるな…」

ダン「ああ…もう、この時代の父さんがそこまで来てる…」

アリサ「ダンがもう一人増える感じ?」

ダン「うるさいな。アリサだって、ジャスミンさんがもう一人って感じじゃないか」

アリサ「それ言ったら、セージさんもソウさんやサクラだって、親そっくりじゃない」

ダン「まあなー」

アリサ「みんな、目丸くして驚いてたね」

ダン「未来から来たってことより、自分達に似てたのが驚きだったみたいだな」

アリサ「若いお父さんは私を見て将来の自分の子供だってわかるかしら」

ダン「わからないと思うぜ。俺が父さんとマリーの子供だって言えば、多分舞い上がってアリサどころじゃないだろ。と父さんは言っていたけどな」

アリサ「それはそれでなんか寂しいな…」

ダン「アリサ…」

アリサ「ま、仕方ない。私の父親は一般人てことにしておこう!」

「特捜合体!!」

掛け声とともに、五台のデカマシンがデカレンジャーロボに合体した。

「ビルドアップ!!デカレンジャーロボ!!フリーズ!!」

さながらゴリラのような怪重機が暴れながらデカベースに近づいていく。

ジャスミン「ゴリさん!おとなしくしなさい!」

セン「ゴリさんはちょっとどうかな?」

ホージー「これ以上は行かせない!」

「シグナルキヤノン!!」

怪重機に直撃するが、ダメージは全くない。

テツ「突っ込んできます!」

「ジャスティスソード!!」

ジャスティスソードで斬りつけてもダメージがない。
突っ込んでくる怪重機をタックルで押し返すデカレンジャーロボだが…

ホージー「パワーが段違いだ!」

その時、空に轟音が鳴り響く。

バン「宇宙警察ファイヤースクワッド!赤座伴番!!只今参上だーーー」

ファイヤースクワッド専用のデカマシン、ファイヤーバードが怪重機に光線を乱射する。

たまらず怯む怪重機。

ホージー「バン!!ずいぶん早い里帰りだな!もうホームシックか?」

バン「憎まれ口は相変わらずだな!相棒」

ホージー「相棒ってゆーな!」

バン「デカベースには近づかせねーぞ!」

ファイヤーバードが大きく回り込み、ミサイルを撃つ。

セン「うわ!」

デカレンジャーロボが慌てて離れる。

ホージー「バン!!何するんだ!」

バン「文句は後々!とにかくこいつを破壊しねえと!特捜変形!!」

ファイヤーバードがロボへ変形していく。

バン「デカファイヤーロボ!!変形コンプリート!」

ウメコ「真っ赤っか!?さすがファイヤースクワッド」

ジャスミン「どうするの!?バン!!」

バン「ジャスミン達はシグナルキヤノン撃ちまくってくれ!ファイヤーロボの必殺技をぶちかます!」

ホージー「それで倒せるのか!バン!!」

バン「たぶんな!」

ホージー「多分って、お前な…」

ウメコ「あーーーーっ!」

セン「何?ウメコ…いきなり」

ウメコ「あれ見て!」

ロボの左腕がある一点を指す。

ジャスミン「あれは!?黄色のイガイガ君!?」

バン「何だ!?イガイガ君の新型かよ?」

ホージー「アブレラの野郎…何か企んでるな」

バン「アブレラ?アブレラって言ったのか!?どういう…うわあっ」

動揺したバンのファイヤーロボの操作が疎かになった隙に、怪重機のパンチが炸裂し、ファイヤーロボが吹き飛ばされる。

怪重機の胸からミサイルがデカベースに向けて発射された。

テツ「わあっ!シグナルキヤノン!!」

ミサイルを幾つか撃ち落としただけで、外したミサイルがデカベースに迫る。

バン「こなくそーっ!!」

ファイヤーロボが瞬時にファイヤーバードに変形し、ミサイルを受ける。

ホージー「バン!!」

バン「アブレラって何だよ!?相棒」

ホージー「後で話す!怪重機が先だろ!操縦者は誰だ」

デカレンジャーロボと再びデカファイヤーロボに変形したファイヤーバードが怪重機を攻撃する。

バン「アスタ星人ラビースタ!アルカポから脱獄して、怪重機で暴れ回ってるイカレタ奴だ!」

スワン「みんな聞いて!これからデカベースにバリアを張るわ!ただし、その間デカベースの機能は停止するから、何もできなくなるの!時間も5分弱くらい。その間に…何とか…できる?」

通信が途切れてきた。

ジャスミン「5分弱!カップ麺やウルトラ○○より長いから大丈V!どーんと行ってみよーう」

バン「簡単に言うなよ、ジャスミン」

ジャスミン「簡単に考えないと、やってられんでしょが!バンちゃん!(近い将来あなたの子供をねぇ…マリーさんとどうなるのかしら)」

スワン「それ…から…ファイヤーバードと…デカレンジャーロボは新特捜合体できる…」

ホージー「聞いたか!バン」
バン「ああ、さっさと合体してゴリラ野郎を…」

と言いかけた時、

テツ「皆さん!イーガロイドがっ!?」

イーガロイドが怪重機のコックピットに吸い込まれていった。

テツ「どうゆうことだ!?」
怪重機から声がする。

アブレラ「くっくっく…お久しぶりです、地球署のデカレンジャーの皆さん」

バン「アブレラ!?生きていやがったのか!」

アブレラ「ほっほっほ…わたくしは随分久しぶりですが、あなたたちは一ヶ月ぶりくらいでしょうか?」

バン「どういう意味だ!」

ホージー「バン…アブレラは未来からやって来たんだ」

バン「な、何だと!?未来からって…んな馬鹿な」

アブレラ「思ったより、ニューデカレンジャー共の到着と、ロボの復旧が早かったな」

バン「何を言ってるのかわかんねえよ!とにかくぶったおせばいいんだろーが!」

アブレラ「倒す?デカファイヤー…そんな旧式のマシンで?」

バン「ファイヤーバードが旧式だと!?ふざけんな!ファイヤーキヤノン!!」

アブレラ「効きませんよ?このイーガロイドは怪重機のグレードアップアダプターも兼ねていますからね」

セン「グレードアップアダプター!?」

アブレラ「私が開発したドロイドの有効利用ですよ」

ウメコ「なーにが有効利用よ!反則なだけじゃん!」

アブレラ「ニューデカレンジャー共は超重機に向かったようですね…賢明な判断ですが、貴方達が死ねばニューデカレンジャー共も消え去りますからね…特に…ドギー=クルーガーと…デカイエロー…きさまらは絶対に消す!」

ジャスミン「ハイハイ…ご指名ありがとうございます…消しゴムかしましょか?」

アブレラ「いちいちカンに障るアマだ!怪重機デビルコンググレードアップ!」

怪重機が変形していく。

ホージー「バン!!新特捜合体だ!」

バン「行くぜ、みんな!!」

「新特捜合体!!」

デカレンジャーロボにファイヤーバードが分離変形して合体する。
ポイント209地点へ向かうニューデカレンジャー達。

ソウ「ダン、アリサ!若い親父さん現れたってさ!」

ダン「来たか、父さん」

アリサ「この時代のデカレンジャーは揃ったわね」

サクラ「あたしたちは超重機を破壊して…」

アブレラ「そうはいきませんよ!ニューデカレンジャー共」

ダン「アブレラッ!!」

アブレラが小さな円盤の上に乗り、宙に浮いている。

セージ「邪魔だ!アブレラ!」

セージがマシンハスキーに乗ったまま、DDスナイパーを撃つ。

ひょいっと軽くかわすアブレラ。

アブレラ「ほーっほっほっほ…これでもくらいなさい!」

円盤から無数のミサイルが発射される。


セージのマシンハスキーはかわしたが、ドーベルマンとブルはかわせそうもない。

ダン「くっ!やべえ!降りろ!アリサ!」

ソウ「サクラ!」

サクラ「ソウ兄!」

ドーベルマンとブルに
ミサイルが直撃、大破する。

アリサ「きゃああああああ」
ダン「アリサーーーーッ!!」

逃げ遅れたアリサがドーベルマンと吹き飛び、ドサッと地面にたたきつけられた。

アブレラ「ほーっほっほっほ!死んだねぇ…呆気なく」

無惨な姿でピクリとも動かないアリサ。

ダン「アリサ…?嘘だろ?アリサ!」

ソウ「アリサ…」

サクラ「アリサーァ…いやあああ…」

アブレラ「ククク…忌ま忌ましい礼紋のガキめ!ざまあ…あ?」

アブレラのボディーにDサーベルが突き刺さり、貫通した。

アリサ「む!アブレラじゃない!?」

アリサが宙に浮かびながら、アブレラの背後からDサーベルを突き刺したのだが、その姿がネオメカ人間、ネオイーガロイドに変わった。

ダン「ミラージュディメンション!!」

アリサ「やっぱりニセモノ…やるじゃない!アブレラ」

アブレラ「ミラージュディメンション…ちっ!古典的な手にひっかかるとは…」

アリサ「焼きが回ったわね!アブレラ!」

爆発寸前のイーガロイドを蹴り飛ばし、円盤に飛び乗るアリサ。

ダン「脅かすな!アリサ!」

ソウ「頼むよ…アリサ…勘弁してくれ」

サクラ「もう!パフェ奢りなさいよ!アリサ…ってあれえ?セージさんは?」

セージ「ポイントに向かってる!」

アリサ「セージさんには合図送っといたの」

サクラ「合図って…いつの間に…」

アリサ「パトランプを一回点滅させたのよ」

ソウ「それがミラージュディメンションの合図?」

ダン「いつの間にそんな合図を決めてたんだよ」

セージ「そんなことより、ビークルやられてどうする?」

サクラ「どうしよー?」

アリサ「これにつかまってみそ、みんな」

アリサは円盤を試して乗ってみる。

アリサ「進みたい方に体重を移動させるだけみたい。サーフィンやスノボみたいなもんかな」

三人が円盤に掴まってみる。

アリサ「わ!浮いたままだ。大丈夫そうだよ」

円盤がスーッと滑る。

サクラ「きゃっ!!」

ダン「ゆっくりたのむぜ!アリサ」

ソウ「ゆっくりじゃダメでしょ?ダン」

「ビルドアップ!!デカフェニックスロボ!!」

バン「すげえ!すげえぜ、スワンさんは!」

デカレンジャーロボとファイヤーバードが新特捜合体し、デカフェニックスロボにグレードアップした。

アブレラ「ククク…未来の科学力、思い知るがいい!」

グレードアップした怪重機、デビルコングとデカフェニックスロボが相対した。

バン「未来かなんだかわかんねーけどな!正義は必ず勝つ!!だろ!みんな!」

ダン「こちらニューデカレンジャー、ダンです」

バン「ニューデカレンジャー?ダン?だれだ!お前」

ウメコ「未来からきた、バンの息子だよー」

バン「なっ!?何だって!?俺の息子!?何いってんの?ウメコ」

セン「ニューデカレンジャーの皆さん、こっちは怪重機がグレードアップアダプターでパワーアップしたんだよねぇ」

ソウ「アブレラがネオイーガロイドを使ったんですね」

サクラ「こちらは超重機の隠されている場所に向かっています」

バン「超重機?何だよ…俺のわからない事ばっかりだ」

ホージーとジャスミン、テツがデビルコングと戦っている。

ウメコ「こっちはバンのファイヤーバードと合体して対抗してるんだけど!」

サクラ「お母さん!」

バン「お母さん!?」

ウメコ「あたしたちの未来の子供達なんだって!バン!!あたしとセンさんの子供は双子らしいの」

バン「マジかよ…」

ダン「ファイヤーバード…この時代の最新鋭マシンだ…父さん!」

バン「あー頭グシャグシャだーっ!わけわかんねー」

ダン「バン父さん!」

バン「俺の子供って…相手誰?」

ダン「マリー=ゴールドに決まってるでしょう!それより…」

バン「マリー!?やっぱマリーと結婚するのか!?いよっしゃーー!!やる気出てきたぜ!」

ダン「(やっぱ単純だ…)ファイヤーバードは僕らの時代でもまだ量産型として現役です!この時代の怪重機がグレードアップしたくらいなら、倒せる筈です!」
ジャスミン「スピードは勝ってるけど、火力がイマイチ!」

ホージー「火力だってデカウィング以上はある!アンビリーバボーなパワーなんだ!」

テツ「ヘビー級にミドル級が戦いを挑んでいるみたいなものだよ!先輩のジュニア!」

ダン「後は…伝説の最強チームって教本に載る、父さん達のチームワークで何とかなります!」

バン「よっしゃ!怪重機もろともアリエナイザーをデリートして、マリーと結婚だぁ!行くぜー!」

ウメコ「もうマリーさんの事しか頭にない…」

セン「バンらしいねぇ」

ジャスミン「(…微妙…本当に…不倫とかじゃないのかしら…)」

ガガガーン!ロボがデビルコングの攻撃を受ける。

ホージー「ジャスミン!?どうした!」

ジャスミン「ゴメン!油断した!」

ウメコ「(おかしいな…ジャスミン…)」
バン「アブレラの野郎ー。往生際が悪いんだよ!時代を越えて復讐なんてふざけやがって!」

ホージー「どうする、バン!」

バン「パワーにはスピードで対抗するっきゃないだろ!」

ジャスミン「当たらなければどうということはない!」

ウメコ「なに?それ」

ジャスミン「赤い人の名台詞よ!」

セン「確かに当たらなければね」

ホージー「みんな!攻撃は受けないで、ゴリラのウィークポイントを探すんだ!」

「ロジャー!」

バン「よっしゃあ!ファイヤーブースター!!」

デビルコングの攻撃を超高速でかわしながら、シグナルキヤノンを連射する。

ジャスミン「一撃離脱!」

ウメコ「乾坤一擲!」

セン「意味わかってる?ウメコ」

テツ「くらえ!北斗百烈拳」

ホージー「ふざけてる場合か!スーパーガトリングパンチ!!」

高速移動しながらスーパーガトリングパンチを四方八方から放つ。

ウメコ「わーかったぁ!弱点は右肩!そこの装甲が弱いみたい!」

ジャスミン「一気にどーんっ」

一方、ニューデカレンジャー達は…

アブレラ「お待ちしてましたよ、皆さん」

サクラ「待っててくれって言った覚えはないけど?」

アリサ「右に同じく!」

ダン「アブレラ!超重機は起動させないぜ!」

セージ「お前はこの時代に存在しえないんだ!デリートする!」

ソウ「往生際悪いよ?」

アブレラ「クククク…ばかめ…」
アブレラの合図で、メカ人間と、アリエナイザーの集団が現れた。

アブレラ「超重機は既に起動準備に入っている!やれ!」

ダン「くそ!」

セージ「地下からものすごいエネルギー反応がある!」

ニューデカレンジャー達がメカ人間達を迎え撃つ。

ソウ「こいつら、みんなグレードアップブースター装着されてるよ!」

アリサ「いっきにいくべし!」

サクラ「やああああっ!」

セージ「ダン!ここは俺達に任せろ!お前だけでも地下へいって、超重機を!」

ダン「ロジャー!任されて!相棒!おりゃああああ」
ダンがDDリボルバーを撃ちながら、地下への入口に突進する。

セージ「みんな!ダンを援護しろ!」

アブレラ「ええい!小癪なガキどもが!レッドだ!レッドを集中攻撃しろぉ!」

アブレラもダンに向かって銃を撃つ。

アリサ「サクラ!一気にいくわよ!」

サクラが頷く。

サクラ「この時代のツインカムエンジェルには負けないわよー!エレクトロンゼニボム!平次投げ!えいやあ」

サクラが連続してEゼニボムを投げたところに、アリサがDDリボルバーを撃ち、電撃を連鎖させた。

メカ人間が感電し、倒れていく。

アリサ「ダン!今よ!」

ダン「ナイス!ツインカムエンジェル!」

アリサとサクラはサムズアップで応えた。

バン「いくぜ!ファイヤーシグナルキヤノン!フルバースト!」

ホージー「右の肩だ!」

ジャスミン「壊れたら、ジョーブ博士に治してもらいなさい!」

右肩を狙い、ファイヤーシグナルキヤノンを放つ。

しかし、デビルコングは、構わずに突進してきた。

ウメコ「わあっ!?ゴリラ猛進!」

距離をとって、右肩を撃つ。

デビルコングは左腕を水平に上げると、パンチをロケットのように飛ばした。

センチャン「おっと!まるで○ジンガーZみたいだね」

ホージー「マズイ!凄いエネルギー反応だぞ!」

間一髪かわしたが、パンチは追尾してくる。

そこに、デビルコングがタックルをかました。

テツ「やるじゃないか!ゴリラのくせに!」

ホージー「パンチが来るぞ!」

バン「クソッ!おりゃあああ」

パンチをまた間一髪でかわしたロボは宙に逃げる。

ジャスミン「初めからこれでよかったんじゃない?バンちゃん」

しかし、パンチは追尾してきた。

ホージー「撃ち落とす!」


センチャン「駄目だ!ホージー!あのパンチは核弾頭と同じくらいの破壊力がある!ここで爆発したら、周辺は消し飛んでしまうよ」


ホージー「くそ!」

地上はデビルコング、空中はパンチのミサイル。
撃ち落とすことはできない。

バン「なるほどな!熱感知システムか!おし!合体解除!」

デカフェニックスロボから、ファイヤーバードが合体を解除した。

ホージー「なっ!?おい、バン!なにやってんだ!」

デカレンジャーロボは墜落した。

テツ「先輩!何を…あっ」

パンチは急旋回して、ファイヤーバードを追尾し始めた。

バン「熱感知なら、ファイヤーバードの方が熱いんだよ!きやがれ!宇宙で爆発させてやるぜ!」

ウメコ「なるほど!なかなかやるじゃん!バン!」

ジャスミン「あれって、ファイヤーバードが熱いんじゃなくて、バンの熱血のせいなんでない?」

センチャン「そうかもね」

ホージー「馬鹿言ってる場合じゃない!こっちはゴリラ相手にデカレンジャーロボなんだぞ!」

デビルコングがデカレンジャーロボに猛攻を仕掛ける。

テツ「スワンさーん」

スワン「デカベースにバリアははれたわ!パリンて割れないから安心してちょうだい!今、ドゥギーが向かっているから!頑張って!」

ホージー「ボス?」

ドギー「デカバイクロボで向かってる!何とか凌げ!」


テツ「デカバイクロボ!?改修が終わったんですか!」

スワン「何とかね!ただし、スーパーデカレンジャーロボとファイヤーバードは合体できないわ。時間が足りなくてそこまで改修できなかったの」

ホージー「く!マズイ!このままじゃ」

デビルコングの留めのタックルが迫ってきた時、横からのデカバイクロボのキックで弾き飛ばした。

ドギー「間に合ったか!テツ!代われ!」

テツ「ロジャー!」

パイロットが入れ代わり、デカレンジャーロボとデカバイクロボが合体し、スーパーデカレンジャーロボになった。

スワン「切り札は、デカバイクロボよ!バンのファイヤーバードが戻ってきてからが勝負!それまでスーパーデカレンジャーロボで凌いで!」

「ロジャー!」

一方、ニューデカレンジャー達は、超重機起動を阻止するために奮闘していた。

格納庫へ走る、未来からやってきた、バンの息子、デカレッドのダン。

ダン「おかしい…敵が全く出てこない…罠か?」

ダンを邪魔するメカ人間やアリエナイザーは現れない。

どんどん地下へと降りて(降ろされて?)行く。


目の前に巨大な扉が現れた。

ダン「いかにも…な扉だぜ」

どうするのか思案していると、音もなく、静かに扉が開く。

ダン「へん!お待ちかねってやつ……!?」

扉の向こうは、巨大なドーム状になっていて、中央には…

ダン「あれが!?超重機…(やべえ…あんなのが起動したら…)」

戦慄するダン。

超重機は、デカベースロボを摸したらしいが、漆黒の闇のように黒く、デカベースロボを遥かに凌ぐ大きさであった。

そこに響く、アブレラの声。

「お待ちしていましたよ、未来のデカレッド。どうですか?わたくしの最高にして最強の超重機は」

「どこだ!出てこい!アブレラッ!」

ダンが超重機に近づいて行く。起動を止めるにしても、超重機自体が巨大すぎてわからない。

アブレラ「残念ながら、デカレッドくん。超重機は既にスタンバイできていましてねぇ」

ダン「何だと!」

アブレラ「コアとなるメカ人間、メテオロイドをコックピットに座らせれば、超重機…デビルズデカベースは起動します」

ダン「デビルズデカベースだと!?ふざけやがって!」

アブレラ「起動したら…未来のデカレンジャーのあなたならわかりますね?絶望的であることくらいは…くっくっく…」

ダン「……(メテオロイドを倒すしかねえ!)」

アブレラがダンの考えを見抜いていたかのように言い放つ。

アブレラ「メテオロイドを倒せばいいなどと考えていませんか?くっくっく…メテオロイドを倒しても、わたくしがマニュアルで起動させれば済む事ですが、時間がかかり、面倒なのですよ」

ダン「くっ」

アブレラ「しかし?このままデビルズデカベースを起動させてしまうのも、面白くないですねぇ…貴様らニューデカレンジャーと、この時代のデカレンジャーにはとことん絶望をあじあわせてから、殺してやりたいですし…メテオロイド!」

そうアブレラが叫ぶと、瞬時にダンの前に、メテオロイドが現れた。
隕石を摸した頭には、紅い目が一つだけで、身体からは、どす黒いオーラを放っていた。

ダンの背筋に戦慄が走る。

とてつもなく高い戦闘力。

アブレラ「くっくっく…メテオロイドは貴様の時代で売りに出す予定の次世代新型メカ人間…過去から貴様の時代の宇宙警察のあらゆる情報をインプットし、デカレンジャーを確実に…貴様らの言うデリートをするための兵器なのです!もちろん、デビルズデカベースもね」

「へっ!ご苦労な事だな!」

「あなた方に、チャンスを差し上げましょう。メテオロイドを倒すチャンスをね」

「いいのか?お前のそういう、驕りや高ぶりが身を滅ぼしたんだぜ?」

「くっくっく…そうかもしれませんが…メテオロイドはあなた方には倒せませんよ?絶対にね」

「この世に絶対なのは、正義は勝つって事だけだ!」

「正義は勝つ…あなたの父親も馬鹿みたいに叫んでましたが…それも今日までです!メテオロイド!死なない程度に痛めつけてやりなさい!クルーガーや、この時代のデカレンジャー共に絶望を見せてやりましょう!」

アリサ「早く片付けて、ダンに合流しましょう!嫌な予感がする」

セージ「ああ。とてつもない奴が地下にいるみたいだな」

ソウチャン「アブレラの動きもおかしいよ…まるで何人もいるかのようだ」

サクラ「それって…コピーとかクローンとか?ソウ兄」

アブレラ「さすが、デカグリーン!その通りです。わたくしは、超重機の工場、ここ、そして…未来に…」

セージ「ナニッ!?」

アブレラ「未来の私は…ここで、デカレンジャーとドギー=クルーガーを始末すれば、あなたがたも消滅し、宇宙警察地球署は裸同然…それを待ってデカベースを乗っ取ればいいだけ…」

ソウチャン「そう、うまくいくものか!」

アリサ「そうよ!正義は負けない!必ず勝つのよ!」

サクラ「父さんや母さんは私達が守ります!」

アブレラ「ほっほっほ…ならば、工場へ行ってみるがいい!レッドはくたばっていなければいいがなぁ?くっくっく…」

セージ「ダン!ダン!」

アブレラ「無駄ですよ。工場内は全ての通信が遮断されますからね…」

セージ「クソッ!行こう。みんな!」

アブレラ「さて…親共はどうしていますかねぇ?」


バン達現在のデカレンジャーは、デカベースを守るため、怪重機デビルコングと戦っていた。

デビルコングが放った追尾するパンチのミサイルをバンのファイヤーバードが宇宙へ誘導して爆発させる間、性能で劣る、スーパーデカレンジャーロボで凌がなければならない

デビルコングは飛ばしたパンチの左腕から、レーザービームを放つ。

凄まじい衝撃にコクピットが揺れる。

ドギー「むう!堪えろ!お前達!」

ホージー「スーパーデカレンジャーロボでパワーはアップしたが、スピードがダウンした!」

ジャスミン「攻撃は私が受けるわ!みんなは攻撃に集中!ドーンといってみよう!」

パトアーマーが合体した右腕が装甲は1番厚い。

ドギー「よし、攻撃後の隙にガトリングパンチを打ち込め!ウメコ」

ウメコ「ロジャー!」

デビルコングが突進しながら、左腕でパンチを打ってくる。

ジャスミン「ハッ!」

ズガガガアアアン!

次の刹那、スーパーデカレンジャーロボの右腕が吹き飛んでいた。

ジャスミン「………」

ドギー「な!?ジャスミン!?」

ホージー「なんてパワーだ!ジャスミン!ジャスミン!今のショックで気絶した!?ジャスミン!」

ウメコ「こんにゃろおー!ガトリングパンチだーーー」

左腕だけのガトリングパンチをデビルコングの右肩に打ち込む。

ガクンと揺れて、右肩が破壊されたデビルコング。

センチャン「よし!」

テツ「今のうちに、ジャスミンさんを!」

しかし、デビルコングがジャスミンのパトアーマーに狙いを定め、襲い掛かる。

ドギー「む!ホージー!セン!」

スーパーデカレンジャーロボが回り込んで、タックルをぶちかます。しかし、ものの見事に跳ね返された。

ドギー「うおお!?」

ウメコ「ジャスミン!起きてぇ!ジャスミン!」

必死に通信を試みる、ドギー達。

ジャスミン「……」

ドギー「ダメか!?」

デビルコングがパトアーマーに襲い掛からんとしたまさにその時…

バン「やらせるか!おりゃあああ!」

ファイヤーバードのダンがデビルコングに突撃する。

デビルコングが怯んだ隙に、ファイヤーバードはパトアーマーを掴んで宙へ舞い上がる。

バン「ジャスミン!おい!ジャスミン!」

ジャスミン「………」

ジャスミンは、過度の衝撃とGを受け、変身が解除され、失神していた。

ウメコ「こらぁ!バン!そんなに揺すったら、ジャスミンが!」

バン「大丈夫だって!」

センチャン「そりゃ、大丈夫かもしれないけどねぇ…レディーには優しくしないとね…」

バン「む…」

センチャン「相手がマリーさんでもそうするかい?バン」

ウメコ「そーだそーだ!」

バン「ちぇっ…何だよ…」

ジャスミン「……う…ん…」

テツ「ジャスミンさん!」

ドギー「ジャスミン!気づいたか?」

ウメコ「ジャスミン!おーい」

ジャスミン「……ん?あら?…しまった!って、何で空飛んでる?」

バン「よう!ジャスミン」

ジャスミン「バン?なんじゃらほい?とにかく、再び合体!」

バン「大丈夫みたいだな!それ!」

パトアーマーをスーパーデカレンジャーロボに投げるファイヤーバード。

ジャスミン「わあっ!ちょっと!超部分的特捜合体!」

ウメコ「バン!ジャスミンに対しての扱いはマリーさんに言い付けとくからねー!バンは女性を大切にしないから、結婚は考えた方がいいってねー」

バン「い!?それはやめて!」

テツ「ウメコさん、それじゃ、歴史が…」

ホージー「それくらいで変わるわけないだろ。バンが戻ってきた…スワンさん!」

スワン「みんな!時間がないわ!みんなの子供達、大ピンチ!さっさとブンターいえ、デビルコングを倒して!」

テツ「スワンさん、今ブンターとか言いませんでした?ね?先輩」

バン「ん?聞かなかった事にしとけ、テツ。後が怖いからな」

ドギー「……余裕だな…俺達…」

スワン「スーパーデカレンジャーを解除して、デカフェニックスロボになって!」
スワンの指示でデカフェニックスロボに合体する。

スワン「テツー!デカバイクロボを特捜変形よ」

テツ「あ!ライディングデカフェニックスロボですね!ロジャー!特捜変形!」

デカバイクロボが変形していく…が…

ジャスミン「おや?」

テツ「え?ええっ!?」

デカバイクロボはバイク形態ではなく、武器に変形したようだ。

スワン「デカバイクバズーカよ!」

ドギー「あの短い期間にデカバイクにこんな仕掛けを!?やるな、スワン」

スワン「今更でしょ?平和になったら、たっぷり休暇を戴きますからね。さあ、特捜武装よ!」

「特捜武装!」

デカフェニックスロボにデカバイクバズーカが装備された。

バン「うひょお!すげえ!」

テツ「やっぱりスワンさんは天才ですね…」

スワン「いい?それはあくまでも、緊急措置だから。パワーはあるけど、一発だけ。必ず決めて!ドゥギー!みんな」

「ロジャー!」

ジャスミン「借りは返してあげるわよ!覚悟しなさい!ゴリさん」

バン「デカバイクロボとファイヤーバードのエネルギーを充填!いっくぜー」

凄まじいエネルギー弾が発射され、デビルコングを貫いた。

轟音とともに、爆発するデビルコング。

「ゴッチュー!」

 超重機の地下工場を奥へ進むセージ達。

やがて、超重機が繋がれた格納庫に行き着いた。

サクラ「ああっ!?ダン!ダンがっ!」

サクラが叫んで指差す方角を観ると、メカ人間メテオロイドに頭を踏み付けられたダンがいた。変身は解除されている。

アリサ「ダン!ダンーーー!」

響くアブレラの声。

アブレラ「ようこそ!わざわざ未来から…そこにいるのは、最強のメカ人間、メテオロイド!みなさい、仲間のぶざまな姿…くっくっく…手も足も何も出ず、ご覧の有様…ニューデカレンジャーもたいしたことないですねぇ?」

ダン「……」

セージ「ダン!」

ソウチャン「ダン!」

サクラ「こんにゃろおー!」

サクラがメテオロイドにつっかかる。

アリサ「サクラ!」

釣られるようにアリサも後に続く。


サクラ「足をどけなさいよ!たーっ!ママ直伝!サクラ爆弾キーック!」

アリサ「爆弾じゃないけどアリサキーック!」

息のあった二人のキックだったが、ものの見事に跳ね返された。

「きゃああああ」

弾き返された二人をセージ達が受け止める。

セージ「大丈夫かアリサ?」

ソウチャン「また母さんに叱られるぞ?サクラ」

アリサ「あいつ…ただのメカ人間じゃないわ…」

サクラ「みんなで力を合わせていこう!」

その時、メテオロイドに踏まれていたダンが目を覚ました。

ダン「ぐ…うう…」

セージ「ダン!大丈夫か!」

ダン「みっともない姿を晒したぜ…ぐふっ…みんな…こいつは超重機のコアらしい。こいつが超重機のコクピットにすわったら、起動しちまう…ぐふ…倒さないと…ぐわあああっ」

メテオロイドが踏み付ける力を強める。

セージ「ダン!くそ!いくぞ!みんな!スワットモード!オン!」

「スワットモード!オン!」

アブレラ「スワットモード?くっくっく…そんな時代遅れの装備など、メテオには通用しませんよ」

セージ「時代遅れかどうか、みせてやる!俺達の時代のスワットモードをな!」

ソウチャン「行くよー、サクラ」

サクラ「ロジャー!兄さん」
アリサ「スワットモード、エスパーウェーブ!」

アリサの持っているステッキから、不可視のエスパーエネルギーが放出され、一瞬にして、ダンがアリサの傍に瞬間移動した。

アブレラ「な、なに!?」

驚いて動きが止まったメテオロイドに、ソウちゃんとサクラのマッハの動きの格闘技が決まる。

メテオ「!?」

ソウチャン「む!」

サクラ「こいつぅ」

メテオロイドも負けじと反撃に転じる。

セージ「……」

セージはDリボルバーMARK?を構え、隙を狙っていた。

アリサ「ダン、少し待って…」

アリサはダンの心臓付近に手を翳し、目を閉じる。


ヒーリングによって、ダンの傷と体力がみるみる回復していく。

アリサ「念のため、ヒカルさんのエスパーエネルギーを充填していてよかったわ…」

ダン「何度目だ?アリサにヒーリングされるの」

アリサ「さあねぇ?毎度毎度の事ですから…よし!」

ダン「ほんと、ジャスミンにそっくりだな…アリサ」

アリサ「ダンだって、父親そっくりじゃない」

立ち上がったダンはスワットモード、ファイヤーブラスト!

ダンのデカレッドはスワットモードのレッド専用装備ブラストマグナムとブラストアーマーを装備した。

ダン「おっしゃあ!DリボルバーMARK?と合わせていくぜ!」

セージ「ぬかるなよ!ダン!」

ダン「お前もな!相棒」

セージ「ふん!」

ダン「聞いてくれ、みんな!そいつが超重機のコアで起動キーになるみたいだ!倒せば、アブレラだけだ!」

「ロジャー」

アブレラ「(くっくっく…馬鹿どもが…超重機の起動はすでに始まっているのだ)」

デビルコングを倒した、バン達は、未来から来た自分の子供であるニューデカレンジャーと合流するため、超重機のもとに向かっていた。

バン「そういう事だったのか!アブレラの野郎…きたねえ真似しやがって…ゆるせねえ!」

ドギー「ニューデカレンジャーが現れた時点で歴史は変わったが、まだ修正範囲内らしい。俺達が消えれば、未来の俺達、お前達の子供達も消え、歴史が変わり、最悪、世界が崩壊する」

ホージー「そんな事はさせない」

ウメコ「ダンくんなんか、バンそっくりだよー?火の玉ボーイだし」

テツ「サクラって子だって、ウメコさんがもう一人いるみたいじゃないですか」

センチャン「未来の俺…大変かもねぇ」

ウメコ「ちょっと!どーゆー意味よ!センさん!」

ジャスミン「ウメコが二人じゃねぇ…センちゃんハゲなきゃいいけど」

ウメコ「何よ!ジャスミンまで!でも、ほんと、アリサちゃんもジャスミンそっくりだけど、父親誰なのかなぁ…気になるぅ」

ジャスミン「……気にならんでいい」

テツ「俺なんか、子供がこの時代に来てないし…」

バン「デカレンジャーじゃないんだろ?多分。相棒みたいに、相手は一般人なんじゃねーか?後輩」

テツ「はぁ…不公平ですよ」

ドギー「何を言ってる、テツ。俺なんかこのまま長官だぞ?」

スワン「私達…いまのままみたいね?ドゥギー」

ドギー「う?ゲホゲホ…ワウーン」

ウメコ「ソウくんなんか、センさんよりイケメンだし!うふ」

センチャン「すいませんねぇ…イケメンじゃなくて」

ウメコ「え!?いやいや、そーいう意味じゃないよぉ…」

バン「アブレラをぶったおして、俺とマリーの息子に御対面といくか!」


2030年

ホージー「やはり…アブレラは複数クローンで復活させ、この時代にも残したのか…」

ジャスミン「保険の好きな人ですこと、ホホホホ」

ヒカル「過去で万が一、計画がうまくいかなくても、この時代でまた武器商人を始めるつもりですね」

ホージー「そうは問屋が卸すものか。ジュニア達が帰ってくるまでにアブレラをデリートするか?ジャスミン」

ジャスミン「とーぜん!若い者にはまだまだ負けませんぜ?旦那」

ヒカル「やる気満々ですね…お二人とも」

ホージー「アブレラめ…今度こそきっちりとかたつけさせてもらうぜ」

ジャスミン「なら、私達、超能力捜査課の出番ね!ヒカル」

ヒカル「ロジャー!茉莉さんって、どうするんです?」

ガクッとずっこけるホージーとジャスミン。

ジャスミン「私のコレで、アブレラの跡を追うのよ!」

と、ジャスミンが右の手袋を外して手をヒラヒラさせた。

ジャスミンとヒカルの超能力捜査課がアブレラの居場所を探るため出動して間もなく、宇宙警察の長官となったドギーから通信が入る。

ホージー「長官!」

最敬礼するホージー。

ドギー「まあ、そう畏まるな、ホージー。二人の時は昔のようでかまわん」

ホージー「ロジャー!」

ドギー「スワンから話しは聞いた。アブレラめ…しつこい奴だな」

ホージー「全く狡猾な奴です」

ドギー「アブレラデリートには本部として全力で協力する。助っ人を派遣した」
ホージーはニヤリと微笑む。

ドギーが派遣した助っ人は奴…奴しかいない。

ドギー「アブレラはかれこれ約五年、また新たにネットワークを張り巡らせて、宇宙を混乱に陥れている張本人に間違いない。アルカポには精鋭の新設部隊、タスクフォースを配置した」

ホージー「タスクフォース!ついに結成されましたか」

ドギー「ああ。バン、テツ、セン、ウメコ達の努力と協力のおかげでな…あいつらには頭が下がる思いだ」

宇宙警察学校や、ファイヤースクワッド、特凶から特に優秀なスペシャルポリスを召集し、特殊訓練を受けた精鋭部隊、タスクフォースを結成したドギーは、地球署のヒカルにも白羽の矢を立てたのだが…

ホージー「ヒカルはジャスミンが説得しなければ無理でしょう…」

ドギー「うむ…」

ホージー「しかし、長官…ヒカルは地球署にもいなくてはならない存在です…」

ドギー「それは承知しているが、今や赤白の特凶だけではもたない時期にさしかかっている…ヒカルが地球署に留まりたい理由はあくまでも個人的な理由だからな…気持ちはわかるが」

ホージー「ヒカルにはこの一件が解決したら、俺とジャスミンで話しをしてみますよ」

ドギー「よろしく頼む」


一方、アブレラのあしどりを、ジャスミンのサイコメトリーとヒカルのテレポーテーションをつかい追う二人。

アブレラのアジトの一つにやってきた。

ジャスミン「五年かけて、着々と計画を遂行してたみたいね…」

ヒカル「執念深い奴ですね」

ジャスミン「ほんとに…まさか二十年以上たってアブレラに関わるなんて考えてもみなかったわ…次は…ここね…」

ジャスミンはSPライセンスの地図のある場所を指差す。

ヒカル「ポイント305…メガロポリスベイのあたりですね」

ジャスミンとヒカルは手を繋ぐ。次の瞬間に二人はその場から忽然と姿を消した。

こうして、いくつものアブレラの痕跡を追っていた二人だが…

ジャスミン「おかしい…激しく違和感…」

ヒカル「おかしい?確かに、アジトを転々としてますが…」

ジャスミン「違う…そうじゃない…簡単に、追跡出来過ぎている…」

ヒカル「え?」

ジャスミン「アブレラは頭がよく、狡猾なレイン星人…こんなにはっきりと痕跡を残すような真似はしない…まして、私やヒカルがエスパーだってわかっている。どんな力をつかうのかも…」

ヒカル「まさか…罠?」

ジャスミンは頷く。

ジャスミン「次の場所が現在のアジトだって…間違いなく罠…しかも、それを見破る事もわかっているわ…」

ヒカル「アブレラめ…」

ジャスミン「こい…スペシャルポリス共…積年の怨み…晴らしてやる…」

ジャスミンはアジトでアブレラの残留思念を読む。

ヒカル「いきましょう!虎穴に入らずんば虎児を得ず!です!茉莉さん!」

ジャスミン「却下!飛んで火に入る夏の虫になるわよ。昔ならともかく…私は既に一戦を退いたオバサンなんだから…」

ヒカル「…ボスに連絡を…」
その時…

ジャスミン「危ない!ヒカル!…」

ジャスミンがヒカルを抱えて倒れ込む。

ジャスミン「ぐっ!?」

レーザービームがジャスミンの太股を貫いた。

ヒカル「ま、茉莉さんっ!」

ジャスミン「あううっ…」

立て続けに襲い掛かるレーザービームを今度はヒカルがジャスミンを庇いながら、物陰へ逃げ込む。

ヒカル「茉莉さん!くそ!すでに囲まれている!」

ジャスミン「ぐぅ…敵もさるものひっかくもの…ね…」

ヒカル「今手当てを…!?」

バチバチバチッ!

ジャスミン「させてくれないみたい…あううっ…」

ヒカル「ボス!ボス!…!?通信不能!?」

そして響く、アブレラの声。

アブレラ「ほっほっほ…かかりましたね、ネズミが二匹…この一帯に通信のジャミングを張りましたから、通信は無駄です…」

ジャスミン「……」

2030年、宇宙警察本部。

ドギー「来たか…」

本部の長官室に、淡い紫色の制服を着た若者がやってきた。

宇宙警察、タスクフォース所属の姶良鉄平…テツとリサ=ティーゲルの息子である。

テッペイ「お呼びですか!長官!」

鉄平が最敬礼をする。

ドギー「例のロボが何とか間に合った…すまんが、ダン達のいる過去へ行ってもらいたい」

鉄平は微笑む。

テッペイ「ダン先輩はやっぱり過去へ行っていたんですね?連絡がとれないわけです…」

ドギー「うむ。ダンや過去のお前の親達には悪いが、超重機は起動してしまう可能性が高いとスワンが結論を出してな…タスクフォースとしての任務ではないが…」

テッペイ「いえ…ダン先輩やバン司令、みんなには、僕をここまでにしてもらった恩がありますから。喜んで行きます。過去の父にも会いたいですし」

ドギー「うむ…だがリサの事はどうする?過去のあいつは、朴念仁なところがあるからな…リサがお前の母親だと知ったら、パニックになって、戦いどころではなくなるかもしれないぞ」

テッペイ「ホージーさんみたいに一般人ということにしておきます」

ドギー「うむ、それがいいだろう」

テッペイ「伝説の最強チームに会える…ワクワクしますね!」

ドギー「頼んだぞ、鉄平。超重機は破壊してくれ」

テッペイ「ロジャー!」


その時、長官室のメインモニターに、テツの姿が映る。

テツ「長官!おっと、鉄平…間に合ったか!新型が」

テッペイ「スワンさんは天才だから」

ドギー「タスクフォースに配備する新型のプロトタイプだ」

そのスワンが長官室にやってきた。

スワン「頼むわよ!テツJr.」

テッペイ「任せて下さい!新型でガツンとやってやります!」

スワン「いい?新型とはいえプロトタイプだから、エネルギーの加減ができないから、扱いは難しいわよ」

テッペイ「ダン先輩達や過去の父達と力を合わせれば何とかなるでしょう!ね?父さん」

テツ「油断はするなよ?それから、リサ…母さんの事は…」

テッペイ「わかってますよ!昔の父さんはスワンさんが…」

テツ「わーーーーー!馬鹿者!余計な事は言わなくていいんだ!」

スワン「?」

ドギー「わん!」

スワン「もうすぐ、往復分のエネルギーがチャージできるわよ。準備はいいかしら?Jr.」

テッペイ「はい!」

スワン「新型は、悔しいけれど、超重機を参考にして、発展させた機体よ。扱いさえ間違えなければ、勝てるわ」

テッペイ「正義は必ず勝つ!」

ドギー「うむ。過去の連中によろしくな」

テッペイ「そうだ!長官、スワンさん…」

2005年

未来から来た、ニューデカレンジャーと、アブレラのメカ人間、メテオロイドが超重機の起動を巡り、激闘を繰り広げていた。

タイマンでは手も足も出なかったダンだが、五人によるチームでの連携によって、メテオロイドと互角の戦いになった。

ダン「俺達五人がかりで、互角かよ!アブレラめ!とんでもないメカ人間を造りやがって!」

セージ「こんな奴を、今の父さん達に相手させられないぜ」

ソウチャン「まったくだね…これでアレが起動したら…」
アリサ「あたしたちが、この時代のロボに乗ったって、性能が上がるわけじゃない…」

サクラ「そうよ…かといって、ロボまでタイムワープする時間がなかった…」

ダン「データはとれたか?相棒」

セージ「相棒って言うな!いまインストールしてる!もう少しだ」

目にも留まらぬ、音速以上の速さで戦いを繰り広げる。

その時、ダン達の脳裏にある思いがよぎる。

(自分達がいない、未来は大丈夫なのか?)

ダン「ヒカルさんがいるから大丈夫だとは思うけどな…」

ソウチャン「超重機がないからこそ、アブレラはこの時代に来たわけだしな」

セージ「よし!インストールした!みんなにダウンロードする」

「ロジャー」

メテオロイドの分析データが各々のライセンスにダウンロードされた。

ダン「結局は、近接攻撃による一点集中か!」

アリサ「特に弱点はないわね…なら、狙いやすいボディーがいいわ」

サクラ「近接攻撃って、ダンとセージさん、武器ないじゃん」

ダン「へっ、リボルバーじゃ起動力落ちるから、マグナムをぶっ放せばいい。相棒のスナイパーも距離で威力は変わらない」

ソウチャン「それって、二人の射撃に俺達が合わせろって事かい?」

アリサ「オーノーッ」

サクラ「えーーーー」

ダン「成せばなる!」

セージ「成さねばならぬ何事も!だ」

ソウチャン「簡単に言ってくれますねぇ」

アリサ「んだんだ」

ダン「問題は、奴の動きを止める事だぜ…この速さじゃ、当てるのすら難しいぜ」

サクラ「誰かが羽交い締めかなんかで止める?」

アリサ「それは最後の手。私に任せてちょんまげ。ダンの力を使うわ」

ダン「俺の力って!?何だよそれ」

アリサ「ダンのお母様、マリーさんは、レスリー星人で、時間を止める力があったって母さんは言っていたわ」

ダン「それは俺も知ってるけど、俺には時間を止める力はないぜ?アリサ」

アリサ「ないんじゃなくて、覚醒しないだけよ。父の力が強すぎなのよ、ダンは」

セージ「だな。赤座のおじさんにうりふたつだからな」

サクラ「アリサはジャスミンさんに似てよかったねぇ」

ダン「どーゆー意味だ!サクラだって、サクラの双子じゃなくてよかったぜ…小梅オバサンが二人はなぁ」

ソウチャン「まあまあ…よくこの状況で…」

アリサ「ダンのエスパーエネルギーはこのステッキに溜まってるけど…」

ダン「どーせ、一瞬なんだろ?」

アリサ「ご名答!時間一秒、チャンスは一回!」

セージ「このスピードだからな。一秒でも長いくらいだろ?な、ベイベー」

ソウチャン「そう感じることにしないとね!さあ、いくよ!」

「ロジャー!」

アリサがステッキに念を送る。

ステッキが光った。

ダン「今だっ!」

ほんの一瞬、メテオロイドの周りだけ時が停止し、その隙をついて、ニューデカレンジャー達の息のあった寸分狂わぬ一点集中攻撃がメテオロイドのボディーを貫いた。

「ゴッチュー!」

2030年

アブレラの待ち伏せにあい、負傷したジャスミン。

通信も遮断され、チェンジもできない。

ジャスミンとヒカルを取り囲むメカ人間の包囲網が狭まっていく。

アブレラ「ほーっほっほっほっ…忌ま忌ましいエスパー二人…楽には殺さん…なぶり殺して、首をクルーガーに送り付けてやる!」

ジャスミン「あ、相変わらず、サディストな奴…くうっ!」

ヒカル「茉莉さん!」

ヒカルはアンダーシャツを引き裂いて包帯にし、太股に強く巻き付けた。

ヒカル「とりあえずこれで我慢して下さい、茉莉さん」

ヒカルがすっくと立ち上がる。

ヒカル「ここを動かないで下さい…」

ジャスミン「ヒカル!?どうするつもり!?」

ヒカル「まあ…見ていて下さい…」

ジャスミン「ヒカル!?無茶よ!チェンジもできないのに!ヒカル!」

ヒカルはジャスミンの制止を聞かず、アブレラとメカ人間の真っ只中に飛び込んだ。

ジャスミン「ヒカルーーーッ!?」

アブレラ「ほう?礼紋を庇うために盾となるつもりか?涙ぐましい、愛情だな」

ヒカル「貴様にはわからん感情さ…」

アブレラ「くっくっく…チェンジもできないその姿で何をするつもりだ?」

すると突然、ヒカルが笑い出した。

ヒカル「ハーッハッハッハッ」

アブレラ「何がおかしい?気でも触れたか?」

ヒカル「チェンジができない?アブレラ…宇宙警察は日進月歩…白鳥スワンという、お前より遥かに天才がいる事を忘れたか?…エマージェンシー!デカシルバーッ!」

アブレラ「なにぃっ!?」

ジャスミン「マジ!?」

ヒカルのSPライセンスが光りを放ち、デカメタルがヒカルに吸着し、デカシルバーにチェンジした。

ヒカル「デカシルバー…タスクフォース!推参!」

ジャスミン「デカシルバー…タスクフォース?ヒカル…あなた…」

ヒカル「茉莉さん…俺、この事件を解決したら…タスクフォースに異動します…」

ジャスミン「そう…決心したのね」

ヒカル「俺が地球署にこだわっているのは…茉莉さんといたいから…その為に宇宙警察のスペシャルポリスになった…あなたの恩に酬いる為に…」

ジャスミン「恩なんて…感じなくていいって…何度言わせるのよ…」

ヒカル「タスクフォース…あの人に説得されたら、承諾するしかないですよ…」

ジャスミン「あの人…?」

ヒカル「宇宙警察の未来の為に…タスクフォースで俺の力を発揮しますよ…鉄平くんもいますしね」

ジャスミン「ヒカル…」

アブレラ「何をゴチャゴチャと…予想外だが、こちらにはメテオロイドとギャラクシィギアがある!デカシルバー一人に何が出来る!やれい!」

包囲していたメカ人間がデカシルバーに襲い掛かった。

ヒカル「みせてやるぜ!デカシルバータスクフォース…Dスピアー!」

銀色の槍が現れ、鬼神の如く、槍を振るう、デカシルバー。

アブレラ「むお!?馬鹿なぁ!?メテオロイドギャラクシィギアだぞ!」

ヒカル「ふっ…タスクフォースの方が上ってことだ!舐めるな!正義は勝つ!」

次々、最強のメカ人間、メテオロイドギャラクシィギアを倒していくヒカルのデカシルバータスクフォース。

ヒカル「(タスクフォース装備じゃなければ苦戦必死だな…アブレラめ…こんな奴をのさらばしていたら、宇宙の治安は乱れるばかりだ…)」

アブレラはデカシルバーの強さに戦く。

アブレラ「むう…」

次々倒される、メテオロイド。

先が見えた時だった。

アブレラ「そこまでですよ!デカシルバー!」

ヒカル「!?」

ジャスミン「く…お約束通りってわけ…」

アブレラはジャスミンを人質にとる。

アブレラ「くっくっく…それ以上動けば…」

ジャスミン「うああああっ…」

ジャスミンの負傷した太股の傷口に銃を突き付ける。

ヒカル「茉莉さんっ!卑怯だぞ!アブレラ!ぐわっ」

隙ができたデカシルバーに襲い掛かるメテオロイド。
アブレラ「くっくっく…」

ジャスミン「ヒカル!私に構わず闘っ…アアアアッ!」

ヒカル「茉莉さん!やめろ!アブレラ!」

アブレラ「でしたら、抵抗をやめてもらいましょうか?」

ヒカル「くっ」

ジャスミン「うぅ…闘うのよ…ヒカル…」

アブレラ「くっくっく…わかっていても…わかっていても闘えないんですよ。正義…仲間…信頼…バカバカしい…やれ!メテオロイド」

メテオロイドが一斉にレーザービームを放つ。

ヒカル「ぐわっ!ぐわあああっ!…茉莉さん」

ジャスミン「ヒカルーーーッ!」

デカシルバーのダメージが限界を超え、変身が解除され、ヒカルはゆっくり、崩れ落ちる。

ドサッ…

アブレラ「くっくっく…馬鹿な奴だ…メテオロイド!礼紋をみていろ!デカシルバー…私自ら、貴様から嬲り殺してあげますよ」

ジャスミン「ヒカル!ぐあ…」

ジャスミンが束縛を逃れようとしても、傷の激痛にままならない。

倒れたヒカルをむんずと掴み、無理矢理立ち上がらせたアブレラ。

ヒカル「……」

アブレラがヒカルに銃を向けた刹那…

ジャスミン「!?」

ジャスミンを束縛していたメテオロイドが突然動かなくなり、バチッという音とともに、アブレラの銃が弾かれた。

アブレラ「ぬ!?なんだっ」

「調子に乗りすぎだな!アブレラ」

ジャスミン「その声!?」

ジャスミンの対面から、深紅のデカジャケットを着た、中年のスペシャルポリスが悠々と歩いて来た。

ジャスミン「バン…どうして!?」

アブレラ「な!?何故貴様がここにいる!」

バン「大丈夫か?ジャスミン」

ジャスミン「大丈夫…じゃないわ…」安心と激痛で目眩を起こし、倒れ込む。

しかし、何者かが、ジャスミンを支えた。
懐かしい匂い…

「しっかり!ジャスミン」
そして聞き覚えのある声。

ジャスミン「ウメコ?」

ウメコ「久しぶり!ジャスミン…ひどい傷…待っててね…」

ジャスミン「ウメコ…どうして?」

ウメコは質問には答えず、最新型のSPライセンスをメディカルモードに設定し、ジャスミンの傷に応急処置を施した。

アブレラ「おのれ!」
アブレラがヒカルを人質にしようとする。

そんなアブレラにレーザービームが乱射される。

アブレラ「ぐわあああっ!」
たまらずアブレラは跳び上がり、メテオロイドの傍に移動し、メテオロイドがアブレラを守るように布陣した。

アブレラ「く!小癪な」

「やれやれ…往生際悪いねぇ…」

グリーンのデカジャケットに、口髭を生やした中年男性。

ホージー「俺達をナメてんじゃないか?アブレラ」

「俺達もまだまだ現役だって、わからせますか?皆さん」
白いデカジャケットに金バッヂの中年男性。

ウメコ「これでいいわ…どう?ジャスミン。痛みは?」

ジャスミン「ウメコ!ウメコーーーー」
ジャスミンは柄にもなく、ウメコに抱き着いて再会を喜ぶ。

ウメコ「もう。らしくないわよ…ジャスミン」

ジャスミン「どうして?皆が!?」

センチャン「やあ!ジャスミン。相変わらず、お美しい事で」

ジャスミン「センちゃんこそ、似合わない髭ですこと」

ウメコ「ジャスミンもそう思うでしょう?私も候補生達もそう言ってるんだけど、聞かないのよ、あの人」

ジャスミン「意外と頑固だからね、センちゃんは」

テツ「お久しぶりです!ジャスミンさん」

ジャスミン「テツ!リサさんには相変わらず頭が上がらないみたいね」

テツ「そんなことありませんよ…もう!久しぶりの再会で言う台詞じゃないでしょう」

バン「アブレラ!ジャスミンの身体に傷つけた報いは受けてもらうからな!」

ウメコ「フフッ…バンはあれが精一杯ののろけみたいね…」

ジャスミン「のろけてないと思うけど…それより、ヒカル!」
ジャスミンはヒカルに駆け寄った。

ジャスミン「ヒカル!ヒカル!しっかり!」

ヒカル「う…茉莉さん…すいません…!?あれは…」

ジャスミン「民間人ならともかく!私を庇って戦闘不能なんて、タスクフォース失格よ!私達には仲間がいるわ」

ヒカル「そうでした…」

アブレラ「く!ポンコツのロートルどもがぁ!礼紋と、シルバーをやれ!メカ人間!」

バン「ポンコツのロートルとは言ってくれるじゃないか!エマージェンシー!デカファイヤー!」

ホージー「俺達がポンコツロートルなら、アブレラ、お前は過去の亡霊じゃないか?ベイベー。エマージェンシー!マスターブルー!」

センチャン「ポンコツロートルかどうか試してみな。エマージェンシー!マスターグリーン」

ウメコ「おばさんなんて言わせないわよ!エマージェンシー!マスターピンク!」

テツ「大ベテランの力味わってみな!エマージェンシー!マスターブレイク!」

ジャスミンとヒカルに襲い掛かるメカ人間達をバン達がカットする。

バン「行けるか!?ヒカル!」
ヒカル「バンさんに言われたら、行けないって言えないですよ!」

バン「なら、チェンジしろ!行くぜ」

ジャスミン「なるへそ…タスクフォース行きはバンに言われたのね」

ヒカル「ええ…茉莉さんの側にいなくても、守ることはできるだろうと…」

ジャスミン「あのバンがねぇ…」

バン「あのって何だ!あのって!ジャスミンもチェンジしろ!」

ウメコ「あ、忘れてた。ジャスミン!はい、これっ」
と、ウメコがジャスミンにSPライセンスを投げてよこした。

ジャスミン「え?これって…」

受け取ったSPライセンスは、アリサのものだった。

ウメコ「新型デカスーツが間に合わないみたいで、子供達のライセンスを特別に使わせてもらうことにしたの」

ジャスミン「そう…あの子のライセンスか…よし!どーんと行ってみよう!エマージェンシー!マスターイエロー!」

ヒカル「借りはきっちり利子つけて返してやる!エマージェンシー!デカシルバータスクフォース!」

バン「よし…みんな揃ったな!」

アブレラ「ふん!もうすぐきさまらは消えるのさ!超重機でな」

バン「さあアブレラ!決着をつけようぜ!」
 2005年。

超重機を起動するためのキーであるメカ人間、メテオロイドをチームワークで撃破したニューデカレンジャー達だったが…

パチパチパチ。
拍手するアブレラ。

アブレラ「見事なチームワークでしたね、ニューデカレンジャーの皆さん」

ダン「へっ!これで超重機は起動しない!あとはアブレラ!お前だけだぜ!」

アブレラ「フフフ…オヤジと同じで、頭は悪いみたいだな?デカレッドくん。メカ人間は一体だけじゃないんですよ!さあ!終わりの始まりですよ!起動せよ!超重機!デビルズデカベース!」

デビルズデカベースの目が光り、地鳴りと共に、起動した。

ダン「ちくしょう!なんてことだ!」

セージ「阻止できなかった…」

ソウチャン「何の為にこの時代に来たんだ…」

アリサ「母さん…」

サクラ「悔しい…」

絶望感が五人を襲う。

デビルズデカベースはデカベースを裕に越える大きさで漆黒の機体はまさに悪魔のようである。

「ホホホホ…いいですねぇ…実にいい」

そういって飛び上がったアブレラは超重機に乗り込んだ。

その頃、廃工場に向かっていたバン達は巨大なエネルギー反応をキャッチしていた。

バン「廃工場の方角!?起動しちまったか!超重機」

ホージー「未来のJr.達!応答しろ」

ホージーの呼びかけに応えたのは、未来の息子、セージだった。

セージ「申し訳ありません!父さん…超重機の起動を阻止出来ませんでした」

ダン「あぶねえ!相棒!」
セージ「うわあああ」

ダン「わあああっくそーっ」

バン「おい!どうした!」
ホージー「急げ!バン!」

バン「わかってる!」

ソウチャン「父さん!母さん!とても敵わない!きてはダメです!」

サクラ「とんでもないロボです!」

アリサ「お母さん!きてはいけない!」

ジャスミン「却下!敵前逃亡は死刑よ!諦めたらダメ!みんな!」

ダン達は超重機デビルズデカベースの攻撃を受けていた。

アブレラ「ホホホホ。虫けらどもめ!奴らが来るまで暇潰しに遊んでやる!」

ダン「大丈夫か!相棒」

セージ「ノープロブレムだ…」

ソウチャン「諦めるなって言うけど…うわっ」

アリサ「そうよみんな…諦めたら終わり!長官もスワンさんも…お母さんも…みんな言っていたわ!」

アリサの言葉に皆が思い出した。

ダン達未来から来たニューデカレンジャー達の脳裏に、バン達親からの言葉が蘇る。

バン「いいか?ダン。俺達スペシャルポリスはいついかなる時も決して諦めちゃダメだ」

ダン「でも諦めが肝心て言うよ?父さん」
バン「それは他に打つ手がある場合だ。俺達スペシャルポリスが諦めてしまったら…誰が地球を守る?絶対に最後の最後まで諦めるな!諦めたら、起きる奇跡も起きないんだ」

ダン「みんな!諦めたら…」

セージ「起きる奇跡も起きない!」

ソウチャン「今その時できる事を…」

アリサ「全力でやる」

サクラ「決して諦めない!」
ダン「あのバケモンのエネルギーだけでもへらそうぜ!」

セージ「ああ!ミサイルだってビームだって無限じゃないからな!」

アブレラ「ほれほれほれ!逃げ惑え!デカレンジャーども!ほーっほっほっほ」

凄まじいミサイルの爆風とビームの雨霰に離合集散してかわす五人。

アブレラ「んー?来たな…デカレンジャーども…」

バン「な、なんだありゃあ」

ジャスミン「黒いデカベース?」

ウメコ「趣味わるー」

センチャン「大丈夫?息子達」
ホージー「デカベースのバケモノか!?」

テツ「どうします!?先輩!」

ボス「スワン!」

スワン「見えてるわ。デカベースを参考にとんでもないモノを…」

ボス「どうすればいい!」

スワン「正直わからないわ…デカベースロボでも歯が立たないと思う」

バン「かと言って、逃げるわけにはいきませんよ!スワンさん!」

アブレラ「ほーっほっほっほ…消えなさい!」

デビルズデカベースのフィンガーミサイルがデカフェニックスロボに襲い掛かる。

バン「やらせるか!」
ミサイルをかわしたが…

ホージー「く!追尾ミサイルだっ!」

「うわああああ」

大轟音とともに、大破したデカフェニックスロボ。
バン達は外へ投げ出されてしまった。

バン「くそーっ…一撃かよ…」

ホージー「アンビリーバボー…」

センチャン「やれやれだねぇ」
ジャスミン「デカブツくん容赦なし」

ウメコ「どうするのー」

テツ「絶体絶命ですね」

ボス「アブレラめ…」

アブレラ「ほーっほっほっほ…さあ、死んでしまいなさい!」

バン「くるぞ!やべえ!」
ミサイルとビームがバン達を襲う。

ダン「やらせるか!アリサッ!」

アリサ「ソウちゃん!」

アリサがDロッドをソウちゃんに向けて放つ。

ソウチャン「父さん!母さん!広域バリア!」

バリアをデカレンジャーとニューデカレンジャーを覆い、ミサイルとビームを弾き返す。

アブレラ「悪あがきをしますねぇ?いつまで持ちますかね?ほーっほっほっほ。ドギー=クルーガー共々跡形もなく消し去ってあげますよ」

バン「アブレラの野郎…調子に乗りやがって」

ダン「父さん」

バン「お前が俺とマリーの子供か?」

ダン「はい。超重機を止めるためにこの時代に来たのに、止められませんでした」

バン「気にすんな!何とかなるって」

ホージー「気楽に言うな!状況は最悪だろ」

バン「じゃあ諦めるのかよ、相棒」

ホージー「相棒ってゆーな!諦める?馬鹿いうな!」

サクラ「ダンとセージみたいね…アリサ」

アリサ「親子ですから」

ボス「このままではどうにもならんな…」

ソウチャン「バリアもいつまでも持ちませんよ」

スワン「みんなー」

ボス「スワン!」

スワン「あと10分くらい頑張って!最後の手段に…」
ボス「ダメだ!スワン!許可できん!」

スワン「もうこれしかないの!」

ボス「ダメだ!絶対に許さん!スワン!」

ダン「まさか!?」

バン達もスワンの思惑に気がついたようだ。

一斉に反対を唱える。

スワンはデカベースごとデビルズデカベースに突っ込むつもりなのだ。自らを犠牲にして…

スワンを止めるためにバリアを解けば、デカレンジャー、ニューデカレンジャーともども、やられてしまうだろう…

ボス「やめるんだ!スワン!」

スワン「ドゥギー…みんな…あなたたちがいなくなったら、地球を誰が守るの?」
ボス「何を言っているんだ!スワンだって必要だ!早まるな!」

ソウチャン「く!もうバリアがもたないっ」

アブレラ「ほーっほっほっほ…そろそろですか?」

2030年

バン「こうして皆と一緒に闘うのはこれで最後かもしれないな。署長」

ホージー「署長って言うな。その相手がまたアブレラか…つくづく縁がある」

センチャン「遠慮したい縁だけどね」

ジャスミン「最後にどーんといってみよう」

ウメコ「オールドツインカムエンジェルよ」

ジャスミン「オールド…元祖にしてよ」

テツ「皆さん、身体は鈍ってませんね?」

バン「当たり前だ」

センチャン「赤の特凶司令官は真っ先にでていくらしいからね」

ヒカル「私は皆さんと一緒に闘うのは初めてです」

ジャスミン「あら、そうだったかしら」

ウメコ「そうよー。ヒカルが来たときは、バンもテツもいなかったし、主人は本部に異動する時だったしね」
アブレラ「さあて、ではこちらも、あなたたちにプレゼントですよっ!」

アブレラは二つの輝く玉を放り投げた。

玉から七体のアリエナイザーが現れる。

バン「あいつらは!?」

ホージー「また懐かしい奴らを…」

現れたのは、ヘルズ三兄弟のブリッツ、サキュバス、ボンゴブリン、ガスドリンカーズのヴォルガー、ブランデル、ジーン、ウィンスキーだった。

かつて、バン達に立ちはだかった強敵だ。

アブレラはメテオロイドを壁にして、さらに、アーナ、バーツ、イーガのメカ人間も出現させた。

ジャスミン「おや?悪い奴らのオールスターね」

バン「へっ、今更そんなのでビビる俺達かって」

ホージー「アブレラ!お前達と俺達の決定的違いを見せてやる!いくぞ!皆」

「ロジャー!」

アブレラ「ほーっほっほっほ…強化改造し、ギャラクシィギアを装着したヘルズ三兄弟とガスドリンカーズに勝てる訳があるまい」

ドギー「雑魚は俺に任せてもらおう!」

バン「長官!?」

ドギー「たまには運動しないとな!アブレラ!貴様の野望もこれまでだ!」

アブレラ「丁度いい!クルーガー共々、血祭りにあげてしまいなさい!メテオロイド!」

ドギー「エマージェンシー!デカマスタァァ!」

ジャスミン「いつぶりかしら?ボスのデカマスタァァーは」

ドギー「百鬼夜行をぶった切る!地獄の番犬!デカマスタァァ!」

アブレラの高笑いが響き渡る。

しかし!

バン達デカレンジャーはヘルズ三兄弟とガスドリンカーズを圧倒した。

アブレラ「ば…馬鹿な!?」
バン「アブレラ!お前は大事な事を忘れて…いや、知らないんだ!」

バンのジュウクンドーで、ブリッツヘルズが倒れる。

ホージー「そのとおりだ!俺達はお前や息子達にないものがある!」

ホージーの百発百中の
マスタースナイパーがボンゴブリンに炸裂する。

センチャン「お前にはそれが何かわからないだろう!アブレラ」

センちゃんの凄まじい剣撃がヴォルガーのボディを貫く。

ジャスミン「私達は常に闘ってきた!」

ウメコ「あなたが小細工している間もね!行くわよ!ジャスミン!」

元祖ツインカムエンジェルの一糸乱れぬ息の合ったコンビネーションがサキュバスとジーンに炸裂する。

テツ「教えてやる!これが俺達の力…」

ヒカル「俺すら及ばない力!」

テツのアクセルブロウ、ヒカルのDスピアがウィンスキーとブランデルに炸裂する。

バン「冥土の土産だ!アブレラ!これが俺達の力!チームワークと…経験の力だ!」

ヘルズ三兄弟とガスドリンカーズは同時に爆発し、消滅した。

アブレラ「なんだと!?おのれー!メテオロイド!…!?」

ドギー「メテオロイドがどうかしたのか?アブレラ」

デカマスターが最後のメテオロイドを斬り捨てた時だった。

アブレラ「ぐうーっ」

ドギー「アブレラ…貴様はこの時代にはいてはならない存在だ!Dソードベガ!ベガスラーッシュ!」

アブレラ「ぐぎゃああああ…おのれぇ…」

ドギー「留めだ!お前達!」

「ロジャー!」

ウメコ「久しぶりに…マーフィーで決めるわよ!マーフィー!」

ウメコがTーボーンを投げる。

マーフィー「ワオーン」

Tーボーンをくわえた
マーフィーがDバズーカに変形した。

バン「アブレラ!じゃあな!」

「Dバズーカ!ストライクアウト!」

アブレラ「ぐわああああ…た、頼んだぞ…過去の私…必ず…」

アブレラは消滅した。

「ゴッチュー!」

2005年

デビルズデカベースに、デカフェニックスロボを破壊されたデカレンジャー達は、ニューデカレンジャー達のバリアで何とか攻撃を凌いでいたが、スワンがデカベースをデビルズデカベースに特攻させようとしていた。

必死に止めるドギー達だが…

ドギー「やめるんだ!スワン!まだ手はあるはずだ!早まるな!スワン!」

スワンからの応答はない。

スワンを助ける為、バリアを解けば、超重機の攻撃に曝され、デカベースにたどり着くのが難しく、このままでは、デカベースは特攻…あるいは特攻の前に、破壊されてしまう。

アブレラ「さすがに万策尽きましたか?まあ、どんな小細工もこの超重機にはききませんが?ほーっほっほっほ」

バン「くそ!アブレラの野郎…調子に乗りやがって!」
そこに、スワンの操縦するデカベースクローラーが現れてしまう。

「スワンさん!」

当然、アブレラの意識がデカベースクローラーにむく。

アブレラ「ほう?わざわざ死にに来ましたか?」

ドギー「ぐぅ!やめろ!アブレラ!スワン!ひいてくれ!」

超重機がデカベースクローラーに攻撃の照準を合わせた時…

ウメコ「あっ!あれは何!?」

ウメコが指差す方角を見ると、宙空に巨大な黒い空間が現れ、激しく地場が乱れた。

アブレラ「ぬお!?超重機が制御できん!未来から何か来る!?」

バン「すげえ…何だありゃあ」

ダン「タイムゲート…」

セージ「あれだけ巨大なタイムゲートだと…」

ソウチャン「ロボだ!間違いない!スワンさんやボスや長官がロボを送ってくれたんだ!」

アリサ「わかんないわよ!?アブレラ側のメカかもしれないわ」

サクラ「怖いこと言わないでよーアリサ」

デカベースクローラーも計器が乱れ、停止した。

スワン「あれが…タイムゲート…莫大なエネルギー体だわ…」
皆が注目する中、タイムゲートから、弾かれるように、マシンが6機飛び出してきた。

ダン「6機!?なんだ!?ネオじゃない!」

セージ「観たことがない機体だぞ」

しかし、6機のマシンのボディには、SPDのマークがある。

バン「1機がデカレンジャーロボくらいの大きさだぜ…」

6機現れた後、タイムゲートは縮んでいき、消えた。

アブレラ「なんだ…あの機体は!?おのれー!」

超重機が謎のマシンに攻撃を加える。

しかし、バリアが張られているのか、全て当たる直前にビームは弾かれ、ミサイルは自爆した。

ダン「機体に心当たりはないけど…操縦はあいつだな」

アリサ「ええ…切り札が間に合ったみたいね」

ジャスミン「切り札?なんじゃらほい?」

ダンはライセンスを開いて通信を試みた。

ダン「そのマシン操ってるのは、お前なんだろ?テツ」

ウメコ「テツ?」

皆がテツを見る。テツは自分?という風に指をさす。

ライセンスのモニターに、淡い紫色のデカレンジャーが映し出された。

テッペイ「遅くなりました!先輩、みなさん」

ダン「ギリギリセーフだぜ、テツ」

テッペイ「この時代のデカレンジャーの皆さん!僕は宇宙警察特務部隊タスクフォース所属の姶良鉄平です」
ウメコ「あいら…てっぺい!?てことはー?」

センチャン「テツの息子…だねえ」

テツ「ええ!?俺の未来の息子なのか!?」

それには応答はなく、デカベースクローラーを守るようにして6機のマシンが超重機に攻撃をくわえた。

アブレラ「むお!?小癪な」
ダン「あれはタスクフォースのマシンみたいだな」

セージ「ああ。とんでもないマシンだ」

テツ「おーい…君は俺の息子なのかい?」

テッペイ「はい、父さん。ちなみに母は一般人ですからあしからず」

テツ「そうかあ!俺にも息子が…みんなスペシャルポリスになるんですね」

ドギー「しかし、あのマシンでも殆ど攻撃は効いていない」

テッペイ「先輩!皆さんの力がなければ、このマシンは力を発揮しません!今から、先輩達をグレートウィングがひろいにいきます!」
ボディに1のグレートウィング一号機がバンとダンを拾いあげる。

バン「!?二人乗りなのか!これ」

バンとダンが並んで操縦席に座る。

ダン「すげぇ!」

 二号機が、ホージーとセージ、三号機がセンちゃんとソウちゃん、四号機はジャスミンとアリサ、五号機はウメコとサクラ、六号機にテツとテッペイが乗り込んだ。

ドギー「俺はデカベースに戻る!頼んだぞ!デカレンジャー達」

バン「それぞれ二人乗りなのか!」

テッペイ「一人でも問題なく操縦可能ですが、二人なら完全なパワーを引き出せます!」

ジャスミン「ビックリしたなぁもう」

テツ「このマシンだけでデカバイクロボを超えるパワーがあるじゃないか!」

テッペイ「はい。それぞれがデカレンジャーロボ以上のパワーを持っています」

ホージー「だが、マニュアル操作が殆どだな…」

センチャン「養成所のシュミレーターを思い出すねぇ…さて、小手調べといこうか?爽一くん」

ソウチャン「え?」

三号機が超重機に向かって行く。

ウメコ「あーっ!センさんズルーイ!抜け駆けするつもりね!行くわよーサクラちゃん」

サクラ「え?あ、はい」

五号機も後に続いた。

ジャスミン「仲のよろしいことで。さ、私達も…」

アリサ「どーんといってみよう!」

バン「まさかセンちゃんが切り込み隊長とは思わなかったぜ!いこうぜ!相棒!後輩!」

ホージー「相棒って言うな!わかってる!いくぞ!セージ!」

テツ「紫色のデカブレイクか…カッコイイな…」

テッペイ「若い父さん!行きましょう!」

未来から、テツの息子、姶良鉄平が、デカグレートウィングでやってきた。

バン「おい、テツの息子!未来の新型マシンが何でここまでマニュアル操作ばかりなんだよ」

テッペイ「それは…この人に説明してもらいましょう」

モニターにスワンの姿が映し出された。

「スワンさん!」

スワン「みんな。宇宙警察副長官、白鳥スワンです」

バン「副長官…!?未来のスワンさんなんですか!」
スワン「2005年のデカレンジャー…ドゥギーの子供達…あなたたちのお陰で私は副長官なんて、おこがましい役職にいるわ…」

バン「スワンさん!」

ダン「父さん、これは録画ですよ」

バン「え?それを早く言えよ!」

テツ「皆さん、未来のスワンさんですが、録画です。未来とは通信できませんから」
スワン「バン…ホージー…センちゃん…ジャスミン…ウメコ…テツ…この時代のあなたたちは、宇宙警察の支柱となって、ドゥギーや私を支えてくれています。そして、あなたたちの子供はあなたたちを目指し、超えようと頑張っているわ…あなたたちと子供達の未来を守ってちょうだい!そのための力を、宇宙警察の新しい力を送ります」

「スワンさん…」

スワン「あなたたちが乗っているのは、宇宙警察特務部隊タスクフォースの次期専用マシンのプロトタイプ、グレートウィングの一号機から六号機よ。」

バン「プロトタイプ…これでプロトタイプなのか!?」

スワン「まだ試作段階で、鉄平くん達タスクフォースにマニュアル操作をシミュレーションしてもらうはずだったから、殆どの操作はマニュアルになってるわ。扱いが難しくて、12人のコンビネーションが合っていなければ、上手く操縦できない…けれど、あなたたちなら大丈夫!親子で最高のチームなんですから」

ホージー「スーパークールにパーフェクトに決めますよ、スワンさん!」

スワンの説明を聞きながらも、超重機と戦闘を繰り広げ、操作を会得していく、バン達デカレンジャー。

そんな若い親達を尊敬の眼差しで見つめる未来の子供達。

アリサ「母さん達…本当に凄かったんだ…」

ジャスミン「ん?何か言った?」

アリサ「いいえ…何も」

ジャスミン「?」

スワン「もう、わかってると思うけど、当然合体できるわ。ただし、マニュアル操作になるけれど…」

デカベースクローラーのドギーとスワン。

ドギー「未来のスワンに、君の想いが届いたんだ…」

スワン「ドゥギー…」

ドギー「あとは、俺達の息子と…孫達に任せよう」

スワン「そうね…」

バン「これはすげぇマシンだ…」

バンは操縦をしながら驚いた。

ダン「凄いマシンだけど、マニュアルな分、二人のコンビネーションが要求されるな…」

バン「そりゃ問題ないだろ?俺とマリーの息子だからな」

ホージー「オミットされてる機能があるみたいだな」

セージ「何だろう…」

テッペイ「グレートウィングはそれぞれがDフォースロボに変形する予定だそうです」

テツ「スワンさん、未来でも天才ですね」

センチャン「それは今必要ないからねぇ…メインはこれだね」

ソウチャン「六身特捜合体…」

アリサ「このマシン…未来のヒカルさん用なんだ…」

ジャスミン「なるへそ…エスパー専用機…ア○ロやシ○アみたいなもんね」

アリサ「色は紫色ですけど」

バン「何の話しだよ!ジャスミンに…えーと…」

アリサ「アリサです、と…いや、バン総司令官(あぶないあぶない)」

ジャスミン「……」

バン「総司令官!?やめてくれよ…っと!みんな!操作は頭に入ったか!?」

ホージー「バン!お前と一緒にするな!パーフェクトだ!」

ウメコ「合体はいいけど!マニュアル操作なんでしょ!?その間に攻撃されちゃうわよ」

ジャスミン「それなら私達に任せてちょんまげ」

バン「どうするつもりなんだ!?ジャスミン」

ジャスミン「こうするのよ!どーんといってみよう!アリサちゃん!」

アリサ「ロジャー!」

四号機が超重機に突っ込んで行く。

バン「おい!ジャスミン!何やってんだ!無茶すんな!」

ジャスミンとアリサの四号機が超重機に突っ込んで行く。

ホージー「ジャスミン!?」

セージ「アリサ!?無茶はよせ!」

センチャン「いくら凄いパワーでも、一機じゃ、どうしようもないよ!援護だ!みんな!」

ジャスミン「充分ひきつけて!アリサ」

アリサ「ロジャー」

ジャスミン「どーんと…」

アリサ「ミサイル発射!」

アブレラ「馬鹿め!効かないぞ、そんなものは」

至近距離からのミサイルを撃ち落とした超重機。

爆発と同時に煙幕に包まれた。

アブレラ「めくらまし!?馬鹿か」

ジャスミン「よし!今よ!みんな!六身特捜合体いきましょう」

バン「煙幕…その間にマニュアル操作の特捜合体は無理だろ!」

ダン「そうですよ…ジャスミンさん。ましてや初めての十二人合体なのに」

ウメコ「みんな!ジャスミンが何の考えもなしにただ煙幕を張るわけないじゃない!」

サクラ「母さん…」

センチャン「そうだね…ウメコならともかく…」

ウメコ「何か言ったぁ?センさん?」

テツ「とにかく!合体いきましょう!煙幕晴れちゃいます!」

「ロジャー!」

バン「気合い入れていけ!俺とマリーの息子!」

ダン「ロジャー」

「六身特捜合体!」

合体に入ったとたん、煙幕が晴れてきた。

バン「まずいぜ!煙幕が…」

アブレラ「ん!?奴らはどこに!?逃げたのか!」

サクラ「あれ!?襲ってこないわ!?」

ジャスミン「あれは煙幕じゃなくて、ミラージュディメンションミサイル。アブレラにはこちらが見えていないわ!今のうちに合体するわよ!」

バン「さすが!やるぜジャスミン」

アブレラ「待て…レーダーに反応があるのに…姿が見えない…!?あのエスパー女め!こしゃくなあああああ」

ミラージュディメンションが解けた瞬間、六身特捜合体が完了した。

「ビルドアップ!グレートデカベースロボ!」

バン「すげぇパワーだ!」

ドギー「デカベースロボを遥かに上回るパワーだ…」

スワン「今のテクノロジーでは無理ね」

ホージー「よし…上手くいったな!」

セージ「父さん達凄いですよ!この操作は今の操縦タイプじゃないのに…短時間でマニュアルの合体操作をマスターするなんて」

ソウチャン「ああ…やっぱり、レジェンドだよ…」

サクラ「全盛期だもん、当たり前よ。ね、母さん」

ウメコ「んー。母さんって言われても…実感ないね」

ジャスミン「ある方が怖いわよ…」

テツ「皆さん!来ますよ!」
テッペイ「さあ、決着をつけましょう!アブレラに宇宙警察の裁きを!」

バン「ああ…行くぜ!皆」

アブレラ「何だあのロボは!?おのれー…超重機!フルパワー!」

バン・ダン「負けるか!グレートデカベースロボフルパワー!」

「フルパワー!!」

テツ「こりゃ、暫く未来には戻れないかも…」

グレートデカベースロボとデビルズデカベースのフルパワーの激突に、大気が震え、大地が揺れる。

しかし、メテオロイドをコアに、完璧にプログラミングされ、アブレラによる操縦で、一糸乱れぬコンビネーションを必要とするマニュアル操作のグレートデカベースロボは次第に劣勢となる。

「ほーっほっほっほ!動きが鈍いんじゃありませんか?これでもくらいなさい!」

デカベースロボでいう、フィンガーミサイルとニーブレスビームの同時攻撃に、グレートデカベースロボがもんどりうって倒れる。

「うわああああ」

バン「くそっ!思うように動かねぇ!」

ダン「ダメージは受けてないけど、このままじゃマズイぜ」

ドギー「聞こえるか?お前達」

「ボス!」

「長官!」

ドギー「ワイルドハート!クールブレイン!忘れたわけじゃないな?」

バン「ワイルドハート…クールブレイン…そうだぜ!今こそワイルドハート!クールブレインだ!」

ドギー「いいか?よく聞くんだ!十二人全員で息を合わせる必要はない!」

「え?」

ドギー「バン!ホージー!セン!ジャスミン!ウメコ!テツ!お前達は宇宙警察が誇る宇宙一のチームだ!いつものようにやればいい」

ホージー「いつものように…」

ドギー「未来から来た子供達!お前達もいつものように…宇宙一のチームの子供達なんだ!」

セージ「そうだ!いつものように…」

バン「へっ、未来の息子にカッコイイところ見せようとしたのが間違いだったぜ…見せてやろうぜ!俺達、宇宙一のチームワーク!な、相棒!」

ホージー「相棒っていうな!いつものようにいこう!センちゃん!ジャスミン!ウメコ!テツ!」

センチャン「任されて!」

ジャスミン「どーんといってみよう!」

ウメコ「あたしに続いて!みんな!」

ホージー「お前が仕切るな!」

テツ「さあ!形勢逆転といきましょう!」


ダン「俺達のチームワーク見せてやろうぜ!相棒!」

セージ「相棒って言うな!ソウちゃん!アリサ!サクラ!テッペイ!俺達はレジェンドデカレンジャーの後継者だ。やってやろうぜ!」

ソウチャン「やりますかー」

アリサ「合点承知の助さん」

サクラ「あたしに続けー!」

セージ「サクラが仕切るな!」

テッペイ「行きましょう!皆さん!」

グレートデカベースロボが立ち上がる。

アブレラ「ムダムダムダ!」

フィンガーミサイルが襲い掛かる。

しかし、それを機敏にかわしながら、攻撃をくわえるグレートデカベースロボ。

「シグナルブラスター!」

アブレラ「なに!?動きが変わった!?おのれー!」

デビルズデカベースがヴォルカニックバスターの態勢に入る。

テッペイ「ならばこちらは、ヴォルカニックブラスターだ!」

テツ「ロジャー!ヴォルカニックブラスター起動!」

胸の部分が変形し、ブラスターが現れた。

センチャン「よし、カウンターで撃ち返すよ!」

ウメコ「エネルギー充填完了!いつでもどうぞ!」

サクラ「照準セット!」

超重機からヴォルカニックバスターが放たれる。

ジャスミン「一気にいくべし!」

アリサ「ヴォルカニック!ブラスタァァ」

バン「いけぇ!」

ダン「貫け!」

バスターとブラスターのエネルギーが衝突、凄まじいぶつかり合い、大地が削りとられていく。

アブレラ「こ、こんな馬鹿なことが…」

ヴォルカニックブラスターのパワーが勝っていた。

バン「アブレラ!何度生き返ろうが、時間を超えようが、俺達は負けない!」

「正義は必ず…」

「必ず勝つ!」

ヴォルカニックブラスターが超重機に直撃した。

アブレラ「ばかなぁ…おのれぇ…ちくしょう…ちくしょおおお!」

爆発を起こす超重機。

アブレラ「脱出を…」

超重機の性能を過信したアブレラの判断が遅れ、脱出が遅れ機会を逃す。

山が崩れるが如く、超重機が沈んでゆく。

アブレラ「うぎゃああああああ」

断末魔の悲鳴とともに、超重機は大爆発を起こして崩れ落ちた。

「ゴッチュー!」

バン「ふぅ…これにて一件コンプリート!現在(いま)も未来もメガロポリスは日本晴れ!」

親子達はハイタッチを交わす。



戦いを終え、デカベースに戻ってきた、バン達とダン達。

そんな彼等を労う、ドギーとスワン。

ドギー「よくやったな、お前達」

スワン「ほんとに…凄いわ、皆」

ダン「何とか、今も未来も守る事が出来ました」

バン「ああ…しかし、みんな俺達に似てるよなあ…なあ、相棒」

ホージー「相棒って言うな。まあ、親子だしな。俺は実感ないが」

センチャン「みんなないさ、実感なんて」

ウメコ「テツにもいたのねー息子さんが。テツ似だけど、テツよりイケメンねー」

テツ「何を言ってるんですか!俺のがイケメンでしょう!」

ジャスミン「自分で言うか?」

みな、爆笑する。

ダン「この時代に来て、レジェンドと言われる、若い父さん達を肌で感じる事が出来てよかった…な、相棒」

セージ「相棒って言うな!長官やスワンさん、ヒカルさんの話していた通りでした」

ソウチャン「スペシャルポリスになってよかった…な?サクラ」

サクラ「うん。パパは猛反対したけど」

センチャン「いやぁ?そうなの?反対しないと思うけど」

ジャスミン「所帯を持つと変わるんじゃないの?」

アリサ「母さんは変わらないですけど…」

ウメコ「だよねぇ…」

ジャスミン「だよねぇ…って何よ…ウメコ」

テッペイ「そうですね…1番変わらないのはジャスミンおばさん…」

おばさんという台詞に敏感に反応したジャスミンが、テッペイを睨みつけた。

ダン「テツ!それは禁句だぜ?まして今はみんな若いんだから」

所員「白鳥さん!グレートデカベースロボのエネルギーは三日くらいでチャージできそうです」

スワン「そう。ありがとう。早速始めてちょうだい」

所員「ロジャー」

スワン「と、いうわけよ、未来のデカレンジャー諸君」

テッペイ「三日!?そんなに早く!?さすがスワンさんだ…」

スワン「その作業分、デカベースの復旧は遅れてしまうけど、仕方ないわね」

ダン「すみません!感謝します!スワンさん」

ぺこりと頭を下げるダン。

ドギー「ほう、バンに比べて、素直な青年だな」

バン「そりゃないですよー…ひでぇなぁ…ボス」

三日間、エマージェンシーコールがない限り、休暇となったバン達。

それぞれが様々な想いを抱きながら、時は過ぎて言った。

バンとダンはデカベースの街を眺める事のできるテラスに肩を並べていた。

バン「まだ結婚もしてねえのに、未来の息子が隣にいるなんて、不思議な気分だぜ」

ダン「俺も兄貴が横にいるみたいです、父さん」

バン「よかった…俺、マリーと結婚できるのか…」

ダン「?」

バン「ファイヤースクワッドにいるとさ…なかなかマリーのレスリー星に行く暇がなくてさ…あんまり会えないんだよな」

ダン「(聞いた話しでは…)大丈夫だよ、父さん。母さん…マリー母さんは時々本部勤めになるらしいから、その時に会えるみたいですし」

バン「お!マジか!?いいこと聞いたぜ…それで未来の息子もデカレンジャーか…」

ダン「父さんはじめ、みなさんは宇宙警察の模範であり、生きた伝説…俺達は父さん達を目指し、越える事が目標です」

バン「そうか…お前なら越えられるだろ…俺とマリーの息子ならな」

ダン「はい…越えてみせます!」

バン「まあ、未来の俺やマリーによろしくな!」

ダンの肩をポンッと叩いたバン。

ダンは複雑な想いだった。
ダンの時代、既にマリーはいない。

ダンは産みの親、マリー=赤座の記憶はなく、育ての親、ジャスミンとの思い出しかないのだ。

その事実を話せば、バンは歴史が変わるとわかっていてもマリーを助けようとするだろう。

また、亡くなるとわかっているマリーと結婚するのはあまりにも酷である。

そして、ダンが未来へ戻る日になった。

射撃訓練場

Perfect!

Perfect!

Perfect!

ホージーとセージが射撃の腕を競い合っていた。

最高レベルのランクでお互いPerfectを譲らず、決着はつかない。

セージ「ふぅ…さすが…レジェンドの父さんの腕はさすがです」

ホージー「何言ってる…未来じゃもっと高度な射撃訓練してるんだろ?このレベルなんか朝飯前だろう」

図星をつかれ、苦笑いのセージ。しかし、射撃の精確さや美しさはホージーの方が上であった。

セージ「履歴をみると…父さん以外のデータがありませんね」

ホージー「そりゃそうだ。俺用に特別にプログラミングされたレベルだからな。ウメコなんかがチャレンジしたらバッド連発だろうな」

セージ「この時代の父さんに会えてよかった…レジェンドと呼ばれる父さん達の凄さがわかりましたよ」

ホージー「俺は複雑だがな…これからの未来がわかってしまったからな…まあ、いい未来でよかったがな」

セージ「確かに…本来、僕らもきてはいけないんですが…」

ホージー「仕方ないな…俺達だけではアブレラと超重機は倒せなかった…セージ…未来でもスーパークールにパーフェクトで行けよ?」

セージ「ロジャー!ボス」

そして、二人は心を通わせるように、射撃訓練を納得するまで競い合った。



「よっこらせ」

センちゃんとソウちゃんがデカベースの通路で逆立ちをしていた。

ソウチャン「逆立ちしながら話すなんて、父さんらしいな」

センチャン「そうかい?」

ソウチャン「でも、この頃から仲がよさそうでよかったですよ、父さんと母さん」

センチャン「そうでもないんだなぁ…」

ソウチャン「え?」

センチャン「ウメコは俺を好きでいてくれてるけどねぇ…俺はそうでもないんだ…何かね、同僚で妹みたいにしか見られなくてさ」

ソウチャン「父さん…」

センチャン「しかしね…君とサクラちゃんが来てくれてよかったよ…ウメコが運命の女性ってわかったからね」

ソウチャン「父さんや母さん、皆さんの将来がわかってしまったのは申し訳なく思っています」

センチャン「そうでもないさ…少なくても俺にはね」

ソウチャン「……」

こうして二人は逆立ち我慢比べをして時が過ぎていくのであった。

デカベース内厨房

未来へ戻る前に手料理をご馳走したいというアリサがジャスミンといた。

ジャスミン「なかなかやるじゃない。たいしたものね!」

アリサ「教えてくれた人が凄いんですよ」

と、微笑むアリサ。

ジャスミン「私よりいい腕してるわよ」

アリサ「でも、ビックリするくらい母さんは変わらないわ…」

ジャスミン「まさか…二十年以上未来じゃ数えたくない年齢じゃない」

アリサ「そんなことない…ほら…」
と、アリサはSPライセンスに記憶してある写真をみせる。

そこには、私服姿のジャスミンとアリサが並んで微笑む姿が写っていた。

ジャスミン「んー…微妙ね…あなたと比べたら、やっぱりおばさんじゃない」

アリサ「そうかしら?皆から羨ましがられるのよ?お母さん若いわねって」

ジャスミン「ま、よござんすね」

アリサ「それと、皆で写っているのも…これ…」

ドギー長官、スワン副長官、そして、バン達とダン達、ヒカルにリサ=ティーゲルの集合写真。

ジャスミン「ボスとスワンさんは変わらないわねぇ…ヒカルくんも…立派になってるのね…」

アリサはヒカルがジャスミンを愛している事は告げなかった。

アリサ「これ見たってわかるでしょ?お母さん若く見えるの」

ジャスミン「わっ!アリサちゃん、鍋鍋!」

アリサ「あーっ!?」

こうして、未来のジャスミン親子は料理の腕をふるうのだった。


ウメコ「はぁ…いい気持ちー」

サクラ「あ!ウメヨ、ウメノスケ、ウメゴロウ!」

ウメコ「あら、サクラちゃんの時代もまだあるの?」

サクラ「ママが置いていってくれたんです」

ウメコ「ママ…か…何か不思議だけど、嬉しいな」

サクラ「はい?」

ウメコ「だって、センさんとの子供が双子ちゃんだなんて…嬉しいじゃない…」
その割には浮かない表情のウメコ。

サクラ「どうしたの?ママ」

ウメコ「ねえ…サクラちゃん…アリサちゃんの父親はバンでしょう?」

ぎくりとするサクラ。

ウメコは気づいていないと思っていたが…

ウメコ「私、最初はわからなかったけど、バンが戻ってきてからのアリサちゃん、おかしかったもの…そうなんでしょう?」

コクリと頷くサクラ。

ウメコ「やっぱりそうかぁ…ダン君がマリーさんの子供だから…なんか…軽蔑しちゃうな…ジャスミンの事…バンもだけど…」
泡ブロを顔まで浸かるウメコ。

サクラ「ねえ…ママ…」

ウメコ「ん?」

サクラ「ママはいつもジャスミンさんの話しをしてくれたわ…いろんな話しを…ツインカムエンジェルは私達女性スペシャルポリスみんなの憧れで、目標なの…未来のママは言っていたわ…ジャスミンが男性だったら…自分が男性だったら、ジャスミンと結婚したいんだって…」

ウメコ「あら…そんなことを?」

サクラ「未来のママは宇宙警察養成学校の女性スペシャルポリス担当の教官なの…それはそれは凄い人気でね…ウメコ教官に習い、地球署でジャスミンさんと働くのが大概の女性スペシャルポリスの夢なんです…」

ウメコ「そうなんだ…」

サクラ「ジャスミンさんとバン司令官の事は詳しく話せませんけど…ママ…二人を…ジャスミンさんを信じてあげて?」

ウメコ「そっか…そうだよね?ジャスミンだもん…何か余程の事があったんだよね」

こうして二人は逆上せるまでお風呂でおしゃべりをしていた。

デカベースの横に、未来のロボ、グレートデカベースロボが仁王立ちし、デカベースからの未来へ戻る為のエネルギーを充填され、スワンがデータとりをしている。

そこへ、テツと未来の息子テッペイがやってきた。

テッペイ「副長官!」

スワン「うーん…やっぱり今のテクノロジーではどうにもならないわ…凄い…」

テツ「あーあ、没頭してるなぁ…スワンさん」

テッペイ「副長官!」

テツ「テッペイくん。今はスワンさんは副長官じゃないから、ああなると、気づいてくれないよ…スワンさん!スワンさん!」

スワン「?あら、テツにテッペイくん。どうしたの?」

テツ「いや、こいつが、この時代のスワンさんにも挨拶したいと言って…」

スワン「あら、そうなの。でもテッペイくんとあのロボのおかげで助かったわ…」

テツ「ホントですよ!スワンさん、クローラーで体当たりしようとして!もうやめて下さいよ!あんな真似」

スワン「すいません…ドゥギーにも叱られたわ」

テッペイ「スワンさんは変わりませんね…」

スワン「そりゃそうよ?あなたたちより寿命長いんだから。こうみえて、ニーチョ星人でも若い方なんだから」

テッペイ「そ、そうなんですか!?」

スワン「何よ、その驚き方は…テッペイくん」

テッペイ「いやーまあ…」

テツ「ボスも寿命300年だって言ってましたね」

スワン「しかし、よくこのロボを扱えたわねぇ…ほとんどマニュアルで、能力の三分の一程度の機能性しか発揮できないみたいよ?」

テツ「あ、あれだけ扱いが難しくて、三分の一!?あのフルパワーも三分の一の能力のフルパワー!?」

テッペイ「僕もテスト前に実践することになるとは思いませんでした。シミュレーションでようやく慣れたところでしたし」

テツ「凄い時代なんだな…」

スワン「未来の私のメッセージがあったわ…本来接収されて研究された超重機が破壊され歴史が変わる…だから、あのロボのデータをとっておくようにって…それを見越して、テッペイくんとロボを送ったみたいね」

その時、テツにボスから出動のコールが入った。

テツ「ちぇっ、事件は待ってくれないか!じゃ、行ってきます!」

スワン「頑張って」

テッペイ「この時代も忙しいんですね…」

スワン「あなたの母親、リサさんね?ふふ」

テッペイ「やっぱりスワンさんにはわかりましたか?」

スワン「あのテツが…リサさんとねぇ…わからないものね、未来なんて」

テッペイ「父には内緒にしておいてください。母親は一般人ということにしていますから」

スワン「わかっているわよ。今そんなことを言ったら、動揺して仕事にならなくなるから」

テッペイ「バン司令とは事情は違いますけど」

スワン「似た者同士だから…あの二人は」

テッペイ「何か手伝う事はありますか?」

こうして、未来のデカレンジャー達が帰る日がやってきた。

ダン達未来からやってきたニューデカレンジャーが未来へ戻る時がやってきた。

ともに、向かい合って整列する。

バン「こんなことを言うのも変だけど、未来の俺達によろしくな」

ダン「ロジャー」

皆が互いに握手を交わす。

未来のニューデカレンジャー達は、過去の若い親達の凄さや偉大さを実感し、デカレンジャー達は子供達の立派な姿に明るい未来を感じていた。



ドギー「帰ってしまったか…」

少し淋しさが込み上げるドギー。

スワン「ふふ…孫がいなくなって、淋しいのかしら?ドゥギー」

ドギー「まあな…だが、こいつらが倍になっても、大変だがな」

バン「どういう意味っすか!ボス!」

ドギー「ん?面倒みきれんということだ」

ホージー「ボス!」

センチャン「ま、ボスに同感かなぁ…」

バン「センちゃんまで!」

ジャスミン「そりゃ、こんな個性的な部下が倍になればボスも白髪が増えますなぁ」

ウメコ「白髪ぁ?じゃ、ボスは真っ白になっちゃうのね?」

テツ「それはそれでみたいですね」

ドギー「白髪なんかにならん!ワオーン」

スワン「さ、みんな!事件が片付いたら、デカベース復旧を手伝ってちょうだい!」

「ロジャー!」



署員「署長!強力な時空間の乱れをキャッチ!グレートデカベースロボです!」

ホージー「うむ!うまくいったな…ジャスミン」

ジャスミン「当たり前だのクラッカー」

ヒカル「二世代のデカレンジャー相手じゃ、アブレラもどうしようもないでしょう」

ホージー「いや、後手後手を踏まされたからな。もう少し遅かったら、間に合わなかった」

ジャスミン「そう…うっ!」

ホージー「ぐっ…時空間が!」

時空間の歪みにより、変わった過去が修正された。

不快感がホージー達を襲う。それは一瞬の出来事なのだが、ホージー、ジャスミン、ヒカルには長く感じられた。

署員「グレートデカベースロボ、帰還しました!」

ジャスミン「ふう…やれやれね」

ホージー「変化はないみたいだな…」

ヒカル「よかったですね」


程なく、ダン達がデカベースに戻ってきた。

ダン「ボス!ジャスミンさん…ヒカルさん!只今戻りました!」

ホージー「ご苦労だったな」

ジャスミン「おかえり」

ヒカル「無事でなによりだ」
その時、モニターに、長官ドギーと副長官スワン、バンにセンちゃん、ウメコ、テツの本部の面々が映し出された。

ドギー「よくやったな!お前達…」

さらに何か言おうとしたドギーを遮り…

ウメコ「うわーん!おかえりぃ!ソウくん!サクラちゃん!無事だったのね!よかったぁ…ママ心配したのよぉ?パパもねぇ…」

センチャン「コラコラ、ウメコ!まだ長官の話しが…」

ウメコ「で、どうだったぁ?若い現役バリバリのパパとママは?ジャスミンも美人だったでしょ?…でね…フガフガ!?」

センちゃんがウメコの口を塞ぐ。

センチャン「いい加減にしなさいウメコ」

ソウちゃんとサクラは呆れて言葉もない。

ジャスミン「ウメコは相変わらずだわ…」

ドギー「今後…タイムマシーンが本格的に稼動し始めれば、アブレラのような過去へ飛び、悪さをするアリエナイザーも出てくる…その対策も必要だな」

バン「特凶、ファイヤースクワッドに今回はタスクフォースが組織された。ヒカル!頼んだぞ…」

ヒカル「バンさんに頼まれては断れません…」

テッペイ「地球署のエースがタスクフォースに転属…また地球署の株があがりますね」

ヒカル「……」

スワン「地球署には配属希望の新人が殺到しているわ…嬉しい悲鳴ね」

ダン「みんな、ジャスミンさん目当てじゃないでしょうね?」

ジャスミン「はあ?」

セージ「それは…ありえるな」

テッペイ「ナンセンス!」

サクラ「そんなの、ヒカルさんだけですよ?ね?アリサ」

アリサ「何で私にふる?」

センチャン「ウホン…まあ、そういう候補生もいなくはないな」

ウメコ「女子はホージーさん目当ての子がいるわよー」

ホージー「そんな理由でこちらに配属されても困るぞセンちゃんにウメコ」


過去から戻って来て喜びに湧く地球署。

署員「ポイント5287地点に未確認の金属生命体が墜落した模様!デカレンジャーに出動要請がきています」
ホージー「事件は待ってくれないか…デカレンジャー!出動!」

「ロジャー!」

ヒカル「地球署最後の事件かな…」

ちらりとジャスミンを見て、出動していったヒカル。

ホージー「ジャスミン…あいつの気持ちに応えてやれないのか?」

ジャスミン「ホージー…彼はまだ若いわ…私でなくても…」

ドギー「ヒカルはバンに、ジャスミンとバンが一緒になるという条件でタスクフォース転属を承諾したようだな」

ジャスミン「な!?バン!どういうつもり!」

バン「…ヒカルに聞かれてな…ジャスミンと一緒になる気があるのかないのかとな」

ジャスミン「……」

バン「ジャスミン…俺はある…と答えた」

ジャスミン「バン…」

スワン「ねえ?ジャスミン…ヒカルはあなたを愛してる…でもね?あなたの気持ちがバンにあることもわかっているのよ」

ドギー「そうだな…」

ウメコ「ジャスミン!もういいんじゃない?」

ジャスミン「?」

ウメコ「ジャスミンは今までよく頑張ってきたわ…皆の為…アリサちゃんの為に…」

センチャン「ああ…そうだよ、ジャスミン。もう自分の幸せも考えようよ」

ジャスミン「私は…そんな…」

テツ「ナンセンス!ジャスミンさん…ヒカルはあなたを見守る愛を選んだんですよ」

ジャスミン「見守る…愛…」

ドギー「そうだ。ヒカルの気持ちを無にしていいのか?あいつはジャスミンに救われ、スペシャルポリスを志し、恩に報いるために、地球署を志望し、君を支えてきてくれた筈だ」

ジャスミン「ヒカル…」

バン「ジャスミン!一緒になろう…今更だけどな…」

ジャスミンは涙を流し、頷いた。

ウメコ「やったね!ダンくんもアリサちゃんも喜ぶよ!」

それを待っていたかのように、特凶とファイヤースクワッドにも出動要請がきた。

ホージー「ジャスミン…」

ホージーは笑顔でジャスミンの肩をポンッと叩き、モニターに向かう。

デカレンジャーは新たな未来を紡ぎ続けていく。

〜(完)〜

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