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Mutsumi 詞の世界コミュの「メジロのジロー」

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生き物シリーズ第3弾を書こうと思います。
第1弾「イノシシ」、第2弾「セミ」と続いて今回はメジロを取り上げました。
途中でギブアップしないように頑張ろうと思います。

我が家の梅の木は開花がとても遅くて
今年はまだメジロは姿を見せんません。
早く来て欲しいなぁ。

コメント(5)

ジローの家は静かな林の中にあります。
でもその林は学校の演習林で
少し外に出れば大きな幹線道路があり人が住む家々が立ち並んでいます。

その中に梅の木が3本ある家があります。
ジローはここの庭が大好きで花の時期になるとよく出かけていましたが
家の中の様子が少しずつわかるようになると
人の言葉が自然に理解できるようになってきました。

あるとき、その家のお母さんと思われる女性が
窓を開けて寂しそうに「もう何年もウグイス来ないのよねぇ。」と
ひどくがっかりした様子でつぶやいているのを耳にしたのです。

その言葉を耳にしたときジローは複雑な気持ちになりました。
自分だって花の時期には仲間を連れて春を告げに家々を回っているし
ウグイスほど特徴のある声ではないけれど
人間のあいだでは「鳴き合わせ」の会が催されるくらいに
歌と声では引けをとらないと自負していたのに、って。

(To Be Comtinued)

以前ジローが遠出して少し距離がある梅林に仲間と出かけた時のことです。
花はちょうど3分咲きくらいで梅見も真っ盛り。
真昼間から大盛り上がりの集団がジローたちがいる木の下を通りかかりました。

「オイオイ見ろよ。ウグイスがたくさんいるぜ。」
「ほんとだ。でもホケキョって鳴かねえなぁ。」
「人間がいると鳴かねぇんじゃねぇの?」

などと、梅見物の男たちは勝手なことを言い合っていました。

「ウグイスジャ ネェヨッ!」
「ホケキョナンテ ナカネェヨ」
「キブンガヨケレバ タノマレナクタッテ ウタウシ・・・」

ジローや仲間たちはカンカンでした。
確かにウグイスとメジロを取り違えている人たちは多いけれど
メジロの鳴き声を愛でて鳴き合わせの会が催されるくらい
メジロを愛している人たちもいるのは確かです。

久しぶりの遠出だったジローでしたが
心弾む気持ちとは程遠いものがあったので
しばらくは梅林に行くのをやめることにしました。

ある朝、いつもより少し早く目覚めたジローは
久しぶりに、3本の梅の木がある家に行くことにしました。
ウグイスを待っていた女性がなんとなく気になったのです。

(To Be Continued!)
朝早かったせいか、その家の雨戸は閉まったままでした。
そのうち雨戸が開くのではないかと、梅の木を飛び回っていると

「じろーくん だよね?」

という、優しげな、でも弱々しい声が聴こえました。

振り向くと、地味な色の鳥がとまっていました。
とっさに誰だか思い出せなかったのだけれど
確かに声には聞き覚えがあったのです。

「ア キョーコサン!?」

「そうね あのときは こえだけだったから。
りっぱになったねわねぇ。」

ジローがまだ幼かった頃、演習林の林の中で迷子になったとき
親切に誘導してくれたウグイスでした。

「わたしもね このいえのおかあさんがきになってきてみたの。
ぐあいがわるいらしいって おともだちにきいたから。」

「コンナコトヲイウノハ ナンデスガ
キョーコサンゴジシンモ タイチョウガ オワルイノデハ?」

「そうなのよ。 わたしたちうぐいすは ひとさまのめにふれてはいけない という
きびしいおきてがあって こえとうたでいきていくようにさだめられているの。

でも じろーくんがおもったとおり わたしはぐあいがよくない。
だから こころのこりがないように きになっていることを
ひとつずつかたづけるつもりよ。」

「ソレデ ココヘ?」

「そう。 さっき ひよどりさんにきいたら しんぱいごとがあったらしいけれど
そのしんぱいごとも もうすぐかたづくだろうから げんきになるだろう って。
あんしんしたわ。」

「アノ ランボウナヤツト ハナシタンデスカ?」

「がたいはおおきいけれど あんがい れいぎただしいところもあってね。
ふふふ・・・おまけに わたしくらいのとしになると 
それほど こわいものってないのよ。」

ウグイスのキョーコは、そこまでいうと大きく息をしました。
ジローは初めて姿を見たウグイスのキョーコと
もう少しはなしてみたいと思いました。
話でしか知らない祖母と話しているような気がしたのです。

(To Be Continued!)
ジローは、ウグイスのキョーコともう少し話したいと思う反面
とても疲れているように見えるキョーコを休ませたいと思いました。

「キョーコサン イエマデ オトモシマスヨ。カエリマショウ。」

「そう いっしょにとんでくださるのね。ありがとう。
たちばがぎゃくになってしまったわね。」

キョーコはジローが迷子になったときのことを思い出し
感慨にふけっているようでした。
キョーコとジローの住まいがある学校の演習林は割合近いところですが
キョーコの住まいにたどり着くには少し時間がかかりました。

「おはいりなさいな。」

キョーコが巣へ入るのを見届け飛び立とうとしたジローは驚きました。
人間はもちろん他の生き物に姿を見せることを固く禁じている厳しい掟を知っているだけに
いっそう驚いたのです。

「いぜんは こどもたちがいてにぎやかだったけれど 
いまはひとりで さびしいものよ。」

「オコサンタチハ イマドコニ?」

「さあどこにいるかしらね。 
すだっていったものは あれこれおもってもしかたのないことだから。」

ジローはハッと胸を突かれたような気がしました。
そして、同じ春に木に咲く花を友として
歌で人々に春を告げる役を担っている者として
どうしてもキョーコに聞いてみようと思いました。
ずっと心にわだかまっていたことを。

(To Be Continued!)


それは聞いてみたいというより
ジロー自身の心に渦巻いている、わだかまりのようなものを
自分より立場が上ではないかと(ジローが勝手に)思い込んでいるウグイスの長老に
ぶつけたい気持ちだったのでした。

「ボクハ・・・ボクハ・・・ウグイスノミナサンガ ウラヤマシクテ タマラナインデス。

ヒトコエデワカル ウツクシイコエデ ミンナガスグニ ウグイスダッテワカルシ
ウメノハナガサキダスト ウグイスガコナイカ ッテ ココロマチ二シテイマス。

ソレダケナラマダシモ ボクタチノスガタヲミテ ウグイスガイルッテ ヨロコンデ・・・
オレタチハ ウグイスノカゲムシャジャナイ ッテ ハラダタシクッテ!」

キョーコはクスリと笑いました。
ムキになって話すジローがとてつもなく愛しく思えたのと
自分たちもまた、別の鳥に対して同じような思いを抱いていたことを思い出したからです。

「ジローくん それは わたしもおなじこと。
わかいころ カナリヤさんにたいして おなじことをかんじていたわ。

こえやうたでは まけるとおもっていなかったけれど
このわたしをごらんなさい。
カナリヤさんのうつくしいはねにくらべたら このしぶいいろ・・・

わたしたちは すがたをひとまえにあらわさないおきてで まもられていたけど
カナリヤさんはかごにいれられて たんこうのなかにつれていかれて
どくのガスのかんちき(感知器)がわりにされて 
ほとんどのみなさんが てんじゅをまっとうできなかったのよ。

そして しぜんのなかで じゆうにくらせているカナリヤさんは ほとんどいないの。
そのことを ちちからきいたとき わたしはウグイスでしあわせだったと おもったわ。」

ジローは初めて聞く話に、とてもおどろき言葉が出てきませんでした。
キョーコはなおも話を続けるのでした。

(To Be Cotinued!)


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