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仮面ライダー響鬼 夢・妄想の巻コミュの2005年12月31日

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ランプの炎が微かに揺れている。
その炎を見つめながら、サバキは何やら考え込んでいた。
「今年は、静かに過ごしたいものだな。。。」
見上げれば、雲ひとつない空。陽が傾き始めている。

「サバキさーん!お湯沸きました!蕎麦茹でましょうか?!」
「おお!今年はな、山形からいい十割蕎麦仕入れといたんだ!うまいぞ!!」
「本当すか!やりぃ!」
立ち上がり、蕎麦の用意をはじめるサバキ。

「Bow!Bow!」
蕎麦が茹であがり、いざ食べようかというそのとき、ルリオオカミが戻ってきた。
ディスク形態に変形しつつ、サバキの手の中に飛び込む。
「さて・・・」ディスクを再生する。
キュルキュルキュルキュ・・・ギ!ギギギギギギギギギ!!!
「・・・やっぱりバケガニがいやがったか・・・ったく・・・」
「八番は・・・向こうの谷の東側あたりですね・・・民家も結構近いです。」
「・・・蕎麦くらいゆっくり喰わせろってんだ・・・」
ふてくされながらも、閻魔を担ぎ、ルリオオカミと共に走っていく。

閻魔。大斧のような外観を持つ、裁鬼愛用の音撃弦である。
同じく弦の使い手である斬鬼が持つ「烈雷」と並び賞される稀代の名機でもある。
「烈雷」が切り裂くかのような音撃を奏でるのに対し、「閻魔」は叩きつけるような重低音を響かせる。
その重低音は、バケガニの甲羅をも一撃で破壊する威力を誇る。
それ故に、使い手を選ぶ音撃弦でもある。同様の音撃弦は東北支部に一機、吉野本部に一機しかない。
加えて、裁鬼は小型の音撃弦「冥府」も装備する。烈雷をふた周りほど小型化したような外観の弦である。
「冥府」自体の威力は低いのだが、魔化魍に「冥府」を突き刺し、「閻魔」と共鳴させることで、より強力な音撃を発生することが出来る。

「サバキさん・・・喰うことに関しては五月蝿いからなぁ・・・」
喰いかけの蕎麦をみながら、石割は誰に言うでもなくつぶやいた。
サバキは、閻魔の使い手であると共に、和食好きで、特に蕎麦にかけては並々ならないこだわりを持っていることでも知られている。
「・・・一応連絡しとくか・・・」
携帯を手にとり、いづこかへ電話する石割。


「このあたりか・・・確かに民家も近いな・・・」
川のせせらぎだけの音だけが響き、バケガニなどいないように思われた。遠くに民家の明かりがかすかに見える。

「Bow!Bow!」
捜索を続けていると、不意にルリオオカミが吼えた。
「鬼ダ!」「鬼ガキタ!」
水しぶきをあげ、怪童子・妖姫が川の中から現れた。
「お前ら!せっかくの十割蕎麦の邪魔しやがって!」
そういうと、変身鬼弦・音錠を弾いた。
バリバリバリッ!
裁鬼の体を雷が包み、また、その雷は怪童子・妖姫を襲った。
「ギギギギギッ!」苦しげな声をあげながら、怪童子・妖姫が逃げる。
「フンッ!」雷を払い、裁鬼となって怪童子・妖姫を追う。
「はっ!」
気合とともに「冥府」を怪童子に向かって放つ。
ボスッと鈍い音をたて、怪童子の頭が粉々に吹き飛ぶ。
中枢を失った怪童子の体は、そのまま2,3歩あるき、ドサッと倒れた。
それを見た妖姫が立ち止まり、裁鬼のほうに振り返る。
ニヤリ、と笑った。
次の瞬間、ドンッ!という音とともに裁鬼の体は数メートル飛ばされ、木の幹に叩きつけられた。
「ぐはっ!・・・な、何っ!」
河原に巨大なハサミがそそり立っていた。
「キシャアッ!」
立ち上がろうとする裁鬼に、妖姫が襲い掛かる。
閻魔でそれを防ぎつつ、横に飛んで体制を整えようとするが、今度はバケガニが襲い掛かってくる。
「こぉのっ!」右からの一撃はしのいだものの、左から直撃を受けてしまった。
またも飛ばされる裁鬼。木の幹を数本へし折り、ようやく止まった。
左腕から血が流れだす。
「いってーな!ダシも取れねーバケモノの分際で!」
左腕の血を気かけながらも、再び立ち上がり閻魔一閃、バケガニの足を一本切断した。
振り向きざまに妖姫に閻魔を突き刺す。
「グ・ギギッ!」爆発・四散する妖姫。
ふと、民家の明かりが視界に入った。いつのまにか、近くまで寄ってしまったらしい。
一家団欒の最中なのであろう、テレビを見ているようだ。まさかすぐ外でバケガニが暴れているなどとは思いもしないに違いない。
「ここじゃまずいな・・・こらバケモノ!こっちだ!」バケガニを煽り、走り出す。
足を失っているバケガニはもんどりうちつつも、裁鬼を追いかけてくる。

「ここいらでいいか!」民家が見えないところまで来たところで、バケガニに向かった。
バケガニの足を更に一本切払い、そのまま腹の下に滑り込む。
閻魔をバケガニの腹に突き刺す。
「ぬぅぅあっ!」
バケガニを担ぎ上げ、投げ飛ばす。左腕に痛みがはしり鮮血がほとばしるが、弱音を吐いている場合ではない。
ズズン!と低い音をあたりに響かせ、バケガニはもんどりうった。
仰向けになったバケガニの腹に飛び乗り、再び閻魔を突き刺す。
「音撃斬!閻魔裁き!!!」
裁鬼の魂の響きが、閻魔によって重低音となりバケガニに打ち込まれる。
甲羅がまるで押しつぶされたかのように曲がり、四散した。

「痛ってー・・・」顔だけ変身を解除し、左腕を見る。
「ったく、ろくな大晦日じゃねぇな。。。おっと、気づかれてないよな?」
先ほどの民家の様子を伺いにいってみると、特段変わった様子はなく、
テレビを見ながら談笑する一家が見えた。
安堵の笑みをうかべ、その場を立ち去る。

陽はすでに沈んでいた。

「くっそー、俺の十割蕎麦・・・」
「サバキさーん、お疲れ様です!」
アカネタカに導かれ、石割がやってきた。
「おお、石割!早いな!」
「ひどくやられましたね・・・とりあえず応急処置します。」
「ああ、頼む・・・それにしても、腹へったな・・・」
「サポーターの滝さんに電話してメシ頼んでおきましたから、行きましょう。」
「流石!早速い・・・いでででで!」
「ダメですよ動いちゃ〜!・・・っと、とりあえずこれで大丈夫です。さ、滝さんのとこに急ぎましょう・」

サポーターの滝の家
「おお、サバキ!よく来たな〜。なんだ、やられたのか?おいルリ子!手当てだ!」」
妻のルリ子が手際よく手当てを始めた。
夫婦そろって鬼のサポーターである。ここで修行し、一人前になった鬼もいる。
「参りましたよ。せっかく十割蕎麦用意したのに喰い損ねるわ、バケガニには不意打ちくらうわ。。。」
「しかしバケガニがこの時期でるなんてねぇ・・・サバキさんも大変だねぇ。」
「ほんと参りましたよ。」
「・・・っと、はい、終わりましたよ。」
「いつもすみませんルリ子さん。」
「はいはい、あなたももう若くないんだから、無理しちゃダメですよ。」
「(苦笑)」
ほっかむりをした滝が台所から出てきた。
「おめーら腹減ってんだろ?蕎麦出来たぞ!俺さま特製十割蕎麦だ!」
「え?マジすか!おおおー!!!滝さん、何から何までありがとうございます!」
「礼なら石割にいいな。電話貰って、打っておいたんだ。」
「石割―!お前偉いよ!」
「だってそうでもしないと、一週間は「蕎麦食い損ねた」って言われますからね!」
「お前そりゃ言いすぎだろ!(苦笑)」
「いいからいいから、さっさと喰いな!おかわりもあるぞ!」
無心に蕎麦をかきこむサバキ。
「あなた、もう紅白始まってますよー」
「今年は布施明は何歌うんだったかな?」新聞を広げる滝。
「・・・えっ?ふ、布施明?!」みるみる顔色が悪くなるサバキ。
「なんだ、布施明がどうかしたのか?」
「ご、ご存知ないんですか?実は布施明さんは猛士、それも吉野の開発局長なんですよ・・・」
「なぁにぃ!」
「本名は小暮さんといって、めっちゃ怖いというか、無茶苦茶な人なんですよ・・・」
「し、知らなかった・・・・・」
「あなた、その布施・・・いえ、こ、小暮さんですよ」
「吉野の幹部だと思うと妙に緊張するな・・・・・」
小暮さん登場。「少年よ」を歌いだす。。。
「歌は確かに上手いんですけどねぇ・・・な、ひ、響鬼!威吹鬼に轟鬼まで!あいつら何やってんだ?!石割!ザンキに電話だ!」
「は、はい!・・・・・・サバキさん、ザンキさんです。」
「ザンキ!ど、どーなってんだこりゃあ!」
「どうもこうもねぇよ。おやっさんがな、ヒビキ達をバックダンサーにだすよう小暮さんにおしきられちまってな。挙句の果てにバケネコどもが渋谷に・・・な!」
「サバキさん!紅白の会場に、ば、バケネコが!」
「ああ?!ザンキ!俺らも今からそっちに向かう!いくぞ石割!」
「は、はい!」
「サバキ!無茶すんじゃないぞ!」
滝が立ち上がりながら言った。
「・・・鬼ですから!」
閻魔を担ぎ、車に乗り込む。
「サバキさん!」
カッ!カッ!ルリ子が火打石を叩く。
「いってきます!」
暗闇の中に走り出す車―。
小さくなっていくテールランプを見つめる滝・・・。

高速を渋谷めざし走る車の中。
「あ!」
「な、なんですかサバキさん?!」
「バケネコどものおかげで蕎麦おかわりしそこねた!!!」
「(苦笑)」半ばあきれつつ笑うしかない石割。。。

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