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左腕の金魚コミュのバカみたいバカみたいバカみたい

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「ユウ」私は名前を呼んだ。少し不思議そうに振り向いた彼は首を傾げた。その仕草に泣きそうにる。目の前にいる男が自分のモノだと思うと胸が苦しくなるのだ。思わず私はギリッと歯ぎしりをした。静かな4畳半のアパートにはこの音さえも部屋全体に響いているように感じる。ブーンと無機質な冷蔵庫の音。その中に期限が切れた卵がある。明日はオムライスにしよう。彼で埋め尽くされている頭の隅で考えた。「どうしたの?」少し高い、しゃがれた声に肩がビクリと反応する。私はいつも緊張しているのだ。いつ愛想を尽かされるのかと、別れの言葉を発するのかと。そんな時彼はいつもフッと笑う。馬鹿だな、というように。唯一嫌いな仕草だった。全てを見透かされているような、浅はかな心の中を見られているような。そんか感覚に陥るのだ。「なんでもない。ごめん」私の口調は少し強かった。彼の視線を遮りたいだけで、そんな風になってしまう。この後激しい後悔と冷たい空気がやってくるのとわかっているというのに。慌てて笑顔を作った。無駄なんて理解してても、反射的にやってしまう。(ああ、やってきた。後悔だ。)襲ってくるこの感情は私の心を蝕んで、今以上に嫌な人間にさせる。思わず、泣きそうになる。「チカ?」彼が名前を呼んだ。何度も聞いた名前。愛しそうに呼ぶ時、怒りに震えながら呼ぶ時、そしてこんな冷めた瞬間に彼はこの名前を呼ぶ。それが苦しくて切なくて、私は夕食で食べたシチューを吐き出しそうになった。「ユウが、ユウがね」シチューではなくなんとか彼の名前を吐き出せた。何度も繰り返す私の声を遮ることなく、責めることも慰めることもなく、狭い部屋に響く自分の名前に耳を傾ける。優しいまでの残酷さに気付かない。彼はきっと気付けない。この沈黙は私にとって苦痛でしかないのに。こんなにまで苦しい思いをするなら殺して欲しかった。彼の細い腕に力を入れて絞め殺して欲しい。そんな願いは届くこともなく、私はお決まりの台詞を発するのだ。「ユウが、 」なにも知らない彼の口元が緩んだ。

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