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短歌・詩・都々逸(都都逸)コミュの題詠短歌2020‐001〜100

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001:君
海を背に君子蘭咲くロビーには掬いたきほど溢れるひかり
002:易
穏やかに過ぎ行く時の凪の海いとも容易く夕陽は落ちて
003:割
海岸に沿った舗道の割れ目より伸びる草葉は海に向き咲く
004:距離
通らねば知ることのなき裏道の距離は聞かずに踏み出した一歩
005:喉
アクセスを強く踏み込み追い越せば喉元過ぎ行く一瞬の熱さ

006:鋭
こうこうと如月の月わたる空ベランダには鋭角の風
007;クイズ
雨の日は姉と地図みて地名あてクイズで覚えた大歩危小歩危
008:頑
もうちょっと楽しみあれば頑張れるバス旅パンフにあふれる桜
009:汁
帰省子が「旨い」とほめた味噌汁がフリーズドライと言えず固まる
010:なぜ
海望む冬陽さしこむレストラン幸せだからなぜと聞けない

011:域
あの日から区切られた区域ニ十キロ終わりなきまま九年の月日
012:雅
霜月の日暮れのはやき外洋に雅な煌めき漁火ともる
013;意地悪
同窓会された意地悪あやまられ笑顔で返す吾が内の怖さ
014:客
もう我を忘れて久しき母のいてお客が来たよと無邪気に笑う
015:餌
飲み込めと差し出されても飲み込めぬものもありたり味なき疑似餌

016:グラス
陽にかざす切子のグラス通り抜け春は来るなり光は遊ぶ
017:境
夕暮れのどこを境に不機嫌に君はなりしか風向き変わる
018:位
定位置でつめたき風になぶられて今日も日暮れに富士見のひととき
019:立派
ランドセル、ブレザースーツ着ては脱ぎ式を待つ孫立派に6歳
020:梅
菜種梅雨しめった空気と風も吹きケヤキは目吹く萌黄ひき連れ

021:冊
若き日の消しておきたい雑記帳三冊シュレッド雪ふる春に
022:自慢
聞こえくるあれやこれやの孫自慢われら同窓じじばばとなり
023:陥
コロナ禍に陥り人気なき町をうっすら隠し春の淡雪
024:益
ぽってりと厚く素朴な益子焼なにのせ食べよう籠る休日
025:あなた
あわあわと淡くあなたを思うあさ玻璃戸の向こう春の青空

026:岩
うす赤いヒマラヤ岩塩 舌先に暫しとどまりほどける太古
027:慰
慰撫の風 初夏を薫らせ吹きぬける
桜散りゆき暗き病む世に
028:刷
待つという時間楽しむ猶予なき老いた身刷新はかる朝ヨガ
029:オープン
高校の服装規定の夏の項オープンシャツも可とある昭和
030:建
その言葉知って九年の月日経ち壊れるはずなき「原子炉建屋」

031:芝居
犬を抱き寛ぐ姿今じゃない下手な芝居に始末の悪さ
032:委
その妻に委ねし手記の無念さをコロナが隠すマスクで隠す
033:虐
心愛さんの死後まで続く虐待か娘の嘘と控訴した父
034:項
髪切れば項ウナジにひやっと吹き過ぎる春は名のみの風ふく四月
035:為
吾が為と孫が残せしひと欠けのチョコ口中に溶かしゆく至福

036:撮
満開の花に降り積む雪を撮る弥生みそかに遅き初雪
037:あべこべ
介護者は非介護者に癒されてあべこべに見えしひそかな均衡
038:私
スーパーに人の多さをいぶかしみそのひとりたる私に気づく
039:威
鯉のぼり威風堂々泳ぎいる男ヲの子産まれし角の家には
040:スパイ
スパイスの小瓶並べたキッチンでつましく食べるレトルトカレー

041:拒
遊具には使用を拒む黄のテープ集う子の消えカラス増えたり
042:司
横抱きの柱時計が鳴るといふ心の荒涼 寺山修司
043:個
図らずも会えぬはつなつとろとろと真昼まどろむ好個の暮らし
044:施
若き日の美男子自慢の利用者が施設ロビーで媼をかまう
045:攻
咳ひとつすれば攻撃するようなマスクの上の冷たき視線

046:わいわい
つばなの穂ほぐれゆく野はわいわいと精霊遊ぶ白きはつなつ
047:溢
江戸川にきらら溢るる初夏の陽よ土手を伝いて行きたし海へ
048:殴
どれほどの怒りを持ちて殴りしか吾子十五の夏あけし壁穴
049:兼
戻してと願う日常 気兼ねなく笑いふれ合い喋り飲みたき
050:削
あれこれと削ぎゆく暮らししてみれば大切なもの少なきと知る


051:夫婦
穏やかに聞き流しては見ないふりこれもひとつの夫婦のカタチ
052:冗
冗漫に喋りすぎてる聞かれたくなきことある日きみの饒舌
053:掌
掌に似た形してぶどうの葉 子ぶどうの房やさしく包む
054:がらくた
ようやくに雨はやみしか薄陽さしもう使われぬがらくたを照らし

055:譲
すこやかに育ちゆく孫六月の雨の入学譲り葉ひかり
056:処
沈黙の電車内に咳ひとつ目だけで処する冷たき視線
057:ソプラノ
缶ビール片手にリモート飲み会で高齢女子はソプラノで喋る
058:峰
灰色のあの空あたりか富士の峰くもが邪魔する夕の楽しみ
059:招
玄関のすみに置かれし招き猫抱く小判はさびしき黄金
060:凶
採血をされし腕に赤黒き痕あらわれて凶の予感す

061:まじめ
今は亡きまじめに生きた公僕の妻は言いたり一歩も引かぬと
062:催
ステイして催事なきまま過ぎて行く暮らしに慣れて緑濃き窓辺
063:幽
心決めコロナ禍のがれ幽谷へ深呼吸したしマスク外して
064:父
七夕に父逝きてより半世紀法事もできぬ雨の墓参り
065:一部
収骨の箸に崩れしもろき骨厳しく強き父の一部は

066:硬
鳳凰の百円硬貨ありし頃 月に一枚貰えた小遣い
067:デビュー
進んでは大きく後にまた戻り児は風になりブランコデビュー
068:緊
からぶりの緊急地震速報に目覚め見し空濃き藍の夜明け
069:裸
窓もなき裸電球吊り下がる暗い昭和の学校トイレ
070:板
マスク越しビニールカーテンプラ板が隔てる日常もどかしき日々

071:能
九十四能弁にてありし母ひかりなき目で無口となりぬ
072:吉
吉祥寺北の外れに小学校隣地にあった国鉄官舎
073:採
連絡はなきままだった採否の報 氷河期生きて息子は父に
074:せめて
災害に耐えし糸杉移植して晩夏に思うせめてもの事
075:擦
この匂い覚えてますかと母の手に「桃の花」擦るされてたように

076:充
置き去られ亡くなりし子に無きリア充をインスタに載せし母のあはれ
077:武器
罪深きわたしの武器はわたしです。秋の風ふくさびしき腕
078:添
この夏の忘れたくなき夕焼けを分け合いたくてメールに添付
079:内
蚊遣香くゆりし暗き室内に沈黙積もる語り合いしのち
080:擁
巨木なるいちょう擁けば我もまた抱かるる思い幹にほほ寄せ

081;札
高原の駅の改札抜け出ればたじろぐほどに近き太陽
082;秒
麦草の銀緑色の長き秒(ノギ)荒れ地に群れて野草の自衛
083;剤
白麻のブラウス浸す洗剤は淡いピンクに思い出染めて
084;始末
ほんとうに忘れることはできるのか後始末終え聞く時の鐘
085;臭
嘘なのか漂う異臭ぬぐえずに夕陽の道に影は尾をひき

086;造
予報士の仰せは今日も酷暑なり部屋にひまわり枯れない造花
087;栽
登頂の褒美でありしコマクサの栽培種見ゆ町の花屋で
088;しばらく
オール置き湖水に浮かびしばらくをさやぎ来たれる風とうちとけ
089;里
夏の日に雪原想うナウマンの親子像立つ里を歩けば
090;植
線路沿い誰が植えしか枯れあじさい夏陽のなかでわづかにゆれて

091:呪
淋しさが糸引くような秋の雨コロナの呪縛ひきずる街に
092:タッチ
ひさびさに集いし友等とハイタッチしたつもりの手ひらひら下ろし
093:属
たやすくは朽ちることなき金属も放置されれば錆ゆくあした
094:錠
ひと粒の錠剤くれし寝落ちゆえ悩みもうろう不安潜めて
095:俗
樹となりてあの世に逝きしそののち
も俗名で良しきみが呼びし名

096;機嫌
機嫌よく三つ折り傘は開きたりひゅっと口笛踏み出す一歩
097;詐
送られし言葉が詐術だとしてもひととき光るスマホの画面
098;鈍
青春18きっぷ手にいれて老い感じつつ乗りたし鈍行
099;任
なりゆきに任せ旅する下車駅で風に吹かれて真昼間のビア
100;詠
伝えたき過ぎし日のこと日々のこと言葉のかけらつなぎ歌詠む

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