眠れぬ夜の物語コミュの伝えない気持ち

ずっと心の中に閉じ込めていこう

そう決めたんだ

朝日が少し遠慮がちに僕らを眺める秋空は不思議とそれだけで寂しさを掻き立てる

身体の古傷が痛む梅雨のように今は心がシンシン痛いよ

「あなたに会えてよかった」
そんな綺麗事と一緒にサヨナラしたあの時
もっとカッコつけずに素直になれればよかった

大人になって潔さが染み付いた僕には君を追いかけるだけの子供のような往生際の悪さはもう無かったみたいだよ

今より未来を見るようになった僕は今を強く生きることを忘れてしまったみたいだ

何かに言い訳をつけて今を逃げてるのかもしれないな

あなたは変わらぬ笑顔だけど何故か、どこか遠いんだ

無邪気だった大人びた春
ありがとうなんて言いたくなかった

けなしあったり、喧嘩している方がよかった

何もなかったかのような何もない今は
あの日々が眩しすぎて正直、直視できずにいるよ…

…………

ずっとこのまま時を過ごしていいのかな？

心が揺れる

眠い目をした人たちを横目に見ながらたどり着いた駅のホーム

僕はいつもと変わらない景色を眺め電車に揺られながら家路につく

独りの時間、決まって脳裏をよぎる君の影
君に似た服を見るたびに一瞬僕の息は止まる

その度に僕の時間はあのときに戻るんだ

未だに君の影をおっている僕は今、前にも後ろにも足が動かないよ

潔かったあの時の自分を
未練がましい今の自分が殴りたがってる

誰かに言われた…

『死んだ魚みたいな目してるね』って

笑うだけで否定できなかった…そんな自分を本気で殴りたくなった。