獅子心王リチャード１世コミュの--Three Lions--

獅子心王の功績として、忘れてはいけないことのひとつに、イングランド王として初めて紋章を制定したこと。
それは現在の王室も使用している"3頭の獅子"(写真1)

正式に紋章の形で用いたのは、獅子心王が最初と言われています。
（以前も紋章は存在したが、統一した形で使われていなかったとか）

1198年に制定されたこの紋章は、獅子心王の勇猛さを現在に伝えるとともに、英王室の象徴として長く愛されてます。
王室だけでなく、Three Lionsの愛称で親しまれているサッカーイングランド代表のエンブレム(写真3)としても有名ですね。

ちなみに、獅子心王はこの紋章以前は2頭の獅子(写真2)を使用していました。

このコミュでもお馴染みの、あるみー様がまとめてくれた、獅子心王の紋章についての解説を以下に紹介します♪

--3頭の獅子の紋章について--

紋章は古フランス式 (Old French)のエスカッシャン（Escutcheon：盾）を採用し、その中にパッサント（passant：歩行姿勢をとり、右前足を上げたライオン）を所定の位置に三頭並べたもの。並べた位置はそれぞれ以下のとおり。

ミドル・チーフ (Middle Chief)：中央最上段
フェス・ポイント (Fess Point)：中央
ミドル・ベース (Middle Base) ：中央最下端

イングランド代表の紋章はリチャード一世の紋章をベースに、色はギュールズ（赤色）→アージェント（銀色）、オーア（金色）→アジュール（青色）に変更して赤色の花（夕顔？）を１０箇所に配置。
赤色の花の配置は多分、セフィロトの樹（＝旧約聖書の創世記に出てくる生命の樹）を元にしている。

リチャード１世の紋章のギュールズ：赤は火星（軍神マルス）を、
オーア：金は勇気と名誉（道徳的美点）を意味してるものと思われる。

イングランド代表の紋章のアジュール：青は木星（ジュピター）を表す。
それが割り当てられているのはライオンなので、一番強い存在という意味を表しているものと思われる。
背景のアージェント：銀は月を表し、ライオンの青が原色なのでそれを見やすくするために金属色を割り当てたものと思われる。
（原色の隣に原色、金属色の隣に金属色をおくことは禁止されている。見分けづらくなるから）
赤い花は火星（軍神マルス）またはバラ。

--イングランドと紋章について--

イングランドにおいて現存する最古の紋章は、アンジュー伯ジョフロワ4世のもの。
1129年、イングランド国王ヘンリー1世の後継者とされた娘マティルダと結婚し、この際に金獅子の盾紋を義父から下賜される。

☆金獅子の盾紋を持つジョフロワ4世
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Geoffrey_of_Anjou_Monument.jpg

☆イングランド王室紋章(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%8E%8B%E5%AE%A4%E7%B4%8B%E7%AB%A0

☆紋章について(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%8B%E7%AB%A0

☆紋章学(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%8B%E7%AB%A0%E5%AD%A6

☆ライオン・紋章学(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3_%28%E7%B4%8B%E7%AB%A0%E5%AD%A6%29

☆エスカッシャン・紋章学(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3_%28%E7%B4%8B%E7%AB%A0%E5%AD%A6%29

☆ティンクチャー・紋章学(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC_%28%E7%B4%8B%E7%AB%A0%E5%AD%A6%29