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リハビリテーション栄養コミュの筋萎縮による嚥下障害

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嚥下障害の原因というと、まずは脳卒中が挙げられます。次に2番目に多い嚥下障害の原因は、私は筋萎縮だと考えています。筋萎縮による嚥下障害の患者はかなり多く、リハ栄養的な適切な評価と対応が必要です。

筋萎縮による嚥下障害の原因は、大きく5つに分類できます。

廃用性筋萎縮
飢餓・侵襲
サルコペニア
悪液質
原疾患(神経筋疾患など)

廃用性筋萎縮は、しばらく経口摂取をしていなかった場合や禁食など、不活動によって生じます。

飢餓は、エネルギー消費量と比較してエネルギー摂取量(経口摂取+経管栄養+経静脈栄養)が不足している場合に生じます。侵襲は、手術、骨折、熱傷、発熱、感染症など生体へのストレスによって生じます。

サルコペニアは、狭い定義では加齢により生じる筋肉量の減少で、老年症候群の1つともいえます。骨格筋減少症、筋肉減少症とも訳されます。65歳以上で可能性あり、80歳以上で疑いと考えています。

悪液質は、がん、慢性閉塞性肺疾患、慢性感染症(結核、AIDSなど)、慢性心不全、慢性腎不全、関節リウマチなど関連する複雑な代謝症候群で、筋肉の喪失が特徴です。脂肪は喪失することもしないこともあります。

原疾患による筋萎縮には、筋萎縮性側索硬化症や多発性筋炎といった神経筋疾患などが含まれます。

実際の嚥下障害患者にはこれら5つの筋萎縮のうち、複数を合併していることが少なくありません。この原因を考慮した上で、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)と臨床栄養管理を適切に行うことが重要です。

廃用性筋萎縮やサルコペニアが筋萎縮の原因の場合、治療は嚥下筋のレジスタンストレーニングです。栄養状態が良好でない場合には、適切な臨床栄養管理を併用します。安易な禁食を避けることも、廃用予防として大切です。

飢餓が筋萎縮の原因の場合には、治療は栄養改善です。適切な臨床栄養管理を行わないでレジスタンストレーニングを行うと、筋萎縮がさらに悪化します。
侵襲の場合には、適切な栄養管理と侵襲の原因疾患の治療が重要です。

悪液質が筋萎縮の原因の場合、著明な改善は期待しにくいですが、n3脂肪酸(EPA、DHAなど)の投与が有効な可能性があります。EPAを含む栄養剤の使用やEPA製剤(エパデール)の投与を検討します。

原疾患による筋萎縮が原因の場合には、原疾患の治療を行いますが、難治性の疾患が少なくありません。それでも、廃用性筋萎縮と飢餓の予防は重要です。

このように筋萎縮による嚥下障害患者に対しては、リハと臨床栄養管理が重要であり、評価を間違えるとさらに嚥下障害を悪化させる可能性があります。そのため、リハ栄養的な考え方が必要です。

コメント(7)

当院では(急性期病院)、脳卒中は別として、先生のおっしゃる筋委縮による嚥下障害と予備能力の低下による嚥下機能の低下・破たんというのが非常に多く、また「これまで食べられていた」(決して機能が良好で安全だったわけではない)と多くの家族や本人が思いこんでいて、そのために経管栄養が家族・本人に受け入れがたかったり、主治医が選択しない・開始の遅延というのが多いです。
先生の様なリハ医がいてくだされば、栄養改善とともに、機能改善もすすむのだろうに、、、、と思います。
ぜひ研修・見学に伺いたいです。
チェリーママさん、コメントどうもありがとうございます。
潜在的な嚥下障害に本人や家族(あと主治医もですね)の自覚が全くない場合には、経管栄養の受け入れが悪いことが少なくないですよね。
筋萎縮による嚥下障害を的確に評価して介入できるようになると、経管栄養と経口摂取の併用が増えるのではないかと感じています。今は経口か経管のどちらかということがまだまだ多いですが。
Brandyさん、どうもありがとうございます。本当は処方医が筋萎縮の原因を評価したうえで、それに見合ったリハ処方をしなければいけないのに、実際にはPTで判断してくれとなっていることがほとんどですよね。申し訳ありません。

筋萎縮の原因を個別にどう判断したらよいのかというのは、正確には難しいと感じています。ただ、大まかにいえば

廃用性筋萎縮:安静(嚥下なら禁食)の期間が一定以上ある。1週間以上なら間違いないですが、1日でもおこらないわけではないですよね。

飢餓・侵襲:飢餓は1日エネルギー摂取量が1000kcal以下であれば、ほぼ間違いないでしょう。侵襲は検査値ならCRPが目安になると思います。CRPが陽性なら一定の侵襲はありますし。10以上なら中等度〜高度の侵襲といえます。

サルコペニア:これが一番難しいです。書籍では65歳以上で可能性あり、80歳以上で疑いとアバウトにしています。サルコペニア以外の筋萎縮を合併している場合の判断基準がないので、高齢ほど疑うとしか言えないですね。

悪液質:基礎疾患にがん、慢性閉塞性肺疾患、慢性感染症(結核、AIDSなど)、慢性心不全、慢性腎不全、関節リウマチがあることが大前提です。あとは下記のEvansの基準でよいと私は考えています。

12ヶ月以内に5%以上の体重減少(もしくはBMI<20)と、以下のうち3つの基準を満たす。
 筋力低下
 疲労
 食思不振
 除脂肪指数の低下(AMC10パーセンタイル以下)
 検査値異常(CRP>0.5、Hb<12.0、Alb<3.2)

原疾患(神経筋疾患など):これも単独なら難しくないですが、廃用や飢餓・侵襲を合併した場合に、どこまでが原疾患でどこまでが廃用や飢餓・侵襲かの判断は難しいです。

難しいと記載した部分に関しては特に、モニタリングが重要だと考えています。筋萎縮の原因を仮説として立てて、レジスタンストレーニングと臨床栄養管理を行ってみて、その効果を見て原因を再検討します。その上で、レジスタンストレーニングと臨床栄養管理の中身を見直して行うしかないかなと感じています。

悪液質や原疾患のみであれば、レジスタンストレーニングと臨床栄養管理での大幅な改善は難しいですが、廃用や飢餓・侵襲も合併しているかもということでプランを立ててやってみて、実際改善すれば廃用や飢餓・侵襲を合併していたんだと解釈する。

この経験を繰り返して学習していくのが、結局最適な気がします。よろしくお願いいたします。
栄養管理と筋力トレーニングが大切かなと思います。

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