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●文芸.com@mixi●コミュの星の降る夜は/そ×た(青い火の鳥 銀の羽)

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星の降る夜は/そ×た(青い火の鳥 銀の羽)








今日は 内藤イチ さんの詩を引用させていただき導入にしたいと思います





感性がゼロにまで下がりました。
こういうときにかぎって。
感受性は高まるいっぽう
つつかれたら 溢れそう。

雨のなかで突っ立ちながら。
満天の星空が見たい。きっと。
ぞっとするほど美しい。

俺の。
叶わないだろう夢のひとつです。





…………………………




雨のなかで突っ立ちながら 満天の星空を見る


あ 俺 、この感じ知ってる


ぱん と 弾かれたように思い出したのは バリ島での生活





2002年にバリ島で大きなテロがありました

その2年程前 バリがまだ平和だった頃の話です







今はもう別れてしまいましたが 1番上の姉の結婚相手は輸入関連商品のショップのオーナーで



手を広げバリ島にも 出店することになりました





ラタンの家具やみやげものを日本人観光客相手に売る店で




なかでも人気があったのは インドネシアのバティックと呼ばれる布で作ったサマードレス






日本人の女の子達のサイズに合わせて 日本の流行りのデザインで作られていました





高校1年の夏休み突入のその日から約3ヶ月半





俺はバリ島に行き その店を手伝うというアルバイトをすることになりました






アルバイトなんてのはただの名目で 俺に甘い1番上の姉がくれた 夏休みのプレゼントのようなものです





バリ島はご存じのように治安の良い観光地で すぐに慣れた俺は 1人で どこへでも歩いて出かけました





店で働くうちに知り合いも増え カタコトのインドネシア語も覚え ビーチに出て ふらふらしているうちに現地のビーチボーイ達と友達になりました






日本人だろう? 自分は日本人の彼女がいる 彼女から手紙がきた 読めないから読んでほしい




そう頼まれたのが きっかけです






ビーチボーイと呼ばれる彼らは 観光客の女の子にたかって生活する最低のやつら と言われています





確かに彼らは 観光客の女の子達を色々な店へ案内し


食事をさせたり みやげ物を買わせたりして そのマージンを抜いて生活しています





彼らはジゴロだから と 聞き





えええ ジゴロ〜?
すげー!! 相当なやり手なんだろうな〜 なんて思っていたらとんでもない!





旅行で来た日本人の女の子達に恋をしてしまって ハガキをくしゃくしゃになるまで大切にして




何度も見せびらかす





むしろ 騙されてるのこいつらじゃん って感じでした





バリの男達はシャイな人が多く 日本人女性を 美しい 美しい と言います





インドネシアの女の子と どこが違うの? と聞くと




日本人は 白いから美しい と いいます


え――? 何それーwww







確かに日本の女の子達はひらひらと華やかでお金持ちで 彼らの目にはとても素晴らしいものに映るのでしょう






日本人の彼女がいるビーチボーイはたくさんいます





おそらく 旅先のアバンチュール的な感じで彼らと関係をもった女の子達は




また あなたに会いにくるから と言い残して日本に帰るのでしょう





「ソータ、 オオサカに住んでる ユーコを知ってるか?」



いつもいつも 似たような質問を受けます





「日本人の彼女が3人いる 日本に呼んでくれるって言ってた 自分は日本に行くんだ」





本当に 聞いていると悲しくなるようなことばかり 彼らは言います




日本人の女の子の方が 1枚も2枚も上手だからね







俺のデタラメなインドネシア語と
彼らのデタラメな日本語と
お互いのデタラメな英語で





どこまで 通じているかわからないデタラメな会話







夜は彼らのバイクの後ろに乗って レゲエバンドの入っているクラブに行き 日本の女の子達に声をかけて遊ぶ





そんな生活がすっかり板についてきたある日のこと




いつものクラブで遊んでいると カウンターの中から ルーディ という 顔見知りのバーテンが声をかけてきました





「ソータ オムレツを少しあげようか」





ルーディは出来上がったオムレツを 茶色い油紙のようなものに包んでいて





その残った切れはしをつまんでもいい と言っているようでした





「テレマカシ(ありがと)」 と言い ほんのひとつまみ食べました




味は全く覚えていません 刻んだ野菜?が入っていたように思います





遅くなると姉夫婦に怒られるので 皆に別れを告げ 1人店を出ました




もう 慣れた道です




なんだか気分がよくって そうだ 少し回り道をしてビーチを抜けて帰ろう、と 1人ホテルのプライベートビーチに入り込みました




日本人だと 見つかっても何も言われませんから




仕切りをくぐって入りこんだその途端 目に飛び込んできたのは




黒い夜の海と 白い砂浜と 空を埋め尽くした満天の星






あまりの美しさに しばらく呆然と見ていると




その満天の星達が 夜の海へ雨のように降り始めました






星が光の線を引いて夜の海に落ちる


空全部 海の向こうまで埋め尽くされてる 見たこともない量の星

それが空から 星の雨になって海に落ちていく






なんて幻想的な素晴らしい光景

一体 何時間 そこにいたのでしょう







気が付くと 心配して探し回っていた姉夫婦が目の前にいて 連れて帰られました





その日はそのまま眠り 翌朝 姉に泣きながら怒られました





俺が遅くなっても戻らないので 皆で心配して探し回っていたそうです




クラブに行っても もうとっくに帰ったと言われるし 何かあったんじゃないかと 姉は大騒ぎだったそうです






俺が食べたオムレツの切れはしには おそらくマジックなマッシュルームが入っていたのだろう とのことでした




ルーディは ちょっとしたいたずらのつもりだったのかもしれません







当然のごとく 俺は夜間外出禁止になり ルーディにはそれきり会っていないので コトの真相は定かではありませんが








雨のように満天の星が降る その光景を俺は知ってるよ


光の糸を引いて 星という星が 海に堕ちていったんだ



と 彼の詩を読みながら しばらくその余韻に浸りました




なんで 今まで忘れていたんだろう

つつかれて 溢れだしてきたようです








ビーチの彼らにさよならをいう日


直前まで 嘘はつくまいと思っていたのに

俺は 日本の女の子達のように






必ずまた来るから
手紙も書くから
また会いにくるから

だから 待っていて と言いました





彼らは 笑って

ソータ Promise 待ってるよ と 答えました








彼女達の気持ちが 少しわかったような気がしました






コメント(5)

> ヾ(‘ε’)ノさん

オレもこれが最初に読んだそーた君の日記。


ええじゃないかの第3回日記コンテストで読んだんだけど、読んだ瞬間これが優勝すると思った。

まあ優勝はフリマンだかフルチンだかが、かっさらってったみたいだけどね(笑)


今のそーた君の日記に比べりゃちょっと荒い気もするけど、この日記はやっぱり好きやなあ。


内藤イチさんて人は知らないなあ。読んでみたいけど制限かかってるんじゃしょうがねぇかわーい(嬉しい顔)

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