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民主党の事業仕分けコミュの★漢方薬「保険外し」問題を振り返る

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遅くなりましたが、漢方薬「保険外し」問題の結果をご報告いたします。
すでに多くの方がご存知かと思いますが、昨年12月25日に、民主党は漢方薬を保険適用外にする方針を撤回いたしました。

以前にも書きましたが、漢方はインターフェロン等で効果の無い肝炎患者にとって、最後の頼みとなる非常に重要な治療法です。
肝炎患者以外にも、漢方でなければ効果の無い患者の方々もいると思われ、また、漢方の中には手術に使用されるものも存在し、もし保険除外となっていたら、手術の治療費や入院費が今までよりも高額なものになっていたかもしれません。

今回の一人一人の方が送ってくださった署名で、多くの患者や医療関係者が救われたものと思います。
呼びかけに応じてくださった皆様に深く感謝いたします。

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http://www.jsom.or.jp/html/index.htm
社団法人 日本東洋医学会

* 皆様の声が政府に届きました
http://www.jsom.or.jp/pdf/opposition/result.pdf#view=Fit
(平成21年12月22日)

===== 以下本文 ============================================
後署名有難う御座いました。皆様の声が政府に届きました(平成21年12月22日)

 このたびの行政刷新会議の「仕分け」による漢方薬の保険外しの動きに対して「その様なことはしないで欲しい」という署名活動を展開いたしましたところ、皆様のご署名が約3週間という短期間でなんと924,808人に達しました。この声を厚生労働大臣にお届けしましたが、本日(12月22日)政府予算案の骨格が固まり、「漢方薬の保険適用の維持」が本決まりとなりました。
 皆様の絶大なご賛同に感謝致します。
 漢方を提供する側の私どもは、皆様の期待に誠実にお応えするように、一層の研鑽に励みたいと存じます。最新の情報をお伝えすると共に重ねてお礼申し上げます。

                      日本東洋医学会
                      会長 寺澤捷年
===== 本文終了 ============================================

* 署名活動終了のご報告とお礼
http://www.jsom.or.jp/pdf/opposition/reward.pdf#view=Fit
(平成21年12月16日)

* 署名活動のお礼と更なるお願い
http://www.jsom.or.jp/pdf/opposition/reward.pdf#view=Fit
(平成21年12月4日)

* 学会の意見表明
http://www.jsom.or.jp/pdf/opposition/opinion.pdf#view=Fit
(平成21年11月24日)

署名活動は終了させていただきました。市民の皆様のご協力に心から感謝申し上げます。

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(1)反対署名活動の結果

昨年の行政刷新会議における「事業仕分け」により、漢方薬が保険適用外とされようとしたため、漢方薬最大手のツムラをはじめ、日本東洋医学会、日本臨床漢方医会、健康医療開発機構、医療志民の会が反対のための署名運動を行いました。

その結果、3週間という短期間で92万4808人という膨大な数の反対署名が集まり、昨年(平成21年)12月22日、政府予算案の骨格が固まり、「漢方薬の保険適用の維持」がほぼ本決まりとなりました。

そして、12月25日、「2010年度についても、漢方薬については、引き続き保険適用とすることとしている」との通知が、民主党厚労担当副幹事長の青木愛衆議院議員から東洋医学会、日本漢方生薬協会に届いたことで、事態はほぼ終息したものと見られています。



(2)漢方薬「保険外し」事件の経過

そもそもこの事件の発端は、財務省があらかじめ廃止・中止事業を決めて資料を配布し、そのマニュアルに従って専門知識のない素人が「事業仕分け」を行うという、正当性の極めて薄い方法によるものでした。

その後の経過を見ても、まず事前通告なしにいきなり医療現場に漢方薬の保険適用外が通知されてパニックを引き起こし、事業仕分けを推進した民主党の小沢一郎幹事長の中国製薬会社との利権がウワサされ、さらには署名運動が興隆すると「保険適用外は悪質なデマだ」と主張するブログが急に増えるなど、非常に疑義のある展開となっています。

この「保険適用外は悪質なデマだ」という主張が本当だとしたら、なぜ医療現場に漢方を保険適用から外すという一方的な通告があったのでしょうか。

また、なぜ厚労省が昨年12月25日に「2010年度についても、漢方薬については、引き続き保険適用とすることとしている」との通知を各医療団体に送付したのでしょうか。

(「保険適用外は悪質なデマ」の検索結果)
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&q=%E6%BC%A2%E6%96%B9+%E4%BF%9D%E9%99%BA+%E3%83%87%E3%83%9E&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=&aq=f&oq=



(3)民主党への不信感

この事件を通じて、医療機関と92万人以上の方々が、民主党に潜在的な不信感を抱く結果となりました。

もしもツムラなどの対応が遅れ、多くの人が漢方を保険適用除外にする動きを知ることができず、反対の署名運動が初動でつまづいていたら、まったく異なる結果となっていたかもしれません。

なぜなら、現実に漢方の保険適用除外のニュースは事前にまったく報道されなかったのですから。

報道しなかったということは隠蔽の意図があったということであり、民主党は漢方の適用除外を実行すると必ず反対が起こることを分かっていたということになります。

また、これは災害救助とまったく同じであり、阪神・淡路大震災では村山政権の自衛隊と救助隊の派遣が遅れたために被害が拡大し、本来死ななくて良かったはずの多くの人々が亡くなりました。

今の民主党政権も、ハイチ大地震への対応が異常に遅く、最も重要な初期救助活動を行わなかった点は村山社会党政権の失態に重なります。

また、ほぼ絶対に生存者がいなくなるまで現場に人員が送られないという状況は、福田政権下で起きた四川大地震のときの状況を彷彿とさせます。

(四川大地震では、中国側、特に人民解放軍の妨害があったことが日本側レスキュー隊員の証言で判明しており、また、日本の送った救援物資や義捐金の着服と横流しが横行していたことも報道されています)

震災で村山政権のために甚大な被害を受けた地域の人間は、民主党のハイチ大地震への対応を見て、不信感を抱かざるを得ないでしょう。

初動次第で結果は大きく変化します。
民主党政権は危機への対応が遅いため、災害時にも私たちを救出できないのではないかという思いが拭えません。



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CB(キャリアブレイン)news
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25542.html (閲覧には会員登録が必要)
医師の約8割、漢方薬の保険対象外に「反対」


 漢方薬を保険対象外とすることに医師の約8割が反対していることが、病院検索サイトを運営する「QLife(キューライフ)」(本社=東京都世田谷区)の調べで分かった。また、行政刷新会議が11月に実施した事業仕分けについて、医療現場の実態がある程度考慮・反映されていたとする医師は1割にも満たなかった。

【関連記事】
漢方の保険適用継続を―東洋医学会などが陳情
先発品の薬価引き下げ幅は明示せず―事業仕分け
漢方薬など23品目の市場調査結果を発表―富士経済
「決まったものの復活はほぼ考えられない」―仕分け結果で藤井財務相
行政刷新会議が仕分け結果を大筋了承―「説明」で逆転も

 調査は12月、漢方薬を処方する医師(過去1か月以内に処方)と、医師の処方による漢方薬の服用経験がある患者を対象に、インターネット上で実施。医師207人と患者520人から有効回答を得た。

 医師に対して行った調査の結果によると、漢方薬が保険対象外となった場合の患者のQOLについて、「低下する」が71.0%で最も多く、以下は「変わらない」18.4%、「著しく低下する」10.6%だった。「向上する」「著しく向上する」はいずれもゼロだった。
 また、事業仕分けについて、医療現場の実態が考慮・反映されていたかどうかを聞いたところ、「ほとんどされていない」が37.2%で最多で、次いで「まったくされていない」32.9%、「どちらともいえない」23.2%、「ある程度されている」6.8%、「十分されている」ゼロの順だった。
 さらに、漢方薬を保険対象外とすることについては、「賛成」6.8%、「反対」78.7%、「分からない」14.5%だった。

 また、患者に対して行った調査の結果によると、漢方薬の必要性について、「あった方がよい」が63.0%で最も多く、以下は「必要不可欠である」 21.3%、「ほとんど必要はない」7.9%、「分からない」4.0%、「なくなってもまったく困らない」3.8%の順だった。
 漢方薬を保険対象外とすることについては、「賛成」3.3%、「反対」85.2%、「分からない」11.5%だった。

更新:2009/12/10 11:36  キャリアブレイン

コメント(8)

再掲載。

http://www.yakuji.co.jp/entry4873.html
2007年11月6日 (火)
【ツムラ・芳井社長】漢方製剤の最大の課題は“薬価”対策

“関連検索: ツムラ 漢方 薬価

 ツムラの芳井順一社長は、都内で開催した中間決算説明会で、「われわれが取り組まなければならない最大の課題が薬価だ」と述べ、来年度以降の薬価改定で漢方管理ゾーンの導入を目指していく考えを強調。「医療用漢方製剤の薬価はツムラの命」と“保険外し”への危機感を露わにした。

 医学部における漢方医学教育の充実、漢方外来数の増加など、漢方製剤を見直す機運が高まってきた。実際、ツムラの医療用漢方製剤の実売実績をみると、薬価ベースで2005年度が62億8000万円、06年度64億6000万円、07年度は67億5900万円と好調に推移している。ツムラの医療用漢方製剤に占めるシェアも、99年度は70.1%だったのに比べ、07年度には82.4%と大きく伸ばしている。

 一方、8月に厚生労働省が発表した「新医薬品産業ビジョン」の将来像に、新たに「ベーシックドラッグファーマ」のカテゴリーが設けられた。その中では、漢方製剤などについて、質の良い製品を安定的に供給していけるような企業体質の強化を求めている。

 これについて芳井社長は、「ベーシックドラッグファーマに位置づけられたことは画期的な出来事で、漢方製剤が治療薬として公式に認められたということだ」と高く評価した。

 しかし、これまで2年に1回の薬価改定ごとに、再三、医療用漢方製剤の“保険外し”が議論の俎上に挙がってきた。そのため、日本漢方生薬製剤協会は、薬価制度改革案として、漢方製剤・生薬の品質や供給等の安定を図るための「漢方管理ゾーン」の設定を提言している。これは、市場実勢価格加重平均値が6%以内の場合には、調整幅2%に4%の漢方管理ゾーンが適用されて、薬価引き下げは行わないというもの。

 芳井社長は、「漢方管理ゾーンの導入は来年度の薬価改定には間に合わない」とした上で、「薬価問題に真剣に取り組み、われわれの主張する提言が認められてこそ、質の高い製品を安定供給できるベーシックドラッグファーマとしての役割を果たせる」と強調し、今後薬価問題に全力を尽くしていく考えを示した。
http://www.yakuji.co.jp/entry17252.html
2009年11月13日 (金)
【ツムラ・芳井社長】漢方薬の“保険外し”に反発‐「事業仕分け」の結論を一蹴

 ツムラの芳井順一社長は12日、都内で開いた中間決算説明会で、内閣府の行政刷新会議が実施した「事業仕分け」を受け、漢方薬等の市販品類似薬を保険適用外とする方向性で結論が下されたことに関し、「漢方医学の現状を知らない人たちの議論。なぜこういうことになるのか分からない」と強く反発。民主党のマニフェストで、漢方医学を取り上げている矛盾を指摘し、「明らかにマニフェストと違う方針であり、漢方医学を知らない人だけの議論で、保険適用外の話が進められるはずがない」と一蹴した。

 ツムラは、医療用漢方製剤に特化した事業展開を進めているが、11日の事業仕分けでは、漢方薬等の「保険外し」が俎上に上がった。芳井氏は「保険削除されたらツムラは間違いなく倒産する」と危機感を露わにし、「漢方薬と日本の伝統医学が消えてなくなることにもなる」と強調。主力の大建中湯が全国 80大学で採用されている現状を挙げ、「患者さんの治療に大きな支障が出る」と訴えた。

 さらに、民主党のマニフェストで漢方医学を取り上げている矛盾を指摘し、「(民主党には)漢方医療小委員会が設置されているにもかかわらず、なぜ保険適用外の話になるのか分からない」と、苛立ちを見せた。

 その上で、事業仕分けの結果、市販品類似薬を保険適用外とする方向性を打ち出した結論に対し、「漢方医学を知らない人たちだけで議論して、進むはずがない」と反発。「マニフェストの方針とは違うので、保険適用外の話はなくなると楽観視している」と述べる一方、「もしそうならなかった場合には、民主党、行政刷新会議メンバー、厚生労働省にアプローチをかけ、なぜ漢方薬が保険適用になっているのか、しっかり説明したい」との考えを表明した。
http://www.yakuji.co.jp/entry17419.html
2009年12月2日 (水)
【長妻厚労相】漢方保険外しに異議


 長妻昭厚生労働相は1日の閣議後会見で、行政刷新会議の事業仕分けで、OTC類似薬を保険給付の対象外とする方向性が示されたことに対し、「漢方薬は医師が処方をしているものでもあり、直ちに外すことには疑問がある」と異議を唱えた。

 さらに、「湿布薬、うがい薬についても、効能や中身を精査している。対応を(漢方薬と)違えることも決めていない」と、OTC類似薬全般の保険上の取り扱いについて、専門家の意見を聴きながら、省内で対応を検討していることを明らかにした。

 政府の行政刷新会議は11月30日夕、事業仕分け結果を大筋で認めることを確認したが、政治決着の余地を残している。2010年度予算上の最終的な結論については、査定当局との協議や、予算編成に関する閣僚委員会で判断することになる。

 ただ、民間議員を中心に、事業仕分けを最大限尊重して、評価通り受け入れるべきとの声が強い。会議後の会見で、仙谷由人行政刷新担当相は「国民に説明する材料が(事業仕分けと各府省の)どちらにあるのか」と指摘し、仕分け結果をくつがえす府省には、説明責任が求められるとの見方を示した。

 一方、長妻厚労相は翌日の会見で、仕分け対象となった事業のうち、政策的に必要な案件を、横断的事業見直しの結果と併せて明確にする意向を表明。また、漢方薬の保険外しを問題視する理由について、「本当に医師が処方したものと同じ成分、同じ効能のものが手に入るのか疑問。患者の負担が増える話を非常に短い時間で、しかも、2年に1回の診療報酬改定が目前に迫っている段階で、拙速に決めることにも疑問がある」と述べた。
http://www.yakuji.co.jp/entry17515.html
2009年12月11日 (金)
【民主党・山根副幹事長】漢方薬の保険継続を政府に申し入れへ


 民主党参議院議員の山根隆治副幹事長は10日、都内で開かれた漢方フォーラムで、「9日に正副幹事長会議を開き、党としては正式に医療用漢方薬の保険適用継続を政府に申し入れることを決めた」と発言。14日の役員会で、改めて保険適用の継続を確認した上で、小沢一郎幹事長から鳩山由紀夫首相に申し入れする方針を明らかにした。

 11月11日の事業仕分けに端を発した、医療用漢方薬の保険外し問題は、27万人以上の反対署名運動に発展。長妻昭厚労相も1日の閣議後会見で、「漢方薬は医師が処方をしているものでもあり、直ちに外すことには疑問がある」と、異議を唱えていた。

 民主党としても、「統合医療を普及・促進する議員の会」(統合医療議連)を発足させていることから、正式に医療用漢方薬の保険適用継続を政府に申し入れる方針を決定したことで、保険適用の継続に向け、大きく前進する公算が高まってきた。
「27万人の署名は民意」‐梅村参院議員

 また漢方フォーラムでは、民主党参議院議員の梅村聡医師も発言し、「適切な医療費を考える議員連盟」で、漢方薬の保険適用継続を提言したことを紹介。「27万人以上の署名は民意」との認識を示した。

 その上で、「漢方薬の保険適用を継続する中で、医療現場からボトムアップで寄せられる要望をどう汲み取り、漢方という日本型医療の実践の場を提供していくのが政治の役割」と、支援を約束した。
http://www.yakuji.co.jp/entry17594.html
2009年12月18日 (金)
漢方薬の保険外し問題‐署名92万通に


 漢方薬の保険適用継続を求めて日本東洋医学会など4団体が行ってきた署名活動は、最終的に92万4808通に上った。16日に長妻昭厚生労働大臣宛てに提出した。

 11月20日に日本東洋医学会、日本臨床漢方医会、医療志民の会、NPOの健康医療開発機構の4団体が開始した署名運動は27万3636通に達し、1日には署名簿と陳情書を長妻昭厚労相宛に提出。さらに12日まで一般市民から署名を募った結果、最終的に電子署名9万5962通、郵送等82万8846通と、92万通を超える署名が集まった。

 今回の署名活動を受け、4団体は連名で「わずか3週間の短い間にこれほどの署名が集まったことは、国民医療において、いかに漢方薬が必須であるかという民意である」とコメントしている。
http://www.yakuji.co.jp/entry17682.html
2010年1月5日 (火)
漢方薬問題とは何だったのか‐「保険外し」反対運動を振り返る

外口保険局長に陳情書を手渡す日本東洋医学会の寺澤会長


“ネット市民”の呼びかけが牽引

 昨年11月11日、内閣府の行政刷新会議による「事業仕分け」が行われ、見直し項目の中に医療用漢方製剤を含めたOTC類似薬の“保険外し”が盛り込まれ、日本東洋医学会など関連団体、漢方薬メーカーの猛反発が国民的な署名運動に発展する事態となった。漢方薬の保険外しは、かねてから財務省の標的にされてきた経緯があるが、漢方医療の推進を掲げる民主党が,事業仕分けという場で再び保険外しを持ち出したことに,大きな衝撃が広がった。ただ、最終的に集まった92万通以上の署名を背景に、民主党など与党3党が12月17日、政府へ提出した予算要望で,漢方薬の保険適用継続を求め、事態は収束に向かいつつある。特に今回の動きで注目されるのは、9万5000通以上が集まった電子署名の盛り上がりだろう。インターネットの巨大掲示板、会員制SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ミニブログなど、電子媒体を通じた「ネット市民」による情報発信が,署名の起爆剤となった。今回の漢方薬保険外し問題とは何だったのか。新たな胎動となった電子署名の動向を中心に検証した。

起爆剤となった電子署名‐漢方薬最大手ツムラが反発

 11月11日の事業仕分け。政権交代を象徴する出来事の中で、医療用漢方薬等の市販品類似薬を,保険適用外とする方向性で結論が下された。まだ,保険外しが最終決定したわけではなかったが、仕分け作業で漢方薬の保険適用が「ムダ」の対象として取り上げられた衝撃は大きかった。早速、この事態に国内漢方薬最大手のツムラが反応した。翌12日に開いた中間決算説明会の席で、芳井順一社長が「漢方医学の現状を知らない人たちの議論」と強く反発。民主党のマニフェストで漢方医学を取り上げている矛盾まで指摘しながら、「漢方医療小委員会が設置されているのにもかかわらず、なぜ保険適用外の話になるのか分からない。明らかにマニフェストと違う方針」と批判のトーンを上げた。

 ツムラは、家庭用品事業を売却し、医療用漢方製剤に特化した事業展開へとシフトしている最中。「保険削除されたらツムラは間違いなく倒産する」(芳井社長)との危機感が沸き起こるのも当然といえ、中間決算説明会では、ツムラが販売する医療用漢方薬の一日薬価についてのデータも用意し、いかに低薬価で医療に貢献しているか、自ら進んで説明する念の入れようだった。

 芳井社長は、保険適用外の行方を楽観視していると,努めて冷静な姿勢を示したが、一方で「もしそうならなかった場合は、民主党や行政刷新会議メンバー、厚生労働省にアプローチをかけ、なぜ漢方薬が保険適用になっているのか、しっかり説明したい」と,牽制するのも忘れなかった。事業仕分けの翌日に、国内最大手漢方薬メーカーの社長が素早く反応したことの意味は、後の署名運動に大きく影響することになる。

▼続く
転換点は患者ブログ

 11月20日には、日本東洋医学会、日本臨床漢方医会、健康医療開発機構、医療志民の会の4団体が、医療用漢方製剤の保険外しの方向性に反対する見解を表明。同日から連名で「漢方を健康保険で使えるように署名のお願い」とするホームページを開設し、書式署名と電子署名の活動を開始した。第1弾の締め切りを11月30日とし、12月1日に長妻昭厚生労働相宛てに署名簿と陳情書を提出する予定を公表。ホームページの開設と前後して、インターネット上では、漢方薬の保険外し問題が個人ブログやミニブログの「twitter(ツイッター)」、会員制SNS「mixi(ミクシィ)」、巨大掲示板「2ちゃんねる」などに広がり、ネット利用者による署名呼びかけが活発化した。

 転換点となったのは11月27日早朝だ。漢方薬の保険外しに危機感を持ったある患者のブログが引き金となり、27日午前1〜3時に署名サイトへの訪問者が急増。これが一気に「twitter」で話題となり、訪問者が集中した結果、署名サイトのサーバーダウンが引き起こされる事態となった。

 さらに27日午前。インターネット巨大掲示板「2ちゃんねる」のまとめサイト「ハムスター速報」のトップページに、「事業仕分けで漢方薬が危険」のタイトルで投稿スレッドが立ち上がり、インターネット上で爆発的に反対運動が拡大した。この余波を受け、既に13日のウェブサイト上に,『【ツムラ・芳井社長】漢方薬の“保険外し”に反発―「事業仕分け」の結論を一蹴』のタイトルで,ツムラ社長の発言を報じていた薬事日報ホームページにも、27日夕方からアクセスが殺到。予想を超えるネット利用者の逆流が直撃した格好となった。

 この特異的な現象は、署名の締め切りが30日と迫っていたこともあり、過去に例のない爆発的な署名運動の加速につながったものと見られる。

第1弾で27万通以上

 そして,12月1日。日本東洋医学会など4団体が長妻厚労相宛てに、保険適用の継続を求める27万3636通の署名と陳情書を,外口崇保険局長に手渡すに至った。第1弾で集まった署名は,郵送とFAXで19万1000通、ウェブサイト上の電子署名で8万2636通に及び、陳情書では、保険適用外になった場合、医療現場で使用が困難になるとして、漢方薬の保険適用継続を改めて強く求めた。

 この時点で、最終的な署名締め切りを,当初予定の7日から12日まで延長することを決定。1日に提出された27万通以上の署名をきっかけに、政治も動き出す。まず,長妻厚労相が1日の閣議後会見で、「漢方薬は医師が処方をしているものでもあり、直ちに外すことには疑問がある」と異議を唱えたのを皮切りに、4日には民主党の「適切な医療費を考える議員連盟」が、次期診療報酬改定で本体部分と薬価・材料を合わせた全体で、3%以上の引き上げを求める緊急提言を決議した。その中で、漢方薬等の市販類似薬の保険外しに異議を唱え、今後も保険の給付対象とするよう注文をつけた。

 漢方薬の保険適用継続が大きな焦点となっている最中の10日、都内で開かれた「21世紀漢方フォーラム」には、与党・民主党の国会議員が多数出席し、漢方薬の保険適用継続をめぐり相次いで発言した。特に,山根隆治副幹事長が、「党としては正式に医療用漢方薬の保険適用継続を,政府に申し入れることを決めた」との方針を明らかにすると、会場は大きな拍手に包まれた。

 その発言通り、17日に民主党筆頭副幹事長、社民党政審会長、国民新党政調会長は、行政刷新会議の事業仕分けに関連する3与党の予算要望を、藤井裕久財務相と菅直人副首相・国家戦略担当相に提出し、3項目の要望のうち1項目に市販類似薬の保険外しの撤回を正式に要請。「漢方薬、湿布薬等の保険適用については統合医療推進の政策からも、保険適用を継続する必要がある」と適切な対応を迫った。

短期間で民意が総集

 最終的に,日本東洋医学会など4団体が断続的に行ってきた署名は、電子署名9万5962通、郵送等82万8846通の92万4808通に上った。今回、署名運動の起爆剤となったインターネット上の電子署名は、第1回署名簿提出後の1日以降は急速に減少し、第2弾は書式署名が牽引する格好となったが、新たな電子媒体を通じたネット世論の盛り上がりは、様々な教訓を残した。

 今回の署名活動を通じて、4団体は連名で,「わずか3週間の短い間に,これほどの署名が集まったことは、国民医療において、いかに漢方薬が必須であるかという民意である」とコメントしている。

 まさに,国民から信頼される漢方医療を推進するために、政府の政策的支援はもちろん、医師、薬剤師など医療従事者の努力が欠かせないことを、今回の保険外し問題は改めて教えてくれたと言えるだろう。

<了>
http://www.yakuji.co.jp/entry17731.html
2010年1月8日 (金)
漢方の課題と現状を知る機会に


◆行政刷新会議の事業仕分けに端を発した漢方薬の健康保険適用外問題。これに対する反対運動として日本東洋医学会など4団体が展開した電子署名活動は、最終的に通算92万4808人の署名が集まった

◆運営サイトによると、12月1日には約27万人の署名簿・陳情書を長妻昭厚生労働相宛に提出。25日付で「2010年度についても、漢方薬については、引き続き保険適用とすることとしている」との通知が、民主党厚労担当副幹事長の青木愛衆議院議員から東洋医学会、日本漢方生薬協会に届いたという

◆ネットを介した活動だったとはいえ、短期間にこれほど多くの署名が集まったのは異例のことで、関心の高さがうかがえる。署名者の多くは、漢方薬を処方している医師や患者なのだろう。漢方薬の恩恵を受けている人たちがいかに多いかということか

◆漢方薬をめぐっては、生薬資源の確保や、品質管理などにおける国際標準化に向けた関係各国の綱引きなど多くの課題がある。今回の「保険適用外反対活動」の成功は、漢方の現状を国民に理解してもらうためには、よい機会として捉えるべきだろう。

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