音樂工房：高秋美樹彦コミュの梅の里 Village of plum blossoms smell　作詞 村崎文男　作曲 高秋美樹彦

梅の里 Village of plum blossoms smell　作詞 村崎文男　作曲 高秋美樹彦



This is music made with "YAMAHA QY100" of SEQUENCERS.(英)
これはSEQUENCERSの「YAMAHA QY100」で作つた音樂です。

樂曲及び映像の解説

この曲の前奏の映像は姫新線で妻の實家(じつか)へ出かけた時のもので汽笛も實音(じつおん)です。
普段は車で出かけるのが殆どですが、
結婚の挨拶に出かけた時とこの時とで二囘汽車(ジイゼルですので電車ではない)に乘つただけです。
その後の梅の映像は萬博(ばんぱく)の梅林へ出かけた時の映像です。

最初の「春淺き」は普通に分散和音ので大人しく始まり、
「せせらぎも寄添つて」の處は寄添ふやうな感じで、三度下の旋律をつけました。
「やるせなき人あれば」には孤獨な青年の心のやうに保持音的に重みのある和音をかぶせました。

間奏は筆者がよく用ゐる變奏曲の即興風のもので、
最初はフルウトで旋律を歌はせて、
やがて鶯の鳴き聲を模して早春の氣分を出しながら、
旋律を絃樂に渡して伴奏をピチカアトで添へ、
前奏に追加された旋律から二番へとうつります。

「春遠く逢へぬ人」の箇所は切なく憧れるやうに二拍目から上昇する音型を添えました。
「陽を浴びた梅林」では陽が降り注ぐやうにフルウトの下降音で表現し、
「梅の香よ　鶯よ」ではハアプの下降音で慕ふ女性へのやり切れなさを出してみました。
最後は無常な時の流れを教へるやうに川音の流れを聞きながら終へます。

筆者は曲を作る時、主旋律に同じ伴奏はつけないやうに氣をつけてゐます。
ひとつにはいつも新鮮であればといふ事と、
歌詞のある曲には詩の内容に即した表現をしたいからに外なりません。

Village of plum blossoms smell
梅の里

春淺き山里を訪ねんとて道を行けば
肌寒き風の中ほのかに香りぬ

せせらぎも寄添つて川音を聞かせ
枝を戀ふるやうに鶯も飛び來る

やるせなき人あれば惱みはらせと語るやうに
山里に春を告ぐ初音を聞かせよ


春遠く逢へぬ人偲べば胸はふさがりて
訪ね來た山里をさすらひて獨り

陽を浴びた梅林(うめばやし)人影も見えず
鄙(ひな)の佇(たたず)まひに心は慰む

梅の香よ　鶯よ　君と愛でる術もなくて
せめていざ都への空に屆けかし


梅の里(現代版)

春淺い山里を訪ねやうと道を行けば
肌寒い風の中ほのかに香るよ

せせらぎも寄添つて川音を聞かせ
枝を戀ふるやうに鶯も止つて

やるせない人あれば惱みはらせと語るやうに
山里に春來たと初音を聞かせて


春遠く逢へぬ人偲べば胸はふさがつて
訪れた山里をさすらつて獨り

陽を浴びた梅林(うめばやし)人影も見えず
鄙(ひな)びた佇(たたず)まひに心は癒されて

梅の香よ　鶯よ　君と愛でる術もなくて
せめてものこの思ひ都に屆けよ


　　　　　後書

以前に『節分の歌』がないからと不滿さうな顏を長女がした。
それならと自ら彼女が作曲したので筆者が編曲をして、それを「YouTube」にアップする運びとなつた。
その時に、『梅』の時期の音樂もないんだと件(くだん)の娘が宣(のたま)つた。
それならばと、今度は拙者が樂の音を作り給はらんと、かくは算段する破目に陷(おちい)つた。
曲の動機は詞と共にすらすらと出來てサビの部分も旋律(メロデイ)は容易だつたが、さて詞となるとさうは行かない。
右往(みぎゆ)き左往きしながらつひに出來たのが、上に發表したものである。
音樂は伴奏が完成するまで暫くお時間を戴きます。
ご鑑賞ください。

　　　　　二〇一三年二月十七日(日)午後七時三十五分　店にて

　　　きびしさに堪へたればこそ梅便り　不忍　

やはらかくしたいので「嚴」を使はず平假名で表記したが、萬葉の頃に花といへば梅の事でそれが古今邊りから櫻になつたといふ。
梅は櫻と違つて嚴しい冬を越えて咲いても、まだ寒さが殘る中で健氣に次の蕾に繋がうとする。
無力なれどせめて東北に發句の便りなとせむ。


　　　　　關聯音樂

節分の歌 作詞作曲・繪 臨海 arr.高秋美樹彦
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