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お竜の映画日記コミュの『大鹿村騒動記』

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『仇も恨も是まで是まで…』
原田芳雄さんが亡くなった。昨晩、『大鹿村騒動記』のインタビューを受けている原田さんが紹介されていた。『僕には時間がないからと言ったら思いがけず企画が進んでいった』と。先日鑑賞した『大鹿村騒動記』の主役の原田さんはとてもパワフルで魅力的だった。病魔に侵されているなんて微塵も感じられなかった。
(感想)一部ネタバレ有

舞台は約300年の伝統ある村歌舞伎が続いている長野の大鹿村。その舞台に立つのを生き甲斐にしている風祭善(原田芳雄)のもとに、18年前に駆け落ちした妻の貴子(大楠道代)と幼馴染の治(岸部一徳)が戻ってくる。妻は記憶が消えかけている病に侵され、廃人寸前のようだった。

食べた事さえ忘れて、蚊取り線香まで食べようとするのを取り押さえる夫。壮絶な毎日。言葉に出来ない絶望的な気持ちをぐっとこらえる。
どこまでも妻を見守っていこうとする夫に胸が熱くなってくる。狂った妻が夫が好きだからと塩辛をお店から悪意なく持ちだしてしまう所は切なかった。ふっと我に返り自殺しようとする妻を引き止める夫。大雨の中を探しまわり泣きじゃくる妻を抱きしめる。

登場人物はみんな心に傷を負っている。様々な人間模様が絡み合っていく。そんな中、村歌舞伎の緞帳が上がっていく…。

映画の中の原田芳雄さんは、とてもパワフルで繊細な初老のちょい悪オヤジを楽しそうに演じていた。暗い題材なのだが、ベテランの役者たちの独特なペーソスがあちこちに散りばめられていて、思わずニンマリしてしまうシ‐ンが多かった。男と女。男同士の友情。夫婦愛、悲喜こもごもの厳しい現実。老い。そんな中を普遍的な魂の深い所の信頼感。思いやり。愛しさ、切なさがてんこ盛りの人間賛歌。を高らかに歌いあげたかったに違いない。最後に忌野清志郎の「太陽の当たる場所」のエンディングが流れるあたりでしんみりと泣けてきた。映画の楽しさをまさに体を張って最後まで軽やかに演じきった…。痛みを押し殺して見事に咲いて、散っていった。

監督・企画:阪本順治
脚本:荒井晴彦、阪本順治
原案:延江浩

Kiyoshiro Imawano - 太陽の当たる場所
-4分
http://www.youtube.com/watch?v=9mU6x-ChRlw


コメント(1)

この映画は私も拝見しました。原田さんも大楠さんも、とても素晴らしかったですね。岸部さんの味も味も、抜群でしたし、村の人々の祭りに対する気持ちのようなものも、素晴らしかったと思います。原田さんの映画人生の集大成として素晴らしい作品を残していただたと思いました。

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