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人生は感動だ!コミュの私の提案

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先日、NHKテレビで脳梗塞と戦う国際的免疫学者*1多田富雄教授のドキュメント番組がありました。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、その内容は、この教授のように明確な目的を持っていれば、病に押しつぶされそうになっても、しっかりと生きていけるということ。しかし、教授自身がそう考えるようになるまでは、相当の努力のリハビリがあったことと、その成果を感動のストーリーとしていました。
また、番組の中で教授は日本の伝統文化である能にも非常に造詣が深く、ご自身でも作品を書くなどの秀でた才能を併せ持っていることを紹介しています。驚くのはあのような大きな後遺症を持ちながら「広島の原爆」を題材にした新作能を最近になって作・演出したことです。
なかでも印象深かったのは、教授の日々の表情です。重い脳梗塞の症状は軽々に改善出来ませんが、懸命にリハビリをしながらも何処かお茶目な仕草にはとても親近なものを感じさせます。話すことも食べることもままならない教授ですが、顔の表情からにじみ出る喜怒哀楽は周りに居るものに素直なメッセージとして伝わってくるのがとても不思議です。
しかしその表情が一転して険しい表情となる瞬間がありました。それは自らが演出した原爆を題材にした能の初演を前にし、広島の原爆碑へ参詣したときのことです。ご本人が戦争の実体験者であり、科学者としての立場から、科学を人間殺戮の兵器として使用したことへの憤りだったのでしょうか。その場で嗚咽する姿を見たとき、それまで紹介された人柄からは想像も出来ないような悲しげな表情には涙を誘うものがありました。記念碑に記されている「*2安らかに眠って下さい/過ちは繰返しませぬから」という思いに至ったのでしょうか。その場面が特に印象的でした。
正直、戦後世代の私にはそれ以上の理解は難しいことですが、そこで、ふと思うのが小泉首相の靖国神社参拝です。戦後世代の私たちと教授(71歳)の中間あたりの年代にある小泉首相はなにを思って靖国参拝をしているのだろうという素朴な疑問です。
首相が常々発言している不戦の誓いですが、靖国参拝だけを正当化しているように見えて、何処か無理があるように感じられるのは私だけでしょうか。私自身も首相の参拝が是か非か判断しかねていたことですが、原爆碑の前で見せた教授ほどの思いがあるやなしかは解りません。しかし、少なくとも行くなら間隙をぬっていく様なことはしてほしくないし、印象として小泉首相が上智大の渡部昇一教授や石原東京都知事ほどの硬派とは思えませんが、それでも、行くなら堂々と8月15日であるべきだと考えます。そしてその日に行く理由として、広島、長崎、靖国と続けて参り出て、平和を願い、祈るという一貫した行為とすれば、ずいぶん印象が違ってくると思います。もちろん小泉首相をはじめ、歴代の首相は概ね8月6日に広島の式典に出席しているようですが、靖国参拝をするのであれば、それと同等またはそれ以上に広島と長崎の重みがあると考えるべきではないでしょうか。
戦犯合祀の問題もありますし、近隣諸国の感情も無視するわけにはいきません。しかし、靖国神社の原形は薩長と幕府が戦った時代から続く、お国のために戦った英霊を鎮魂するところであったのも事実です。
庶民の感情としては、行かないなら(8/15以外に)行かない。行くなら被爆記念日とセット(マスメディアにもセットであることを強調しもらう)。これですっきりするような気がします。そして、首相任期が終わっても必ず参拝に行く。さらに、スピーチの最後には必ず「我が国は被爆国である。過ちは繰り返さない(*3原爆を落としたのはアメリカですけど)」と言う言葉を付け加えて話す。こうすれば誰もが認める不戦の誓いの姿と映るのではないでしょうか。首相の靖国参拝に肯定的な方も否定的な方も、総じて戦争に反対し、平和を愛することにはまったく疑う余地もないと信じる私としては、是非そうしてほしいと願うものです。皆さんはどの様にお考えでしょうか。
*1:多田富雄
国際的な免疫学者でエッセイや能の作者としても知られる東大名誉教授の多田富雄さん(71歳)は、4年前、脳梗塞に倒れ、一夜にして右半身不随、声と食べる自由を失った。
華やかな学者人生が一転、他人の介護なしでは日常生活も送れない日々に一時は自殺まで考えながらも、多田さんは科学者としての独自の目線で、病気をみつめ受容していく。例えば「リハビリは科学。創造的な営み」と今も週3回熱心に通う。車イスで何処へでもでかけ、キーボードで電子音が出る機械で弟子をしかりとばし、大好きだった酒はトロミをつけて味わう。触ったこともなかったパソコンを左手だけで操り、本も数冊出版、エッセイでは福祉の不備をこき下ろす。
 そんな多田さんが今、最も力を入れているのが今年上演される原爆を題材とした能の制作。科学者としての世界の核問題にかつてない危機感を覚えるからだ。しかし広島での公演を前に準備をすすめる多田さんを、今度はガンが襲う…。
 脳梗塞で身体の自由を失い、さらに様々な困難に見舞われながらも多田さんは決して、歩き続けることをあきらめない。「失いたくないのは生きている実感」という類いまれな老科学者である。(NHK番組紹介コラムより)
*2:碑文著者:被爆者のひとりである雑賀忠義広島大学教授。
*3:筆者私見             (H.Shinkai. Dec. 2005)



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