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セカンド・オピニオンコミュのセカンド・オピニオン・ノート第9章[信用創造]1

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現在、発行されている日本円の通貨は、一体どれくらいあると思いますか?


実は、80数兆円ほどです。


世界中の日本円を全てかき集めてきても、80数兆円しかありません。


ですが、不思議ですよね。


例えば、政府の債務(借金)はおよそ800兆円あります。


国民の金融資産は、約1400兆円あります。


日本のGDPは、500兆円規模です。


なのに、実際に発行されている通貨は、80数兆円なのです。


80数兆円しか存在しない通貨が、どうして800兆円や1400兆円という規模になるのでしょうか。




次のような例を考えてみて下さい。


X社が、A銀行に1000円を預け入れました。


A銀行はその1000円から、900円をY社に貸し出しました。


Y社はその900円を、Z社への支払いとして払いました。


Z社はその900円のうち、800円をB銀行に預け入れました。


このような経済活動が行われた世界があった場合、この世界の『銀行預金』や『現金』はいくらになるでしょうか。


・A銀行:1000円

・B銀行: 800円

・Z社 : 100円


銀行預金が1800円、現金が100円、合わせて1900円が正解です。


最初は1000円しか無かった預金が、1800円に増えました。


Z社は手元に100円が残ってますから、『現金』も100円増えました。


かと言って、通貨の量が増えたワケではありません。


通貨の量はそのままで、預金と現金が合わせて900円も増えたのです。


これが成り立つには、1つの条件があります。


A銀行から900円の借金をしたY社が、A銀行に 必 ず 返 済 す る というコトです。


もしもY社が倒産したら、A銀行に返済できません。


すると、A銀行に預け入れたX社の預金は、100円しか無いコトになります。


すると、預金総額はB銀行の預金と合わせて

100円+800円=900円

となり、Z社の現金と合わせて

900円+100円=1000円

となりますから、元々存在する通貨量と同額になります。


つまり、1000円の預金を1900円に増やしていた現象は、Y社がA銀行に必ず返済するという

『信用』

が成り立たせていたのです。


現金と預金を合わせたものを

『マネーサプライ』

と言いますが、このように銀行の貸し出しによって、マネーサプライが増えていくコトを、

『信用創造』

と言います。


銀行の貸し出しによって、マネーサプライ(現金と預金)を増やすコトを『信用創造』と言うのは、お分かりいただけたかと思います。


80数兆円しかない通貨発行量で、日本のGDPが500兆円規模に達するのも、この信用創造のなせる業です。




ところで、『銀行が貸し出す』ってコトは、言い換えれば『誰かが借金をする』ってコトですよね。


それはつまり、『誰かの借金によって、マネーサプライが増える』というコトです。


バブル景気がいい例です。


企業や民間が、これでもかと言わんばかりに銀行から借金をして、それを設備投資、あるいは株や土地などに投機するコトによって、あっと言う間にマネーサプライは拡大しました。


過剰な信用創造が、あぶくのように次々とマネーサプライを生み出していった・・それがバブル景気でした。


逆に、バブルが崩壊した時、借金は減り、マネーサプライが縮小していきました。


その後も、バランスシート不況で企業や民間への銀行の貸出金は増えませんでしたから、やはりマネーサプライが縮小していきました。


このように、銀行の貸出金が減り、マネーサプライが増えていかないコトを

『信用収縮』

と言います。




この『信用創造』あるいは『信用収縮』の観点から考えても、経済活動の基本は『借金』にあると言えます。


借金が増えれば、信用創造によって景気が良くなります。


逆に、借金が減れば、信用収縮によって景気が悪くなります。


そうなると、問題は

『誰が借金するのか』

というコトになります。


景気がいい時は、物もどんどん売れますから、企業もどんどん借金し、どんどん設備投資をして、どんどん物を作って売ります。


逆に景気が悪い時は、物が全然売れませんから、企業も設備投資を控え、借金もしません。


ですから、政府が国債を発行し、代わりに借金して、公共投資等で民間に落とし、マネーサプライを拡大するんです。



信用創造の仕組みから、マネーサプライの拡大、ひいては景気を良くするためには、借金の拡大が必要であり、『誰が借金するか』が問題になるコトが分かりました。


では、借金というのは基本的には返済するものですが、仮にこの借金を返済してしまったら、一体どうなるのでしょうか。


当然、マネーサプライが縮小しますね。


マネーサプライというのは、現金と預金のコトです。


つまり『資産』です。


誰かが借金を返済すれば、他の誰かの資産が減ります。


逆に、誰かが借金を増やせば、マネーサプライが拡大し、他の誰かの資産が増えるコトになります。


従って、

『誰かの負債(借金)は、他の誰かの資産』

というコトになります。


例えば、あなたがAさんに1万円を貸したとします。


Aさんは、あなたに対して1万円の『負債』を抱えるコトになります。


逆にあなたは、Aさんに対して1万円の債権、つまり『資産』を持つコトになります。


Aさんがあなたに1万円を返済すれば、Aさんの負債は消え、あなたの債権も消えます。


これを、2人のバランスシートで考えてみます。


まず、資産の部には、あなたの1万円の債権が入ります。


そして、負債の部には、Aさんの1万円の負債が入ります。


資産と負債、借方と貸方が1万円ずつでバランスしていますから、これでバランスシートは完成です。


そして、Aさんがあなたに1万円を返済すれば、資産の部の債権と負債の部の負債がそれぞれ消えますから、借方・貸方の両方が0円となり、バランスしてバランスシートが完成します。


負債と資産が同時に増え、同時に消えているコトから、『誰かの負債は、他の誰かの資産である』というコトが、よく分かりますね。


「でも、借金を返済されたら、手元に1万円増えるんじゃ?」


もちろん、その通りです。


しかし、手元に返ってきた現金は、元々手元にあった現金ですから、あなたがAさんに貸し出した時点で、あなたの現金はマイナス1万円です。


逆に、Aさんはあなたに借りた時点で手元に現金がプラス1万円ですから、2人のバランスシート上ではプラスマイナスゼロになり、相殺されます。


Aさんがあなたに1万円した場合も同様です。


ですから、ここでは現金の増減は気にせず、負債と資産の関係である、

『誰かの負債は、他の誰かの資産』

をしっかりと覚えて下さい。


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