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「ナオキ」ドキュメンタリー映画コミュのショーンの日記から⑩ 「退屈な主婦とサラリーマンの夫」」

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退屈な主婦とサラリーマンの夫


今日、車内で人々が寝ているのを見ながら地下鉄に乗っていた。

僕の目の前には、家族全員で眠りこけている一家がいた(父親、母親、息子に娘)。

驚いた光景だ。

思わず写真を撮ってしまった。

彼らの周りにいる通勤者たちは身じろぎひとつしない。

映画の調査をしている時、英語を習いたがっている退屈な日本の主婦たちを見るために、英会話学校を

訪ねていたことがあった。

自分の夫がいかに家事に慣れていないかを説明していた主婦が語ったストーリーを思い出しながら、

僕は座っていた。

彼女が病気になって一週間寝込み、夫がやむを得ず手助けすることになった。

台所仕事は彼にとって初めての経験だ。

彼は彼女のために卵サンドを作っていた。

運ばれてきたのは、トーストが焼け焦げ、卵がボロボロになったものだった。

夫はトースターがどこにあるかわからなかったため、ガスコンロでトーストを焼き、卵を焼くのにフライパ

ンに油をひくことにも気付かなかったのだ!


別の女性は首を振って、自分は毎朝夫の朝食にはシリアルを注ぐだけだと言っていた。

残りの人たちは各々つぶやいて頷きながらテーブルの周りに座っていた。

「洋風の朝食を作ったら、次の日はご飯とみそ汁の和食で……」

別の女性は、夫(医者である)に朝食を作るために朝5時に起き、彼が戻る夜11時には夜食を用意して

おくと言った。

主婦のライフスタイルと、いつもそこにいないことを責められるサラリーマンの夫との間には、大きなパ

ワーバランスがある。

女性は退屈さにうめいて主婦同士でカフェなどをぶらぶらしていることに文句を言われ…

夫はそこにいないこと、いつも疲れていることに文句を言われる。

日本社会では、勤務日は公式には5:30で終わりだが、上司が帰るまでは誰も帰らず、サラリーマンた

ちは他の同僚たちに何と思われるかビクビクしながら時間を過ごしている。

これはいったい何なんだ? ジョージ・オーウェルの「1984年」の日本版かよ……。



日本の多くの独身女性たちもまた、夫のように荒波にもまれて長時間働くのと比べて、主婦の方が楽な

のではないかと考えている。


僕が学校を出て16の時に働いていたエンジニアリング会社の工場での日々を思い出す。

まったく同じような話題を、既婚者で子供のいる同僚たちと話し合ったことを覚えている。

彼らは疲れていて、寒さと油にまみれた日々を送っていた。

彼らは皆、選べるならこの仕事を代わって主夫になりたいと言っていた。

彼らの幸福度を何人かの日本人と一緒に測ってみると面白いかもしれない。

結構似ていると思う。

英国人の妻なら、不幸せなら離婚を申し出るだろうということを除いては。



最近まで、離婚はここ日本では全くといっていいほど受け入れられていなかった。

現在ではもっとポピュラーになってきているが(実際、とても多いのが事実だが)、

それでもまだ、離婚していることは汚点とみなされる。


英会話の授業が終わった後、ひとりの女性が個人的に僕に話してきた。

主婦たちで幸せな関係を築いている人など誰もいないと。

結婚とは、ここでは義務のこと―彼女たちにとっては、子供の世話をし、家庭を守ること。

「誰も、幸せかどうかなんて何も言わなかった」。

ここで彼女が知っている多くの既婚者の「仮面夫婦」の例を話してきた。

セックスレスで、愛のない結婚生活。しばしば夫には愛人がいて、妻はそれを知っていても夫に何も言

えない。

英会話教師とベッドに飛び込むことだけを目的に英語を習っているという主婦たちの話も聞いたことがあ

った。

彼女たちの強制された生活に反逆する唯一の方法。

しかし、ここ日本での生活は、未だに非常に強く男が、男性性が支配している。

日本より中国にいた方がまだ女性は権利を得られると思う。

この国にはなんだかあまりに確立された古めかしい考え方があって、その考え方が、日本が前進してモ

ダンな世界に加わるのを引き止めている。

日本は「技術的」には先進国だが、「精神的」には第三世界の国だ。

第二次世界大戦後の数年で競争を進めて成長したが、それと共に、封建的な過去はまだ日本の日々

の中に根強く残っている。

しかし、物事は少しずつ変わっている。

ここでも離婚はもっと受け入れられるようになってきて、女性たちを不幸せな結婚生活から開放している。

一番下の子供が大学を出た後や、子供のいない夫婦の間では一般的だ。

また、30年間の結婚生活の中で夫の顔をほとんど見なかったけれど、退職した後になって夫が「濡れ

落ち葉」のようにくっついてくる定年後の夫婦の間でも、とてもポピュラーだ。

「濡れ落ち葉」がくっついている定年後の主婦は、夫の年金が入るのを待ち、それから離婚を申し出る。

夫はたいがいショックで、なぜ妻は離れてしまったんだろうと悩みながら残りの人生を過ごす。



列車は僕が降りる駅に入っていくところだが、正面に座っている家族のことが気になる。

彼らはまだ眠っている。

女性は眠りながら座った状態で、娘をひざにのっけたまま頭を豪快に前へ振り落とし、父親はひざに息

子の頭をのせたまま舟を漕いでいる。

最初、彼らを中国人か韓国人の移民かと思ったのだが、友人に確認したら日本人だと言っていた―現

代の日本の重大なイメージ。

面白いことに、眠りの中では彼らはみな対等だ。

同じ友人が言うには、彼らは自分たちの降りる駅では自動的に目を覚ます、

まだ1、2時間先かもしれないが、そこで目を覚ますそうだ。

いつが自分たちの停車駅か、日本人はいつでも知っている。



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