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自然生態写真家☆江川正幸さんコミュの日本農業新聞連載

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 2010年4月から9月まで、毎週土曜日、日本農業新聞で、江川正幸さんのフォトエッセイが楽しめます。バックナンバーは図書館などで閲覧してみてくださいね。

コメント(1)

 2010年4月から9月まで、江川正幸さんの連載「里森海の生命(いのち)と遊ぼうが好評でした。以下は、9月25日(土)の最終エッセイです。

「日本の自然で、空の王者はイヌワシだ。森の王者は北海道ではヒグマ、本州以南ではツキノワグマだ。

 ヒグマは以前、大雪山の高山部で撮影した。母親は300キロもあると思われる。2頭の子を連れ、秋だったので低木の実を夢中で食べていた。このような高山と違い、本州以南のツキノワグマの多くは森の中にすんでいるので、見通しが悪く、純野生状態の撮影は困難を極める。

 森の中でバッタリ出会ったことは2度あるが、こちらが落ち着いていると、クマも静かに立ち去って行った。もちろん、クマと遊ぶどころではない。

 ツキノワグマを遠くから見て、わたしも楽しみながら、大自然の中で自由に生活しているところを撮りたい。青森県西目屋村のマタギと知り合い、そのようなポイントをわたしなりにも探し歩いた。

 世界遺産地域核心部の山の中を歩くのだから(白神山地青森県側のみ届け出制で入山できる)、体力的には最高に厳しいが、それによってほんものの白神山地をも撮影できた。そのような所では時々、ツキノワグマが大木に登り、太い枝を折り取って食べ、お尻に敷いたといわれる“クマ棚”も撮影した。

 それでもなかなか、希望のチャンスがなく苦労した。ある初夏の一日、山中の美しい渓谷の中で、水中のイワナを撮影していると、地元の老マタギが一人、山から下りて来るのに出会い話をさせていただいた。

 一言、二言の会話だったが、わたしはすぐに老マタギが、この山を知り尽くしたすごい方だということが分かった。

 それから3年ほど親交を温めた。わたしは思い切ってツキノワグマや白神山地の自然の師匠になってほしいと、願い出た。マタギの師匠の教えと、愛情によって、わたしはツキノワグマが自由に遊ぶ姿を、5年目の観察の末、今春初めて、克明に撮影した。

 この写真も、きっと将来、クマたちと人との共生を具体的に考えるのに役立つだろう。」

 

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