Ｊブンガクコミュの第１６回『思出の記』

第１６回『思出の記』

mixiユーザー 2009年11月15日 16:14

本日のフレーズ

原文）「巡査も皆茫然、唖然として…」

英訳）The policemen were all standing there stunned, utterly speechless.

作品への入口

九州の田舎に生れた菊池慎太郎は、父の歿後に一家が零落し、苦しい少年時代をすごした。しかし、伯父の助けで勉学に励み、よい友人にも恵まれて次第に成長してゆく。ひとり故郷を出てからは、さまざまな苦難や悲運を乗りこえ、ついに帝国大学を卒業。著述家としての名をなすとともに、親友の妹と結婚して幸せな家庭を築いていた。
主人公の人間的な成長を描いた、典型的な教養小説であるが、明治の人々が持っていた明るく希望に満ちた精神は、今なお読者に強烈に訴えかける。また、知識階級に流行したキリスト教や主人公の出世の鍵となる英語、恋愛結婚など、新しい文化に触れた明治人たちの驚きが精彩をもって描かれていることも、魅力の一つであろう。

日本語）11月13日（金）
　　　　再放送11月19日（木）

英　語）11月20日（金）
　　　　再放送

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