ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

STAR TREK--YAMATOコミュの「 #020 地底怪獣ホルタ 」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #020 地底怪獣ホルタ 」


  ある惑星の地下・採掘施設がある。
  男性作業員が坑道の中を歩いてくる。
  手には、フェーザーガンが握られている。
  作業員A『 誰だ! 』
  振り向くが誰も居ない。
  男性作業員が6名、別の方向から来る。
  バンデルベルグ『 交代の時間だぞ! 』
  6名が、ゾロゾロと歩いてくる。
  バンデルベルグ『 異常はないか? 』
  作業員A『 何も現れません。 』
  シュミター『 謎の怪物か?その謎の怪物に50人も殺されてる。
下が、こんなに暗いとは、思いませんでしたね。 』
  バンデルベルグ『 シュミター、シッカリ見張れよ!
常にフェーザーガンを構えて、油断するな! 』
  シュミター『 でも、アペルが見付けて撃った時は、
全然、応えなかったじゃないですか。
いくら撃っても効き目が無いから、みんな殺されたんですよ。 』
  バンデルベルグ『 だから、見張っても意味ないと言うのか?
そうは、如何だろ! 』
  シュミター『 分かりました、・・ぇぇ・・頑張ります。 』
  バンデルベルグ『 無理はするな。異常を認めたら、直ちに連絡しろ!
3分以内に、救援を遣す。 』
  シュミター『 3分で、間に合いますかね? 』
  バンデルベルグもシュミターの軽口に、呆れたのだろう。
  シュミターの肩を「ポン」っと叩き、一歩踏み出した。
  他所へ歩き出そうとする彼を、更に呼び止めるシュミター
  シュミター『 チーフ、エンタープライズが来るって本当ですか? 』
  バンデルベルグ『 本当だ! 』
  シュミター『 後、どのぐらいで、来てくれるんでしょう? 』
  バンデルベルグ『 心配するな。 』
  今度は、彼の腕を軽く叩いて、歩き出すバンデルベルグ。
  その場に一人、残され警備に着くシュミター。
  その場でウロウロと、歩き回っている彼は、後ろから迫る物に気づかない。
  主任たちが、離れて1分もしない間に、襲われるシュミター。
  彼は、叫び声を上げた。振り向いた途端に襲われたのだから無理もないが、
  シュミター『 うぅぅっぎゃっぁぁーーーー! 』
  坑道の先へ進んでいた主任たちが、身を翻して駆け戻っていく。
  彼がいた地点へ、バンデルベルグが駆けつけると、
  バンデルベルグ『  シュミター・・・、
又やられた、紙のように燃えてしまった。 』


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8112』
  『 ジェナス6(シックス)のペルジウム生産ステーションから
  緊急連絡を受け、我々はこの古い植民星へ向かった。
  まず、チーフ・エンジニア、
  バンデルベルグの説明を受けなければならない。 』

  エンタープライズは、ジェナス6の周回軌道に乗っている。
  カーク・スポック・Dr,マッコイが、転送されてくると、
  1名の作業員が、部屋へ先導した。部屋へ入るカークたち、3名。
  
  カーク 『 では、その怪物が居る事にして、被害はどうだね?
いつから現れた? 』
  カーク達は、入り口の近くに立ち。
  主任は、事務所の窓際に立っている。
  バンデルベルグ『 3ヶ月前に、新しい層を掘ってからだ。
探知機が、素晴らしいペルジウム鉱脈を発見したんだよ。
いやぁ、単にペルジウムだけじゃない
   ウラニウム、セリュウム、プラチナ、欲しい物は何でもある。
正に宝庫だ! 』
  カーク 『 その報告は聞いた。作業がもっと簡単にできるなら、
ここは、他の数千の惑星に、資源を供給しているだろう。
続きを聞こう! 』
  彼は、カーク立ちの傍へ歩み寄り、話を続けた。
  バンデルベルグ『 まず、ロボット機械が被害を受けて、
次々と分解を始めた。まるで、
金属が溶けるような状態だったが、原因はなくて、
  いくら分析しても、腐食性物質は検出されなかった! 』
  スポック『 原因は、必ずあります。
まだ、発見されていないだけですよ。 』
  バンデルベルグ『 その時はだ! 』
  彼は話し続けらながら、真反対にある壁の扉を開け、
  ボード状の坑道の地図を引っ張り出し、
  バンデルベルグ『 しかし、今ではそれが、
怪物の仕業だということは、解っている!
それで、その腐食した機械類を修理しに、
エンジニアを降ろしたところ、一人残らず
紙のように燃えてしまった。 』
  カーク 『 火山活動は? 』
  スポック『 現在、当惑星に火山活動は、認められません。 』
  バンデルベルグ『 そう、静かなもんだ。
最初は、深いレベルで起こったが、
被害は次第に上へ上がって来ている!
3日前には、ここから僅か3階下で殺された。 』
  カーク 『 同じように、燃えて? 』
  マッコイ『 その死体を検査したいな。 』
  バンデルベルグ『 死体と言っても、殆んど灰だけだ!
一応、摂って置いたが、嫌な感じだ・・・・。 』
  主任が、テーブルのボタンを押すと、事務所の扉が開き、
  一名の見張りに、案内されて部屋を出て行くDr,マッコイ。

  カーク 『 要所に見張りは、置いているのか? 』
  バンデルベルグ『 勿論だ!見張りも5人やられた。 』
  カーク 『 怪物を見たものは? 』
  赤紫の服を着た一人の男性が、部屋に入ってきた。
  エド・アペル『 自分です! 』
  バンデルベルグ『 プロセス・エンジニアのエド・アペルだ。 』
  カーク 『 どんな奴だ? 』
  エド・アペル『 良く、分かりません。チラッと見ただけで・・・・
   でも、岩のような感じでした。 』
  バンデルベルグ『 撃ったんだ! 』
  スポック『 ほぅ、しかし、当たらなかったんでしょう。 』
  エド・アペル『 いいえ、絶対命中しました。これで、です。 』
  彼はポケットから、携帯小型フェーザーを取り出した。
  スポック『 信じられんな? 』
  エド・アペル『 真ん中に命中したのに、ビクともしませんでした。 』

  バンデルベルグ『 あとは、全て報告したとおりだ。
生産は中止され誰一人、下へ降りて行く者はいない。
もし、ペリジウムが欲しいなら、何とかして貰いたいな! 』
  カーク 『 我々は、そのために派遣された。 』
  エド・アペル『 自信タップリですね。パトロール船に、
フェーザー砲に、でもエンタープライズは、
下に潜れませんよ! 』
  カーク 『 この作戦に、エンタープライズは必要ではない。
それより、当ステーションの構造を示す、
詳しい地図が欲しいな? 』
  バンデルベルグ『 用意しよう。 』
  銀の薄紫に光る、丸い球体のボールを持って眺めいるMr,スポック。
  スポック『 Mr,バンデルベル、これは何です。 』
  バンデルベルグ『 シリコンの塊だ。
       下に何千と有るが、何の価値もない。 』
  スポック『 しかし、地質学的には、珍しいでしょう。
  純度はどうです? 』
  バンデルベルグ『 そんなこと関係ないだろ?
岩を見せる為に、ここへ呼んだんじゃないぞ! 』
  カーク 『 この作戦には、君達の全面的な、協力が必要だな! 』
  バンデルベルグ『 当然だ!兎に角、1秒でも早く、
            その怪物を捕まえてくれ! 』
  
  バンデルベルグ『 行こう! 』 彼は、先に部屋を出て行った。
  カーク と スポックは、部屋に残っている。
  Dr,マッコイが事務所に戻ってくる。
  カーク 『 無数に、連なるトンネルの為に、難航しそうだな! 』
  Dr,マッコイに、途中・検死報告を聞くカーク。
  カーク 『 どうだ! 』
  マッコイ『 シュミターは、紙のように燃えて死んだのとは、
  ちょっと違う。 』
  カーク 『 と言うと? 』
  マッコイ『 僅かに骨と歯の断片しか、残っていなかったが、
ここの医者も私と、同じ意見だ!科学的な腐食だよ。
   まるで強力な、腐食性のある酸の中に
投げ込まれたような結果だね! 』
  カーク 『 機械が腐食するほど、強力か? 』
  マッコイ『 どんなに硬い物でも、先ずやられるだろうな! 』
  カーク 『 Mr,スポック、怪物が現れたと思われる
  地点を纏めてみました。
  此処と、ココと、ここです。
  もし、事件発生の時間が記録どおりに間違いがなければ、
  怪物は、驚くべきスピードで移動したことになります。 』
  主任が事務所に、戻ってきた。
  カーク 『 んっーー、Mr,バンデルベル!
  この地図は、いつのだね? 』
  バンデルベルグ『 確か、去年のだ。 』
  カーク 『 と言うと、事件が起こる前のか? 』
  エド・アペル『 そうだ! 』
  カーク 『 そうか、・・・・Mr,スポック。
  地下に何か、生命は認められるか? 』
  スポック『 探知機の操作範囲内には、いませんね。
地下にいる、当ステーションの作業員の反応はありますが、
我々の知識では、それしか認められません。 』
  カーク 『 無数のトンネルを、一つ一つ調べる暇はないな。
一刻も早く、ペルジウムの生産を再開しなくてはならん。 』
  スポック『 船長、何とか怪物を誘い出したらどうでしょう? 』
  バンデルベルグ『 犠牲者を増やしたいのか、君は! 』

  坑道で、見張りの男性が、不気味な岩を削るような音を聞いてる。
  彼に襲い掛かる怪獣。また、一人怪物の犠牲者が出た。
  怪物は、施設の壁に丸い穴をあけて、何処かへ行った。

  カーク 『 トンネルが多いな。これだけ多いと、
Mr,スポック、普通の生命なら、
かなりの範囲まで探知機でキャッチできるが、
   普通ではない生命が居たらどうだ?! 』
  施設内に異常を知らせる、警報音が鳴る。
  バンデルベルグ『 原子炉ルームだ!何かあったぞ。 』
  テーブルのスイッチを押し、扉を開くと、駆け出していく
  バンデルベルグ、カーク、スポック、Dr,マッコイ。

  先程の男が、焼け焦げた灰と壁の大穴。
  この穴を通って、原子炉ルームに入るカークたち。
  原子炉ルームに直径1メートル前後の穴が開き、
  開いた円周からは、腐食性物質が、煙をくすぶらせている。
  メイン・循環ポンプが怪物に盗まれていた。
  施設のエネルギー供給が、ストップする。
  カーク 『 このまま時間が経てば、全員窒息死するか、
  放射能に汚染されるかだ。 』

  チャーリー『 TX系ペルジウム原子炉?勿論です!
そんな、古い原子炉のポンプなんて在る訳ないでしょう。
もう、20年以上も見たこと有りませんね。 』
  エンタープライズと、携帯通信機で連絡を取るカーク。
  カーク 『 何とか、組み立てられないか? 』
  チャーリー『 骨董品を集めれば、出来るかも知れませんが、
    長くは持ちませんよ。 』
  カーク 『 どのくらいだ? 』
  チャーリー『 良くて48時間ですね。 』
  地下での組み立てを命令すると共に、チャーリーも転送降下する。
  地下の全員が、エンタープライズに退避するか、
  更に、新しい代替のポンプを探さなくては、再開は絶望的だ。
  他の惑星の施設も、ペリジウム不足のために、閉鎖が続いている。
  バンデルベルグは、一刻も早い施設の再開と怪物の殺傷を望んでいる。

  スポックによれば、怪物には知識があり、
  原子炉ルームが、大切な施設と分かっていて、
  襲ったのではないかと言う。
  50年以上、採掘を続けていて、今になって現れた原因は?
  人間を含む全ての生物は、炭素で構成されている。
  仮説として、シリコンで構成されている生物が居たとしたら、
  本来、空気中では、生息できない物の薄い空の中を徘徊して、
  その後、地下へ戻ることを想定しての行動なら、合点がいき、
  ここのフェーザーで、効き目がないのは、殺傷能力の低い
  フェーザー1(ワン)だからで、エンタープライズには、
  殺傷能力の高いフェーザー2(ツー)がある。
  調整如何で、更に効果を上げる事もできる。

  この時点での、丸い球体に関しては、
  はっきりとした言明を避けるスポック
  スポック『 Mr,スポックを笑わせる話題は、
  十分に提供しましたので、確証を得るまでは、
  静観したいと思います。 』
  カーク 『 のんびりは、できんぞ。余り時間はない! 』

  また一人、今度はエンタープライズの赤服クルーが襲われた。
  フェーザーを、撃つ暇もない程のスピードで襲われている。
  駆けつけたカークとスポックは、怪物と対峙する。
  燃える赤い溶岩のような、外装と素早い動きの
  亀の甲羅のような生き物だ。
  フェーザー2で撃退すると、体の一部が削げ落ちた。
  それは、シリコンで出来ていて、硬い石綿に酷似している。
  我々が、空気中で移動するように、
  岩の中を溶かしながら、移動する生物なのである。
  腐食性物質を分泌する生命だ。
  フェーザー2でも、余り効き目はなく。数多く照射するか、
  長時間の照射を試すしか、残された方法がない。
  カークは、保安部員全員に、伝達命令を出した。

  カーク 『 傷を負った野獣ほど、危険なものはないぞ! 』

  保安部員の捜索隊が、怪獣殺傷に動いている。
  2人一組で巡回するように、指示するカーク。
  出来れば、捕獲したいと言い出すスポックに、
  カークは、残るように命令するが、最終手段としての殺傷には、
  反対しないスポックも、カークの命を守ることを第一に考えて、
  付いて行く事の了承を求める。
  カーク 『 ・・・・・・・待機したまえ! 』
  スポック『 たった一匹の生物に対して、100人の人間が
捜査活動を行っているんですよ。
  船長と私が共に殺される可能性は、
   2228.7分の1です。 』
  カーク 『 2228.7分の1か?・・・・・・・
  確立として、非常に低いな。 』
  スポック『 私の計算は、非常に正確です。 』
  カーク 『 分かってる。・・・この言葉は使いたくないんだが、
  論理的にそのような確立では、君も来てもいいだろ。 』

  仮の原子炉作成は失敗し、多くの施設作業員をエンタープライズへ
  避難させる命令を出すカーク。
  バンデルベルグ以下、数名の人員は残って、保安部員と共に、
  捜索に参加した。
  坑道を進む、カークとスポック。
  途中二手に分かれて、怪獣が作った穴を進む。

  カークが、数多くの丸いシリコン球体を発見する。
  携帯通信機で話をしている時、怪物が動き岩が落ちてくる。
  カークは、巻き込まれたものの無事だったが、
  岩壁を赤く腐食させて、怪物が現れる。
  カークと対峙して、フェーザー2を向けると後退する。
  敵対行為を示さない、カークは、撃つのを躊躇う。
  スポックとの通信で、殺傷に反対していた彼が、
  撃つように進言するが、今度はカークが、様子を見ると言う。
  カークの元へ、先を急ぐスポック。

  カークは、怪物と話をし出す。言葉は通じないが、
  先程負傷した部分から、白い泡のような物が出ている。
  シリコン球体が、数多くあるので、カークは倉庫のようだと思う。
  座り込んだカークの元に、スポックが駆けつける。
  怪物に、フェーザーを向けるスポックを制止するカーク。
  保安部員の捜索を指揮する少佐に、船長命令がない限り、
  「誰も通すな」 と命じるカーク。

  言葉が通じないので、最後の手段としてバルカン心霊術で
  精神融合を触れずに手を翳し、テレパシーだけで試みるスポック。
  怪物に触れた途端、痛みと苦しみだけが伝わってくる。
  怪物は、岩を腐食させて、スポックから読み取った知識で
  岩に文字を書いた。”NO KILL I”と、意味は理解できないが、
  これで、高度な知識を有している事が判った。
  スポックが先程読み取った意識の中に、この怪物が自分の名前を
  ホルタと、名のっていたことも判った。

  カークは、通信でホルタを治療させるため、Dr,マッコイを呼ぶ。

  更に深く読み取る為に、今度は直接接触して、精神融合を図る。
  スポックの痛みは、激しく苦しそうだ。
  そこへ現れたDr,マッコイは、スポックのしていることに驚き、
  人間でない物を治療しろ、というカークに呆れながらも、治療に入る。
  スポック『 生命の終わり、破壊者。 』 
  カークは、スポックに命じて、ホルタに伝えるように言う。
  循環ポンプを還してくれと、そして、治療に全力を尽くすと、
  スポック『 理解した。生命の終わりだ。永遠の終わり。
こ、ここを出てトンネルへ入れ、生命の部屋がある。
泣け、子供のために、静かに中へ、明日への祭壇の中に
あぁぅうぅ・・・祈れ、殺された子供達、
あぁぅうぅ・・・欲しい物はそこに有る。
行け、行け、悲しみ、悲しみ、生命の終わり。
   ゆけ、トンネルの中へ、横道へ入れ、早く、
さぁ、早く。 』 
  言われて、カークが横穴を進んでいく。
  
  奥穴へ通じる入り口で、
  保安部員が施設の作業員を制止している。
  カークは、横穴の空間で、
  割れた多くのシリコン球体の残骸を発見する。
  残骸の殻は、赤く変色している。

  Dr,マッコイは、エンタープライズに何かを、
  転送するように命じている。
  スポックは、精神融合を続けている。
  スポック『 眠い、時間だ、悲しい、侵略者、・・・・・・・・ 』
  
  カークが横穴から戻り、心霊術から目覚めるようにスポックを呼ぶ。
  無傷の循環ポンプを左手に持ち帰り、割れた残骸を右手に持ち、
  この球体が、ホルタの卵である事を理解した。
  孵卵期にあった卵の多くを、工夫たちが岩を掘ることで殺し、
  怒ったホルタが、侵略者に復讐したのだ。
  カーク達と対峙したときは、既に弱っていたものと思われる。

  奥穴の入り口では、施設の作業員達が、
  保安部員を棍棒で殴って気絶させ、
  カーク達の居る場所へ入ってきた。
  カーク 『 待て、撃つな! 』
  エド・アペル『 殺せ! 』
  カーク 『 最初に撃った者は、殺す! 』
  バンデルベルグ『 そいつは、部下を50人も殺したんだぞ! 』
  カーク 『 我々が、先に危害を加えたんだ。 』
  バンデルベルグ『 なに?! 』
  カーク 『 君達が、片っ端から壊していた、そのシリコン団塊は、
  卵だったんだ。教えてやってくれ。 』
  スポック『 ここには古代から、ホルタが生息しているが
彼らは、5万年ごとに、死滅する習性を持っている。
   残るのは、一匹だけだ。その残った一匹だけが、
卵の世話をし、守り抜き、全員孵ると母親の役を務める。
無数の子供のだ、これは全種族の唯一の母親だ。 』
  カーク 『 ホルタは平和を愛し、知性もあり、温厚だ。
だから、君達が卵を壊し、始めるまでは、
人間が、この惑星に来ても、敵意を持たなかった。
彼女の行為は、子供の命を脅かされた母親として、当然だ!
責めるのは、間違っている。 』
  カーク 『 さぁ、循環ポンプだ。君は確か、
ここは、作業さえ簡単に出来れば、
素晴らしい鉱物資源の宝庫だと、言ってたな。
ところが、このホルタは、岩の中を自由に動き回り、
後に無数のトンネルを残す。
   正に、宇宙一の工夫と言えるだろう。
だから、ここで共存共栄を図るために、
条約を結んだら、どうだろう。
彼らが掘り、君達がそれを貰う。
そうすれば、生産作業は、
これまでの何倍も、スピードアップするはずだ。 』

  Dr,マッコイが、ホルタの傷を治した。
  エンタープライズから転送させた、緊急避難所作製用の
  シリコンベースの熱コンクリートで、
  ホルタを壁塗り芸術作品に治療した。

  彼女に、人間の意思を精神融合で伝え。
  お互いの平和を乱さない事と、これまでの謝罪。
  スポック『 まぁ、我々人間と付き合うのも、参考になるでしょう。 』
  
  エンタープライズ、ブリッジ。
  通信で、バンデルベルグと話すカーク。
  バンデルベルグ『 卵が孵り始めたんで、知らせようと思ってな。
帰ったばかりで小さいのが、もう掘り始めているよ。 』

  バンデルベルグ『 ホルタも慣れてくると、可愛い動物だよ。 』
  通信が終了すると、スポックが、
  スポック『 面白いな、今チーフが言ったのと同じ事を、
あのホルタが、私に言っていましたよ。
人間の姿は、君が悪くて好感が持てないが、
慣れれば大丈夫だろう、って。 』
  マッコイ『 ほゥ、人間がね。
  序でに、その耳のことも、御しゃってなかったかね。 』
  スポック『 はっきり、聞いてませんが。
人間の部分でこの耳だけが、
魅力的だと感じていたようですね。
でも、これが私だけだと、分かったらガッカリ、 』
  カーク 『 その耳が気に入ったのかね? 』
    スポック『 船長、ホルタは高い知性を持ち、
非常にデリケートな生物でして、趣味も高尚ですね。 』
  カーク 『 その耳を誉めたからか? 』
  スポック『 いえ、そうは言ってませんよ。 』
  カーク 『 これは、観察するに足る面白い傾向だな!
君は性格的に、次第に人間に近付いて来てるな! 』
  スポック『 理由もなく、公の場所で、侮辱するのは、止めてください! 』
  
  ムスッと、なって持ち場に帰るスポック
  カークも、Dr,マッコイも、笑顔だ。
  カーク 『 ワープ2で前進! 』
  
    
        宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ









 ジェームズ・T・カーク / 船長
(JAMES TIBERIUS KIRK)
(矢島正明)       ウィリアム・シャトナー

ミスター・スポック   / 副長兼科学主任
(Mr.SPOCK)
(久松保夫)        レナード・ニモイ

ドクター・マッコイ    / 医療主任
(Dr.LEONARD H.McCOY)
(吉沢久嘉)        デフォレスト・ケリー

チャーリー・スコット  / 機関主任
(MONTGOMERY SCOTT)
(小林 修・内海賢二) ジェームズ・ドゥーハン

 ミスター・カトー  / パイロット
(HIKARU SULU)
(富山敬・田中亮一 )    ジョージ・タケイ

ウーラ / 通信士官
(UHURA)
(松島みのり) ニシェル・ニコルズ 

チェコフ / ナビゲーター
(PAVEL ANDREIEVICH CHEKOV)
(井上玄太郎) ウォルター・ケーニッグ
 
クリスティン・チャペル / 主任看護婦
(CHRISTINE CHAPEL)

メイジェル・バレット 
(公郷敬子・島木麺子・北見順子)


ジャニス・ランド

コメント(6)

           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #021 死の楽園 」

  宇宙の海を行くエンタープライズ。
  惑星が、ビューワーに映る。
  エンタープライズ。ブリッジ。船長席に座っているカーク。
  操舵士 『 オミクロン・ケティ3番星に接近中。 』
  カーク 『 標準周回軌道に乗れ! 』
     操舵士 『 はい。 』   
  椅子から立ち上がり、通信ステーションへ歩くカーク。
  ウーラ 『 船長。 』
  カーク 『 どうした? 』
  ウーラ 『 命令通り、5分置きに発信していますが、
  何の応答もありません。続けましょうか? 』
  カーク 『 周回軌道に正確に載るまで、続けたまえ! 』
  ウーラ 『 はい。 』
  今度は学ステーションのスポックに話し掛ける船長。
  カーク 『 Mr,スポック、あの惑星には、150名の開拓者が居る。
  彼らの生存の可能性は? 』
  スポック『 全く有りませんね。バーソルド光線は、
発見されたばかりで、まだその性質は、
完全に解明されていません。
生きている動物細胞を分解させる事だけは、
間違いありません。3年も経てば、
彼らが生きているとは、考えれませんね。 』
  カーク 『 サンドバル・グループの開拓者は、
死ぬのを承知で、あの植民星に未来を託したのか? 』
  スポック『 少なくとも危険は、覚悟していた筈です。 』
  カーク 『 我々はどうだ、惑星上に降りると、生命は危ないか? 』
  スポック『 細胞の分解は、急激には起こりません。
  短期間なら、生命に異常はないでしょう。 』
  操舵士 『 周回軌道に載りました。
   開拓地の位置を確認。 』
  カーク 『 宜しい、ありがとう。 』
  船長席に戻り、座りながら命令を続けるカーク。
  カーク 『 Mr,スポック、私と共に上陸する者を5名、
  選んで装備を施したまえ!
  Dr,マッコイと 生物学者を入れるように、
  10分後に集合。 』

  惑星に転送されてくる6名。
  カーク、スポック、Dr,マッコイ、Mr,カトー、クルー2名。
  探知機の操作をして、辺りを調べ始めるスポック。
  惑星の開拓地は、静かで人の気配がない。
  農場の柵の前で、立ち止まるカーク。
  カーク 『 ここでも夢が敗れたか!
地球から1年もかかって来た、
彼らを待っていたのは、死だ! 』
  柵から離れて、2.3歩前へ出る6名。
  サンドバル『 早合点は困る!
オミクロン・ケティ3番星へ、ようこそ!
私は、エリアス・サンドバル。 』
  惑星のカーク達の前に、3名の開拓者が現れた。


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8213』
  『 オミクロン・ケティ3番星に作られた、農業開拓地には、
  もはや生存視野は居ないと、考えられたが、
  明らかに、我々の得た情報は間違っていた。 』


  サンドバル『 地球を出てから4年間、
我々以外の人間を見たのは、初めてだ。
   早くこないかと、願っていたんだがね。
宇宙通信装置が故障して、それを直せる物が、
恥ずかしいが誰も居ないんだ。 』
  カーク 『 えぁ、Mr,サンドバル、実を言うと、
我々は、通信が途絶えたから来たのではない! 』
  サンドバル『 そんなことは、問題じゃない。
兎に角、ここへ来てくれたんだ。
さぁ、一通り案内しよう。 』
  開拓者3名が勝手に歩いて、どこかに行く。
  マッコイ『 単なる推測だが、経験から言うと、
  あの男は生きてるんじゃないのか? 』
  船長に皮肉を言う、Dr,マッコイを一瞬、睨むカーク。
  スポック『 船長、この惑星は、
  バーソルド光線の衝撃を受けています。
これは、報告通りです。しかも、この濃度では、
一週間以上いれば危険ですね。なのに! 』
  カーク 『 なのに、開拓者達は、生きてるか!? 』
  スールー『 本当は、死んでるんじゃないですか? 』
  マッコイ『 しかし、君も握手した筈だ。
生きている事は、まず体温から見ても間違いはない。 』
  スポック『 しかし、バーソルド光線にあたれば、
死ぬことも、間違いのない事実ですね。
奇跡的に、生存することは考えられません。
治療法も、血清も、解毒剤もなく
長時間・晒されたら、動物は死にます! 』
  カーク 『 止めたまえ!
  無駄な議論はよして、解答を見つけよう。 』

  サンドバルの案内で、一軒の家に入る上陸班。
  農夫が二人、鍬を振るって仕事をしている。
  サンドバル『 開拓地は2ヶ所あって、ここには45名いる。 』
  カーク 『 何故、分散させたんだね? 』
  サンドバル『 3つに分けたほうが、発展できると思ったからだ。
もし、一つのグループが、病気にかかっても
後は、影響を受けずに済むからね。
このオミクロンは、農業的に理想の惑星なので、
我々としては、探検隊の悲劇を
二度と繰り返したくは、なかったんだ。 』
  部屋の奥から、一人の若い女性が現れて、
  サンドバルを呼んだ。彼女の顔色が変わる、
  見つめ合う彼女とスポック。
  ライラ『 サンドバル。 』
  サンドバル『 ライラ、お客を紹介しよう。
こちら、植物学者のライラ・カロリーだ!
カーク船長、Dr,マッコイに、Mr,スポック。 』
  ライラ『 Mr,スポックは、知り合いよ。・・・・・久しぶりね。 』
  彼女の顔は、嬉しさと懐かしさを讃えていた。だが、
  無言のスポックに、少しガッカリした顔を見せる。
  カーク 『 実は、我々は命令を受けてきてね。
  調査やテストや・・・・・・・・ 』
  サンドバル『 どうぞどうぞ、やってくれ。
    この開拓地の素晴らしさが、解るだろう!
    我々の哲学は簡単で、
    人類は単純な生活に戻るべしだ!
    だから、機械類も殆んどない。
    自動車や武器は勿論だ!・・・・・
    あるのは、平和と完全な調和だ。 』
  カーク 『 邪魔はしないように、注意する。 』
  サンドバル『 まぁっ、どうぞ楽にしてくれ。 』
  みんなが、それぞれの調査の為に、散らばって行く。

  Mr,カトーとクルー1名が、付近の調査をしている。
  Mr,カトーが腰掛けたバルコニーの手すりの下に、
  美しい花が弐輪、咲いている。
  もう一人のクルーが、牛小屋の扉を開け、疑問を口にする。
  Mr,カトーは気付く、この農場に、一匹の家畜さえ居ない事に

  サンドバルがライラに、スポックとの出会いと恋の行方を聞いていた。
  スポックとの恋が、うまくいかなかった事。
  彼が、感情を表さない事。

  クルーの植物学者が、惑星の一部地域しか、開墾されていない事実。
  10年の歳月が、示す開墾地が少なすぎる事を
  カークに報告する。Dr,マッコイから通信が入る。

  人間何かしら、傷や骨折跡などの痕跡が、
  医療用トリコーダーで検知できるものだが、
  この惑星の開拓者達には、それが見られない。
  この星に、来る前の記録には、肺炎の後遺症で、
  肺に傷が残っていることが、記載されている。
  サンドバルの体は、完全な健康体なのだ。
  カークは、機械の故障を疑うが、
  マッコイ『 いやっ、じゃないかと、思って自分をテストしたら、
肋骨の古い傷や切り取った扁桃腺に、
正確に反応を示したよ!しかも、
サンドバルの場合、肺の傷は記録しなかったが、
昔、切り取ったはず盲腸が、
健在であると反応を示したんだよ。 』

  
  スポックの後ろに、ライラがいる。
  Mr,スポックは、探知機で探査して、虫が一匹も居ない事に気付く。
  スポックは、ライラに聞く、この惑星で人間だけが、
  生き延びている秘密を。彼女に案内されて、
  彼女が最初に、花の苗を発見したと言う。
  スポックが、足を踏み出したが、花に気付いた途端、
  華から白い花粉が吹き出し、スポックに吹きかかる。
  スポックは、最初苦しむが次第に楽になり、
  気持ち良くなって感情が、目覚めライラへの愛が湧く。


  『恒星日誌 補足 』
  『 我々は、宇宙艦隊司令部よりオミクロン・ケティ3番星から
  全員、撤去させるよう命令を受けたが、どう言う訳か
  リーダーのエリアス・サンドバルが、全ての協力を拒否した。 』
  
  カークからの通信に、中々でないスポック。
  感情の芽生えたスポックに、もう仕事をする気など無い。
  携帯通信機の反応発信を追いかけて、居所に駆けつける、
  カーク、スールー、クルー1名。
  笑い声を上げるスポックに驚き、付いて行くと
  花の花粉を浴びてしまう。だが、何故かカークには、効き目が無く。
  スールーと青服のクルーは、笑いが溢れ陽気になる。

  転送地点に戻り、Dr,マッコイに声をかける、すると
  ドクターは、酒にでも酔ったかのようにカークを
  「坊や!」と、呼んだ。通信から聞こえてくる転送部員も変だ。

  エンタープライズに戻り、少尉に声をかけると、
  ウーラが、通信機能の殆んどを壊していた。
  エンタープライズ内部にも、ドクターによって、例の花が持ち込まれ、
  クルー全員が、花粉による中毒症状を引き起こしていた。
  通信は、地上との通信だけに限られ、
  艦隊司令部に連絡することも出来ない。
  カークは、ブリッジにあった枯れた花を 床に叩きつけた。
  船内のクルー全員が、地上への転送順番待ちのために、
  行列を作っていた。カークが命令しても、平然と聞き入れない。
  

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8215』
  『 謎の植物の胞子は、換気装置によって船内にバラ蒔かれた。
  その結果、乗組員は続々とオミクロン・ケティ3番星へと、
  船を離れていくが、私には、彼らを止めることが出来ない。
  なぜ、私だけ影響を受けないのか、不思議だ。
  しかも、Dr,マッコイには、謎の現象を説明する意思は、全く無い。 』

  地上に降りて、Dr,マッコイやMr,スポックと話すが、
  欲望を捨てた暮らしに、取り付かれた人間には通じない。
  エンタープライズに一人戻るも、誰一人としていない。
  
  
  『恒星日誌 宇宙暦0401.8217』
     『 私を残して乗組員は全員、転送されて惑星へ上陸した。
  反乱だ、ウーラ少尉が通信を効果的に破壊していったため、
  連絡できるのは、下の惑星だけだ。
  船は、数ヶ月間、このまま周回軌道を回り続けることが出来るが
  私一人では、軌道離脱は不可能だ。
  事実上、私は宇宙に孤立した。
  私は今はじめて、この船の大きさに気付いた。静かだ!
  どうしたら部下を呼び戻せるのか、
  どうしたら謎の植物の影響を消せるのか、
  私には、楽園の代わりに提供する物が、何も無い。 』

  気弱になったカークに、ブリッジに残っていた花の胞子が
  襲い掛かり、陽気になったカークは、船を捨てようとする。
  スポックに連絡して、トランクに服を詰めていたとき、
  勲章に目を止めてから、次第に正気を取り戻す。
  カークは気付く、感情がキーだと、
  
  『恒星日誌 補足 』
  『 終に、解答を発見した。だが、このプランの遂行には、
  非常に危険が伴う。Mr,スポックは、我々人間より、
  遥かに力が強く、下手をすると私は、彼に殺されるかもしれない。
  しかし、あえてこの危険に、挑戦するのだ。 』

  うまく、嘘をついてスポックを呼び出し、エンタープライズへ
  転送して、彼の悪口雑言を並べ立て、激しい感情を引き出して、
  格闘することで、その効果を更に上げ、胞子の影響を取り除く。
  しかし、カークのダメージは大きい。
  壁にぶつかり、床に倒れこんだ。
  椅子でカークを殴ろうとしたときに、正気に返るスポック。
  カーク 『 あの胞子は平和を好むのが、特徴で、
激しい感情が彼らを破壊してしまう。
だから、君を出来るだけ怒らせる必要があったんだ。
これが、唯一の解答だよ! 』
  スポックを侮辱する事ほど、辛いことはないだろう。
  しかし、仕方がなかった。
  乗組員救出の為、催眠音波を携帯通信機を通じて流すことにした。
  
  スポックは、ライラに別れを告げる。
  地上の乗組員達は、音波の影響で苛立ちに満ち、喧嘩する者
  次第に、影響から開放される。次々に、戻る旨の連絡が来る。
  乗組員を転送収容し、開拓者達を撤去作業が完了した。
  
  Dr,マッコイによれば、胞子が残した影響に、
  惑星を離れても、開拓民の健康状態は、完全のままだ。
  マッコイ『 人類が、楽園から放り出されたのは、これで2度目だな! 』
  カーク 『 いやぁ、今度は自分の意思で、抜け出したんだ。
人間は楽園には、向いてないのかも知れん。
常に努力する、宿命にあるんだろう。
戦い、這いずり上がり、一歩一歩と前進する。
妙なるバイオリンの音で、優雅に踊るのは、柄じゃなくて。
ドラムで行進するのが、相応しい。 』
  スポック『 美しい詩だ、芸術家ですね。 』
  カーク 『 惑星に関する詳しい、君の報告は、まだ聞いてなかったな? 』
  スポック『 話すことは、余りありません。ただ一つ、
生まれて初めて、私は・・・・・幸せでした。 』

   
        宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #022 ゴトス星の怪人 」


  宇宙を行くエンタープライズ、ブリッジ。
  Dr,マッコイが、ブリッジに入ってくる。
  ナビゲーター『 前方異常なし、探知機に反応ありません。 』
  カークの秘書が、ブリッジメンバー全員に、コーヒーを給仕している。
  カーク 『 そちらの反応は、Mr,スポック。 』
  Dr,マッコイが、船長席の横に立つ。
  スポック『 重力反応に明確な変化なし、空間密度はゼロです。 』
  カーク 『 Mr,カトー、ワープ3で前進!・・・・
ベータ・シックス植民星は、緊急に補給を必要としている。
先を急ごう。 』
  船長席、右横にスポックが立つ。
  マッコイ『 まるで砂漠だな。砂漠と言えば、美しい砂丘に
  オアシスに、蜃気楼だ。 』
  カーク 『 太陽に、椰子の木か。 』
  マッコイ『 んー、 』
  カーク 『 我々は、そう言う砂漠から400光年も離れている。 』
  怪訝な顔で聞いていたスポックが、堪りかねて話し出す。
  スポック『 砂漠という言葉の正確な意味は、
  水の無い、不毛な荒地のことですよ。
  そのような土地に、ノスタルジアを感じる事など出来ません。 』
  マッコイ『 君には、理解できなくて当然だ。
君の、その数学に凝り固まった脳は、蜃気楼など見ても、
何の感激も示さないだろうからな。 』
  スポック『 どうもありがとう、ドクター。 』
  船長席、右横からナビゲーターの横に歩くスポック。
  スポック『 予定通り、象限904に進行中。
  ベータ・シックスまで、あと八日かかる・・・・んっ? 』
  カーク 『 どうかしたのか? 』
  秘書が持ってきた、パッドに記録しながら聞くカーク。
  スポック『 異常を発見しました!
前方空間にかなりの規模の変動をキャッチしています。 』
  カーク 『 ナビゲーター、確認できるか? 』
  足早に身を翻して、科学ステーションに戻って行くスポック。
  ナビ・ 『 いえ、探知機には、何の反応も・・・
今、現れました!
たぶん何かの、光の歪みに入った為だと思われます。 』
  カーク 『 スクリーンにキャッチ! 』
  スクリーン・スイッチを押す、ナビゲーター。
  ナビ・『 成分は、鉄と珪酸、惑星サイズ、マグネチュード1-E。
 接近しています。 』
  スポック『 これだけの物が、記録に残っていないとは不思議ですね。 』
  カーク 『 しかし、現に存在するんだ。調査する時間はない!
科学部は、コンピューターに収めるデータを集めろ!
宇宙通信で、発見を司令部に報告! 』
  ウーラ 『 強力な妨害の為、通信できません。
  惑星が、自然障害になっているのでしょう。 』
  カーク 『 影響外に離れよう、
Mr,カトー、針路変更、右40度! 』
  スールー『 右、40度! 』
  操作を始めようとしたMr,カトーが、急に立ち上がり、一瞬にして消えた。
  カーク 『 カトー?! 』 操舵席に、駆け寄るカーク。
  操舵をしようとしたカークも、席の前で一瞬にして掻き消える。
  それを見て、声にならない驚きを見せるウーラ。
  ナビ・『 大変です!、消えました。 』
  これを聞いて、初めて気付くスポック。
  スポック『 非常体制、全速後退! 』


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8335』
  『 カーク船長に替わり、副船長 スポック記録。
  我々は、宇宙の砂漠に浮ぶ、謎の惑星を周回している。
  既に4時間、あらゆる計器操作を試みたが、
  カーク船長と舵手カトーの存在を確認できない。 』


  ブリッジにチャーリーが、入って来て操舵席の左横に立つ。
  同様に同じ位置に立っているDr,マッコイとMr,スポック。
  チャーリー『 繰り返し操作したが、何の反応も現れないぞ!
消えて無くなったんじゃないのか? 』
  ナビ・『 表面には、何もキャッチしません。
計器が、故障したんでしょうか? 』
  後ろから回り込んで、操舵席とナビ席の間に来るスポック。
  スポック『 正常に働いている。捜査を続けたまえ。
ウーラ少尉、宇宙周波は全てチェックしたか?! 』
  ウーラ 『 はい、全て何の反応もありません。 』
  ナビ・『 これではダメです!直ちに惑星へ降りて
捜査活動を、始める許可を与えてください。 』
  マッコイ『 デサルの意見に賛成だ! すぐに出かけよう。 』
  スポック『 決定は、私が下します。
乗組員の安全を守る義務がある。・・・・・
   Mr,ジェイガー、惑星表面に於ける
地球・物理学的な見解を頼む! 』
  ジェイガー『 土および植物は確認できず、温度は非常に高く、
大気は有毒。激しい嵐が吹き荒れている。
火山の噴火が、絶え間なく起こり、生命維持装置が無ければ、
どの様な生命も先ず、生存することは不可能だ。 』
  スポック『 二人が、惑星に居るとして、
装置を持たずに生存できる時間は?! 』
  ジェイガー『 短い。 』 皆が一様に気落ちする。

  ウーラ 『 Mr,スポック、見てください。 』
  通信ステーション上部のスクリーンに、
  なにやら文字が送信されて来ている。
  通信席に歩み寄り、ウーラの後ろで、
  スクリーンの文字を読み上げるスポック。
  スポック『 歓迎、祝意を表す。??んー、
宜しい、返信しよう。
エンタープライズより、惑星の発信者へ、
名を名乗れ! 』
  オレンジ色のチップを取替え、通信機を操作しているウーラ。
  更なる返信が来る。
  スポック『 ばん、バン、万歳? どう言う意味だろ、これは!
     ほぉーー、 』
  デサル『 空かっているんでしょうか? 』
  この言葉を聞いて、
  通信ステーションから船長席に着きながら、こう言った。
  スポック『 誰でも意見の有る者は、遠慮なく言いたまえ。 』
  マッコイ『 何かの生物がいるという事は、まず間違いないな。 』
  スポック『 そうらしいですね。転送ルーム、準備。 』
      チャーリー『 自分も捜査隊に加えてください!。 』
  スポック『 私と君は、船を離れてはイカン!・・・・
Mr,デサル、上陸班を編成するから
十分な通信器具、武器および生命維持装置を準備しろ!
Mr,ジェイガー、あなたの知識は、下で必要と思われる。
Dr,マッコイが同行する。もし、船長か、Mr,カトーが、
今の異常な通信を発したのであれば、
精神状態に注意したまえ。・・・・出発! 』
  スポックを除く5名が、準備の為に解散した。
  操舵・ナビ席を離れる、ジェイガーとデサル。替わって交代要員が座る。

  転送ルーム。 チャーリーが転送装置を操作する。
  上陸班3名が、レーザー・ビーコンを持って転送される。
  口には、酸素マスク仕様の生命維持装置を装着している。

  惑星上に転送された、Dr,マッコイ、デサル、ジェイガー。
  嵐が吹き荒れているはずの惑星は、穏やかな状態である。
  ジェイガーがトリコーダーで、調査を始めた。
  空気も毒性はなく、地球と同じ酸素濃度。森も広がっている。
  携帯通信機で、船に連絡が取れない。
  ビーコンで反応を見るも、上手くいかないようだ。

  デサルが、一軒の建物を発見して、二人を呼ぶ。
  フェーザーガンで警戒しながら、内部に潜入すると、
  凍りついたように、生命活動を停止した、
  蝋人形の様になったカークとMr,カトー。
  3人の上陸班が入ってきた扉が、突然閉まる。
  中世ヨーロッパ時代のピアノの音色が響き、謎の男が現れる。
  エンタープライズ・クルーの気を引きたくて、
  カークとカトーを攫ったようだ。彼が、手を一振りすると
  凍り付いていたカークとカトーの生命活動が、元に戻る。
  この星は、惑星ゴトスの平和島だと、謎の男が言った。
  この屋敷に置いて、特徴的なピアノ、壁の彫刻や置物。
  そして、壁の大鏡が貴族の暮らしを真似ているようだ。
  カークは、状況を確認しようと、ドクターに聞く。

  自分から自己紹介をするカーク。
  カーク 『 惑星連邦所属のエンタープライズ号。
  船長のジェームス・T・カークだ! 』
  自分は、退役した元・トリレーン将軍だと名乗った。
  この謎の生物は、トリコーダーでの生命反応が無く。
  屋敷の内装は、900年前の物だとわかる。
  トリレーンの観察していた地球は、
  この場所から900光年離れているので、
  強力な長距離望遠鏡のような物で観察した場合、
  当然、地球は遅れた文明だと、勘違いする。
  カークは、900年前の地球を見ていたことを指摘したが、
  子供のように、捲くし立てカーク以下、
  上陸班の自由を拘束していることに変わりは無い。

  フェーザーを撃とうとするデサルを制止するカーク。
  フェーザーを麻痺にするよう命じたとき、
  壁の大鏡の前に立ち、背を向けているトリレーン。
  この我儘な男は、デサルの出生に興味を示す。
  序でにクルーを紹介するカーク。この隙に彼の注意を引き付け、
  フェーザーで撃とうとしたデサルの時間が、
  トリレーンの手の一振りで凍りつく。
  トリレーンは、フェーザーガンに興味を持ち、壁の置物を撃った。
  デサルが元に戻る。彼の隠された力の話になるが、
  気まぐれに話を中断する。業を煮やしたカークが、
  この場を離れようとすると、一瞬にしてカークを
  この惑星本来の有毒大気の中へ、送り込む。
  更に一瞬でカークを戻し、逆らえばこうなると脅す。


  『恒星日誌 宇宙暦0401.8337』
  『 カーク船長に替わり、副船長 スポック記録
  既に、この惑星の周回軌道を14回、
  周ったが船長はじめ上陸班の消息は解らない。
  しかし、探知機に補助エネルギーを与えて、ついに操作可能にし、
  惑星表面上に比較的安定している、
  ごく狭い地域があるのを発見した。 』

  エンタープライズでは、スポックが更なる探知機の改良を試みるように
  チャーリーに命じていた。
  カークは、トリレーンを何とか説得しようと試みるが、
  思春期の聞き分けの無い少年のように、カーク達の都合などお構い無しだ。
  カークの『400名に上る男女』の一言で、船内の女性に興味を持った
  トリレーンが、謎の力を使おうとした時、スポックの転送信号が照射される。

  転送で帰還したカークは、ブリッジに戻り、緊急発進命令を出すが、
  今度はトリレーンが、ブリッジに現れて再度、惑星上に戻される。
  デサルが果敢に、武器無しで殴りかかろうとするが、
  時間を止めて、制止させられては、どうしようもない。
  カークの頼みで、デサルは元に戻される。
  先の上陸班3名とカーク、Mr,カトー。
  今度は、Mr,スポック、ウーラ、秘書のテレサ・ロスが
  トリレーンの屋敷に連れ去られている。
  2人の女性の前で、この男は自己紹介をして、
  ゴトスの治安判事だ、とも名乗った。
  
  スポックに嫌味を述べた後、ウーラに謎の力でピアノを弾かせ、
  秘書のテレサとダンスをするトリレーン。
  ゴトスの治安判事は、カーク達を歓待する為に、
  酒や食べ物を用意していたが、形は真似る事が出来ても
  食料に味も素っ気もなく、彼の層の薄さが透けて見えた。
  彼の弱点は、エネルギーを物質へ変換できる、またその逆も
  可能な大規模記憶容量の高性能コンピュータが、
  どこかにあると仮定したカークとスポック。
  話を詰めている中で、妬けにトリレーンが大鏡から、
  いつも離れずに、話をしている事に気づく。

  カークは、トリレーンをワザと怒らせて、拳銃による血統に持ち込む。


  『恒星日誌 宇宙暦0401.8341』
     『 エンタープライズのブリッジに居た乗組員は、
  全員トリレーンと名乗る生物に、軟禁された状態となってしまった。
  エンタープライズに帰還できるか、どうかは、
  トリレーンの言う、名誉を賭けたゲームに係っている。
  私の手に握られた、決闘用の古いピストルの一発に、
  全てが賭けられているのだ。 』
 
  「先に撃たせろ」と言う、
  トリレーンの一言を仕方なく承諾するカーク。
  カークに向けると見せかけて、天を撃つ治安判事。
  カークの番が来た、トリレーンへ向けた銃を逸らし、
  心に秘めた狙いを込めて、大鏡を撃つカーク。
  割れた鏡の中から、機械が火を噴いて燃え上がり、
  屋敷の照明が消え失せる。
  トリレーンが怒りに燃えて姿を消し、カーク達は、転送で脱出する。

  エンタープライズに戻り、惑星から高速で離脱する。
  カーク 『 とても信じられん、悪夢のようだ。 』
  船が、ワープスピードに入った途端、惑星ゴトスが現れ、
  旋回して逆方向へ飛んでも、急上昇してコースを変更しても、
  惑星ゴトスが現れ、衝突を避けるため、周回軌道に載った。

  カークは、再度トリレーンと決着をつけるため、惑星へ転送降下する。

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8343』
  『 副船長 スポック記録。
  惑星に降りた船長からは、何の連絡も無い。
  やがて、1時間の待機時間が切れれば、
  船長を残して、出発しなければならない。 』

    カークは、ベータ・シックス植民星への到着時間を気にして、
  スポックに一時間で戻らなければ、軌道離脱を命令していた。
  惑星へ転送された時点に於いて、トリレーンの力を見ることになる。
     中世の裁判所を模した、法廷の被告席に立たされていたのだ。
  縛り首のロープが近付き、くだらない遊びに呆れるカーク。
  トリレーンへの意見が、説教に代わり、
  彼を新しい知識や経験のチャンスが、目の前にあるのに
  それを吸収しない『馬鹿者だ』と言うカーク。
  彼の残虐性を、言葉巧みに誘導して、『スポーツ性』がないとか、
  言いつつ、剣による人間ハントに持ち込み、決着をつけようとする。
  ゲームをするに当たり、条件をつけたカークは、
  エンタープライズ無事開放を約束させる。

  エンタープライズに、通信を試みながら森の中を逃げ回るカーク。
  彼の腕から剣を奪い取るカーク。
  斬りつけるも、一瞬にして姿を消し、また現れる卑怯者。
  対決しても無駄と判り2.3度、剣を受け流してから、その場を離れ
  船に連絡を試みるが、逃げ場を瞬間的に出現させた鉄柵で塞ぎ、
  カークの行く手を遮るトリレーンに、立ち向かう。
  彼の剣を取上げて折り、平手打ちを見舞う。

  その時、天空からエネルギー生命体が、トリレーンを呼ぶ。
  この2体の生命体に、逆らえない治安判事は、
  甘えた子供のように泣き、少しずつ薄くなり姿を消す。
  薄緑に輝く2体のエネルギー生命が、自分たちの息子の無礼を詫びた。
  船との連絡を取り、影響が消えた場所から転送帰還する。

    エンタープライズは、ベータ・シックスの周回軌道に載ろうとしている。
  スポック『 船長。 』
  カーク 『 Mr,スポック、まだトリレーンの事を考えているのか? 』
  スポック『 記録の問題ですが、何と表現しましょう。
   知性ですか、それとも知力か、エネルギーか、超生物なのか、
   何かに分類しませんと。 』
  カーク 『 戦いの神だ! Mr,スポック。 』
  スポック『 それは相応しいと、思いませんが。 』
  カーク 『 じゃあ、少年がいい!非常にいたずら好きの、 』
  スポック『 随分、毛色の変わった分類になりますね。 』
  カーク 『 事実、変わった少年だったからな!
最も、本人としては我々が、少年の頃にした悪戯と、
同じような事をしている、つもりなのかも知れんが 』
  スポック『 少年の頃にした悪戯? 』
  カーク 『 そうだ、ガールフレンドの髪の毛をインク瓶に着けたり、
隣の庭からリンゴを盗んだり、空き缶を車に・・・・・
       ああぁ、これはすまん、ウッカリして。
君には、解らんことだ。 』
  スポック『 非論理的ですね。 』
  
     
        宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ
またまた、Q の登場

20 「地底怪獣ホルタ」 The Devil in the Dark

http://www.startrek.com/startrek/videoview?id=2108433&episodeid=68712&count=-1


21 「死の楽園」 This Side of Paradise

http://www.startrek.com/startrek/videoview?id=2108432&episodeid=68710&count=-1


22 「ゴトス星の怪人」 The Squire of Gothos

http://www.startrek.com/startrek/videoview?id=2108425&episodeid=68696&count=-1


こんなもんでどうかな
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #023 危険な過去への旅 」


  惑星の周回軌道を周るエンタープライズ。船が揺れる。
  カーク 『 Mr,カトー、全力を尽くせ! 』
  スールー『 軌道を維持しています。
   でも、舵が重くて。 』 更に激しく、船が揺れる。
  もう一度、激しく揺れる。
  チャーリー『 コントロール回線が、過熱気味です。 』
  カーク 『 厳重にチェック! 』
  そう言って、席を立ち科学ステーションへ
  揺れる船のブリッジを、移動するカーク。
  カーク 『 Mr,スポック、これ以上の傷害は、危険だぞ! 』
  スポック『 あと2.3周で、障害の原因を突き止められる筈です。 』
  そう言い終わらない内に、操舵席から発火して、
  Mr,カトーが、ショックで椅子から床に、倒れこむ。
  カーク 『 Dr,マッコイ、ブリッジへ。 』
  通信でドクターを呼び、Mr,カトーの状態をしゃがみ込み、
  体に触れて、確認するカーク。
  チャーリー『 手動に切り替えます。まだ、軌道を維持しますか? 』
  カーク 『 どうだ? 』 チャーリーの言葉を受けて、
  Mr,スポックに確認を取るカーク。
  スポック『 これは科学的に、非常に重要な現象で、
     我々は時間の波を通過しています。 』
  カーク 『 軌道を維持したまえ! 』 Mr,カトーから、離れ
  立ち上がって、通信ステーションに移動するカーク。
  カーク 『 宇宙艦隊司令部に連絡!
非常体制でチャンネル・オープン!
まず、我々の計器に、この異常な反応が現れてから、
以下にて我々が、ここに来るかに至ったかを記した
恒星日誌を全文、報告したまえ!
私の判断では明らかに、この惑星上で、何かが、或いは何者かが 』
  ブリッジに、Dr,マッコイが駆けつけた。リフトの扉が開く。
  カーク 『 カトーを診てくれ!・・・・・ 』
  ドクターが、スールーの診察を始める。
  カーク 『時間流に影響を与え、
空間に変化を起す、障害波を作り出したのだ。 』
  再び、Mr,カトーの傍に、歩み寄るカーク。
  マッコイ『 動悸が激しい。コルドラジンを少し注射してみよう。 』
  カーク 『 危険な薬だ、万一の事があったら、 』
  ハイポ・スプレーの皮下注射で、Mr,カトーが笑顔で目覚める。
  マッコイ『 聞き逃したが、今なんて言ったんだ! 』
  伐が悪そうに、腰から屈めていた体を、直立に起し、
  カーク 『 誰がだね? 』 と言った。
  チャーリー『 時間波動をコントロール出来るようになりました。 』
  カーク 『 よし。 』 操舵席の後ろを通って、科学ステーションの
  赤い手摺りバーの前に来るカーク。
  カーク 『 Mr,スポック! 』
  操作パネルの作業を続けながら、報告するスポック。
  スポック『 一つだけコントロールできません。
まもなく、それに乗り入れますが、
かなり大きな波のようです。 』
  ドクターが、注射器を手に持って、中に残った薬液を確認している。
  途端に船が揺れて、ケースに戻そうとして、
  自分自身の腹部に注射してしまう。
  カーク 『 ドクター! 』 操舵席横に駆け寄るカーク。
  スールー、ウーラ、を始め4名が、マッコイに駆け寄っている。
  カーク 『 君達は、配置に着け。 』 スポックも後ろから来る。
  皆に引き起こされ、正座のような状態で気絶しているマッコイ。
  スポック『 自分で注射器を!? 』 注射器を取上げ。
  カーク 『 コルドラジンにセットされてた。 』
  スポック『 空です。 』 薬液の入っていた小さな筒を見て、
  カーク 『 非常救急班を至急、呼びたまえ! 』
  マッコイ『 ぅあ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁーー!! 』
  ドクターが両膝立ちになり、両の目を剥いて、苦しそうな叫び声を上げた。
  マッコイ『 人殺し、私は殺されんぞ!私は死なん!
先に殺してやる。こっちが殺してやる!! 』
  薬の副作用だろうか、気が変になったドクターは、幻覚を見ているのか、
  ビューワーの方向を見て、叫びながら、制止しようとする
  カークとスポックの手を跳ね除け、ターボリフトの前に駆け上がる。
  マッコイ『 捕まるものか、人殺し!人殺しー!! 』
  リフトの扉が開き、中に載っていた、
  一名のクルーを飛び掛かって追い出し、行ってしまった。
  寸での処で、リフトの扉が閉まり、追い切れなかったカークとスポック。
  ウーラに指示するカーク。
  カーク 『 非常体制! 』


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8532』
  『 コルドラジンは、2.3滴なら人命を救うが、それ以上は危険だ。
  だが、Dr,マッコイの体に、100滴に上る
  コルドラジンが注入されてしまった。
  その結果、表れた狂気の症状は、
  一時的なものか、永続的なものなのか
  今後、どのような変化が表われるのか、何一つ分からない。 』

  Dr,マッコイが転送室に現れて、後ろを向いて作業していた
  転送部員を襲い気絶させて、フェーザーガンを奪い、
  転送機を作動させた。

  エンタープライズ、ブリッジ。カークが入ってくる。
  カーク 『 現状維持、非常体制、継続! 』
  通信席を通過しながら、ウーラに指示を出し、
  科学ステーションのスポックの元へ。
  カーク 『 医療部の専門家にも予想は出来ない、
一度、多量に与えたら
誇大妄想狂になった記録があるだけだ。 』
  スポック『 それはライブラリー・テープで確認しました。
   患者は友人を恐れ、自分の生命が脅かされていると、
   ヒステリックに恐れ、手段を問わず、脱走を試みたそうです。
もし、それを妨害したら、その相手だけではなく、
患者自身・・・・・・ 』 通信の呼び出し音が鳴る。
  船長席に引き返すカーク。
  保安部員『 こちら保安部、緊急事態。 』 
  立ったまま、船長席の通信スイッチを押すカーク。
  カーク 『 ブリッジ、どうした?! 』
  保安部員『 こちら保安部054、
   転送ルームでチーフが、倒れていました! 』
  倒れていた転送部員が、苦しそうな声で報告する。
  転送部チーフ『 船長!ドクターが惑星へ降りました。 』
  スポック『 転送装置は、時間障害を引き起こしている
  地域に、焦点を合わせてあった筈です。 』
  カーク 『 ドクターは、一人で真ん中へ降りた訳だ!
  上陸班を編成、救出する。以上! 』
  そう言って、カークは通信を切り、ターポリフトに乗った。

  地上に上陸班、6名が転送されてきた。
  カーク、スポック、チャーリー、ウーラ、保安部員2名。
  スポックは、トリコーダーを操作し始める。
  カーク 『 この廃墟は、地平線まで続いている。
  ・・・・・記録開始! 』
  ウーラ 『 記録開始。 』
  廃墟の中に、親指と人差し指で作った輪のような、
  石造りの遺跡のゲートが、地中に浅く埋もれている。
  その場所へ歩を進める、上陸班。
  スポック『 かなり昔の物ですね。
   反応では、1万世紀を経ています。 』
  輪の前に立ち、命令するカーク。
  カーク 『 捜査班、散開!・・・・・・・・・
   この大きな輪は、何だ?
何かのエネルギーが、鼓動しているようだが、
分析したまえ! 』
  遺跡の左後方から、カークの傍に来るスポック。
  スポック『 とても、信じられません。 』
  カーク 『 何がだ? 』
  スポック『 時間障害は全て、これが引き起こしていたんですね。 』
  カーク 『 もっと、詳しく。 』
  スポック『 解りません。・・・・・・・・
私が、理解している科学では、
そのような事は、不可能な筈です。 』
  二人は、遺跡の裏に回り込む。話し続けるスポック。
  スポック『 現在も尚、活動しています。・・・・・
何百万キロ彼方で、我々がキャッチした時間の障害波も、
これが出していたんですね。 』

  ウーラ 『 上陸班からエンタープライズ。
ドクターの手掛りは、ありません。捜査続行中。 』
  ウーラ少尉に、保安部員が一名、同行している。
  岩陰から、マッコイが姿を見せる。二人は気付かないで行ってしまう。
  逆方向に、逃げていく狂気患者 Dr,マッコイ。

  遺跡の輪。
  スポック『 恐るべき力です。
  我々の知っている技術からは、考えられません。 』
  カーク 『 何だろ? 』 スポックが遺跡に、手で触れた瞬間。
  遺跡の輪の外延が光り、言葉を発した。
  管理者『 質問か? 』 言葉なく驚くカーク&スポック。
  管理者『 諸君らの太陽が燃え、人類が生まれる以前から
  私は、質問を待ち続けていた。 』
  カーク 『 何者だ?! 』
  管理者『 私は、永遠の管理者だ。 』
  カーク 『 と言うと、機械か、それとも生物か? 』
  管理者『 どちらでもないと言っておこう。
  私は私だ、他に同類はいない。 』
  スポック『 それでは、回答にならんな。依然として謎だ! 』
  管理者『 諸君が理解できるように、易しく言ったつもりだが、 』

  瓦礫の傍を通過する、チャーリーと保安部員1名。
  瓦礫の陰に隠れているドクターを発見できず、素通りしていく二人。
  また、逆方向に駆け出す、ドクター。

  遺跡の輪。
  スポック『 これは時間の門です。
他の時代や次元に通じる、一種のゲートに違いありません。 』
  管理者『 諸君のレベルで言えば、そうだ。
諸君の科学知識は、非常に低い。 』
  スポック『 なに? 』
  カーク 『 ショックかね? 』
  管理者『 見たまえ! 』 ゲートの輪の中から、霧が上から下に噴出し、
  その中心に、映像が映し出されている。
  管理者『 望むなら、過去への通用門になって見せよう。 』
  過去の映像が、次から次へと、映し出されていた。

  マッコイ『 人殺し! 』 捜索班に追われて、
  ドクターが、カーク達の元に現れた。
  マッコイ『 人殺し、捕まって堪るか! 先に殺してやる!
  いやぁ、殺してやるー! 』
  保安班とチャーリーに行く手を塞がれ、捕まるドクター。
  それでも暴れるので、スポックのバルカン・ネックハンドで
  気絶させる以外に、方法がなかった。

  カークは、時間の門を見つめている。何か考えがあるのか。
  カーク 『 スポック、もし、あれが過去への門だとしたら、
どうだろう?一度、ドクターを一日ほど、過去へ戻して、そして、 』
  スポック『 事故を再現しますか?
あの注射の事故だけは、起こらないように手配して、
しかし、過去は大変なスピードで、流れていますよ。
こちらの望む、正確な日に戻るのは、? 』
  カーク 『 管理者!、昨日のところまできたら、
  スピードを変えられるかね? 』
  管理者『 私は、この方法で過去を、提供するように作られている。
  変える事は出来ない。 』
  カーク 『 不思議な誘惑を感じる。
一歩踏み込めば、自分が過去の世界へ行ってしまうんだ。 』
      ドクターが、目覚め覚醒している。それに皆、気付かない。
  スポック『 ウッカリしてました。
トリコーダーなら、このスピードでも記録できる筈です。
何世紀もの、生きた記録を逃したとは、実に残念です!。 』
  徐に起き上がり、駆け出すドクター。
  チャーリー『 ドクター、待ってください! 』
  ウーラとチャーリーが、後ろから追うが一瞬遅い、
  カーク 『 ドクター、止めろ!! 』 カークの悲壮な声が響く。
  マッコイは、ゲートの時間流の中へ、飛び込んで行った。
  ドクターが入った後、映像は消え失せた。
  飛びかかって止めようとしたカークは、
  間に合わず地面へ体を叩き伏せた。
  カーク 『 どこへ行った? 』
  管理者『 今、表われていた過去へ、戻った。 』
  通信連絡音。ウーラが通信装置を出す。
  ウーラ 『 船長! 船との連絡が、切れました。
今、反応が有ったのですが、急に無くなってしまって
信号音も一切しません。 』 カークに手渡すウーラ。
  カーク 『 カークからエンタープライズ。・・・・・チャーリー。 』
  手に持っていた通信装置をスポックに渡し、
  チャーリーの通信機を試すように促す。
  チャーリー『 通信機には、異常ありません。 』
  管理者『 諸君の記録も船も、有った物は全て消えてしまった。 』
  
  カーク 『 ドクターが、歴史を変えてしまったんだ! 』
  チャーリー『 じゃあ、我々は此処に置き去りですか? 』
  スポック『 過去も未来も、何も無い! 』
  ウーラ 『 船長、どうなるんでしょう? 』
  カーク 『 もう、地球も無い!少なくとも我々の地球は、
  我々は、宇宙の孤児だ! 』
  天空の星空を見上げて、絶望するカーク。

  『恒星日誌 宇宙暦 なし 』
  『 我々にとって、もはや時間は存在しない。
  ドクターが、過去へ戻り、時間の流れを変えてしまったのだ。
  今や、地球もエンタープライズも、何も無い。
  望みは唯一つ、私とスポックも過去へ戻り、
  ドクターに、歴史を変える様なことを させない事だ。 』
  
  トリコーダーを使って、正確な位置と時間を割り出し、
  管理者の助けを借りて、過去の時代へタイムスリップした。
  マッコイより、何日か先に、この時代に辿り着いたカークとスポック。

  無事、過去の時代に辿り着いた、カークとスポックは、
  服を盗んだところを警官に見つかり、スポックの技で逃げ果せた。
  
  建物に隠れて、服を着替えたが、家の人間に見つかり、
  正直に、お金が無くて、服を盗んだことを告げると、
  エディス・キーラーと名乗った、この女性が雇ってくれる事になった。
  カークは、チェック柄のシャツ、スポックは帽子で耳を隠している。
  
  この家は、浮浪者に食事を与え、職を斡旋して、
  活動資金の足しにしている施設のようだ。
  先程のエディスが、壇上に上がり、演説を始める。
  この話に、少しばかりの興味があるスポックは、聞き入る。

  二人に割り当てられた部屋で、
  スポックの擬似・記憶装置作成が始まるが、
  材料不足の為、巧く出来そうもない。
  突然、部屋をノックして入ってきたエディスに、
  この装置を見られてしまうが、上手くごまかす。

  エディスに依頼された仕事をしている時に、
  時計修理用の精巧な工具が、この施設に有るのを見つけ、
  一晩だけ、スポックが拝借したのを、彼女に知られてしまう。
  その際、カークの頼みで一晩だけ、貸す事を承諾した彼女は、
  カークの正体に、薄々気が付いていることを話す。
  
  スポックに依頼された仕事を任せ、お借りする事を条件に、
  彼女を家まで送るカーク。

  スポックが例の工具で、トリコーダーと擬似記憶装置を接続して
  機械を調整していると、トリコーダーに入れた
  管理者の歴史映像のスピードを、落とすことに成功する。
  一瞬だけ、未来の新聞の映像が映る。更に調整を加えて、
  短時間、表示させることに成功する。驚いたことに、
  それは、エディス・キーラーの記事だった。
  その記事は、交通事故死の記事と 
  大統領と会談した、という記事だった。
  ここで機械は煙を噴き、これ以上のことは分からなかった。
  彼女こそが、カークとスポックの捜していた、歴史の分岐点となり、
  ドクターが過去の時代で、犯してしまう過ちの原因だった。
  修理の継続を、スポックに命じるカーク。

  マッコイが、この時代に遅れて現れた。
  時間のパラドックスとは、不思議な物だ。
  ドクターは、血の気が失せた白い顔になっていた。

  フラフラと町の浮浪者に絡んでいたドクターは、
  自分で気絶した隙に、フェーザーガンを奪われる。
  浮浪者はスイッチを入れて、オーバーロードさせてしまったのか、
  その場から掻き消える。
  
  翌日、不労者が集まる施設に姿を見せたドクターは、
  見かねたエディスに、奥の部屋に通され、看病される事に。

  エディス・キーラーが生き残った場合、
  アメリカは第2次世界大戦に敗北し、ヒットラーの帝国主義
  ナチズムが勝利することで、歴史が変わる。
  これは、彼女が平和主義者で、参戦反対に大きく影響するからである。
  カークは、彼女の命を奪わなくては、ならない事実に驚愕する。
  カークは、彼女を愛し始めていた。

  ドクターは、エディスに看病され、夢を見ていると思っている。
  ドクターは名乗る。
  マッコイ『 名前は、レオナルド・マッコイ。
現在、エンタープライズ号の医療主任を務めてます。 』
  コルドラジンの見せる幻覚だと思っているドクター。
  彼女は、ドクターが熱に浮かされて、うわ言を云っていると思っている。

  階段の上で立っている彼女に、声をかけるカーク。
  カークが階段の中程より、少し上まで登ったとき、
  エディスが足を踏み外す、空かさずカークが受け止めて助ける。
  エディスは、カークにキスをする。
  スポックは、彼女を助けたカークを責める。
  カークはまだ、ドクターがこの時代に来ていないと言う。
  スポックは、一時の気の迷いで、歴史が変わると言う。

  元気には成ったものの、まだ幻覚だと思っているドクターは、
  彼女と話す映画の話題で、この時代の俳優の名前が解らない。
  お世話になった御礼に、何かの御役に立ちたいと言うドクターに、
  友達と映画に行く約束があるので、後日お聞きするということで
  部屋を出る、エディス。約束の相手は、カークだ。

  施設の建物を出て、通りの向こうへ歩いてきたカークは、
  エディスの話す映画の俳優が、同じように解らない、
  エディス『 マッコイ先生も、同じ事お聞きになったわ。 』
  この一言でカークは彼が、この時代に来ていることを確信する。
  
  カーク 『 ここに居なさい。 』そう言って、通りの反対、
  出てきた建物のある通りへ、駆け戻っていく。
  カーク 『 スポック! 』 通りの東から、スポックが戻ってくる。
  カーク 『 そこを動かないで! 』 エディスに念を押す、カーク。
  扉が開き、正気を取り戻したドクターが、カークに抱きつく。
  その微笑ましい風景に、エディスが道路を横切って、歩いてくる。
  迫るトラックに、気が付いていない。
  道路を渉ってくる彼女に、気付いたカークが、
  2.3歩、前へ出て 身を硬直させる。
  カーク 『 エディス!! 』 跳び出して助けようとする、
  ドクターを身を呈して、止めるカーク。
  エディス・キーラーは、トラックに轢かれて死亡する。
  マッコイ『 君は、ワザと私を止めたな!助けられたのに、
  自分のした事が、解っているのか?! 』
  スポック『 誰よりも解っています。船長には。 』
  カークは、悲しみに震えていた。

  3人が時間を超えて、惑星に帰還する。
  チャーリー『 どうしたんですか?今、入ったばかりなのに! 』
  スポック『 見事に成功した。 』 カークの表情は硬い。
  管理者『 時間は正しい流れを取り戻し、全ては元に戻った。
  望むなら今後も、今のような旅は、可能だ。 』
  ウーラ 『 船長!エンタープライズが現れました。
  転送は まだか、と言ってますが。 』
  カーク 『 ・・・・・・・早く地獄を出よう。 』
  転送される上陸班。後には、空虚な廃墟が残った。

     
        宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ
「Q」:本当に過去を歴史を変えたと思っているのか?
    ん〜  今回は運が良かっただけさ。
    取り戻せないものもあっただろ。
    知っている という事は 残酷でもあるのだ。

23 「危険な過去への旅」 The City on the Edge of Forever


http://www.startrek.com/startrek/videoview?id=2108435&episodeid=68716&count=-1


少しは、私の気持ちもわかったかな?
           TOS  スタートレック / 宇宙大作戦

          「 #024 ベータ・スリーの独裁者 」


  見知らぬ街の一角を、Mr,カトーとオニール大尉が逃げてくる。
  服装は、19世紀のヨーロッパ初頭のような紳士の格好をしている。
  オニールが、バランスを崩して転び、支え起すMr,カトー。
  スールー『 オニール、諦めちゃダメだ!
   さあ、行こう。 』 
  オニール『 ダメだ、どこへ逃げても・・・・・ 』
  通りのショーウインドウ、一軒の店の窓際に、避難する二人。
  スールー『 でも、命令を受けているんだぞ!
   手掛りを見つけろって。 』
  オニール『 今更、なにをしても無駄だ!
       見ろ、こっちに来るぞ! 』
  中世時代の神父が、着る様な茶色のローブを着た何者かが、
  手に長い棒を持ち迫ってくる。反対方向から、もう一人。
  オニール『 ほら、あそこにも! 』
  携帯通信装置のスイッチを入れるMr,カトー。
     スールー『 カトーからエンタープライズ。どうぞ! 』
  カーク 『 こちらカーク船長! 』
  スールー『 至急、転送してください。緊急事態! 』
  カーク 『 転送ルーム、カトーとオニールにロック。
  直ちに、転送! 』 急いで、転送室に向かうカーク。
  オニール『 ただ、つ立ってないで、早くどこかに逃げよう! 』
  スールー『 今、動いちゃダメだ!すぐに転送が始まる。 』
  オニール『 逃げろ!その前に、捕まってしまうぞ!
   そうなれば、お終いだー! 』
  スールー『 オニール! 』
  大尉は駆け出し、その場に一人残ったMr,カトーの傍に、
  あのローブが近付き、長い棒の先で一突きする。
  Mr,カトーの体は、立ったまま一時的に硬直して、
  その瞬間に、転送収容されるMr,カトー。

  転送ルームに、駆けつけるカーク。
  カーク 『 カトー、どうした? オニール大尉は? 』
  スールー『 なにー? 誰だ? 』 笑顔で答えるMr,カトー。
  カーク 『 オニール大尉は、どこだ? 』
  笑顔だった彼の顔が、厳しい顔に変わる。
  スールー『 お前、同士ではないな! 』
  カーク 『 ドクターを呼べ! 』 チャーリーに、指示を出すカーク。
  チャーリー『 Dr,マッコイ、至急 転送ルームへ来て下さい。 』
  初めて目に入ったかのように、驚きを見せて、
  転送捜査代の前にいる青い服の科学仕官に、
  スールー『 お前、お前のせいだ!彼ら、すぐに見破ったぞ。
彼ら、こう云う服を着てるんだ!こんなんじゃない! 』
  と、言って、手に丸めて持っていた服を投げつけ、
  自分の着ていた、背広を脱ごうとして、カークに止められる。
  カーク 『 カトー、落ち着け。 』 
  天空を見つめているが、焦点が合っていないように呟くMr,カトー。
  スールー『 ランドルー、・・・ランドルー 』
  カーク 『 座って。 』 彼を座らせて、話を聞く。
  転送ルームに、Dr,マッコイが駆けつける。
  カーク 『 何があった? 』
  スールー『 みんな、素晴らしい。
彼らは、宇宙で 一番優しくて、親切な人種だ。
・・・・・・・・あそこは、天国だよ!楽園だ。 』
  カーク 『 オニール大尉は、どうした!? 』
  スールー『 天国だ! 』 既に、気が狂っていて、会話にならない。
  Dr,マッコイは、片膝を着き、彼らの会話を聞いているが、
  確実にMr,カトーが、変質していることに気が付いた。
  スールー『 天国だー! 』


  『宇宙、それは人類に 残された最後の開拓地である。
  そこには人類の想像を絶する、新しい文明、新しい生命が
  待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして、
  5年間の調査飛行に飛び立った、
  宇宙船U,S,S,エンタープライズ号の脅威に満ちた物語である。』
 

  『恒星日誌 宇宙暦0401.8432』
  『 100年前に、行方不明となった
  パトロール船アーコン号を探すため、惑星ベータ・スリーに
  接近した我々は、Mr,カトーとオニール大尉を、
  偵察班として派遣した。だが、帰還したのは、Mr,カトーだけ。
  しかも、異常な心理状態を示している。
  このため、自分で調査することにした。 』

  カーク 『 転送、無事完了、待機せよ! 』
  小型通信機を、懐に入れるカーク。一人の男性が横切る。
  スポック『 おかしい、あの男の表情を見ましたか?
  穏やか、そのもので放心状態ですね。 』
  カーク 『 カトーと同じだ。 』
  彼らの服装は、19世紀後半の服装に、着替えていて、
  カトーが、気が狂いながらも、指摘した言を利用している。
  カーク 『 ここの人間は全て、そうかも知れんぞ。
  ・・・・・・・・行こう! 』
  歩き出した上陸班に、一人の男が声をかける。
  男 『 わが友に、喜びを! 』
  右手を左胸の上に当てて、挨拶をする男に、
  カーク 『 喜びを 』 同じようして、挨拶するカーク。
  男 『 旅の方ですな?! 皆さん、祭りにいらしたんですか。 』
  カーク 『 そうだ。 』 頷いて、答えるカーク。
  男 『 宿は、まだ見つかりませんかな? 』
  首を振って、答えるカーク。
  男 『 レイジャーの家へ行きなさい、泊めてくれるでしょう。
でも、急いだ方がいいですね。そろそろ、始まりますよ。 』
  街の大時計の方を指差して、男が話す。
  カーク 『 あ、その祭りは、6時から始まるのですか? 』
  女性が二人、別々に通りかかり、その一人に声をかける男。
  男 『 トゥーラ、皆さん祭りにいらっしゃったんだ!
君のパパに頼めば、泊めてくれるだろ?! 』
  トゥーラ『 谷から、いらしたの? 』
  リンドストローム『 ええ、今ついたばかりで。 』
  トゥーラ『 きっと、父が便宜を図ってくれます。 』
  優しく、頷くカーク。
  トゥーラ『 ほら、あそこです。 』 
  彼女が見た方角に、目を向けるカーク達。
  その時、街の大時計が、6時を告げる鐘を鳴らす。
  街の住人たち全てが、怒り狂ったように暴れ出す。
  怒り狂ったように笑う者、ガラスを割り、人に襲い掛かる者。
  カーク達も襲われ、身を避けるが、それでも物が飛んでくる。
  カーク 『 ここに居ては、危ない! 』
  上陸班、全員が街の建物に避難する。
  中には、3人の紳士が立っていた。

  カーク 『 あの。申し訳ありません。余りの歓迎に驚いて! 』
  ティマー『 歓迎?旅の方かね? 』
  カーク 『 ええ、そうです。あの・・・谷から、 』
  ヘイコン『 祭りに観えたのかね? 』
  カーク 『 ええ、 』
  ヘイコン『 ここへ、何しに来たんだ? 』
     リンドストローム『 レイジャーさんは? 』
  レイジャー『 私だ!? 』
  リンドストローム『 トゥーラさんは、お嬢さんですね? 』
  レイジャー『 そうだ。 』
  保安部員『 早く、呼び戻さないと、危険ですよ! 』
  レイジャー『 知ってる、でも祭りだ!ランドルーの思し召しだ! 』
  ヘイコン『 レイジャー、この人たちは、みんな若い。
何故、みんなと騒がないんだね? 』
  レイジャー『 他所の方だよ。 』
  ヘイコン『 谷にも、執行官は居るはずだろう。
だったら、ここと同じ じゃないか? 』
  カーク 『 多分、ここなら泊めていただけると、聞きまして! 』
  レイジャー『 ほら見なさい、一息入れる為に、ここへ観えたんだよ。 』
  ヘイコン『 しかし、祭りは、もう始まとっるんだぞ。 』
  ティマー『 ヘイコン、きっと谷にはね、別の慣わしがあるんだよ。 』
  ヘイコン『 じゃあ、ランドルーは谷には、居ないと言うのかね?。 』
  ティマー『 いやぁ、そうじゃなくて、谷には谷の慣わしがあるのだろう。 』
  レイジャー『 宿を探しに観えたのに、次げなく断れるか。
    ・・・・・さぁ、どうぞ! 』

  町の通りでは、火が燃え若者が、狂喜乱舞している。
  その様子を2階の窓から、眺めるカーク。
  カーク 『 ランドルーか?!・・・・・・・・・
       兎に角、朝までの時間を有効に使おう。
 ドクター、大気の中に何か、異常な物が含まれていないか、
    調べてくれ!リンドストローム、この不思議な現象を
     分析して、解明する手掛りを掴みたまえ!Mr,スポック、 』
  そう言って、扉を開けて廊下の先を見つめるカーク。
  5.6秒たってから、扉を閉める。スポックが、扉の前に来る。
  カーク 『 君は、私と今後の計画を立てよう。
明日の朝、ここを出たらすぐ実行に移したい。 』
  朝6時前から、カークが窓の外を眺めていると、鐘が6時を知らせ、
  町の若者が、全て放心状態に戻り、静かに歩いていく。
  カーク 『 スポック!起きろスポック!ドクター。 』
  扉の外から、大きな泣き声がする。その声に全員が、目を醒まし
  身なりを整えつつ、階下に降りた。
  
  泣いていたのはトゥーラで、父親のレイジャーに抱きしめられていた。
  狂ったようになく彼女を、横で慰めるティマー。
  レイジャー『 さぁ、もう大丈夫。起きて待ってたんだ。
  もう、大丈夫、泣き止んで。もう、終わったんだから。
  少し、横になりなさい。さあ、しっかりして!
  パパが、付いてるよ。もう、大丈夫! 』
  手で合図を送るカーク。Dr,マッコイとスポックが、
  彼女を部屋へ連れて行く。
  部屋へ行こうとしたレイジャーを引き止めて、こう云うカーク。
  カーク 『 注射をさせましょう。鎮静剤でも、大丈夫ですよ。 』
  リンドストローム『 どうして、今まで知らん顔してたんですか?!
 なんて酷い父親なんだ! 』
  レイジャー『 ランドルーの思し召しだ! 』
     カーク 『 何ですか、ランドルーとは、誰です? 』
  ティマー『 じゃあ、やっぱり君達は、祭りに出なかったのか? 』
  カーク 『 ええ、 』
  レイジャー『 じゃあ、同士じゃないのか?信じられん! 』
      恐ろしい物でも、見るように娘の部屋に行く紳士レイジャー。
  
  マッコイ『 眠りました。 』 部屋に入ってきた父親に、告げるドクター。
  レイジャーは、アーコン号の事件を知っているようだ。
  何故か、執行官というのを、恐れているようだ。
  上陸班を隠す、隠れないの、話をしていると、
  ヘイコンが、執行官を連れてやって来て、
  ティマーを執行官が、長い棒から毒ガスを出し、処刑する。
  カークには、執行官の言っていることが、判らないが、
  彼ら、二人の執行官が、理不尽な行為に及んでいることに変わりなく、
  拘束・連行を口にする彼らに、カークに従う意思はない。

  執行官に逆らい続け、例の長い棒を取上げ、スポックが一見したが、
  ただの筒だった。執行官は、ロボットのようだ。逆らうカークに、
  動きを止め、何かを考え始めた。
  レイジャーは、ランドルーが来るから、逃げ出そうと言うので、
  建物の外に出て、放心状態を装い、ユックリ歩いて逃亡する。

  町を行く一般人達の動きが止まり、ランドルーのテレパシー命令で、
  カーク達をノンビリとした動きで、
  片手に武器を持ち襲って来ようとしている。
  フェーザーを麻痺にセットし、道を切り開いて、逃げるカーク達。
  麻痺光線で倒した人たちの中に、操られていた
  オニール大尉を確認、担いで連れて行く。

  レイジャーの隠れ家に、着いた上陸班は、レイジャーが
  隠し持っていたライトパネルの、光の恩恵を受ける。
  彼は、これの製造法を知らない。何千年も前の品だそうだ。
  大尉は、ランドルーのテレパシー・ロボットにされていて、
  レイジャーの話によれば、彼は危険な存在となってる。
  
  この惑星には、レジスタンスもいて、その数も残り少ないようだ。
  アーコン号が強力なエネルギーで、破壊されたことも解かった。
  カークは、エンタープライズへ連絡を取る。
  船は地上から、熱線による攻撃を受けていて、
  軌道が下がり始め、スクリーンを張っていなければ、
  そう長く持ちそうもなく、軌道脱出など出来ない状態になっていた。
  熱線の出所を破壊しなければならないが、その時、
  ランドルーの探知光線で、一人の男の映像が現れ、
  一方的に話を伝えてくる。探知光線の音波が、次第に強くなり、
  聞いていられない程の周波音が、響き全員気絶する。


  『恒星日誌 宇宙暦0401.8434』
  『 惑星ベータ・スリーから依然として、
  ある種の熱線による攻撃を受けているエンタープライズ号、
  技術主任チャーリーの指揮下にあり、防御スクリーンを張って
  熱線の攻撃を防ぎながら、軌道の維持に懸命である。
  一方、上陸班はランドルーと呼ばれる。
  何者かの捕虜になってしまった。 』

  石造りの広い牢屋に監禁された、上陸班一同。 
  気絶からカークが目覚め、みなを起こして回る。
  装備品一式を奪われ、対処できない。
  メンバーの中に、ドクターと保安部員が一名、欠けている。
  執行官に伴われ、ドクターとクルーが返って来るが、
      既に、ランドルーの奴隷にされていて、話にならない。
  執行官に連行されるカーク。

  何かの装置で、奴隷のようにしているようだ。
  連行してきた執行官に変わって、マルプロンと名乗った男が、
  装置の操作を始めた。

  スポックは、ドクターに心霊術を試すが、効き目がないようだ。
  今度は、スポックが連行されていった。

  入れ違いに、このふざけた世界に吸収されたカークが、
  この装置のある部屋を出て行く。
  性格の変わってしまったカークを見て、スポックの顔がきつくなる。

  装置に架けられたスポックには、効き目がなかった。
  どうやら、免疫の影響により、効き目が変わるようだ。
  操作をしていたマルプロンは、レジスタンスの一人のようだ。
  この男の話によれば、カークも芝居をしていたらしい。
  スポックは、フェーザーを返して貰い、芝居をして部屋を出る。

  牢に戻った二人は、気の触れているドクターに見破られ、
  仕方なく気絶させ、更に牢に来た執行官をも、殴り倒し
  ローブを奪って、誰も会った事の無いランドルーの
  謁見の間へ、マルプロンに案内させた。

  謁見の間に入り、ランドルーを呼ぶと映像が現れ、
  一方的に話をするので、フェーザーで映像の映っている壁を撃ち、
  機械室を露出させた。
  このコンピューター装置を破壊しようとした時、
  音波の照射を受けて、フェーザーが使用不能になる。
  ランドルーは、6千年前に死亡していて、
  心までは、プログラム出来ていないと、多くの矛盾を突いた。
  善を口にするこの記憶装置に、人間を身勝手な論理で、
  拘束し、想像力を取上げる行為は、悪だと肯定する。
  機械は、計算能力を超え、煙を噴き、ショートし、脆くも壊れる。

  エンタープライズに連絡を取るカーク。
  船も通常軌道に戻り、Mr,カトーも正常に復活した。
  他の上陸班の転送を命令した。


  『恒星日誌 宇宙暦0401.8437』
     『 エンタープライズは、恒星組織C−122−ベータ・スリーを
  あとにしようとしている。ベータ・スリーの文化は、
  残ったリンドストローム達、社会学者グループが、
  本来の姿に戻してくれるだろう。 』

  
  スポック『 素晴らしい! 』
  カーク 『 なにが? 』
  スポック『 あのランドルー2世です。
技術の最高傑作ですね。何百万という人間を、
支配できるコンピューターとは、驚きました。 』
  カーク 『 と言っても、ただの機械すぎん!
ランドルー1世は、あれに全ての知識を与えたが、
知恵や同情心や理解力、即ち魂を与えることは、
出来なかったんだ。 』
  スポック『 それは純粋な理論ですよ。
私は、具体的にこの手で、動かせる物を好みます。 』
  カーク 『 君なら、もっといいコンピューターが作れるなー! 』
  スポック『 ご親切に感謝します。 』 皮肉に震えるスポック。
  ウーラ 『 船長!Mr,リンドストロームからです。 』

  船長席のスイッチを入れるカーク。
  カーク 『 カークだ! 』
  リンドストローム『 お別れの挨拶をと、思いまして。 』
  カーク 『 どんな様子だ? 』
  リンドストローム『 いい傾向ですね!。
今朝、もう6件の家で夫婦喧嘩が有り、
派手な殴り合いも2回、起こりました。
みんな、人間らしくなって来ましたよ! 』
  カーク 『 将来は、明るいな。頼むぞ! 』
  そう言って、通信スイッチを切ったカーク。

  スポック『 皮肉なものですね。
これまで人類は、何度となくあのような
平和な社会を作ることを、夢見てきたのに。 』
  カーク 『 そうだ!感謝した方がいい。失敗した事をね! 』
  一見、平和な社会には、選択の自由が無いのである。
  それを決めるも、壊すも、その人の決断力一つである。

   
        宇宙空間を行く
         N,C,C,-1701 エンタープライズ号 更なる航海へ

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

STAR TREK--YAMATO 更新情報

STAR TREK--YAMATOのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング