とりあえず怖い話。コミュの謎の女

(実話)

昔の話ですが、当時お付き合いをしていた彼の部屋にはじめてお泊まりした時の話です。

その日、私達はバーでお酒を飲み彼の部屋に行きました。彼は古くて雰囲気のある広い家に引っ越したばかりでした。
彼は大量にお酒を飲み泥酔状態でエッチなんてする状況ではありませんでした。彼を寝かしつけ、私はシャワーを浴びた後彼の横で眠りにつきました。
どの位時間が経ったのかわかりませんが、私は喉が渇いて目が覚めました。
目を開き時間を確認しようとしましたが、なんか人の気配がするんです。ベッドの横に誰かが立っていて私と彼を見下ろしているような気がするんです。
怖くて目が開けられません。それが生きている人間でもアチラの世界の人でもどちらにしても怖いので、私は寝ているふりをして寝返りをうち彼にしがみつきました。彼は爆睡しています。
寝返りを打つときに薄目を開けてみました。私と同じくらいの年齢で私とはタイプが全く違う女がそこに立っていました。部屋の灯りは消していましたが外から入る薄明かりで茶色く染めてパサパサした髪と恨みのこもった目を見て、私はもう少しで叫びだすところでした。
その女はしばらくの間私達の横に立っていましたが足音をたてずに部屋から出ていきました。
私は恐怖で眠ることが出来ず、起き上がり部屋の灯りをつけて水を飲みました。洗面所で顔を洗い髪をとかそうとすると、寝る前に洗面所に置いたプラスチックの櫛のはが半分以上折れていたんです。
彼を叩き起こしてそれまで起こった事を話しました。
あの女は生きている人間で元カノじゃないのかと問いただしましたが彼は知らないの一点張り。
彼は私が寝ぼけたんだと言いながらシャワーを浴びに行ったのですが、短い叫び声をあげてシャワーも浴びずに浴室から出てきました。私は腕を掴まれ浴室に連れていかれました。
彼は浴室の縁を指差して震える声で
『それ、君の？』と聞いてきました。見るとそこには茶色い髪の毛が絡まったバレッタ(髪止め)がありました。私は髪を染めていませんでしたし、髪の長さも全然ちがいます。私は腰まである黒髪でバレッタに絡まっている髪の毛はあきらかに私のものではありません。
彼は本気で怖がっていましたが、私は疑惑の目で彼を見て彼の家を後にしました。

そのまま彼とは別れましたが、今でもあれは

1.元カノもしくは私以外に付き合っていた女
2.全く関係ない侵入者
3.あの世の人

のどれなのか、わかりませんが、どれにしても私にとっては怖い体験でした。