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とりあえず怖い話。コミュのでびノートν(34話目)

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「ありがとう!菫村!

オレ、こんなに面白いものが世の中にあるって知らなかった!」



「あ、ああ。

喜んでもらえて光栄だよ。

オマエセンスナイケドナ…」


「…ん?

ごめん、最後の方聞き取れなかったからもう一回言ってくれない?」


「あ、

ま、まあ、筒井との恋愛、頑張れよって事だよ」


「そっか!

ありがとう!!

…なんか、菫村が言ってた意味、解った気がする。

あのゲームで、色々な心理的な事とかそういうの、

すごい勉強になるんだな」


「ああ。

ま、まあな。

マアオマエハアマリリカイデキテナイケドナ…」



「…え?

最後の方ごめん、もう一回お願いできるか?」



「いや、

ま、まあ、これからももしバッタリ会えたら一緒に帰ろうぜ。

ワザワザクラスも違うのに待ち合わせまでして帰るってのもアレだからな」



「…ああ、そうだな。

今日はありがとう!菫村」


「ああ。じゃあな!」




 夕方四時、オレは菫村と別れて帰路に着いた。


…あ、そうだ。


 今日は父さんの見舞いに行ってから帰ろうと思ってたんだけど、すっかりわすれてたな…。

まあ、明日で良いか。




 父さんは、夏休みの頭くらいで退院できる予定だったが、

どうも倦怠感を感じるとの事で内科の診察を受けてみると、

…詳しくは聞かされていないんだけど、なにやら病気が見つかったようで、

入院が長引いている。


 …幸い、治らない病気では無いそうだが、

京子オバサンへの負担とか、そういうのも含め、

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。





 「…ただいま」




いつものように、誰も居ない部屋に挨拶をする。


鍵を閉め、自分の部屋に行き、机の椅子に座る。





「…ふぅ。

…に、しても、セフレ本当に面白かったな…。

…ぜんっぜん勝てなかったけど」



…ナツヒといい、セフレといい、

オレは何かをやるとハマる部分があるのかもしれない。


…それはつまり、

ヲタクINの危険性を秘めている素材という事だろうか…。




…ブルブルブル!

オレは、オタクじゃない!


オレは…筒井という、年上のキレイで強い(マジ強い)彼女が居る!!


…しかし、信じられないな。


 つい1年前までは人生どん底だった。

…イジメられ、誰からも相手にされず、

学校が嫌だけど、逃げる事も向き合う事も出来ず、ただただ殴られに行く日々。


 それが1年経てばどうだ。

あの貧相だった体も、それなりに筋肉が付いて、

イジメ所か菫村という友達も出来、

…しかも…彼女が…。


 ポッ!


「ウヒイイーー!」


筒井の事を考えると、オレはワケも無く奇声を発してしまった。


…あぁ…初めての彼女というのは、自分をおかしくするんだな…きっと…。





 …この幸せな日々。


…これらは…やっぱりでびノートと出会ってから、導かれるようにたどり着いたのではなかろうか…。





 ガチャッ。

ガラガラガラ…。


 でびノートの引き出しを開ける。


中には、キチンとでびノートが納まっている。



…邪険に扱ってしまった事もあったけれど…


でも結局、でびノートは律儀にオレが書いた事を遂行してくれているだけなんだよな。


…実際、ピンチになるといつも駆けつけてくれる。


「…ありがと、でびノート…」


オレはでびノートに声をかけた。




「…ん?」



と、でびノートの上から、チョコンと飛び出している青いものが目についた。



「…これは?」



よく見て見ると、それはあのエロが死んだ日に、青い鳥が落とした羽の先っぽだった。



「…青い羽…。

…はて…オレ、この羽を本に挟めた記憶は無いんだけどな…」


…オレの記憶では、この青い羽が落ちてきた日以降、でびノートを引き出しから出してすらいない。




…。



机の上を見る。



「…あれ?」



机の上に置いてある透明なガラスのコップ。


そのコップの中にも、青い羽が入っている。




「え…あ…


そうだ。


そうだよな。


たしかにあの日、オレは青い羽をこのコップの中に入れた。


間違いない」



…間違いない。


その証拠に、コップの中にはちゃんと青い羽が入っている。




…じゃあ…これは…。



 でびノートを見る。


…でびノートにも、青い羽らしき物体が挟まっている。




「…一体…どういうことなんだろう…」



オレはそっと、青い羽が挟まっているページを開いた。







…25〜26ページを。





…ん?何かが書いてあるぞ…。






…その内容を読み、オレは自分の目を疑った。









【名前】吉 来三
【時刻】7/26 16:00
【場所】警視庁本部
【出来事】 DQNに殺される
【結果】死亡   【済】






ガタガタ!!ドスン!




 思わず、オレは椅子から転げ落ちた。



「な…なんだこれは?


だ、誰が書いたんだ…?」




…オレは震える手で、でびノートを拾ってまた25〜26ページを広げる。

…見間違い。

きっとそうだ。見間違いだ。



…しかし、やはりそこには



【名前】吉 来三
【時刻】7/26 16:00
【場所】警視庁本部
【出来事】 DQNに殺される
【結果】死亡      【済】


…と記されている。




「ウ…ウソだろ…」


…字をよく見てみる。


「…これは…オレの字?」



…間違いなく、そこにはハッキリとオレの字で、エロが死ぬ内容が記されていた。




…なんで?



なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?



な  ぜ    ?



 なんでオレが?


オレがエロを殺す必要が…どこに??????



 信じられない。


  信じられない…。




「マジで…意味が解らない…。

どうして?


どうしてなんだ?」



…そうだ日付。


7/26 16:00…と書いてある。


…この日は朝から試合だったはず。

…ってことは…26日の朝までには書いていたって事だよな…。












…まさかオレが無意識のうちに書いた?



…いや、ありえない!!


絶対にそんな事あるはずがない!!!!



いくらオレでも…実際に書けば、ぼんやりとは覚えているはず。


…オレじゃない!


オレは絶対に書いていないぞ!!!



…。


…。



…じゃあ誰が?



誰が書いたっていうんだ?


…でびノートは、オレのところに現われる事はある。

…でも、それ以外の人間が手にするには、この引き出しの鍵を開けるしか…。


…いや、それもムリだ。

過去の経験上、でびノートは姿を隠す。

オレが人に見られたく無いと思った時は、例外なくその姿を隠してくれた。


…じゃあなぜ?

なぜ?


誰が?


…オレは…そもそもエロの事を信用していたし、エロを通じて自首しようともしていたんだ。


…オレがエロを殺すなんて…


   …あるわけがない!!!





…絶対にオレじゃない〜…じゃあ誰が…〜



その考えが、頭の中を堂々巡りする。


…ふと、その時、床に落ちた青い羽が目に入った。

その羽をそっと拾う。



「…この羽…」



そしてコップの中に入っている羽にも目をやる。



「…たしか…62年周期でしかやってこない渡り鳥だとか、ニュースで言ってた鳥の羽が…なんで2枚も…」




二つの羽を両手に持ち、見比べてみる。




「!!!?

こ…これは…」



二つの羽の大きさ、汚れ、キズ。


…不思議というか不気味というか、



二枚の羽はそれら全てがまったく同じように刻まれていた。


…これはまるで、【本当に同じ羽】なんじゃないのかというくらいに似ている…。




…手が震える…。

  足も…

    体も…。


言いようの無い不快感が体を襲った。


「オエェェエ…」


極度の精神状態の混乱からか、オレはその場で嘔吐してしまった。



「はぁ…はぁ…」



…そして、


まさかとは思うが…オレの頭の中にある憶測が浮かぶ。





もしかして…。





「…もしかして…エロを殺したのは…。






    違う時間軸のオレ…?」


(つづく)

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