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とりあえず怖い話。コミュのでびノートν(37話目)

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ネムネムネム…

あのぉ〜…ネムネム。

馬上君、少しお話良いですかぁ〜?…」


9月2日(金)

 時間も早いので、まだ人がまばらにしか居ない教室。

 朝登校すると、ネルがオレに声をかけてきた。


「…ファァ…、な、何?」


「オロロ…。
馬上君も眠たいのですか?
ファ…。
気が合いますねぇ…」

「ファ…。

べ、べつに気が合うとかそんなんじゃないけど…。
…ちょっと寝不足でね」

「ファ…。

そうなんですかぁ…オロロ。

何か悩み事でもあるのですかぁ〜?

何ならお聞きしますがぁ〜ファァ」


「い、いいよ。
ネルには関係無い事だよ」

…【でびノートの悪夢】にうなされて寝不足だなんて言えるワケ無いだろう…。


「オロロロロ…。
そうですかぁ〜。
ワタシ、人の相談に乗るのは得意なんですがねぇ〜。

ファァ〜」


「…。

そ、それより、何?

何か話があるんだろ?」


「ファ…。
オロロ、そうでしたそうでした。

あのぉ、単刀直入にお話させていただきますねぇ〜」


「…何?」






「…二年の時、アナタのクラスで沢山の生徒が亡くなりましたねぇ。


…ズバリ、殺したのはアナタですね?馬上君?」



「…な…」
ガタッ。


思わず、立ち上がってしまった。


…な、何なんだコイツは?

…何???


 もしや…バレた?


でびノートの事が?

…に、しても…。









  単 刀 直 入 す ぎ る だ ろ ! ! ! ! 
 



「…ウフフゥ〜。

図星ですかぁ〜馬上君〜?

ファァ…」



…ヤバイ…あまりに唐突に直球を投げられたものだから全身汗でビッショりだ…。


 オレは呼吸を整えるために、静かに深呼吸をした。


…少し気持ちが落ち着いた。



「…な、何を証拠にそんな事を言うんだよ…。

なんでオレが皆を殺すの?

っていうか…皆の死因を聞いたけど、中学生が犯行するのは不可能だって聞いたけど」



「ファァ…。

ウフフ。


そうでずねぇ〜。


…まあ、証拠はありませんよぉ。

ワタシには見当もつかないですぅ〜。


普通に考えてぇ〜


馬上君が犯行するのは不可能だって事も知ってますぅ〜」



…ホッ。

な、何だよ…。



「…じょ、冗談でオレをからかって聞いたの?

人が悪いなぁ〜、ネルは…」



「…ウフフ〜。

ヘヘヘ〜。スイマセンねぇ〜、いきなりこんな質問してぇ〜」



「…ハハハ。

まったく。

朝から変な事言うから、嫌な気分になっちゃったよ。

…まあ、気にしないけどね」


 ホっとしたオレは、笑いながらネルにそう答えた。



「ウフフ〜。

ネムネム…。


…あ、馬上君、勘違いしないでくださいねぇ?」


「…ん?」


「…たしかにぃ〜

証拠はありません〜〜。

馬上君があれらの犯行を手がけるのも不可能ですぅ〜。


…でもぉ〜、

ワタシ、犯人は馬上君だと確信しているんですぅ〜実はぁ〜。

ウフフフ〜〜〜」


…な…?



「…え?

い、意味がわかんないんだけど…」



「ウフフ〜。

…実は意味、

わかっちゃってるんじゃないですかぁ〜?


ウフフ〜。

…たしかに馬上君には証拠も無いし、アリバイもありますがぁ〜、


…これでもかってくらいの【動機】があるのですよぉ〜。

…ネムネム…。


…で、ですねぇ、


ワタシ、全てのつじつまが合う、一つの仮説を考えてみましたぁ〜」



「か…仮説?」



「ハイィ~。

そうですぅ〜。


…あ、

カセツって言ってもぉ〜、


一時的に設置する事ではありませんよぉ〜」


「…そりゃ仮設。

そういうの挟まなくていいから…」


「…ホホホォ~。

これはジョークですぅ〜。


…えっと、話戻しますねぇ〜。



…仮設というのはぁ、ズバリぃ〜、



【悪魔】


…の存在ですぅ〜」





…全身から、また汗が噴出した。


…自分でもわかる…オレの顔が引きつっているのが…。


…しかし、ここで素直に【はい、悪魔のノート持ってます】なんて言えるワケが無い…。


オレはもう一度深呼吸をした。



「あ…あのなぁ…。

そんな悪魔とか何とかってこじつけしていったら、

世の中誰でも犯人になっちゃうじゃないか…」


…よし。

我ながら、なかなかキレイにトボケられたぞ!



「…ウフフゥ…。

たしかにそうかもしれませんねぇ〜。


でもぉ〜、


この【悪魔の存在】のピースをぉ〜、

今回の事件にはめ込むとぉ〜。


…驚くほど、ピッタリとパーフェクトにぃ〜


ツジツマが合うのですよぉ〜。




    …アナタが犯人という事実のね…」



…ヤバイ…。

冷静に…冷静になれオレ…。


汗…止まってくれ!!!


 またまた深呼吸するオレ。



「…なあ、ネル…怒るぞ?

オレは至って普通に生活をしているんだ。

…そりゃあ、昔はいじめられてた事もあったさ。

…そんなオレが、悪魔を使って皆を殺しただって?

…バカバカしい!

めちゃくちゃな推理だよまったく…」



「ウフフ〜。

怒らせてしまったんですかぁ、

それはごめんなさいぃ〜。


…でもぉ、ツジツマは本当に合うんですよぉ〜」




「…だからさぁ…」



「…あ、馬上君。

…ネムネム…。

この【ツジツマ】っていうのはぁ〜、


 …今アナタがかいている大量の汗やぁ〜、


さっきからずっと自分を落ち着けようと深呼吸している事もぉ〜


含まれているんですよぉ〜。

ウフフフフ〜。


…どうですかぁ〜?


…今、ノリで認めちゃえばぁ〜?」




 …またまた、大量の汗が。


…とうとうアゴから滴り落ちる汗まで出て来た…。



「…な、

…と、とにかくオレじゃない!

オレはそんな事しない!!

以上!!」




「…そうですかぁ〜。

…残念ですぅ。

…ワタシ、嘘が嫌いなんですよぉ。

…嘘は、体にもよくありませんですよぉ。

嘘をついてると、免疫機能が弱くなってぇ、色んな病気にかかりやすくなるって、科学で証明されてるらしいですよぉ〜。


…できればぁ〜、素直な答えを聞かせてほしかったですぅ〜」



「…ふざけるな!!

も、もういい!!


悪魔だなんて…証拠も無いのにうるさい!!!

証拠が無いと、お前ら警察は捕まえる事は出来ないんだろ!」




「オロロ…。

たしかにぃ…、証拠が無いっていうのは致命的ですぅ〜。

…でもぉ、

アナタが自供してくれればそれで済む話なんですよぉ〜」


「オレはやっていない!!

もう、喋りかけないでくれ!!

今後一切だ!!!」


ガタッ!


オレは自分の席に座り、耳を塞いで机に顔をうずめた。




「オロロ…。

…馬上君ごめんなさいですぅ…。

…ワタシ…馬上君が素直に全てを話してくれると信じて、質問してしまいましたぁ…。

…気分を害させてしまった事…深く反省しますぅ…。

…ごめんなさい…」



「…」



 オレは、その後二言三言話しかけてきたネルを完全に無視した。

そうしていると、ネルも諦めたのか、自分の席に座り、うつ伏せて寝始めた。




 自分の机にうつ伏せて、寝たふりをしてチャイムが鳴るのを待つオレ。


…非常に時間が長く感じる…。


 …しかしネルの奴…。


…勘か?

…それとも、自己紹介で言ってた瞬発IQ650とやらで推理したのか…?


【悪魔の存在】というピースを当てはめると、全てのツジツマが合うと言いやがった…。


…ドンピシャじゃないか…。


…くそう…何なんだよコイツは…。


 …怖い…怖いよマジで…。


  …オレから…全てを奪うつもりなのか…?


…くそう…筒井とこれから、幸せな日々を過ごすんだよオレは…。

…その未来を…もぎとろうとしてるのかよコイツは…。







 でびノート…。



  ドクン…。


胸が高鳴った。


…昨日の夜…でびノートの世界を見てきて、すごく嫌な気分になった。


…でも…オレの幸せな平凡な人生において…。


 …ネルという邪魔者が現われた…。


 その邪魔者を…オレの平凡な人生を歪ませずに消す方法といえば…。










 …やはりでびノートを使うしか…。



…ネルは気付いている。

ほぼ100パー。


オレが、皆を殺した事を…。



…そしてエロと違うところは、


【悪魔の存在】とかいう、現実では思いもつかない部分に、


…いきなり触れてきやがった…。



…しかも、オレの汗や呼吸までしっかりと観察する洞察力まであるようだ…。



…くそう…。


…やるか?


今晩…ネルをやるか?



ノートに名前を書く…か?


…どうしよう…。



書くか、書かないべきか…。


もう少し様子を見るか、それとも無条件でスパっと斬るか…。


キーンコーン…カーンコーン…。


 …色々と考えをめぐらしていると、チャイムが鳴り、朝のHRがはじまったようだ。


担任のウッディーが出席を取り始めた様子だ。

「…」

「…」

「…」


「…馬上クン」


「…はい…」



オレは机にうつ伏せたまま返事をする。

…なんとなく心の底で、隣の席のネルと顔をあわせるのが怖いと感じているのかもしれない。



…そうだ、ここは、運を天に任せてみよう…。


…もうそろそろ、チャイムも鳴る。

…一時間目の授業が始まるはずだ。


…もし…今オレが机にうつぶせている顔を上げて、


【ネルが寝ていたら】…今晩ネルを殺ろう…。


…まあ、ネルは猫並みに寝ている印象があるから、助かる可能性は0に近いかもしれない。


…フフフ。


 オレの見立てでは、おそらくチャイムが鳴るまで、あと1分!!!



ネルは寝ているか、起きているのか!


いざ!!



確認!!!










 ガバッ!!




オレは勢い良く顔をあげた。







「…!!!?

あ、あれ?」




何だこれは!!??


 ネルうんぬんとかいう前に、


 教室には、オレ以外誰も居なかった。


…一体、何がおこっているんだ?



 慌てて、壁に貼ってある時間割表を見る。


そして知った。








「ヤッベ!

一時間目体育だった!」





 …キーン コーン カーン コーン…。


 諸行無常の鐘が鳴った。

(つづく)

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